東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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珍しく、霊夢たちの方に視点を置いた話です。
そして改めて、自分の語彙力の無さを実感いたしました。


11ページ目 八雲の復活、地下に迫る異変

午後、昼下がり。

もう1、2時間もすれば夕方の煌めく陽光が射し、人々は無意識的に

「もうこんな時間、帰らなきゃ」、と思ってしまうようなうっとりする光が差し込む

約2時間ほど前。

 

彼女たちは、「どっちのペットが可愛く強いか」。

それを決着させるべく新たな「スペルカードルール」を思案していた。

だが・・・・・

 

 

魔理沙「・・・こういうのはどうだ?ゲンガーやお前の・・・えー・・・」

 

霊夢「イーブイよ」

 

魔理沙「そう、イーブイとかも私たちの弾幕の手助けをするなんてのはどうだ?」

 

霊夢「イヤよ。怪我でもしたらどうするのかしら?」

 

魔理沙「む・・・それもそうだな・・・じゃあ霊夢は何か案があるのか?」

 

霊夢「私は強さよりも可愛さを求めたいのよ。

   確かに強さも必要だろうけどやっぱり可愛くなくちゃあねぇ・・・」

 

魔理沙「・・・おい。私のゲンガーが可愛くない、とでも言いたいのか?」

 

霊夢「そう思うんならそうなんじゃないのかしら?」

 

魔理沙「なんだとぉー」

 

霊夢「・・・」

 

さっきからこんな感じである。

魔理沙が提案する。

→霊夢が拒否する。

→魔理沙が霊夢の言い方にイラつきを覚える。

→煽る。

→さらにイラつきを覚える。

→無視。

 

そして・・・

 

魔理沙「ああっ、もういい!弾幕ごっこについての話だ」

 

霊夢「それもそうね。喧嘩してもしなくても・・・」

 

魔理沙「どっちが正しいかハッキリするもんな・・・」

 

霊夢「弾幕でならまず負けないわよ」

 

魔理沙「おいおい、新しいルールを考えるんだからな?」

 

霊夢「元はと言えばあんたが負けたくないから提案してきたんじゃない。

   来る前から考えくらいまとめてきなさいよ・・・」

 

魔理沙「ウッ・・・そ、それも・・・そうだが・・・」

 

霊夢「ホラ、また考えるわよ。なにか案出しなさいよ」

 

魔理沙「・・・じゃあ、こういうのはどうだ?」

 

霊夢「あー無理無理」

 

 

無視

→魔理沙が折れる。

→負けず嫌い(両方)。

→魔理沙がさらに折れる。

→魔理沙が案を出す。

 

そして霊夢が拒否する。

 

さっきからこの繰り返しで一向に話は進まず、イーブイとゲンガーは待つことに飽きて

一緒にじゃれあって遊んでいた。

 

その様子も気にせず魔理沙たちはまた同じような話を繰り返そうとしたところである。

 

 

???「んんん~・・・」

 

どこからか声が聞こえてきたのは。

 

魔理沙「ん?誰だ?どこにいるんだ?」

 

霊夢「はぁ~・・・やっと来たわ・・・」

そう霊夢がため息交じりに呟くと空間が怪しく裂け・・・。

 

 

その空間の溝に白い手が置かれ。

 

魔理沙「あ、ああー・・・あいつか・・・」

 

霊夢「アイツよ」

魔理沙も誰なのか分かったらしく語尾に、「関わりあいたくなかったんだがな」

と言い、疲れ切ったようにため息をついた。

 

???「んんんんん!」

 

その隙間から出てきた白い手の持ち主の声なのか、かなり唸っている。

 

そして。

裂けた空間から声が聞こえなくなり手も引っ込むと・・・。

 

バッ!と人影が飛び出した。

地面に着地し、見るも苦しい恥ずかしいポーズを二人の少女の目前に晒し、

キリッ!とこっちを見据えよく分からない効果音を自分の口から発する。

 

???「どじゃああぁぁ~ん。

    八雲 紫(やくも ゆかり)!ふっかぁーつ!」

 

あの紫色の派手な服装をした大妖怪の少女がハイテンションで空間の隙間から飛び出した。

その様子はなんと奇妙で、なんと面白おかしい光景だったことだろう。

 

