東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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間違えて自分の作品にお気に入り登録をしてしまった\(^o^)/オワタ





14ページ目 旧都噴火警報 その②

シンオウ地方の古代文献より一部抜粋。

 

 

この世界が生まれる際に、神はとてつもない熱エネルギーにより一時目を閉じたという。

 

その時に、生まれた世界を巡る火の玉が生まれたのを、神は見逃さなかった。が。

 

 

その光に神が照らされた際に『影』ができており、そこから新たな何かが生まれたのを

神が知ることは無かった。

 

 

幻想郷、『文々。新聞』より一部抜粋。

 

 

そろそろ夏が近づいてきているこの日頃。いかがお過ごしでしょうか?

(中略)

しかし、いくら暑いからと言って、池や湖に飛び込むのは控えたほうがいいでしょう。

水辺の主以外の「何か」が、潜んでいるかもしれませんので・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お燐とお空が地下間欠泉センターに到着して約5分後。

二人は地下間欠泉センターの心臓。「間欠泉」の扉を開けたが・・・

 

二人は言葉を失った。

 

 

 

そこに広がっていたのは「惨劇」であった。

 

 

 

ところどころに大やけどを負ったフェアリー・ゾンビ達が倒れており

ぐつぐつと音を立てる間欠泉はボコボコと煮えたぎる熱湯と化しており、どんどん

水かさが減っていっていた。

 

蒸発していたのだ。

 

間欠泉の温度を超える超常的な熱さにより水蒸気へと化していっているのだ。

 

その光景を呆然と立ちすくみ眺めていた二人に、まだ怪我が軽いフェアリーゾンビが

二人に状況を報告した、

 

フェアリー・ゾンビF「お燐様、お空様!今、この間欠泉は恐ろしい魔物の巣窟に

          なっており、えーと、あまりにも熱く天さえも呪い殺さんばかりの

          熱気が、えーと、えーと!・・・・・」

 

お燐「落ち着きなさい!まずここで、何が、何をしていたのかを説明しなさい」

 

F・「えーと、ですね・・・みんなで、ここの異常を調べていたら・・・・

  間欠泉に「石」が落ちていて・・・それをどかしたところ・・・ヤツが・・・!」

 

そうフェアリー・ゾンビは恐ろしい記憶を思い出したのか、煮えたぎる間欠泉の方を

震える指で指していた。

 

お燐「?・・・間欠泉がどうしたって・・・!?」

 

お空「お?なんだなんだ?・・・あれは・・・なんなんだ?」

 

二人は指された間欠泉のほうを見やる。

間欠泉は、もうほとんど蒸発して水底50cm位の水しか残っていなかった。

 

 

 

その僅かに残った間欠泉に、足を浸している異形の存在があった。

 

 

赤い褐色の体。ところどころに見えるオレンジ色のヒョウ柄。

灰色に輝く鉄が四本の足やいかつい顔を鎧兜のように覆っているが、熱のせいだろうか?

 

頭部に残った鉄の兜以外はドロドロに溶け、血液のように体を巡りまわっていた。

 

 

分かりやすく言い表すことは決してできない異形の怪物。

 

 

その怪物は、お燐たちに気付いたらしく聞くに堪えない無粋な鳴き声を発した。

 

???「ごぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼおおお!」

 

 

二人はすぐさま戦闘態勢を取り、弾幕を発した。

 

 

お燐の弾幕は見事命中、しかしあまり効いている様子もなく、少しひるんだだけであった。

 

お空の弾幕も、緩やかな軌跡を描き怪物の脇腹や頭部に命中した。が。

 

お空「・・・え?」

 

お空の弾幕は怪物の体に吸い込まれていったのだ。

 

その光景を見たお空は、「あまりの熱のせいで頭がやられたのか」と考えたが

そうではなかった。

 

まさしく『吸い込まれていった』のだ。

お空の弾幕を吸い取った怪物は、ダメージを受けるどころかますます元気になって

いくようだった。

 

