神「もう梅雨も開けようって時なのに二人は何してんの?」
上「シャンハーイ?(見てわかりませんか?)」
蓬「ホーライ(雨乞いをしてるんですよ)」
神「あれだけ雨は嫌だって言っておきながら雨乞いなんて、どういう風の吹き回しだ?」
蓬「ホーライ、ホーラーイ(じゃあ聞きますけど、私たちが雨で可愛そうになってるところを見せないでネタがあるんですか?)」
上「シャーンハーイ、シャンハーイ(それに私たちに慈悲の目が向くこと間違いなしですよ。こんな手捨ててなりますか?)」
神「悪かったよ!ネタがなくて!でも頼むからやっと雨とはおさらば出来ると言うときに雨乞いしないでよ…」
上「シャンハーイ(まぁエアコン直りましたし良いでしょう)」
蓬「ホーライ(ネタなんて神主さんをいじめ通せばいくらでも出ますし)」
神「ちょおおっと待てえええええい!!」
上「シャンハーイ?シャンハーイ(なんですか?あなたに拒否権なんてありませんよ?)」
蓬「ホーラーイ(ささ、歯を食い縛ってくださいね)」
神「アリス助けて!」
ア「だが断る!」
神「神なんて…居なかった…」
神主、明日にはぼろ切れになっちゃってますね(笑)(笑)
それでは早速本編どうぞ!ゆっくりしていってね♪
一人の少女の幻想入り、それは偶然か必然か…
───幻想郷、某所───
─side ???─
「ん…ぅう?」
私ったらいつの間にか寝ちゃってたわ……ぇ?ここはどこ?私…さっきまで大学のサークルで異世界の研究をしてたはず…。
「月を見ても星を見ても何処なのかが分からない…」
私の名は宇佐見蓮子、京都の大学で異世界の研究をしてたんだけど、目を覚ましたら見たこともない所に来ちゃってたの。
「…ここ、日本なのよね?海外だったらお手上げよ?でも、周りに生えてる木は杉の木?なら日本の緯度、経度で間違い無いわね。湿潤な気候の木だもの」
文系の私でも生物真面目にやってて良かったと初めて思った瞬間ね。高校まで習ったことが命の危機になるとこうも役立って来るとはね…。
「あ!メリーは!?メリー!いないの!?」
『がさがさ…』
向こうの方から音がする…何かが来る…!
「なぁ霊夢、こんなところまで来てなんなんだ?もう10時になるし、帰って寝たいんだけど…」
「良いじゃない、たまには夜の見回りも必要でしょ?私は全っ然眠くないわよ」
「そりゃ昼の11時まで寝ておいて起きたと思えば昼ごはん食べて昼寝とか抜かしてまた寝て…一日の半分寝たんだから仕方がないだろう?俺は眠いんだ」
「まぁ今日くらい眠れない夜に付き合ってよ」
人だ…良かった、変なところでは無いみたいね…日本語喋ってるし、望みはあるわね。味方かは分からないけど。
「ん?そこにいるのは誰だ?」
気付かれた!?音はさせてないし、声も息も殺してるのに…。でも、気付かれたなら仕方ないわね。いい人そうだし。
「はい…私…です」
「見ない顔ね。服装的にも
外の世界?どういうこと?ここって地球よね?日本よね?月だって見えるし、月にはウサギが餅をついてるのが見えるし…!
「霊夢、この子戸惑ってるぞ?まずここは何なのか説明しないと」
そう、まずここが何なのかを教えて欲しい。そうじゃないと頭がおかしくなりそうだわ。
「それもそうね。じゃあ一から説明するわね。一回しか言わないからよく聞きなさいよ?」
「はい…!」
「まず、ここは幻想郷。妖怪と神と人間が共存する夢の世界。外の世界というのは、幻想郷の住民から見てあなたたちが住むところを指してるわ。一応外の世界とは陸続きなんだけど、結界で決別されてるから実質は異世界となるわ」
「そんな異世界に外から迷い込んでくると言うのは何も珍しい事じゃない、ただ1つ気を付けないとならないのは、ここの妖怪を甘く見ないことだ。ここの妖怪は擬人化したかのように人間の如く接してくる、だが妖怪は人間を主食として生きているのが殆どだ」
「一応この幻想郷にも絶対な掟があってね、ほんの数年前結界が弱まったとき外から人間がたくさん来たことがあったんだけど、そこで妖怪は人間を食べてはならないと言うのができたの。1、幻想郷の人間を食べてはならない。2、結界異変より以前に幻想入りした人間を食べてはならない。3、異変後の人間はこの限りではない」
「つまり…お前は対象外なんだよ」
「…!?」
私が対象外?だとしたら…食べられちゃうの!?
