東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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レギュラー:霊夢、魔理沙、紫
準レギュラー:AZ、阿求、小鈴、射命丸

レギュラー候補:伝説のポケモンのどれか
        悪のボスの誰か、またはチャンピオンの誰か
        東方キャラの誰か、または東方・旧作の誰か


誰を出すべきか、迷ってます。


32ページ目 対峙、そして戦闘へ

ー紅魔館。正門前。

時は紫たちがまだ勉強会を行っている頃。

???「やあっ!せやっ!」

 

AZ「ヌケニン。「シザークロス」!」

ヌケニン「・・・・・」

 

何故。こうなってしまったのか。

相手の彼女は自らの拳でこちらに殴りかかってくる。

一方こちらは自らのポケモンの技で迎え撃つ。

 

普通ならば、ポケモンで人を攻撃しようとするこちらが悪いのだろうが

今回ばかりはやむを得ない。

それに、相手の心配など無意味。

 

ガキィン!

 

彼女の素手の拳と、霊虫の爪がぶつかり合い、鍔迫り合う。

 

そう。「普通」ならば素の拳の方が骨ごと砕かれるはずなのだが

こうして競り合っていても相手の拳には傷が少しついてるだけでダメージがない。

 

???「陣脚!そりゃあ!」

 

相手は、このままでは分が悪いと思ったか、拳を放ったまま蹴りを繰り出す。

しかし、その蹴りは虚しく霊虫の体を通り抜け当たらない。

 

AZ「ヌケニン、離れろ」

ヌケニン「・・・・・」

 

私はヌケニンを引かせ、相手もそれより後に引く。

 

???「あーもう!なんなんですかあなた達は!」

 

AZ「ただの客人だが」

 

???「ただの客人が空を飛んで侵入してこようとするもんですか!」

 

AZ「それは諸事情があってだな」

 

???「そもそもあなた達のような客人が参るなんて私、聞いてないんですけど!」

 

AZ「ただ聞いてなかっただけだろう。さあ、私達を中へと通してくれないか?」

 

???「そんなこと許せませんよ!この華人小娘、『紅 美鈴』。

    門番として全力で侵入を防がせてもらいます!」

 

AZ「やはり和解はできぬか・・・」

大妖精「あ、あの・・・AZさん?あまり無理は・・・」

 

AZ「罪のない命が惨たらしく奪われると聞いて助けぬは人間の恥。

  それに、無理をさせてしまうのは私ではなくポケモン達なのだ」

 

美鈴「罪のない命だとか、人間の恥だとか、ぽけもんだとか!

   なに意味の分からないことを言ってるんですか!

   私達は何もしていませんよ!(紅い霧のことは除いて)」

 

AZ「ならば私達を通して、それが誠か確かめさせてくれ」

 

美鈴「だー!もー!会話が成立しなーい‼もう、やけくそです!」

 

彼女は、ここの門番であるらしかった。

門番であるにも関わらず、鎧も盾も何も持っていない。

 

いや、必要ないのだろう。

その肉体そのものが『鎧』。

 

拳は『矛』となり、また『盾』にもなる。

そのような芸当ができるのは当然人間ではない。

妖怪、とされるものだろう。彼女も。

 

美鈴「そちらから来ないのならば、こっちから行きます!」

 

AZ「ヌケニン。「かげうち」」

ヌケニン「・・・・・」

 

ヌケニンの背の穴から黒い何かが漏れ出て、地面を蛇のように張っていく。

彼女は気づかない。

 

美鈴「これで終いにしましょう!どりゃあ!」

大きく飛翔し、膝をこちらに向けている。

いわゆるニードロップ、または「とびひざげり」か。

 

だがヌケニンの攻撃は彼女の攻撃を防ぎ、貫く。

 

空中の彼女が作り出した影に、黒い何かが到達し、膝の影を思いっきり

彼女の顔に向けて曲げる。

 

『かげうち』

 

美鈴「えっ。え!えぇ!?ちょっまっ、ぐはぁ‼‼」

動かされた影と連動して彼女の肉体も勝手に動き、自らの膝蹴りを自らの顔で受けることになった。

 

そのまま、勢いよく落下し、ぐったりと動かなくなる。

しかし、まだ体が微かに動いているところを見ると、生きているようだ。

 

