東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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更新ペースで・・・一週間に一回が理想と言ったな・・・。

自分で言ったことだがなかなかきついぜ・・・\(^o^)/オワタ


16ページ目 出来事の終わりと始まり

間欠泉の怪物騒動からきっかり一日後。

地霊殿はお祭り騒ぎであった。

 

 

旧都の店はいつも以上に騒がしく、かつ陽気に客を呼び

また客の方も騒がしく、かつ陽気に買い物とお祭り騒ぎの状態を楽しんでいた。

 

 

その様子を、地霊殿のテラスから椅子に腰かけ眺めている人影があった。

 

そう、古明地 さとりである。

 

 

彼女は今現在行われている地霊殿の大宴会の楽し気な雰囲気とは裏腹に

彼女はとても悩んでいた。

 

さとり「・・・・・」

それは、間欠泉で出会った怪物。「ヒ―ドラン」のことについてであった。

 

悩むのも無理はない。

なぜならその怪物はさとりのペットを傷つけ、さとりにも致命傷を負わせてしまったのだ。

 

その怪物を、さとりはここで「飼う」と言ったのだ。

 

 

今思えば、ただ助けたいと思っていただけで何の準備もしていない。

 

 

ヒ―ドランは何を食べるのか。

どのような生態なのか。

人は襲わないか。

 

 

・・・お燐とお空。それにペット達やフェアリー・ゾンビ達とは仲良くなれるのか。

 

その準備と責任と、そして不安がさとりを押しつぶそうと重くのしかかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとり「・・・さて・・・もう一度、読んでおくべきかしら・・・」

私は、昨日の夜に「八雲 紫」からもらった本。

 

「第二版携帯獣:炎の書」を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炎とは、魂である。

 

炎は、感情で言うと「怒り」。

知恵で言うと「単調」。

意思で言うと「成し遂げる思い」。

 

人がここまで文明を発展させ、寒さをしのげたのも全て炎があったからである。

 

炎は夜闇を照らし、震える冬の寒さも削ることできる。

 

しかし炎とは、時に残酷である。

夜闇を照らす灯りは他を燃やし、初めてつくものである。

その温かさも、時に森を燃やす業火となる。

 

その力の加減を見極め、操ることが出来なければ

全て虚しい灰となり、己をも燃やしかねないだろう。

 

 

 

 

 

さとり「・・・・・」

正直言って、この本があの子を飼うことにあたってあまり役立つとは思えない。

 

なぜならこの本は今のところ炎のもたらす効果しか説明していないからである。

 

それでも私は、「参考までに」読んでおくことにした。

 

 

・・・かつて神がこの世界を押しつぶそうと天から舞い降りた「悪星」を砕いたように

炎には力強さがある。力強さとは生きる力。生きる力とは生命。生命とは命だからである。

 

そして命とは「魂」である。

この世界に豊かさをもたらした神は「土」「水」「草」そして「雷」と「龍」の力を

宝玉にし、その宝玉を「命の宝玉」と呼んだ。

 

だがなぜ「炎」の力がないのにも関わらず命と呼んだのか。

それは、

 

 

 

 

???「なにしてるんだ?」

さとり「!?」

 

ひどく驚いた。

私は声をかけてきた者の姿を見ようと体をひねろうとしたが、

???「おいおい。びっくりさせといてなんだがあまり動くなよ」

 

声の主に制され、仕方なく首だけひねって後ろを見た。

 

 

 

私は、この瞬間。二つ気づいた事があった。

 

一つ目は、声の主は「霧雨 魔理沙」であったこと。

 

そして二つ目は、

さとり「・・・そうだった。まだ完全に治っていないんだったわ・・・」

 

まだ火傷が完治していないということである。

 

魔理沙「そ。だからまだ無茶はしないほうがいいぜ」

 

さとり「・・・そうね。誰かさんに驚かされたおかげで火傷のことを思い出せたものね」

私は皮肉たっぷりの口調で言ったが、気づいていないのか、

 

魔理沙「そうだな。私に感謝するといいぜ」

なんてふざけたことを言ってきた。

 

さとり「・・・まだ、完治はしていないけど。昨日よりはだいぶ回復したわ。

    あなた達人間とはわけが違うんだから」

そう言うと、

 

