東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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ぶっちゃけると。

ポケモンの鳴き声は伝説以外適当です。


29ページ目 ポケモン披露会

さて・・・この光景を目にするのはいったい何百回目だろうか?

 

腰からモンスターボールを投げ、中からポケモンが出てくるこの光景。

 

私は幾度となく見てきた日常風景の一コマ。

しかし、この光景を見るのが初めてな者達もいる。

 

それは、幻想郷というポケモンのいない箱庭に閉じ込められた住人達。

あるものは怯え、あるものは友好関係を築き、あるものは戦うだろう。

 

その中からこの少女たちの反応を選ぶとするなら、友好関係にあるのだろう。

 

しかし・・・

 

 

 

小鈴「・・・」

阿求「・・・」

射命丸「ほうほう・・・これはまた、私が考えていたものを超えてきましたねぇ・・・」

 

 

小鈴たちの反応は、少し微妙であった。

 

 

恐らく、彼女たちが想像していたのは

とてもカッコイイorカワイイポケモンだろう。

 

しかし、現実は違う。

 

私が出して見せたポケモンは

 

・ゴルーグ

・コータス

・シンボラー

・ヌケニン

の四体である。

 

フラエッテを見せなかったのは・・・なぜかは分からない。

きっと、モンスターボールを投げたときに、中から何も出ないことを恐れているのだろう。

 

しかし、そんなことはない。フラエッテは、今もこの小さなボールの中にいるというのに。

 

 

小鈴「あのー、AZさん?」

AZ「あ、ああ、なんだ?」

 

小鈴「これが、ポケモン達なんですね?」

 

AZ「ああ、これが私のポケモン達だ」

やはり、想像と少し違って落胆しているのだろうか?そう考え、少し恥じる。

 

しかし、いつの時代、どんな場所でも現実は予想を下回るか上回るのどちらかだ。

この場合は、上回ったことでいいのだろう。

 

 

 

小鈴「スゴイですっ!」

AZ「ん?何がだ?」

小鈴「こんなすごい生き物をAZさんは従えてるんですもん!」

 

それは、想像とは完全にかけ離れた感想だった。

見れば、小鈴はすでに私の傍から離れゴルーグの腕に捕まろうとしてしていたり

シンボラーの羽を引っ張ったりして転ばされたりしている。

 

阿求も、見てわかるようにはしゃいで小鈴と共にポケモン達の周りをグルグル

走り回ったりしている。

 

射命丸は、それこそ小鈴たちのようにはしゃぎまわってはないものの

その興奮を抑えられないのかさっきから手帳を食い破らんばかりに見つめ

ガリガリと擬音を出しそうなほどにペンを動かしている。

 

 

これは・・・成功ということでいいんだろうか・・・・?

 

 

小鈴「スゴイ!この巨人なんか触ろうと思っても上手く触れない!」

阿求「これはすごい体験だわ!早く帰ってこのこと全て本として残したい!」

 

射命丸「ふふふぅ~ん 見てなさいよ、はたて!

    あなたの「花果子念報」が、私の「文々。新聞」に敗れ去る瞬間を!」

 

 

AZ(まあ・・・喜んでもらっているんだ。これは成功だな)

 

私は、そう思い、ふと神の影が見えた湖に目を移してみる。

 

今度は均等に濃い白いのもやがかかっており、透明な神の影も怪しいものも

何も見えなかった。

 

AZ「正直言って・・・まだ自分の目を疑ってしまうな」

そのようなことを言って、私は苦笑する。

 

AZ(伝説のポケモンを使って世界を滅ぼそうとした男の考えとは思えんな)

 

 

しかし、やはり思うことは。この少女。

射命丸は自らの新聞にてポケモンの脅威や、ポケモンが現れたという異変が深刻化

していることも新聞に載せており、阿求たちもそれを読んでいるはず。

 

なのに、なんだ?

