東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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スイマせぇん・・・

遅れること・・・何日くらいでしょうか?(忘)

まあ、言い訳するとしたら、ちょっとした断食に挑戦していて、その間。
何も考えられなかったからです。はい、訳わかりません。


今回も、また始まるのです。


27ページ目 ポケット・モンスターと天狗少女

朝。天気のいい日。気温は20℃といったところか?

夏にしてはなかなか過ごしやすい。

 

AZ「う~む・・・」

 

そのようなことを考えていると、ついついまた眠ってしまいそうになる。

しかしそうもいかない。

 

今日は小鈴と阿求にポケモン達を見せてやる約束だ。

先に起きていろいろと準備をしなければ。

 

AZ「うぬぬ・・・少し、寝すぎてしまったか?・・・」

まだ寝起きでダルイ体を上半身だけ起こし、周りの布団に入っている

二人の少女を見てみる。

 

小鈴「スー・・・スー・・・」

阿求「クー・・・ク―・・・」

 

二人ともまだ心地の良い夢の中である。

 

AZ「幸せそうな顔をしているな」

私には、孫がいない。それどころか子供もいない。

だからなのか、彼女たちが幸せそうに寝ている姿を見ていると、まるで自分の孫の寝姿を

見ているような気分になった。

 

そしてすぐさま、その考えを否定し。

「客」として、「主人達」の眠りを妨げないようにゆっくりと戸を開けて、廊下に出る。

 

まだ使用人たちも眠っているようで、辺りはしんとしていた。

AZ(一番先に起きたのは、私の様だな)

そのことを確認し、少し安堵する。

 

仮にここで使用人に会っても、驚かれてすこしガッカリするだけだ。

 

私は、なるべく足音を立てないように歩き、昨夜に夕食を頂いた広間の縁側に通じる戸を

開け放った。

 

サァァァ・・・・

 

心地の良い、夏の朝特有の妙に涼しい風が私の長髪を揺らした。

思えば、この世界に来てまだほんの数日しか経っていない。

 

彼女らは、私のことを受け入れてくれた。そのことを問いただしたとき、彼女らは

 

 

 

 

 

阿求「何でと言われてもですね、『すべてを受け入れる』。それが幻想郷のルールの一つ

   のようなものですし」

小鈴「それに、AZさんが近くにいても私たちは全然迷惑じゃないですもん」

 

二人とも、年相応の少女らしくはにかみながら答えてくれた。

 

AZ「ここは、風景や空気だけでなく、人の心まで美しいところの様だな・・・」

そう考え目を閉じると。

 

 

がりがりがりがりがりがりがりがり。

 

異音がした。

AZ「?」

 

私は、確かにこの音に聞き覚えがあった。

あれは確か、ジョウト地方に渡った時。「やけたとう」で聞いた、あの耳障りな音。

 

何かを「かじる」ような音。

その正体を、私は見つけた。

 

 

AZ「『コラッタ』・・・・・・」

 

コラッタ「キー‼」がさがさっ・・・

 

 

 

そう、私もよく知っている。ネズミの姿をしているポケモン。

紫色の体毛と、長い前歯が特徴の、民家にも住み着くことがあるとされる

かなり身近なポケモンだ。

 

そのポケモンが、私を見た途端どこかへと走り去ってしまった。

 

AZ「うん?」

成程、理解した。コラッタは、「あれ」をしていたからここに来て、そして逃げた。

 

AZ「・・・柱がかなりかじられているな・・・阿求になんて説明すればいいか・・・」

その柱は、見れば柱の下の方が中の白い繊維やらなんやらが表に飛び出してしまっている。

 

この惨状。ポケモンを見たこともない阿求に「コラッタにやられた」

と言うだけでは情報不足過ぎるし、説明不足だろう。どうしたものか・・・

 

私はしばらく思案に暮れていたが、頭上の方でバサバサと羽音が聞こえた時には

首をグンと上に上げ、空を見ていた。

 

 

 

 

AZ「あれは・・・『マメパト』に・・・『オニスズメ』・・・『ムックル』もいるぞ。

  『ヒノヤコマ』、『エモンガ』・・・なんだこれは!?」

 

私は、巨大な影に包まれていた。

いや、正確には「おびただしい数の影」に包まれていた。

 

 

空にはそれぞれの地方を代表する鳥ポケモンや、飛行ポケモン達が悠々と

集団飛行を楽しんでいた。

 

そして、それを追う・・・人間?いや、羽が生えているということは、天狗か?

