東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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想像してみよう!

上半身裸で、パンツ一丁で、狐のお面をかぶり、そのお面にサングラスをかけ、
手袋をし、マフラーをした男の姿を。

これが今日の私の寝巻(パジャマ)です(キョウキ は こんらん している ! ▼)

あと、こんなふざけたこと言った後であれですが。
遅れて申し訳ありませんでした。


37ページ目 古代塚の鉄壁は里を守りたい その①

熱い、赤い液体の中より出流した私の身体。

冷たい、青い水より固められた私の魂。

 

自らの肉体は、大地の神と海原の神の恵みにより創られた。

しかし、それはあくまでも「素材」。

造り手は誰だったか。それは忘れたのか、それとも知らないのか。分からない。

 

だが私の役割だけはしっかりと理解している。

 

目覚めさせること。

自らが何かを目覚めさせる鍵のうちの一つだと、理解している。

 

だが自分一人では鍵としての役割を果たせない。

 

それにここがどこなのかさえ不明。

どうしたものか。

 

近くに木造の建築物が立ち並んでいるのは目で見て理解できる。

 

ドサリ

 

後ろで音がしたため、振り返るとそこには人がいた。

尻もちをついて、震えている。

 

どうやら怯えているらしい。

とりあえず、ここがどこなのか尋ねてみる。

 

「じ じ ぜ じ ぞ」

「うわあああああああああ!でたあああああああ‼」

 

どこかへと走り去ってしまった。

どうしたものか。とりあえず、ここはどこかに身を隠し、体を休めるとしよう。

 

 

 

そして、日が開けた。日は、南の空に高く昇って行き、また西の空に沈みゆく。

 

その様子を、ただ眺めて一日が過ぎてしまった。

 

 

もうすでに辺りは暗くなっている。

情報を集めることはできなかったわけだし、これからどうするべきか。

 

 

お?今気が付いたが、目の前に何かがいる。

誰かを担いでいるらしい。

 

取り合えず、「ここがどこか」。声をかける。

 

「じ・じ・ぜ・じ・ぞ」

 

「!?・・・なっ、後ろ・・・?」

 

 

そこには、見たことのない、人ではない「生物」がいた。

人の姿をしているが、それが擬態であることはすぐに分かった。

根拠はなく、本能で。自分でもよく分からないが、分かってしまったのだ。

 

見れば、向こうの人(?)は警戒している。

叫んだり、逃げたりしないところを見ると、もしかしたら話が通じているのかもしれない。

 

こっちに向かってなにやらブツブツ言っていたこいつは、ササッと素早く跳躍した。

 

ああ、せっかく話を聞いてくれそうなやつが・・・。と思い、追いかけようとしたら

足がうまく動かず、地面に突き出ていた石に引っかかり転倒する。

 

しかし、追いかけなければならない、という考えが強く体を起き上げようと

手を置いたらそこにもまた小石が突き出ていて、石より硬い自らの掌は石の上を滑り

変に勢いが付き、転がっていってしまう。

 

 

目が回る。

世界が回ってしまう。

 

「誰かぁー!助けてくれぇ―‼」

 

さっきのやつが何か叫んでいたが理解できず、また転がるのを止めることもできないので

そのまま身を任せることにした。

 

 

 

しばらくして、森に突っ込んだ。

 

そこで少しの間倒れていたが、こんどはちゃんと土に手をつき無事起き上がる。

 

「くぅ・・・卑怯だぞ!」

声がして、その方に体を向けると先程の人(?)がなにか凶悪な生き物に囲まれていた。

 

雰囲気からして、険悪らしい。

そして、あの情報を得やすそうな人(?)が危機にさらされている。

 

ここで瀕死になってもらっては、後々面倒になるかもしれない。

ここで助けておけば、もしかしたら情報をもらえるかもしれない。

 

 

ならば助けておこう。

 

とりあえず、自分から見て一番近い奴に体当たりを食らわせて、吹き飛ばす。

 

次に、エネルギーを両手に収集して放つ。吹き飛んでゆく。

残りのやつらは逃げていった。

 