 

 

とくせい、「もらいび」。

 

 

 

 

お燐「なんで!?・・・お空?手加減なんかしてないよね!?」

 

お空「してない!本気であいつを倒すつもりで撃ったのに・・・・・」

 

 

二人は困惑しており、目の前の怪物の動きに気付かなかった。

怪物は重そうな頭を少し上に揚げ、大きな口から風を吐き出した。

 

風、といってもあの怪物の吐息である。

その吐息はあまりにも熱く、岩すらも溶けてしまいそうだった。

 

 

 

『ねっぷう』

 

 

 

お燐「っく!」

 

お燐は猫の妖怪としての身体能力を限界まで解放し、上に跳んで避けたが

お空は、自分の弾幕をかき消されたショックにより、避けきれなかった。

 

 

なんとか、翼をはためかせ空へと逃げたが両足を吐息に晒してしまった。

 

お空「ぐううぅっ!ぬっく!」

 

両足を吐息に晒されながらも全力を振り絞り翼を動かし空へと逃げたが、

 

お燐「・・・お空!?」

 

そこで力が尽きてしまい緩やかに地上へと落ちていった。

 

お空「うう・・・ダメ・・・だったか・・・」

お空はその時、すべてを諦めて目を閉じていた。

 

お燐(くっ!間に合えっ!!)

 

お燐は、落ちてゆくお空をギリギリ空中で抱き上げ、地面に着地するや否や

地面を思いっきり蹴り、出口の扉を蹴り飛ばし外の回廊へと逃げ出した。

 

 

その回廊も十分に熱かったが、さっきいた間欠泉よりはマシだった。

 

 

すぐさま間欠泉に通じる扉の回廊をお空を抱いたまま離れていき、途中にあった

部屋にお空を寝かせた。

 

お燐「お空?大丈夫!?」

意識があるか確認するためにできるだけ大声で呼びかける。

 

お空「・・・ぅ・・・く・・・大丈夫、だ・・・よ」

どうやらちゃんと意識はあるらしいが、とても大丈夫なようには見えない。

 

熱風に晒された両足は、赤く焼けており、すぐにでも水で冷やさなければ

大やけどを負ってしまい、二度と足を動かせなくなる。

 

そう瞬時に理解したお燐は、部屋を見渡し、使えるものが無いか探した。

 

すると部屋の隅に茶色の分厚い紙で作られた箱が目についた。

その箱の中を探してみると、「ぺっとぼとる」と呼ばれている透明な筒の中に

水がちゃぷちゃぷと波を起こしていた。しかし・・・

 

お燐(いったい誰がこんなものを?)

 

そんな疑問が頭に浮かんだが、目の前で苦しそうに胸を上下させるお空に対する心配で

その疑問は頭の中から消え去った。

 

お燐は「ぺっとぼとる」の中の水をお空の足に振りかける。

 

お空「う・・・うわあ!・・・ぐぐぐ・・・う・・・ふー」

お空は何度か痛そうに呻いたが、そのうち痛みが引いてきたのか疲れた様に息を吐いた。

 

 

お燐「・・・よし、とりあえず応急処置はこれでOK・・・かな?」

 

しばらくすると、お空の両足の痛々しいやけどは少しづつ引いていき、少しづつ

元の肌の色へと変わっていった。

 

そこに・・・

 

「・・・・・お燐?・・・お空に何があったの?」

 

二人の主であるさとりがお燐の後ろに立っていた。

 

 

お燐「!?さとり様!?」

いつの間に後ろに?と聞こうとしたがそれ以前に驚いたことがあった。

 

さとり様なら私に聞かずとも心を読めばいいのにも関わらず

私に状況を聞いてきたのだ。

 

いや、すでに心は読んでいるのであろう。

ただ、認めたくなかったから、私に確認を取っているのである。

 

そこまで考えていると、動揺と困惑の表情のさとり様は、すべてを理解したのかのような

表情になり、お燐に礼を言った。

 

