俺が綾辻さんの彼氏か   作:杉山杉崎杉田

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第32話

数日後、太刀川隊作戦室。

 

「今日は伊佐来ねーな」

 

「ねー。せっかく賢介くんを倒す必殺コンボ思い付いたのにー」

 

「や、それいつも柚宇さんの通じないじゃん」

 

「今回はほんとなのー!絶対決まるもん!」

 

「どうかな〜。まぁ、あいつもなんか玉狛第二に入れたらしいし、忙しいんだろ」

 

「そーなんだー。じゃあ今度のB級ランク戦楽しみだねー」

 

「というか今思ったけど、白チビと伊佐組ませたら絶対負けねーよな」

 

「あーそれあるかも。でも二宮さんとか影浦くんのとこはそうもいかないんじゃない?」

 

「それなー。まぁ初陣は華々しく勝ってくるでしょ」

 

「何の話ですか?」

 

「「来ちゃったよ」」

 

伊佐が入って来た。

 

「お前ランク戦の準備は?」

 

「みんなに任せました」

 

「いやいや、手伝えよ」

 

「俺が案出したらみんなで作戦会議にならないんですよ」

 

「あーそれ何となく分かるわ。お前がいる時点で勝利の方程式だもんな」

 

「いやそこまで便利なもんじゃないですけど」

 

「でも会議には参加しなきゃダメだよー」

 

そんな話をしてる時だ。電話が掛かってきた。

 

「もしもし?」

 

『伊佐!お前何処にいるんだ⁉︎休憩時間は30分って言ったろ!』

 

「太刀川隊作戦室」

 

『太刀川隊⁉︎A級一位の⁉︎』

 

「うん」

 

『………い、いいから早く帰って来い!』

 

「はーい。……と、いうわけで帰ります」

 

「はいはーい。またおいでね〜」

 

「ういっす。失礼しました」

 

伊佐は出て行った。

 

 

玉狛支部。作戦会議が終わり、四人ともソファーにもたれかかった。

 

「雨取、訓練始めるぞ」

 

そう言ったのはレイジだった。

 

「あ、はーい」

 

「遊真。あんたもよ」

 

「ほう。今日は勝っちゃうけどいいの?」

 

「は?10年早いから」

 

「修。俺たちも行くぞ」

 

「は、はい!」

 

それぞれの師匠に呼び出され、3人は行ってしまった。一人残された伊佐は、腕を組んだ。

 

「………俺も師匠が欲しいな」

 

自分と近い武器を使う奴が師匠がいいなぁと考えた伊佐は、この前宇佐美に変えてもらった武装を確認する。

主:アステロイド、バイパー、スコーピオン、エスクード

副:アステロイド、メテオラ、レイガスト、スラスター

スパイダーとバッグワームを抜いてスラスターとレイガストを入れたのだ。ちなみにアステロイドとバイパーはハンドガン。

 

「あ、いるじゃん。一人」

 

 

嵐山隊作戦室。

 

「と、いうわけで俺の師匠になって下さい」

 

伊佐が頭を下げたのは木虎だ。

 

「………や、なんで私なの?」

 

「ハンドガンとスコーピオン使うじゃん。一緒でしょ?」

 

「どんだけ安直な決め方してるのよあなた」

 

「だって作戦会議終わった後にいきなりみんなそれぞれの師匠のところに行っちゃうんだもん。俺も師匠欲しい」

 

「いや、私あなたの所有物じゃないし」

 

「お願いします」

 

「ちょっ……土下座までするの⁉︎」

 

「1日1回ハルちゃんのパフパフで如何でしょうか⁉︎」

 

「………いいわよ」

 

「やっ………!」

 

直後、背後から思いっきりケツを蹴り上げられた。

 

 

訓練室。嵐山や時枝も一緒に伊佐の指導をする事になった。

 

「じゃあ、一度私と戦いましょう。それからどうしてダメだったのか教えてあげるわ」

 

(あ、嬉しそう)

 

(ちょっと喜んでる木虎)

 

嵐山と時枝がほっこりしてる間に勝負開始。木虎がハンドガンで牽制しつつ、スコーピオンで突撃した。ハンドガンを全て回避してると、木虎斬りかかった。

 

「エスクード」

 

直後、地面から盾がでてくる。

 

「ッ!」

 

後ろに回避して、木虎はエスクードのカウンターを回避した。直後、伊佐は距離を取った。それを追う木虎。伊佐はアステロイドを放った。

 

「ッ!」

 

シールドでガードしながら接近する木虎。そのシールドに伊佐はレイガストを飛ばした。

 

「ッ!」

 

ガギンッとシールドが何ミリか横に逸れた。その一瞬の隙を突いて、木虎の腹にアステロイドをブチ込んだ。

 

「グッ……!」

 

シールドと体勢が崩れた所をさらに狙撃する。

 

「ッ……!」

 

脚、腕、肩と狙撃し、トリオン露出過多で木虎は緊急脱出した。

普通の身体に戻った木虎に、伊佐は言った。

 

「………やっぱいいです」

 

「ふざけないで!もっかいよ!」

 

「まぁまぁ。落ち着いて」

 

二人の間に入る嵐山。

 

「伊佐はすごいな……射撃なんてA級並みの腕あるんじゃないか?」

 

「まぁ、そうですね」

 

「待ちなさい!もう一回!もう一回よ!」

 

「えーやだよー」

 

「いいから早くしなさい!」

 

「木虎、落ち着けって……」

 

「あ、あはは………」

 

荒ぶる木虎と止める嵐山と苦笑いを浮かべる綾辻。その部屋の隅で時枝は電話していた。

 

「もしもし迅さん?伊佐くんが師匠欲しいって……うん。お願いします」

 

 

翌日、玉狛支部。作戦会議が終わり、修と遊真は烏丸と小南に続いて出て行って、千佳もレイジに呼び出された。

ため息をついて伊佐も部屋を出ようとした時、

 

「おい、伊佐」

 

レイジが声を掛けた。

 

「はい?」

 

「お前も来い。稽古付けてやる」

 

「………はい!お願いします!」

 

師匠が出来た。

 

 

レイジvs伊佐。伊佐はボコボコにされた。

 

「………なぁ、」

 

「は、はい。どうでした?」

 

「お前、師匠いらないんじゃね?」

 

「えっ」

 

「普通に強いし」

 

「…………」

 

師匠ができた(?)

 

 


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