神「夏も終わって秋に近づいてるね」
上「シャンハイ、シャンハーイ(本当ですよ。夏はいろいろとありましたね)」
蓬「ホーラーイ(エアコンが中々直らなくて結局この夏エアコン付けた回数片手で数えれますよ)」
上「シャンハーイ…、シャーンハーイ…(ありましたねぇ…どこかのおバカさんが壊すから…)」
神「いやいや、エアコンが壊れたのは君たちの酷使でしょ!」
蓬「ホーライ(覚えてませんねぇ)」
神「そんなこと言っちゃうんだ~。じゃ、今度台風来たとき外で天日干ししてあげる♪」
上「シャンハーイ!(神主さん私たちを殺す気ですか!)」
蓬「ホーライ…ホーラーイ!(汚い…そんなことだからキモいって言われるんですよ!)」
神「ちょっとそれは関係ないでしょ!あまり虐めてたら泣くよ?」
上「シャンハーイ(キモい死んで)」
蓬「ホーライ(軽ーく一回転して死んで)」
神「そんなに死んでほしいなら死んでやろうじゃねぇか」
上&蓬「……」
神「何か止めろよ!!」
人形は密かに人間に殺意を持ってることがあります。気をつけましょう。
では本編をどーぞ
───幻想郷、博麗神社───
─side 風籟寺グラン─
「…で!二人はいとも簡単に幻想郷に来れちゃったってわけね」
二人が言うからには、外の世界にこの神社とまったく同じ名前の神社があって、その社の開き戸を開けたら白い光に包まれてここに来た…と言うことらしい。ざっと言えばな。この手口、俺が幻想入りした時に似てるんだな。…まさかね。
「しかし何で外の博麗神社になんて行ったんだ?」
「いやぁ…えへへへ…。どうしても忘れられなくれですねぇ」
「まぁ良い。恐らくだが、直接ではないにしろ、噛んでる人物…と言うより妖怪がもう一人いる」
「幻想入り…だったら決まりね。あいつしかいないわ」
「紫、いるんだろう?姿現したらどうだ?」
すると何もなかった空間が裂けて、そこから一人のオバサンが…。
「ねぇあんた今失礼なこと考えなかった?」
「それは夢だ。そんなことより、この二人の幻想入りに関して、少なからず関与してるよな?お前」
「…さすが。察しはついてたようね。そうよ、一回目は丁度結界が弱くなって、あなたも未熟だったから。でも、今回はワケが違う」
何やら話は重たい方向に進んでいるようだが、今回はかなり重要な異変になると言うことだ。
「霊夢、グラン、あなた達の博麗の力、感じる?」
「はぁ?」
いきなり何を言い出す?言っている意味がわからない。博麗の力を感じるか?それは当然…ん?
「グラン、あなたは気付いたようね」
「どういうこと?紫、分かるように説明しなさい」
「…なら霊夢、飛んでみなさい」
「え?何のつもり?」
「良いから、空を飛んでみなさい。それで分かるわ」
言われた通りに警戒しながら従う霊夢、なのだがしばらくたっても飛ばないし浮かないし、飛び立つ気配もない。
「と…飛べない?」
「気付いた?」
「ど…どういうこと?」
「博麗の力が消えた…。そう言うことだな」
そう。今俺ら二人は、博麗の力が宿っていない。それだけではない。俺は強力な妖力を持っているが、それさえも消えている。考えられる理由は、1つ心当たりがある。
「今、あなた達二人はただの人間となってしまった。その理由は、そこの外来人よ」
「ぇ?私達…ですか?」
「前回は危なげながらも、短期間で一人だったから良かったの。でも今は二人が長く居る、力が大きすぎるのよ」
「でも…何でそんなことが起きるの?今の今まで外来人はよくいたじゃない!」
「…それは幻想郷への入り方が問題なのよ」
「入り方?」
つまりをいうと、今までの外来人は、『迷い混んだ』形で幻想入りをし、何ら影響はなかった。だが今回の件は、彼女らが外の博麗神社の札を剥がしたのが問題だったと言う。
なぜこの札が俺らの異変に関係しているのか。それは、この札は、博麗の力を確たる物にするための封札で、剥がしてしまったら封が解かれ、力は分散し逃げていってしまう。幻想郷内で貼ると博麗の驚異に成りうる敵が剥がさないようにと外の世界の人間が訪れないであろう場所の博麗神社に張っていたのだが、今回彼女らが剥がしてしまったことによって起きた出来事がこれである。
「…と言うことね」
「なるほどね、合点が行ったわ。なら、幻想郷は今まずいんじゃないかしら?」