魔理沙「うひゃー。さっすが妖怪。そこんところは少し憧れるな」

そんな冗談を返してきた。

 

 

さとり「・・・さてと。私も宴会に参加しようかしら」

 

魔理沙「おいおいおいおい、ちょとまて。まだ紫から安静にしてろと言われたばかり

    じゃないか。それに、「騒がしいのはニガテ」ってここに来たのは

    さとり自身じゃないk(さとり「さー行くわよー」

 

魔理沙「話を聞けって!おい!」

 

私は、背後から話しかけて止めようとしてくる白黒の魔法使いの言葉に耳を貸さず

いそいそと宴会の会場に足を運んだ。

 

さとり(・・・今はいろいろと不安が残っているし、これからどうなるのかも分からない。

     だけど今は・・・)

 

さとり「・・・少し、遊びたいかな・・・」

 

魔理沙「ん?なんか言ったか?」

 

さとり「なんでもないわよ。・・・さ、早く行きましょう」

 

魔理沙「ったく・・・無茶はすんなよー・・・」

 

 

~少女移動中~

 

 

私は宴会の会場の扉の前に立ったが、騒がしさが扉を貫いてきていた。

 

さとり「・・・よし」

私は思い切って扉を開けた。

 

そこに広がっていたのは、五月蠅さと騒がしさを混ぜ合わせたようなごちゃごちゃした

光景であったが、今の私からするとその五月蠅さは

ほどよくこれからのことに対する不安を解いてくれるようで心地よかった。

 

 

霊夢「・・・あっ!さとりじゃない!なによー!いつも陰気なあんたが

   宴会に遊びに来るなんて珍しいじゃないのよ!

   あっ!魔理沙!あんたなんかしたんじゃないでしょうね!」

 

さとり「えっ・・・いや・・・私から来たかっただけだし・・・」

 

霊夢「・・・えっ?・・・そうなの・・・?」

 

魔理沙「おう。そうだぜ」

 

霊夢「・・・えと・・・ごめん?」

 

さとり「・・・ふふっ、いいですよ!」

そう少し笑いながら言うと、

 

霊夢「・・・ああ~~もう~~、ほんっとかわいいわねえ~~」

・・・なんか言ってきた。

 

さとり「・・・はい?」

霊夢「さあ!一緒に飲むわよー!全部紫のおごりだからねー!」

 

紫「・・・あらぁ?そのことも今初めて知ったんだけd(霊夢「宴会さいかーい!」

 

霊夢が宴会を再開する号令をかけた途端すこし静まっていた宴会の空気は

あっという間に熱を帯び、どっと波のように押し寄せてきた。

 

 

さとり「・・・なんか、もう・・・どうにもなっちゃえって気分になったわ・・・」

私は苦笑気味に、強引に腕を引っ張る霊夢や困惑する紫の姿を見ながら

引きずられていった。

 

 

宴会はまだまだ続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「霧雨 魔理沙の日記:Ω月α日」

 

 

宴会が終了した、少し後。

 

さとりは無事にヒ―ドランを保護したが、その後どうなったかは詳しくは知らない。

 

ただ一つだけ言えることはある。

さとりはきっと上手くやっていけるだろう。

 

 

それよりも、私のゲンガー。

あの時は紫がいたからヒ―ドランをスキマ送りで封印できたが。

 

もし私とゲンガーと、霊夢とイーブイとだけでああゆうやつと戦うことになったら?

・・・そう考えるとぞっとする。

 

私達はもっと強くならなければならない。

そうしなければいつか死んでしまう。

 

・・・まあそのことについては後で考えるとして、今日はもう寝ることにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物事には必ず終わりが来るが

終わりは始まりでもある。

 

巨神兵が終わりの大地を始まりの海を渡って引きずったように。

一つの出来事が終わった瞬間にもう一方の出来事が始まるのだ。

 

巨神兵の異変から数日。

幻想の地の三つの洞穴。

 

そこに凹凸の文字を示し。

鋼と岩と氷が動く。

 

盲目の文字に啓示をのせて・・・。

 

 

To be continued・・・




今更ながらキャラ崩壊注意です・・・。

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