東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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疲れたー!
もうやだー!

小説書くの飽きてきたー!(失踪するとは言っていない)


35ページ目 対話 人里の鋼

AZ「パルキア?」

紫「そうよ」

 

時刻はもうすでに夜明け前。

時計の針はすでに一周回って「明日」になっていた。

 

ここ、紅魔館では夜遅くに起きているというのは当たり前のことだが。

館の住人ではない霊夢や魔理沙たちはもうすでに瞼が半分閉じていた。

 

私。AZは、この得体の知れない(恐らく妖怪の)少女に突如。

神話に登場する『おとぎ話』のポケモンの名前を聞かされ。

一瞬、意識が凍った。

 

いやしかし。

AZ「なぜ、そのことを?」

紫「私はかなり昔から、そっちの世界のことを調べてきたのよ。

  で・・・えーと・・・この幻想郷にポケモン達が入り込んだのは

  『全部』そのパルキアってやつのせいなのよ!」

 

魔理沙「全部はないぜ」

霊夢「全部はないわ」

紫「よい子は寝る時間よ」

 

成程。

 

どうやらこの少女はなにかしら『パルキア』と因縁があるらしい。

そしてその因縁のせいで、ポケモン達が入り込んだ。

・・・だとしたら、この少女にも非があるのは誰が見ても認めるだろう。

 

AZ「・・・・・」

しかし私は、そのことについては首を突っ込まないことにした。

突っ込むと、また面倒なことになる気がしたからだ。

 

 

ちなみに、霊夢とのバトルが終了してから、阿求と小鈴は人里へ帰ったらしい。

もう夜遅くであるし、吸血鬼の館に泊まることは避けたほうがいいと思ったので

射命丸に頼み二人を人里まで送っていってもらった。

 

阿求は「参考までに泊まりたかったかも」とまんざらでもなさそうに呟き。

小鈴は「明日は休みじゃないので・・・」と言っていたが、その顔は恐怖に歪んでいた。

おそらくよっぽど怖かったのだろう。

 

紫「で?答えてくれるのかしら?」

 

AZ「・・・いいだろう。私が知っている範囲でいいのならば」

兎に角、私も早く帰ろう。

阿求たちを送り届けたら、射命丸に戻るように言っておいたため。

帰路は大丈夫だろう。

 

 

紫「まず・・・パルキア、一体どんな姿をしているの?」

 

AZ「・・・すまないが、実際に見たことがあるわけじゃないので分からないな。

  しかし、私が読んだ「聖書」には、まず・・・・・」

 

こうして私は、「聖書」に書かれていた空間神についてのことを教えた。

 

その①。空間神が呼吸をすることにより、この世の空間は安定するという。

その②。どのような場所にも移動でき、ありとあらゆる空間についての事象を操る。

その③。実在すると言われる。が、誰もその姿を見たものはいない。

その④。空間を切り裂くと言われている。

その⑤。姿は、肩に真珠のような物をはめ込まれた二足歩行のドラゴン。

    体は真珠色に輝き、紫色の線が通っている。

 

そしてその⑥。戦闘方法についてを話そうとしたとき、紫が話を遮ってきた。

 

紫「少し待って下さるかしら?」

 

AZ「?・・・なんだろうか?」

紫「なんか・・・・人里の方角で変な気配がしたような・・・」

 

AZ「!?・・・人里で・・・?」

紫「人里の「方角」でよ。大丈夫、人里にも戦える人はいますから」

 

AZ「・・・・・」

紫「それで?続きは?」

 

 

・・・その⑥。基本的に戦闘は不可能。

いつ、どこで現れるかは予測できず、仮に予測して戦ったとしても

肉体を空間ごとバラバラに切断されると言われている。

しかし、それはあくまで「本気」ではなく手加減をしているためと言われている。

 

紫「ちょっと」

AZ「今度は何だ?」

 

紫「手加減?今、手加減って言ったのかしら?」

AZ「・・・そうだが?」

 

紫「・・・・・」

紫はしばらく、信じられなそうな顔で視線を下に向けていたが

その内視線を上に上げ、形だけ笑って、

紫「ありがとうございました。おかげでいい情報が手に入ったわ」

そう言って、立ち去った。

 

AZ「・・・・」

私は突然、会話が終わりを告げたため少し茫然自失としていたが。

 

咲夜「AZ様。お迎えの鴉天狗が門まで来ています」

そう言われ、思い出した。

 

AZ「そうだった・・・早く帰らなければ・・・」

私はそそくさと図書館を後にし、館を出て合流した。

 

射命丸「なかなか長く話していたみたいですね」

射命丸ははにかみながらそう言ってきた。

 

AZ「別段、どうでもいい話だ。さあ、速く帰ろう」

 

そう言うと、射命丸は苦笑を浮かべ黙ってしまった。

 

AZ「?、どうしたのだ?」

 

射命丸「・・・スルンデスカネ・・・」

 

 

AZ「・・・なんだって?」

 

そう聞くと、射命丸が自嘲気味に笑って。

 

射命丸「AZさん。あなたを運ぶのに、私が背負わないといけないことになりますか?」

そう言ってきた。

 

 

 

人里。

 

昼は活気に包まれ、夜になると居酒屋の周り以外では面白いくらいに静かになる

幻想郷最大の集落。

 

そこの居酒屋で開かれる話は、いつもなら

「人里に潜む食い逃げ犯について」だったり。

「最近、近くの森で妖怪が出たらしいという話」まで様々だが、その日はその噂の全てが

一つの話題にまとめられていた。

 

