東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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遅れまくってしまいました。
誠に申し訳ございません。


そして、こんな作者でも待ってくれた読者の方々に一言。


ありがとうございます。


それではこんかいの物語も始まり―・・・始まり―・・・。


23ページ目 凍湖異変 その③

自分は、知っている。

自分が存在する理由を。

 

自分は、知っている。

自分のやるべきことを。

 

自分は、まだ知らない。

「ここ」に来て、何をすればいいのか。

 

だが、自分は知っているはずだ。

自分が後の二人と共に「目覚めさせなければ」いけないことを。

 

 

だけど、まだ自分は「彼女」のことを知らない。

自分と同じような力を使い、自分にはできない「飛行」の能力を持つ「彼女」のことを。

 

彼女は、おそらく人間ではない。

だけど、自分たちのような存在でもない。

 

 

ならば・・・彼女たちは知っているのだろうか?

自分のことも、世界のことも・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ日が昇る気配のない深夜。

 

最近、この幻想郷に現れた「彼ら」・・・「ポケモン」の存在により

多くの異変が起き、この世界のパワーバランスは崩されつつあった。

 

だが、それらの異変はこの世界の住人たちにより一つづつ着実に減っていったが

それは「氷山」の一角。

一難去ってまた一難。

 

この異変が終わっても・・・「ポケモン」達が入ってきたという「大異変」は

まだ終わる気配がないのである。

 

 

 

チルノ「喰らえ! 氷符「アイシクルフォール」!!」

レジアイス「じゃきーーー!!」  れいとうビーム

 

魔理沙「ちっ!魔符「スターダストレヴァリエ」!」

ゲンガー「げぎゃあーん‼‼」 シャドーボール

 

どぉん、と小さな爆発音が響いたかと思えば辺り一帯に

ぐわっ、という大きな衝撃波が押し寄せ、砂煙を発生させる。

 

また、その砂煙の中で魔理沙の弾幕とチルノの氷弾が微かな月明かりを

乱反射して辺りを明るく染めていくが、そこにチルノかレジアイスの術により

辺りの野原や湖がさらに凍ってゆく。

 

そして、その氷にも弾幕の光が反射して辺りが虹色に光る。

 

その光景は、一つの戦闘風景とはとても思えない幻想的な光景であった。

 

だが、そのきれいな景色とは裏腹に曇った砂煙の中では、

 

 

チルノ「今日のアタイはいつもとは違うよッ!」

 

魔理沙「うおっ!あぶなっ!くそっ!こんなんじゃらちが明かない!!」

 

ゲンガー「ぎゃあああ~~ん‼‼」 ふいうち

レジアイス「ジャアキィー‼‼‼‼」 でんじほう

 

弾幕が氷弾を溶かし、氷弾が弾幕を壊し

影弾がレーザーで凍らされ、不意打ちを喰らわせて電磁砲を不発させる。

 

外から見れば極楽のような光景だが、実際中では接戦に次ぐ烈戦。

絶え間なく弾幕と「技」の打ち合いが繰り広げられていた。

 

 

一方、砂煙の外では・・・

 

 

 

紫「・・・少し、ここを離れるわ」

霊夢「どこに行くのよ?」

 

紫「紅魔館の責任者に、この異変解決の協力を要請してくるわ。

  その間。相手のスキをついてスキマ送り―・・・といった手助けができなくなってしま  うけど。それでもいいかしら?」

 

霊夢「・・・それを聞くのは私じゃなくて魔理沙だとも思うんだけど?」

紫「イヤよ。あそこの中危ないじゃない。そうゆうことで、また後でねー」

 

霊夢「ちょっ・・・まったく・・・おーい、魔理沙ぁ―!」

 

 

ドォン!パパパパ・・・グォッ・・・

 

霊夢「・・・聞こえてなさそうね・・・あぁ~・・・なんで私が危険な目に合わなくちゃ

   なんないのかしら・・・」

イーブイ「ぶい~・・・」

 

霊夢「・・結局何であんたが元の姿に戻っているのかも分からずしまいだし・・・。

   このところ異変続き。まっっっったく!いい迷惑よ‼‼」

 

そうグチグチ文句を言っている霊夢だったが、その表情は少し嬉しそうで

満足しているように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チルノ「いい加減!弾幕に!当たって!倒されなさい!」

 

魔理沙「うっ・・・少し疲弊してきたか・・・」

 

 

さっきから、少しづつだが魔理沙の動きが鈍くなってきていた。

それもそうだろう。

 

なにせ、時折不定期に襲ってくる冷凍の光線や超電磁の砲弾。

そして正面から迫るチルノの氷弾。

 

それら全てを避け、続けて弾幕を撃ち続けなければいけないのである。

 

それでも、チルノはいつものように慢心していたり余裕を持っているわけではなく

とてつもない集中力と時折見せるレジアイスとの波状攻撃。

 

その集中力で魔理沙のレーザーや弾幕をかいくぐり、弾幕で少しづつ追いつめて

そこに、レジアイスの電磁砲や冷凍ビームで止めを刺しに来る。

 

それでも魔理沙はチルノにも匹敵する爆発的な集中力とゲンガーのアシストもあり

ここまで弾幕を避けてきた。が、そろそろ「限界」と言うタイムリミットが

顔を見せつつあった。

 