陽は傾いて西へ沈もうとしている。時間がない。時間神の心臓は待ってはくれない。

 

AZ「さあ、終いにしようか」

さっき彼女が言ったセリフをそのまま引用し、ヌケニンに命じる」

 

AZ「ヌケニン。「さいみんじゅつ」

ヌケニン「・・・・・」

 

ヌケニンは、鳴き声も発さずぼんやりとした虹色の波動を発する。

その波動はまともに動けなくなった彼女に直撃し、とどめを刺した。

 

別に殺してはいない。

ただ深い深い眠りにいざなわれただけである。

 

美鈴「・・・Zzzzzzz・・・」

 

AZ「やっと、倒せたか・・・」

 

そこでは一つの問題が起きていた。

 

 

大妖精「AZさん!」

 

AZ「私の心配などいい。先に行っているんだ」

大妖精「あっ・・・はい!」

 

彼女はそう言うと、翼をはためかせて敷地内へと入っていった。

 

私は、先程まで善戦してくれていたヌケニンをなでて労い、ボールに入れた。

 

AZ「さて、私も行こう。ぼやぼやしていられない」

そう独り言を言い、門に向けて足を踏み出してー・・・

 

私の首元にはシルバーブレードが置かれ、気づいたらどこかの門前へと

連れてこられていた。

 

AZ「なっ・・・」

咲夜「おとなしくしていてください」

 

後ろから声が聞こえる。女性の声だ。おとなしく知的だが、逆に冷たい。女性の声だ。

 

私は門・・・もとい扉の方を向きながら、視線だけ動かして後ろを見やる。

 

銀髪の整った顔立ちの少女・・・だが小鈴たちより年上の様だ。

その少女が少し浮遊して、私の首にナイフを置いている。

 

咲夜「そのまま進んでください。あなたもです」

 

あなた?と疑問を抱き辺りを目だけ動かし探ってみる。

見れば大妖精が襟を片手で掴まれて泣き顔になっている。

すでに捕まってしまっていたようだ。

 

咲夜「・・・お嬢様。連れて参りました」

そう言って、扉を大きく開く。ノックは必要ないのだろうか?

 

扉の先は、少しかび臭い空気が漂う薄暗い図書館であった。

 

レミリア「・・・随分風変わりな来訪者ね」

咲夜「そのようです。あと、この妖精もグルだったようです」

大妖精「うぅ・・・」

 

レミリア「ふぅん・・・いいわ、こっちに連れて来て見せて」

咲夜「かしこまりました」

 

そうかの書が言った瞬間、また景色がパッと変わる。

長テーブルの前に私と大妖精は、立たされていた。

 

レミリア「えぇ・・・思ったよりデカいのね・・・3mちょいってとこかしら?」

恐らくこの館の主(?)、は私が思ったより小さかった。

大体1m60・・・と言ったところか。

 

兎に角、思ったよりこの少女は幼かった。

まあ、もうこの手のことには慣れてしまったから驚けはしないが。

 

レミリア「さて・・・あなたは、その風体から外来人だってことは分かっているわけだけど

     なぜ、この紅魔館に襲撃をかけてきたのかしら。

     それもかなり派手な方法で」

 

AZ「派手?」

 

レミリア「うちの玄関が大きく破損されたのよ。ドカァン・・・って」

 

AZ「・・・襲撃をかけたのは事実だが、その破壊に関しては知らない」

大妖精「あ、あの、AZ、さん?それ・・・私がやっちゃったんです・・・」

AZ「君が?どうやって?」

 

大妖精「AZさんから預かったポケモンを使って、こじ開けようとしたんですけど・・・。

    予想以上に大きくて・・・それで、すぐにボールに戻したんですけど・・・」

 

成程。と思った。そして後悔した。

もっと詳しく教えてあげればよかったのだ。

そうすれば大妖精だけでも、助けに行けたかもしれなかったのだが・・・。

 

レミリア「さてと・・・それであなたの処罰に関してだけど。

     別に死刑にはしないわよ。安心しなさい。

     ただ一つ。私のゲームに手伝ってくれないかしら」

 

AZ「ゲームだと・・・?」

 

レミリア「そ。あなたにも私にも利があるWin-Winな取引よ。

     簡単に説明するとね・・・あそこに紅白と白黒がいるじゃない?」

 

 

霊夢「紅白って・・・」

魔理沙「白黒か・・・」

 

レミリア「あいつらもあなたと同じようなボールを持ってるのよ。

     それ、ポケモンボールでしょう?