「えぇそうよ。もうもはやこの二人を元の世界に返すだけでは収まりがつかないの。今でも結界が崩れようとしているのだから」
「ご…ごめんなさい!私の出来心でお札を剥がしてしまって…」
「今は謝るな。謝るんだったら生きて俺らに謝れ。もっとも、そんときの俺らはこの姿か、墓石になってるがな」
とにかくだ。解決策を見つけないことには、博麗の巫女、神主が存在しないのと同様なことになっているため、博麗大結界は崩れ落ちてしまう。
まずやらなきゃならないことは、この二人を元の世界に返すこと。だが、戻したところでどうしようもないし、札を張り直したところ、1回剥がした札と言うのはお守りと一緒で焼かないとならない。2度使えば事態は悪化してしまう。また札を作るのには最低1週間かかる。まず間に合わない。
「…詰んでるなこれは。どうするよ?」
「とりあえず、紫はこの子らをさっさと外へ逃がして!」
すると黙って紫は二人をスキマで覆い被し、外の世界へ移動させた。どこに行かしたかは知らないが、博麗神社の付近には降ろしていないようだ。さすがに危険すぎるからな。
『ゴゴゴゴ…』
「…!もう崩壊が始まりだしたか…」
「…。紫、外の世界へはスキマで行ける?」
「行けるわ。でも、札を張り直そうと言うのは無理なことよ」
「いや、無理ってワケではないぞ」
「グラン、策があるの?」
「紫、前に教えてくれたよな。博麗の力の正体は霊力。霊力は体に宿ることで本来の力を叩きだし、宿り主に力を伝うと。そして、霊力は物にも憑くが、何よりも人体より憑くものはない…って」
「言ったわね。あなたがまだ博麗の神主になりたての頃だったわね。…まさか」
「何を思ったのか知らねぇが、恐らくそのまさかだ。俺が外の博麗神社に行って逃げた霊力を再び俺の体に宿らせる方法だ。生き残れば、幻想郷に戻って霊力を霊夢に送れば良い。もし耐えられなくて息絶えてしまっても、霊力は遺体に残るから、スキマで遺体を回収してくれ。解放されてかなり時間は経っているが、媒体が存在しないから浮遊しているはずだ。外の人間に取り憑く前にどうにかしないとまずいぞ」
「…でもグラン、そんなことしたらあんたの身体じゃ持たないわよ!神主の身体じゃないんだから!」
「勝算はあるの?」
「安全な博打なんてもなぁねぇさ。これは賭けだ。俺の全身全霊をかけての大ギャンブルだ」
「グラン…」
「俺は死んだって悲しむ奴はそぅはいねぇ。守りてぇんだよ、この楽しかった日常を。何だかんだ喧嘩して、笑い合って、協力し合って、こうやって過ごせて楽しかった日常を守りたいんだ」
「グラン…!あなたは死なない!絶対に死なない!死ぬなんて…あり得ないの…」
「霊夢…」
俺のために涙を流すなんて、コイツも成長したんだな。人のために涙を流すなんてまずなかったからな。…でも。
「すまん霊夢。最後の最後の俺の我が儘だ。聞いてくれ。俺は死んだって構わない。悔いはねぇさ。この幻想郷を守れるなら、この楽園を守れるなら、この命、尽きるまで燃やしてやろうじゃねぇか!」
「覚悟は…良いのね?グラン、…いや、渡瀬慶」
「久々だな、俺の本名。あぁ良いぜ。元気でな、霊夢。もし死んでしまったら、皆によろしくな」
「……」
「おい、いつまで泣いてんだよ?まだ死ぬと分かった訳じゃねぇんだぜ?送るときくらいは、笑顔で…な?」
「う…うぅ…」
霊夢は涙を必死にこらえ、無理矢理口角を上げて笑顔を見せた。
「お前の笑顔が見れよかったぜ。紫、頼むぜ」
「…行くわよ」
そして、紫のスキマは俺を覆い被さり、その場から消えた…。
続く(次回最終回…かな?)
ここまでこんなつまらない物を読んでいただいて、ありがとうございます!
この『博麗の神主?夢だろただの』を、次回最終回…ではないですが、第一シーズンを終了と、させていただきます。第二はあるのかと、思われる方も居るでしょう。ありますよ!そう簡単にはやめませんよ。
…ですが、日常記と明治18年以降の上海アリスにちょっと力を入れようと思っているため、次回を持って、一旦打ち切らせていただきます。復活は未定です。急に復活することもあるので完全打ち切りではないです。気分次第でパッとあげるので、これからもよろしくお願いいたします!!