人間A「なあ、知っているか?最近出るようになった新種の妖怪」

人間B「ああ、知っているさ。あの天狗新聞に堂々と出てりゃあな」

人間C「・・・・・」

 

人間A「おう、C。いつもならがぶがぶ飲んで酔いつぶれるのによ~。

    今日は一滴も飲んでいないじゃないか」

人間B「おうそうだ。飲もうZE☆」

人間C「・・・お」

 

人間A、B「「お?」」

 

人間C「俺は・・・見ちまったんだ・・・その化け物を・・・。

    化け物の親玉を!」

 

人間A「なぁにぃ!?」

人間B「おい!どういうことだ!」

 

人間C「・・・昨日、今日みたいに仕事終わりに一杯やって・・・帰ったんだが・・・。

    その帰り道に・・・『何か』立ってんだよ・・・」

人間A「『何か』?」

 

人間C「あ、ああ・・・その時はあまりの恐ろしさに・・・逃げ帰ったんだが・・・

    今なら鮮明に思い出せる・・・・」

 

人間D「お前ら何の話してんだ?」

人間E「おもしろそうじゃないか」

 

ざわ・・・ざわざわ・・・

 

人間A「それで!どんな姿してたんだ?」

 

???「・・・・・(新しく来た、あのへんな生き物の話か?)」

 

人間C「・・・昨日は、たしかやけに明るい月が辺りを照らしていたからよ・・・

    見えたんだ。

    白く鋼色に輝く姿、全体的に・・・丸くて。

    壺をひっくり返して足をつけたみたいな・・・。

    ちゃんと腕もあったんだが・・・それより驚いたのは奴の目・・・。

    俺は腰を抜かしちまって・・・その時建てた音で気付かれたんだ!」

 

人間B「腰を抜かした状態で逃げれたのか?」

 

人間C「そして・・・あいつは俺の方に不自然に振り返ったんだ。

    頭だけ動かすとかしないで・・・体ごと俺に真正面に向けたんだ。

    ・・・で・・・奴の目なんだが・・・

    「七つ」あったんだ・・・赤く光っていた。

     図形みたいに・・・生き物の顔じゃないみたいに・・・規則正しく・・・

     そして・・・」

 

人間A「・・・・・」

 

 

 

ー昨晩ー

 

人間C「ひぃっ・・・いっ・・・いっ・・・」

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じ・じ・ぜ・じ・ぞ」

 

 

人間C「うわああああああああ‼・・・うっ」

 

バタリ。

 

人間A「おい・・・おい!・・・気絶している!」

人間B「おい!だれか担架持って来てくれ!」

 

???「いや、必要ない。私が運ぼう」

 

人間A「いやいいですよ、『慧音』先生。

    俺が運びます」

 

慧音「いや、Cさんの話を真っ先に詳しく聞いて、人里の警備を万全にしたい。

   それに、もう『夜』。Cさんが言っていた怪物に会ったら大変なことに

   なってしまう」

 

人間A「・・・でも、慧音先生だって・・・」

 

慧音「いや、心配することはないよ。私は普通の人より強いからな」

 

人間A「・・・分かりました。先生こそ気をつけて」

慧音「お気遣い、感謝するよ」

 

 

 

 

慧音「・・・ついに、この人里にまで・・・」

 

 

 

 

ー紅魔館ー

 

レミリア「・・・あら?霊夢たちまだ帰ってないの?」

 

咲夜「はい・・・ぐっすり眠ってしまったようで・・・」

 

レミリア「・・・・・あっ、確か・・・。

     私、紫に夜になったら霊夢を呼んでって言っていたわね・・・」

 

咲夜「どうされます?どうしても今話したいのなら起こしてみますが・・・」

 

レミリア「う~ん・・・まぁ、いいわ。

     今日限りじゃないし。とりあえず、二人を客室に運んで寝かせてあげなさい」

 

咲夜「はい、分かりました。すぐに手配します」

 

レミリア「・・・頼んだわよ。

     しかし・・・『ポケモン』ねぇ・・・。

     紫は明日、レジアイスのことを届けるって言ったけど・・・。

     どう、しつければいいのかしらね・・・。

     ま、そこのところも霊夢にいろいろ教えてもらいましょう」

 

 

 

 

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、・・・

 

慧音「しかし、意外に人を負ぶるのは体力使うな・・・ま、「半分」人間だから仕方ない。

   え~と・・・確かCさんの家は・・・」

 

「じ・じ・ぜ・じ・ぞ」

 

慧音「!?・・・なっ、後ろ・・・?」

 

 

淡い記憶の中で確かに存在する。

必ずどこかで使われている。

 

機械、武器、道具。そして血液までも・・・。

 

「鉄」は使われている。

 

今宵・・・空間神が切り裂き、絡めた運命の糸は。

 

 

慧音「お前が・・・ポケモンと言う者達の・・・親玉か?」

 

「・・・・・」

 

また一つ。

 

 

「じ じ ぜ じ ぞ」

 

絡み合った。

 

To be continued・・・




さとり「私達の出番は終わりかしら?」
ヒ―ドラン「ごぼ?」

いえ。まだありますよ。
さとりさんとヒ―ドランちゃんは『岩』と戦ってもらいます

さとり「は?岩?何、殴り壊せと?」

いえ、そうじゃなくて。

さとり「そういえば、何であなたの心は読めないの?」

これが執筆者の能力(ちから)です。

さとり「なんか納得できないわ・・・」

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