東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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ども、遅れちゃいましたな。
そしてまだまだ遅れちゃいますな。


2ページ目  出会い

 

小鳥がどこかの木の上から鳴き声を上げ、獣や人間たちも起きだす時間帯。

「博麗神社」の巫女、「博麗 霊夢」(はくれい れいむ)も例外ではない。

 

彼女は、基本的に一人で暮らしている。

基本的にというのは、友人や知人が泊まることがあるからである。

別に一人でも寂しくはないし、生活面でもなんとかやっていける。

 

しかし、巫女という性分故か、彼女が無意識に引き寄せているのか、彼女のもとには

人が集まる。

 

そしてそのうち、だんだん人が集まってきて宴会と化すこともしばしばある。

そのせいで、今日から異変を解決すべく働くといううのに、昨日飲みすぎたせいで二日酔い

という状態だ。

これではまともに行動することもままならないはずだが、彼女は「巫女」である。

 

酒を飲むことが仕事といっても過言ではないほど酒を飲む機会がある。

だから自然に酒に強くなるのだが・・・

 

昨日は少し鬼の酒を試したらしくこのザマである。

 

 

話を戻すが、彼女は基本毎朝早朝に起きるが今日は二つの理由があったため昼間に起きることになった。

 

 

一つ目は、昨日飲みすぎたからである。

 

二つ目は・・・

 

 

 

何かの気配を感じたからである。

 

 

霊夢「!!」

彼女はとっさに布団から体を起こし、身構える。だが・・・

 

二日酔いで足元はフラフラ、めまいもするし、急に動いたので吐き気もした。

しかし彼女は倒れることもなく、気配がした障子の向こう側を見据える。

すると・・・

 

 

 

ひょこ

 

 

 

障子の向こうで「何かの影」が動いた。恐らく気配の持ち主だろう。

障子の向こうで影だけ見せてひょこひょこ動いたり、時に動物的な鳴き声も上げた。

 

それらの動きを観察していた彼女は安堵と不安を同時に感じる奇妙な感覚を味わっていた。

 

まず、相手が盗人や盗賊の類ではないことに安心し

そうではない動物的な何者かに対しての不安を確かに感じていた。

 

霊夢(いったい、あの生き物(?)はいったい何? 

   どこから来たの?すぐ動くのは危険かしら・・・)

 

彼女は珍しく消極的になっていた。

やはり二日酔いだからであろうか。

 

お酒の力は恐ろしくも偉大である。

 

霊夢(ああもう!なにあんな妙な生き物に私がビクつかなきゃなんないのよ!

   こういう時は、逆に思いっきり障子を開けてビビらせてやるわ!)

 

そう思い立つと体を素早く動かし、障子のもとへ向かい、そして・・・

 

 

バーンッ!

 

 

思いっきり障子を開けた。

 

霊夢「誰よそこにいんのわ!早く姿を現しなさい!」

今できうる限りの大声を腹から出し、相手を威圧しようとしたが・・・

 

???「ぶい?」

帰ってきたのは愛くるしい鳴き声だけだった。

 

霊夢「・・・あら?」

てっきり霊夢は障子を開けたら

 

「かかったなアホがっ!」とか

 

「URYYYYYYYYYYYYY!!」とかいう化け物じみた声だと思っていたが・・・

 

 

???「ぶいぶーい?」

その可愛らしい鳴き声の持ち主はその声によく似合う、可愛らしい姿をしていた。

 

茶色のきれいな毛並み。

ウサギのような大きい耳と、狐のようなこれまた大きな尻尾。

首元には白みがかったベージュ色のふかふかした毛がマフラーのように首を覆っていた。

 

その姿は「愛くるしい」「可愛い」、それらの言葉でしか表せないほど可愛らしかった。

彼女も、その愛くるしい姿に目を奪われてしまい、考えるのを放棄していた。

 

 

霊夢「・・・はっ」

気付いた時にはその愛くるしい生き物を神社の中に連れていき、撫でまわしていた。

 

霊夢「・・・迂闊だった・・・」

まさかこの私が自分からこんな得体の知れない生き物をなでまわしていたと思うと

少し鳥肌が立った。

 

しかし・・・

霊夢「とっとにかく!この子を外に返してあげないと・・・」

私の頭はこの生き物のことを傷つけないようにと命令し、この生き物のことを愛らしくも

感じていた。

 

 

霊夢「・・・飼えたりしないかしら?・・・あら、これは・・・」

その時、その生き物が首から何かを下げていたのに気づく。

 

それはペンダントと円盤を足して2で割ったようなブローチであった。

 

縁は金でできており、中心には色とりどりの石のかけらがはめ込まれていた。

 

一つは炎のように黄色に輝き。

もう一つは水のように冷ややかな輝きを放っていた。

 

他にも、光のような白色の石。

闇のような紫色の石。

草の模様や、雷の模様なんかに見えるものがある石もあった。

 

太陽のように温かいと思える石。

月夜のように冷たい石もあった。

 

色とりどり、形もバラバラな石がうまく組み合わされ、ひとつのブローチに

はめ込まれていた。

 

 

その美しさに惹かれ、手を伸ばしたところ、その生き物に手を軽くたたかれてしまった。

霊夢「・・・触られたくないのね・・・」

 

???「ぶいぶい!!」

その生き物は「当然」、というようにその小さな胸を張った。

 

 

霊夢「・・・あんた、どっから来たの?」

???「?ぶい??」

 

その生き物は困ったような表情をし、困惑の鳴き声を発した。

 

霊夢「よかったら、家に来ない?」

 

???「・・・」

 

その生き物は少し考えるように黙り込み、遥か虚空を見つめた後

 

???「ぶい!」

 

決心したように大きく返事をした。

 

霊夢「そっか、これからよろしくね!・・・えーと・・・

   名前はあるのかしら?・・・・・・ん?」

 

その生き物のブローチの裏側に何か文字が彫られてあった。

 

霊夢「んん?Eevee・・・なんて読むのかしら・・・」

 

そこには確かに名まえらしきものが彫られてあったが

霊夢は英語が全く読めない。

 

 

霊夢「とにかく、名前は後で調べるとして、これからよろしくね!」

 

???「ぶいぶーい!」

 

神社に少し嬉しそうな少女の声と、謎の生き物の愛くるしい鳴き声が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妖怪の山、洞穴・・・」

 

 

 

 

・・・ここはどこだ?

 

・・・何年眠っていた?

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

 

・・・思い出せないが、いいか。

 

 

洞穴には誰もいないはずなのに何者かが声を発するような音が響き渡っていた。

いや、そんなはずはないだろう。

 

だってそこには氷のように冷たく、鋼のように硬い岩石で覆われた巨大な石像しか

置いてないはずなのに・・・・・・・・・・

 

 

 

 

???「・・・ ・・・ズッ ズッ!!」

 

何かを引きずるような重たい鳴き声が洞穴を揺らした・・・・・

 

 

 

 

To be continued・・・


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