さて、これで助けたことになるが、この人(?)が情報をくれるかどうかは分からない。

 

 

ただ・・・

 

「・・・あぁなんだ。言葉が分かるとは思わないが・・・

 そのぉなんだ・・・感謝する。ありがとう」

 

その意味の分からない言語を聞いたとき、少し胸の内が沸き立つような気持ちを覚えた。

 

 

 

さて。

 

どうするか。

 

私と妹紅は、この怪物についての謎を解明すべく朝もや立ち込める里に帰ってきた。

今日は休日となっている。寺子屋は休みだ。

 

だからこそこの怪物を隠すのに寺子屋を利用した。

ここならば、休日中の間はこの子(なのか・・・?)を隠せるだろう。

 

妹紅「さて。とりあえず、こいつは何なんだ?

   最近見るようになった新種の妖怪の仲間か?」

 

妹紅が、その子を指でコンコンつつきながらこっちに問いかける。

 

慧音「そうだろうな。ただ、この子はおとなしいよ。

   私のことを妖怪から守ってくれた」

 

妹紅「ほう・・・。お前でも手を焼く妖怪っていんのか?」

 

慧音「あっ、この子が私を守ってくれたことに感心したわけじゃないのか?」

 

妹紅「慧音を襲う不届きな奴がいると聞いちゃ、いてもたってもいられなくなってな。

   ああ、別にそいつに感心していないってわけじゃないよ」

 

慧音「そうか。まぁ、私とは言え四方八方を多数で囲まれたら苦戦を強いられるさ」

 

妹紅「四面楚歌だったってわけか。助けてもらってよかったな」

 

慧音「ああ。一応例は言ったんだがー・・・」

そこで少し放置していたこの子のことをチラリと見てみる。

 

「・・・・・」

反応なし。

 

慧音「正直言って何を考えているのか・・・。言葉が通じているのかどうかも分からない。

   一応何か言ったら相槌を打つように鳴き声・・・なのかな?

   とにかくなにかを言い返してくれるんだが、分からないんだ」

 

妹紅「ふ~ん。そうか。まぁ悪い奴じゃなければいいんだがね。

   あっ、ところであの虹色の巨鳥についてなんだが(ビュオオオオオオ‼

 

ゴッ

 

 

 

突如。寺子屋の窓からありえないほどの風が吹き込んでくる。

それと同時に冷たい何かが体に打ち付けてくる。

 

水。雨の様だ。激しい、豪雨だった。

その豪雨と建物を揺らさんばかりに荒ぶる突風に怖気づき、頭を伏せて床に這いつくばる。

 

チラッと目だけ動かして、あの子を確認してみると微動だにしていない。

やはり体の光沢と言い、重量感と言い、肉体は「鋼鉄」でできているんだろうか。

 

そんなことを考えている間に風と雨は勢いを増してゆく。

 

「ばりゅるるるるるるーっ‼‼」

 

まるで何かを高速でかき混ぜるかのような現実味の無い轟音が辺りに響き渡る。

 

しばらく、そこで身を伏せて、雨風を凌いでいたが、一つの疑念が胸の内にくすぶった。

 

「これはもしや『異変』なのでは?」

 

この突発的な暴風雨。十分異変の可能性はある。

 

妹紅「なあ!この豪雨と突風!もしかして‼」

風の音に負けない音量で妹紅が話しかけてくる。

 

慧音「ああ!もしかしたらだが・・・!異変の可能性は十分にあり得るぞ!」

私も豪雨の音に劣らないほどの声量で返す。

 

妹紅「なら・・・解決するぞ!」

 

慧音「確かにそうしたいが・・・この雨と風では弾幕なんてまともに当たらないぞ!」

 

妹紅「そんなの・・・気合で乗り切ってやるぞ!」

そう咳き込むように言うと、まるで妹紅自身が風になったかのように素早く寺子屋の

扉を蹴り飛ばし外に出てゆく。

 

慧音「そうだな・・・このままどこの馬の骨とも知らない妖怪にずぶ濡れにされるのも

   癪だしな・・・いっちょやってやるか!」

私もそう意気込んで、全力を振り絞り扉から吹き込んでくる風を押しのけて外へと出た。

 