この少女たちの気の許し具合は。

今、目にして触っている生き物もポケモンだというのに。

 

 

『この幻想郷は、本当に平和なのか』ということをさっき考えたが。

その平和は、この少女や住人たちの気のゆるみ具合で保たれているものなのかもしれない。

 

 

いやしかし、ここまでこの世界の理解を深めようと思ったことはある意味進歩だろう。

だが、刹那的でどうしても次の考えの時には忘れてしまっているような気がする。

 

射命丸のように、日記帳や手帳でも買って記していこうか・・・。

 

 

ガサガサッ・・・

 

ゴルーグ「‼」

AZ「?・・・どうしたんだ?ゴルーグ」

 

何やら草むらの方で音がしたようだが、その音に対するゴルーグの、いや

私のポケモン達全員の反応が異常である。

 

小鈴「どうしたのかしら?巨人さー・・・ヒッ!?」

阿求「あら?みんなどうして、森の方を・・・え・・・」

射命丸「・・・まったく、この異変。ただ強いポケモン達が問題を起こすだけかなと

    思っていたけど・・・こうゆう問題も起こるのね」

 

AZ「‼‼・・・ヌケニン、シンボラー、ゴルーグ!戻れ‼」

私は、その草むらの中の正体を知って、とっさに三対のポケモンを手元に戻した。

 

AZ(来るのは・・・恐らくポケモン・・・。

  二対ではない、一体だ)

 

射命丸「・・・こちらに完全に敵意を向けている気配を感じます。

    どうします?AZさん」

 

射命丸の問いかけに、私はすぐには答えられなかったが・・・

 

AZ「すぐに阿求と小鈴を安全な場所へ。ここは私が様子を見て対処してみよう」

射命丸「分かりました・・・しかし、AZさん」

 

AZ「なんだ?」

射命丸「もし危険だと判断したら、この『札』を破いてください。

    風があなたを乗せて、私の元に来る仕掛けです」

 

AZ「分かった。ありがとう。小鈴たちを任せた」

射命丸「ええ、了解しましたよ」

 

 

さて・・・

 

 

AZ「この世界に来て初のポケモンバトル。

  生憎、バトルは少しニガテなんだが。これもまた経験の一つ・・・」

 

ガサッ!バッ!

 

草むらから勢いよく飛び出してきた巨大な影。

見れば赤紫色の毒々しい体に斑点模様がついている。

 

そこから推測するに毒タイプ。

ムカデのような体をしていることから虫タイプだろうか?

 

そのことから導き出される『ポケモン』の正体。

 

 

AZ「『ペンドラー』か。前は、逃げてばっかりだったからな。

  こう正面から戦ってみたかったものだ。

  しかし、戦うのは私自身ではなく、コータスだがな」

コータス「こふぉーーー」

 

AZ「さてと・・・」

 

ペンドラー「キュイイいいいいいいん‼‼」

 

 

AZ「バトル、開始と行こうか」

 

To be continuedo・・・

 

  

 




うろ覚えキャラクタープロフィール:AZ

能力:寿命が極端に長くなる程度の能力(不老ではないし不死でもない)
ポケモン:・フラエッテ
     ・ゴルーグ  
     ・コータス
     ・シンボラー
     ・ヌケニン
解説:大昔のカロス地方の初代国王。
   自らの愛したポケモンを戦争で失くしてしまい、生き返らせるための装置を製作。
   その後、ポケモンを生き返らせるのに成功したが。
   自分のポケモンを殺めた戦争を憎く思い、装置を兵器にして戦争を終わらせる。
   戦争後、そのポケモンは自分の魂は他のポケモンから貰い受けたものと知ると
   AZの元を離れ、AZ自身もそのポケモンのように装置の光を浴びてしまい
   寿命が極端に伸びてしまった。
   今現在はそのポケモン、フラエッテともよりを戻しているが、戦闘には出したくない
   。幻想郷の、稗田の家に宿泊させてもらっている。
   ポケモン達の食事は、すでに済ましてある。

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