東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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遅れました。すいません!

20話目です。19ページ目っつーのに20話なんてややこしいったらありゃしない。

とにかく、今回も始まり始まり、っと。


19ページ目 特別な日、融けない氷

夜。

 

「~人間の里~稗田の家~」

 

その日は、特別な日であった。

通常、この時間帯には使用人も寝静まり、阿求自身も眠い目をこすって本を

読んでいるであろう時間。にも関わらず、明かりがつき、何かと騒がしかった。

 

なぜか。それは今日は特別な日であるからである。

ではどのような特別な日なのか。

 

 

結果から言うと、ただの「お泊り会」である。

無論、泊まりに来ているのは貸本屋の娘。本居 小鈴。

 

明日は鈴奈庵が休みだと言うので、特別に許可をもらって稗田の家に来ているのである。

そして今、この「混沌」とした「現在」に至る。

 

小鈴「行くわよ阿求ッ!喰らいなさい!この小鈴ちゃんの剛速球を!」

阿求「フン!いいわ!来なさい!この稗田の家9代目、阿求に敵おうと言うのならば!」

 

AZ「・・・おい・・・」

 

小鈴「よーしっ!第・・・何球目!行くわよ!」

阿求「WRYYYYYYYYYY!この阿求が倒せるかーッ!」

 

AZ「・・・おい・・・?」

 

小鈴「人間に不可能はない!人間は成長するのだッ!してみせるっ!」

阿求「できないわねぇ!あなたは私の助手になるのだからっ!」

 

AZ「・・・お前たち・・・」

 

小鈴「喰らえい!おらっ!」ビュッ

阿求「ふん!無駄無駄ぁ!」ばしっ

 

AZ「・・・いい加減その「枕投げ」をやめたらどうだ?」

 

そう、彼女たちは絶賛枕投げご堪能中なのである。

すでに二人とAZは寝間着姿で、寝る準備はできているのだが、

小鈴「せっかく泊まりに来たしなんかやりましょう!枕投げとか」

と、小鈴が持ちかけたことがすべての始まりである。

 

その時の私はもう眠く、はやく床に就きたかったのだが彼女たちに押されて

枕投げに強制参加させられたのである。

 

私は不本意ながらも強制的に参加させられ、しかも二人して私のことを狙ってきたので

早速脱落となったわけだが・・・

 

小鈴「くうっ!外にあまり出てない割になかなかやるじゃない!」ビュッ

阿求「ふふん!こう見えても私は取材などで鍛えた脚力を持ち合わせているのよ!

   足首から手首まで私は全身の筋肉を使って投げてるのよ!」ビュッ

 

小鈴「私だって大量の本を運んだ時に培われたこの腕力!テクニックではなく

   パワーで押しつぶす!」ばしっ、ビュッ

 

AZ「・・・」

 

阿求「柔よく剛を制すとは言うけどこれでは剛を抑えきれない!」

小鈴「勝った!東方携帯獣、完!」ビュッ

阿求「うっ、ここまでか!」

 

AZ「いい加減にしてくれ。寝さしてくれ」

ついに私はしびれを切らして小鈴と阿求の襟首をつかんでぶらーんと吊るす。

 

小鈴「うわっ!ちょっとAZさん!なんで止めるんですか!」

AZ「興奮しているのは分かるがこっちは眠いしもうこんな時間だ。

  早く眠るのが得策だと思うんだが?」

 

阿求「そうよ!明日はAZさんのポケモンをようやく見ることができるんだから!」

AZ「お前もお前だ。小鈴の誘いに乗って暴れまわるからだ。速く寝ろ」

 

小鈴・阿求「「え~・・・?」」

AZ「寝ないと明日、ポケモンを見せてやらないぞ」

 

小鈴「~~~~ッ!ずるいですよ!明日絶対見させてくださいね!おやすみなさい!」

阿求「ふん、小鈴もまだ子供ねぇ」

 

AZ「君が言えることではないだろう」

阿求「・・・まあ、いいわ。とにかくおやすみ。明日はよろしくね」

 

AZ「ああ、おやすみ」

AZ(よかった、理解が速くて助かった・・・。

  そういえば、小鈴たちにポケモンを見せたら小鈴たちもポケモンが欲しいと 

  言うかもな・・・。

  もし「森」にポケモン達がいたら捕まえ方を教えてやろうか・・・)

 

そのことについて考えを巡らせていると眠くなってくる・・・。

まるで「あくび」や「さいみんじゅつ」でも使われたように・・・。

私はよほど疲れているのだろうか・・・。

 

そこで私の意識は深い闇へと吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「文々。新聞~号外編~、一部抜粋」

 

本格的に夏の季節となり、ひまわりが太陽を追うであろうこの日ごろ

いかがお過ごしでしょうか?

(中略)

本日紹介いたしますはポケモンと言う生物たちについてです。

彼らはすでに妖怪の山、天界、魔界にも姿を現しこの幻想郷の勢力図を完全に塗り替えようとするがごとく、様々な異変を起こしているのは皆さんも周知の通りでしょう。

(中略)

今はとある「玄武の沢」付近にお住いのK・Nさんの協力もありポケモンを捕獲することができる「モンスターボール」と言う物が開発されている途中ということが判明し、それによって人里のみなさんや、ほぼ凍結状態と化した紅魔館の皆さんも少し安心することができる

ことでしょう。

(中略)

今、紅魔館は半壊滅的な状態らしく、そんな状態まで紅魔館を押し込んだポケモンについて

悪魔の妹、Fさんは、

F「なんか夜起きたら寒くて外に出てみたら咲夜が凍っていたのよ。

  で、なんか大きい氷が騒がしかったから「キュッとしてどかーん」したのよ。

  そしたら壊れたけど、湖の氷からまた復活してきたわ。

  もう寒くて嫌になっちゃう。

  え?そいつはどうしたって?知らない。氷の中に隠れちゃったんだもん」

 

と、Fさんが言うようにまだ霧の湖付近にそのポケモンが潜んでいる可能性があるので

まだ油断して近づいていくのは得策だとは思えません。

今はその氷のポケモンが夏日で溶けるか、異変の解決を静かに待ちましょう。

 

 

 




なんということだ・・・。
東方携帯獣と言うタイトルなのに話のほとんどが枕投げで終わっちまった・・・。

もういっそのこと「東方枕投げ」ってタイトルにしてしまおうか?
なんてことを考えさせられました(笑)

それでは次回までお楽しみに。

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