 

ビュオオオオオオオオ‼‼

 

寺子屋の中とは比較にならない圧倒的な風量が私達を襲ったが、立ち止まることは許されない。

 

「じ じ ぜ じ ぞ」

聞いたことがある妙な鳴き声が聞こえ、風でまともに開けられない目を見開いて後ろを見れば、あの子が立っている。

 

そしてそのまま風に屈することなく私と妹紅の前に立ちふさがり、風を遮ってくれた。

 

妹紅「お!助かった!これで完全に風が防げるわけではないが、ありがたい!

   ありがとうな!」

 

「じじぜじぞ」

 

慧音「しかし・・・この風を起こしているのは・・・?」

空を飛んで確認しようと思い。力を放出しようとしたら妹紅に止められた。

 

妹紅「やめとけ!この風と雨の中では飛んだら逆に吹き飛ばされてしまう!

   こいつを壁にしてなんとか原因を探すんだ‼」

 

そうだ。確かにこの中を飛べば、腕と足を風に捉えられ、遠くへと吹き飛ばされてしまう。

 

慧音「・・・そうだな。じゃあ妹紅、左の方を探してくれ。

   私は右だ・・・・・!?」

 

見つけた。

 

まさかこんなにもあっさり見つかるとは思わず、少し驚愕してしまった。

 

 

 

 

白髪のようなトサカのような。妙な飾りを頭につけている。

また紫色の二本角が頭から飛び出している。

表情はひげを蓄えた人間の男性の様だが、何しろ緑色に染まっているので

鬼やゴブリンを彷彿とさせる。

また体は顔と同じ緑色で、所々に勾玉型の紫色模様が散りばめられて、かなり毒々しい。

 

なにより目を引いたのは、腰から下の下半身と尾(?)。

 

あるべき下半身は白い雲のようなもので覆われ見えない。

尾(?)はその雲から突き出している。

 

尾(?)はこれまた角や模様と同じ紫色で、先端は渦を巻き、その尾の途中途中は黄色の渦巻きで彩られている。

 

 

 

その妖怪(ポケモンかもしれないが)を中心に風が吹きだしている。

 

 

妹紅「どうする!?見つけたが・・・相手は空中だ!攻撃が当たるかは分からないぞ!」

 

慧音「お前らしくもないな、妹紅!さっきお前は言っていたじゃないか」

 

妹紅「・・・なんて言ったっけ!?」

 

慧音「だからー!」

 

 

そう、こうなったら。

 

慧音「気合で乗り切るって!」

気合で何とかするしかないのである。

 

 

射命丸「うおっと!風が強いですね!少し能力を使って抑えますよ!」

 

AZ「ああ。頼む」

 

射命丸「それにしても、AZさん。大きい割に体重が軽くて助かりました!」

 

AZ(・・・これでも80キロちょいはあるんだが・・・)

 

射命丸「・・・ん?なんか人里のところだけ異様に曇ってて暗くないですか?」

 

AZ「ん?ああ、確かにそうだが・・・」

 

射命丸「・・・すいません。AZさん。徹夜明けで眠いでしょうがもう少し頑張ってくれませ    んか?阿求さんと小鈴さんのことが心配になって来ました」

 

AZ「私は構わないから、もっとスピードを上げてもいいんだぞ?」

 

射命丸「それならお言葉に甘えて‼」

 

ビュッ

 

一気に視界が狭まり、景色が早送りのように流れる。

 

AZ(・・・阿求。小鈴。無事でいてくれ・・・)

 

その願いを胸に、私は腰のモンスターボールに手をかけ、人里の空を睨んでいた。

 

To be continued・・・

 

 




ちょっとしたアンケートです。(期限は38ページ目投稿まで)

最終決定は私ですが、どうぞ意見をお聞かせください。


Q:出してほしいポケモン。またはポケモンの人物などはいますか?
  よかったら感想で名前を書いたりしてください。
  (いなかったら書かなくてもOKです)

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