 

なにやらカメラを持って叫んでいるが、すぐに群れが四方八方に散っていき

その天狗少女も、どの群れを追うか考えているうちに群れ見失ってしまったらしい。

 

AZ「ふむ・・・あれが、「天狗」と言う者なのだろうか?

  こうやって見ていると、大して人間と変わらんな」

 

その様子を腕を組んでみていたことに気付かれたのか、天狗が首をグルリと回して

こちらを見ていた。

 

 

 

マズイ。襲われるか?妖怪の中には、「人っ!殺さずにはいられない!」という

危険な奴もいるらしい。あの天狗だって例にもれずこちらを殺しに来るかもしれない。

 

 

 

私は、すぐさま家の中に避難しようとしたが遅い。遅すぎた。

いや、彼女が「速すぎた」。追いつかれ、袖をつかまれる。

 

 

私は、素早く腰のモンスターボールを取り出し天狗に向かって投げつける。

 

射命丸「いや~、すいまsっとぉ!?何するんですか!?」

かわされた。だが、かわされたとしてもいい。

 

AZ「シンボラー‼」

すでにボールは開き、私のポケモンがすでに天狗の背後を捕らえた。

 

シンボラー「ボラーー‼‼」

シンボラーが天狗に威嚇の鳴き声を上げる。

 

AZ「お前は何者なんだ?なぜ私の袖を掴んだ?天狗だな?話は聞いているぞ」

とりあえず、少し威圧感を声に加えて質問をしてみる。

 

 

何個か質問を重ねて問うことで、相手に緊張感や罪悪感を与える効果がるとされる。

だが、それは「人間」にだけらしい。

 

 

射命丸「う~ん・・・まず、私は「射命丸 文」。あなたの言う通り天狗です。

    あなたの袖を掴んだのは、あなたが逃げようとしたからです。

    あっ、別に捕って喰おうなんて考えてませんよ。

    さて、質問には答えましたよ。人間さん?」

 

 

迂闊だった。もっと慎重に行けばよかったかもしれないが、後の祭りだ。

それに、先の質問でこの天狗(射命丸と言ったか?)は私に敵意・殺意は持っていない

らしい。

 

そして、さっき言った質問にすべて的確に答えてきている。

人間より頭が冴える者もいるという情報は、嘘偽りのない真実だったのか。

 

AZ「・・・そうか・・・」

私は、そうとしか言えなかった。

 

射命丸「あの~、とりあえず名前だけでもお聞きしてもいいでしょうか?」

 

AZ「・・・名前?」

この天狗。私の名前を知ってどうする気なのだろうか?そのことがひどく気になった。

 

AZ「名前は教えてやるが、まず何のためだ?」

 

サァァァァァ・・・

また風が吹いた。今度は少し強い。だが爽やかな風であることには変わりなかった。

 

 

その風で、今度は私の髪だけでなく彼女の羽もゆらゆら揺れている。

 

射命丸「あっ、これは失礼しました」

たははっ、といたずらっぽく笑う射命丸は、なんだか、私よりも人間らしい気がしてきた。

 

射命丸「おほんっ。私は、再度名乗らせていただきますが「射命丸 文」と申します。

    新聞記者で、「文々。新聞」という新聞を発行させていただいてます」

 

 

AZ「・・・その新聞記者が、私に何の用だ?」

シンボラー「ぼらー?」

シンボラーも、私の疑問と同調したように鳴き声を発する。

 

その声を聞いた射命丸は、「フヒヒヒッ」と気味悪く笑った。

 

射命丸「嫌ですねぇ、至極簡単で単純(シンプル)なことですよ」

 

ふっふっふっふっ・・・また気味悪く笑った。

 

 

 

 

射命丸「あなたのことを、取材させてもらおうと思いまして」

 

AZ「取材?」シンボラー「ボラ?」

 

 

To be continued・・・

 

 

 




携帯獣図解伝記:三つの封印



                        
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解読)氷と鋼と岩石より創られし兵は、創造神の代理王を護り続けるという。
解説)四つ目の十字型と思われる文様は、あまりにも掠れていて復元が不可能であった。

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