だが霊夢たちは、いつもの光景のように冷めた目でその様子を眺めていた。

 

紫「・・・・・」

一方まだ恥ずかしいポーズのまま霊夢たちの目の目でカッコつけているこの大妖怪は

自分の姿を客観的に見ることができないのか、まだポーズをやめようとしない。

 

しかし、流石に恥ずかしくなってきたらしく

顔が少しづつ赤らみ、ポーズをやめ、短くため息を吐き、数回咳ばらいをしてから

霊夢に話しかけてきた。

 

 

紫「さて、霊夢。お取込み中急に乱入してきたことと、散々長く待たせておいたこと。

  本当に申し訳ないと思っているわ・・・ごめんね?」

 

霊夢「・・・で、これから異変解決に向けて動き出すんでしょ?」

 

紫「そうよ!それにこっちから仕掛けたことではあるけど少女の体を四っつに

  バラバラに切り裂いた向こうも向こうよ!謝るついでに殴ってやるわ!」

 

霊夢「やめときなさい」

 

魔理沙「異変?なんだ?なんだ?新しい異変か?」

 

めんどくさそうな霊夢と、ノリノリになっている紫と、興味津々な魔理沙。

この状況、珍しいことではないが面倒くさいのである。

この状況を打開すべく、霊夢は話題を変えようと務めた。

 

霊夢「それで、あんた。傷はもう大丈夫なのかしら?」

 

そう言うと紫は少し神妙な表情になり、

紫「・・・いいえ、まだ治ってないのよ・・・。

  今、治っているように見えているのは魔法の糸と術でなんとかツギハギで

  くっけているようなもんなのよ・・・。

  ほんとーにメーワクなのよねー!早く治してほしいわ・・・」

 

そう文句たらたらで紫が言っているところに魔理沙が、

 

魔理沙「いったいどんな異変なんだよ?教えてくれよー!」

 

そう喚いていたので仕方なく、教えてやろうとしたところ、紫が口をはさみ

結局言うに言えなかったが、

代わりに紫が説明してくれるらしい。

 

紫「この異変。今のところ名称はないけど、恐らくとても大きな問題になりつつあるのよ。

  実施知的被害が出ているのは、そうね・・・例えば妖怪の山の巨神兵の事件。

  あれも異変の影響なのよ。天狗たちがその巨神兵を打倒して、洩矢の神が

  封印したみたいだけど。多分、あの巨神兵。また動き出すわね。

 

  他には、そうね・・・」

 

その後、紫から異変についての話をいろいろ聞いていたところ。

一部気になるところがあった。

 

霊夢「あれ、今なんて?」

 

紫「ん?『今まで見たこともない妖怪とも違う生き物が入り込んでいる』。

  それがどうしたのかしら?」

 

霊夢・魔理沙「・・・それって、アレのことじゃあ?」

 

そう声を合わせ、恐る恐る指でイーブイたちのことを指したとき紫は、

紫「・・・そうね。異変の末端ね。今のところどう対処すればいいか分からないのよ。

  あの『ポケモン』達。」

 

と、かなり困った様子で言葉を発した。

紫がこんなに困ったような表情をするのはとても珍しく、

冥界のお屋敷の主人が「もうおなか一杯・・・」とつぶやくのと同じくらい珍しい。

 

そこで、魔理沙が興味を引いたらしく、

魔理沙「?・・・ぽけもん?なんだそりゃ?」と紫に聞いてきた。

 

すると紫は、少し自嘲気味に笑い、

紫「いいわ。説明してあげる。なんでこんなことになったのかを・・・」

 

ツギハギにしている傷をなでながら辛そうに答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「旧都、地霊殿、地下間欠センター」

 

 

フェアリーゾンビ・A「熱い!熱すぎます!」

B「ひぃぃ!火葬だけはいやだぁぁぁ!」

 

???「くっ、熱い・・・なんとかここで食い止めなければ・・・」

 

???「うにゅうぅ・・・なんで私の能力が効かないのよー!」

 

 

あまりにも熱き、地獄の釜。

魂さえ焦がす灼熱に。

地獄の業火も涼しく感じる。

 

火口の番人がマグマを吐きだす。

 

 

 

???「ごぼぼぼぼぼぼぼぼっ!」

 

その姿、血の蛙と言わずなんと言おうか?

 

 

To be continued・・・


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