 

チルノ「・・・ねぇ、もう諦めてよ!」

レジアイス「ジャキー‼‼」

 

魔理沙「うう・・・諦めたいけどよぉ・・・異変の解決を手伝うって言っちまったからな・    ・・そこの氷塊をぶっ壊すか・・・捕まえる以外私が諦める道はないな・・・」

ゲンガー「ぐ・・・ぐぎゃん‼‼」

 

 

チルノ「なら・・・魔理沙は友達だけど・・・「親友」を守るためだから・・・

    「冷凍封印」するしかないわね!」

レジアイス「ジャァァぁぁぁぁキぃ‼‼」

 

 

そう大きく宣言したところでチルノの掌に圧倒的な冷気が集まりつつあった。

 

その冷気は、あまりの強大さに周りの空気が曇って見える程の絶冷気。

 

『ぜったいれいど』

 

 

そこにレジアイスが冷気を放出し、その力に拍車をかける。

 

 

その様子を息を上げながら見ていた魔理沙は、

 

魔理沙(こいつ・・・まだこんなに力があったのかよ・・・)

内心「絶望」していた。

 

ゲンガーの影弾や不意打ちでも倒せない圧倒的な耐久度。

そして「火事場の馬鹿力」とも言うべきチルノの集中力と冷気。

 

もはやこの体力では「ほうき」に魔力を流し空を飛ぶことも不可能。

ゲンガーも先程の電磁砲をもろに受けてしまい、体がしびれて動かない状態。

 

圧倒的に不利な状況。

瀕死の相棒。

止めの一撃。

 

魔理沙(・・・まただ・・・)

 

 

チルノ「それじゃあね!もう!二度と!私の「親友」を傷つけられないように

    未来永劫凍り付いていなさい!」

 

そう、半狂乱の状態でチルノが言うと同時に掌をぎゅっと握り、素早く開く。

すると、目に見える形で空気を凍らせ、草木を割っていく冷気弾が

目の前に迫ってきた。

 

 

 

 

 

 

魔理沙(また・・・私は勝てなかった・・・もう・・・弱いままは嫌だ・・・。

    ハッ・・・死んだら意味ないな・・・霊夢、アリス、パチュリー・・・。

   

    死んじまって・・・ごめんな・・・」

 

そう死を受け入れ、目を閉じた。

 

 

目を閉じて、最初に感じた感覚は・・・からだを痛いほどに凍らせる冷気ではなく・・・

 

 

 

 

 

熱?

そして閉じた眼に、赤く強烈な光が目の奥をしびれさせた。

そこに妙な鳴き声が聞こえてくる。

 

???「ぶしゅううっ!」

 

違和感を感じ、目を開けるとそこには・・・

 

 

霊夢「あーもう・・・なにやってんのよ!」

 

「友人」。博麗 霊夢が立っていた。

 

魔理沙「れいむ・・・ッて熱ッ!」

 

 

霊夢の姿を確認し、次に感じたのはさっきから感じていた体を冷やす冷気とは打って変わって汗を大量に発生させる「熱気」。

 

 

魔理沙「霊夢・・・この熱量は、いったい?」

 

霊夢「・・・それは私にもよく理解できていないわ・・・でも・・・」

 

 

 

イーブイ(赤)「・・・ぶしゅうっ!」

 

霊夢「イーブイが私達を再び助けてくれた。・・・今は、それさえ理解できていればいい」

 

 

チルノ「・・・霊夢。あんたもこの子の敵なの?」

 

霊夢「さーねー。どーかしらねー。でもねー。

   ・・・私は今。かなり「キレ」てるわ。

   ただの弾幕ごっこに・・・自分のペットや相棒を付けただけの「遊び」で!

 

 

   なに私の友人を殺そうとしてんのよ‼‼友達を守るため!?

   そのためなら他の友達を殺してもかまわないの!?ねぇ‼‼?」

 

 

チルノ「でも・・・」

 

霊夢「いーや。やっぱいいわ」

 

チルノ「え・・・」

 

 

 

霊夢「とりあえず。私の友達を傷つけたことと、この異変に関わったこと。

   そして、少しの話し合いで解決できたことをこんな大きな出来事まで

   発展させたこと」

 

霊夢「さて・・・その罰を。私、「博麗 霊夢」は。幻想郷のルールと規則に則って

   私個人ではなく「博麗の巫女」として・・・半分私念と半分巫女の仕事として

   えー・・・なんかもうめんどくさいわ。

   とにかく!私とイーブイとで勝負よ!あんたが勝ったら

   その氷塊を好きにしていいわ。

   ただし、負けたら・・・その氷塊は捕獲。そしてあんたはお仕置き。

   いいわね?」

 

 

 

チルノ「ふんっ・・・だから!絶対に!私たちは負けないから!何度言わすのよ・・・!」

レジアイス「じゃきー‼‼」

 

霊夢「・・・了解したってことね。それじゃあ・・・」

 

 

霊夢「遠慮なく行かせてもらうわ‼‼」

イーブイ(赤)「フシュウウウッ‼」

 

 

To be continued・・・

 

 


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