「もしかしたら…私たちが妖怪であなたを食べちゃおうかしらぁ?」
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ!」
いい人だと思ったのに化けてた妖怪だったなんて!
「本末転倒なふざけた冗談かましてんじゃねぇ!!」
男性の方が女性を思いっきり拳骨した…どうやら悪い冗談だったみたい。
「痛ったぁ…何も本気で殴ることないじゃないのよ!ほんの可愛いジョークでしょう?」
「「可愛くねぇ!/可愛くないですよ!」」
なんと口が揃った。この男性とは気が合いそう…良かった。ギクシャクしてたんじゃ心細いよ。
「ったく。ごめんな、こんなふざけた様な巫女でさ」
「いえ、全然…ぇ?巫女?」
巫女ってどういうこと?確かに赤と白の服装着てるし…まぁ色のバランスが外の巫女とはずいぶん違うけど。
「あぁ、紹介が遅れたわね。この近くに私らの神社があるから、そこで話しましょう。ここじゃいつ面倒な妖怪に遭うか分かったもんじゃないわ。グラン、能力で連れてって」
「おめぇなぁ…俺は何でもできると思ってるようだが大間違いだぞ?まぁ、テレポートくらいはできるが…」
この人たちに付いていっても大丈夫そうね。もしかしたら元の世界に戻るヒントがあるかも。
───博麗神社───
ここが神社、やはり日本なのね。もしかしたら洋風の神社とか変な想像してたけど普通で…なんか安心したわ。
「心配しなくても、この幻想郷には洋風の館は何個かあるさ」
「え!?」
何で分かったの!?口に出してた!?喋ってたつもりはないんだけど…。
「あんたも結構からかってんじゃないのよ」
「わりぃ…あんまりにも怯えた様子だったから心の様子を視てたんだ。そしたらそんなこと思うほど余裕が出来たかと思うとつい…な」
もう何が何なのかよく分からない…異世界の研究をしてたけど、いざ異世界に来てみるとこうも混乱するなんてね、また良い経験じゃないかしら!
「…大分心に安定が見えてきたな」
「落ち着いた様ね。じゃあ改めて自己紹介といきましょうか」
おっと、ちゃんと話は聞いておこう。帰れるヒントを見つけないと!
「まぁまず私からね。私はこの幻想郷の平和と人間、神、妖怪のバランスを管理して、もとい結界も管理を任されてるわ、肩書きとして博麗の巫女、博麗霊夢よ」
「次は俺だな。霊夢と同じように管理を任されてる博麗の神主、風籟寺グランだ」
「ぇ…あぁー、私は宇佐見蓮子と言います…大学生…です」
そもそもここの世界の人に大学生なんて通じるのかしら?
「だいがくせい…?なにそれ」
「学校として一番上級の学校の生徒のことだよ。大学生か、ならこの幻想郷に居続けるよりは元の世界で勉強する方が断然良いね」
まぁ…正直言って真面目に勉強してる…って訳でもないし、大学もサークルが目的だし…。でも戻してくれそうね、良かった。
「まぁ簡単な紹介が終わったなら、どうする?すぐ帰る?私たちもうそろそろ寝たいから決断は早くお願いね」
「帰りたい…帰りたいです」
「分かった。今結界に裂け目を作るからちょいと待っててくれ。…せや!」
凄い…空気を殴ったらそこにホールが出来た…この人たち人間なのよね?
「あぁ、正真正銘人間さ。ホールが消えるまでそう長くないから早く行けよ?」
「あ、はい…。お世話になりました、霊夢さん、グランさん」
やっぱり心を読まれるのは慣れないわね…。
「元気でね、蓮子」
「また来れる機会があるなら、ぜひまた来てくれ。歓迎するぜ」
「はい、ではまた…」
幻想郷…そんな世界があったなんて…うふふ。
─side 語り手─
蓮子はホールに飛び込んだ瞬間、ホールは消えてしまった。
「霊夢、これはマズイ兆候なんじゃないか?」
「分かってるわ。今はまだ浅いけど、時期にヤバイわね…」
───外の世界、京都の某大学のサークル室───
─side 宇佐見蓮子─
「ん…ぅ…ふああ…」
私ったら、こんなところで寝落ちしちゃってた…。
「…変な夢だったな」
あれが夢なのか分からない。もしかしたら現実かも知れない、けれど、異世界のことを知れたのはどちらにせよ収穫はあった!
「おはよう蓮子、早いわね」
ぇ?おはよう?メリーが今来て…私…ぇ?
「今…何時?」
「朝の9時よ。何時に来たの?」
「…昨日の朝10時…よ」
「…は?帰ってないの?寝落ちたの?」
「うん…恥ずかしながら。それより聞いてメリー!私ね、変な夢を見たのよ!」
終わり…?