さとり「・・・・・・・・ありがとう、お燐。お空のことを必死に守ってくれて。

    私は・・・そろそろ行かなければならない」

 

お燐「い・・・一体・・・どこへ?」

 

さとり「どこって・・・」

お燐はさとり様の顔を見たとき、ギョッとした。

そのさとり様の顔は、ただただ無表情であったが、その眼の中に復讐の炎をメラメラと

燃やしていた。

 

さとり「どこって・・・お燐・・・その小汚いゴキブリの化身を地獄に叩き落としに

    行くんですよ・・・私のペットを傷つけたことを、後悔する間もなく

    息の根を止めてやるんですよ!」

 

そう言い、あまりにも速いスピードで部屋を出ていった。

 

お燐「・・・さとり様!待ってください!危険すぎます!」

そう叫んだが、その声がさとりのみみに届くことは無く、ただただむなしくその声が

反響するだけであった。

 

その際、私はただ絶望に心を包まれ、すぐに行動がとれずにいたが

よろりと立ち上がり、

お燐自身も部屋から飛び出し、後を追うとしたところ。

 

お燐「わっ!?」

 

 

 

回廊で、誰かにぶつかった。

 

お燐「・・・?」

 

それは、「人間」であった。

妖怪でも幽霊でもない、紅白の服に身を包んだ巫女、「博麗霊夢」であった。

 

 

 

霊夢「っつつ・・・痛いわねー。・・・あら、あんたはさとりのペットじゃない。

   こんなところで何しているのかしら?」

 

お燐「・・・何をしているは、こっちのセリフですよ!」

 

魔理沙「まあまあ、霊夢。速く目的の現場に行って、異変解決して、宴会を楽しもうぜ!」

 

よく見れば、いつぞやの白黒魔法使いと、「霧雨 魔理沙」と、

 

紫「あらあらごめんなさいね?ペットさん。少しお邪魔させてもらってるわよ」

 

大妖怪の「八雲 紫」が霊夢と並んで歩いていた。

 

 

この三人を見たとき、お燐の頭の中に一つの「希望」が生まれた。

 

お燐(この三人なら・・・きっとさとり様を・・・)

 

霊夢「・・・そういやさとりはどうしたの?全然見かけなかったけど・・・」

 

そう霊夢がそう言ったのと同時に、私は膝を床につき、土下座の姿勢で

助けを求めていた。

 

 

お燐「霊夢さん、魔理沙さん、そして大妖怪 八雲 紫様!

   私とお空はこの下の間欠泉にいる異変の根源に挑みましたが全く歯が立たず

   さとり様は私たちの敵を取るため地下へと向かってしまいました。

 

   お願いします!どうか、さとり様を守ってくれませんか!」

 

 

霊夢「ちょ、ちょっと!いきなり土下座してまでお願いするほどの頼みかしら?

   少し冷静になりなさいよ・・・まったく・・・なんでこう、どいつもこいつも

   余計なことするのかしら・・・いいわ」

 

お燐「・・・え?いいんですか?」

 

霊夢「宴会の場所を提供してくれるのなら」

 

この人間は、どれくらい酒が好きなんだと思ったが、やむを得ないだろう。

 

お燐「分かりました。だからどうか、さとり様のことを・・・」

 

霊夢「あーはいはい。分かった分かった」

 

そうめんどくさそうに言う霊夢たちの後姿をついていくときに、

ふと気づいたことがあった。

 

霊夢と魔理沙の腰辺りに紅白の球がぶら下がっていた。

 

しかし、その球への興味よりも、地下から響いたさとり様の叫び声にそんな疑問は

かき消され、まだ少しの疲労がるものの、霊夢達より真っ先に階段を駆け下り

扉を開いた。

 

 

 

 

そこには、まとわりつく炎から逃げようとする、さとり様の姿があった。

 

 

To be continued




いつもの二倍くらい長くなってしまった・・・・・・・

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