     その中にいるポケモンであいつらと連戦して頂戴」

 

AZ「・・・・・・」

要するに、この少女はポケモンバトルが見たいらしい。

だがそれだけでは私に利はない。

 

AZ「私の利は?」

 

レミリア「あなたが見事連戦連勝したら、あなたの望みを一つ。

     叶えてあげるわ」

 

・・・願いを、叶える?

 

AZ「・・・どんなことでもか?」

レミリア「どんなことでも、なんでもよ」

 

AZ「ならば先に言わせてもらうが、ここに一人。青い髪をした人間の少女がいるのだろう。

  その娘を開放してやってくれ」

大妖精「AZさん・・・?」

 

レミリア(青い髪の人間の少女?そんなのいたかしら・・・いや、いないわね。

     多分だけど。この妖精になんか言われたのかしら・・・。

     だとしたら、哀れ。そして愚か。愚の骨頂。

     妖精には注意しろと学校で教わっていないのかしら・・・)

 

レミリア「・・・・・紫」

 

紫「なにかしら?」

 

レミリア「この緑の妖精の妖力も調べてあげて。あと、話も聞いてあげなさい」

 

紫「何で私が」

 

レミリア「この借りは数倍にして返すから。それに」

 

紫「それに?」

 

レミリア「今の私達は利害関係にあるでしょう?それに」

 

紫「それにぃ?」

 

レミリア「あの大男のことも気になるでしょう?」

 

紫「そー・・・ね。まあいいわよ。承諾してあげる」

 

レミリア「・・・お礼は、また今度」

 

紫「素直になりなさいよ」

 

 

AZ「話は終わったか?」

 

レミリア「ええ、終わったわよ」

 

 

霊夢「おーい。チビ吸血鬼。私たちの承諾はないの?」

魔理沙「そうだぞ」

 

レミリア「別にいいじゃない。文献探しや話し合いにも飽きてきた頃でしょう?

     頭だけじゃなく体も鍛えないと」

 

霊夢「・・・まだ凍傷やらなんやら治ってないんだけど。   

   暇つぶしにはちょうどいいかもね」

 

魔理沙「・・・いつかボコボコにするってことで、この願いを聞き入れてやる」

 

レミリア「ありがと」

 

 

 

レミリア「そんじゃ。三人とも表に出るわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

射命丸「よっと・・・ふぃー、二人抱えて飛ぶと流石に遅いわね」

 

阿求「うう・・・吐くかと思った・・・」

小鈴「(気絶)」

 

射命丸「あやや?美鈴さん。また眠ってますねぇ・・・。

    まあ、この門番の許可は取らなくてもいいか☆」

阿求「うぅん・・・いいのかしらそれで・・・?」

 

小鈴「う”う”・・・(気絶寸前)」

 

 

射命丸「兎に角、中へと入ってみましょう」

 

阿求「うう・・・嫌だなぁ・・・」

小鈴「あー・・・気持ちわ”る”い”・・・」フラフラ

 

 

To be continued・・・

 




うろ覚えキャラクタプロフィール:十六夜 咲夜
能力:時を止める程度の能力(制限は自分の体力が持つ限り)
性格:常に冷静沈着で合理主義。
   鉄仮面のように余り表情を崩すようなことはない。
   しかし自らの能力に関しては絶大な自信があり、その自身の根底にあるのは
   自らの主人に対する忠誠心である。故にそれが崩れるともろい。
   紅魔館の唯一の人間、およびメイド長として仕事をこなしている。
   その仕事の様は完璧で、まさに瀟洒である。
名前:本名は不明である。十六夜 咲夜という名前は主人の吸血鬼より
   名付けられたという。
ナイフ:吸血鬼に仕えているにも拘らず吸血鬼の弱点である「銀」のナイフを
    使っている。本当に何故なのか不明。
生い立ち:不明。一説には、外の世界で赤子の頃から紅魔館に捨てられた。
     また一説には吸血鬼のハンターとも。
     ただただ謎である。

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