神「ここ最近で急に梅雨入りしたなぁって感じるんだけど、どう?」
上「シャンハーイ、シャーンハーイ(人形の私たちからすれば湿気が多くて参っちゃいますよ)」
蓬「ホーライ、ホーライ(アイロンも乾燥機にもかけれないので我慢するしか出来ないんですよ)」
神「やっぱり人形って大変だね」
上&蓬「シャンハーイ!&ホーライ!(同情するなら除湿機付けろ!)」
神「仕方がないだろう?二人が暑い暑いってエアコンやら酷使してたじゃない、そりゃ壊れるよ…」
蓬「ホーライ(人形にとって環境は大事なのです!)」
上「シャンハーイ(湿気でカビてきたりするのはイヤですからね)」
神「それもそうか。でも酷使したのは仕方ないとはいかないし、エアコン戻ってくるのあと一週間だよ」
上&蓬「シャンハイ!?&ホーライ!?(一週間!?)」
神「それまで扇風機で我慢だね。ほら、うちわで扇いであげるからショボげないで…」
上「シャンハーイ(いつもキモいのに今日はやさしいですね)」
神「キモ…あのねぇ、俺はいつも優しいぞ?」
蓬「ホーライ、ホーラーイ(でも、良いところは?って聞かれて優しいって言うのは良いところが無い人へのフォローですよね?)」
神「そんなこと無い!そんなこと…そんな…ねぇ?ある…か…な?」
上「シャンハーイ(あらら、今度は神主さんがショボげちゃった)」
蓬「ホーライ、ホーライ(放っときましょう、スマブラでもやりましょう?)」
上「シャンハーイ!(やるやる!)」
神「少しは私の心配をしろよ!」
さて、神主は上海と蓬莱に好かれるときは来るのでしょうか?
では、本編始まります!最後までご覧いただけたら幸いです。
───博麗神社───
─side 風籟寺 弘鑾─
「……ふあぁ」
咲夜が冥界に発って小一時間経とうとしていた。俺は炬燵に入り過ぎて少しアツくなり体を出して外の寒さと丁度良い程度に体感温度が保たれながら寝転んでいる。
実は咲夜が残した言葉、それが頭の中を過っていた。
『この体で異変解決失敗したら見殺しにしたことになる』
見殺し。俺も外にいた頃は見殺しの慶って言われてたっけ。何でも自業自得の人を助けようなんて虫酸が走る。
「だが…、今は本当にそれで良いのだろうか?」
…さて、どうするかな?
───白玉楼、門前───
─side 十六夜 咲夜─
「…く、なかなか上手く剣を振ってるじゃない。命中はしてないけど」
「痩せ我慢しても無駄ですよ、咲夜さん。少し疲れも見えて際どい所で避けています。幸い、あなたは時間を操れると言うやや有利な能力で疲労をカバーしている様ですが…」
「そこまで観察出来るなんて、余程凄い訓練でも受けたのね」
さすがにこの私も予想だにしない出来事だった。魔理沙はともかく、霊夢までK.O.を食らうなんて。
今は相手の強さに口を開けてる場合ではないわ。ここは冷静に相手の動きを観察してみましょう。一回攻撃の事を忘れるの。
「凄い訓練?いえ、これが私の全力です。さぁまだ攻撃は終わりませんよ!」
来る!しっかり見極めないと!
今の妖夢は上段の構えで剣を振っている。その構えから最初はほぼ100%突きから来ているわ。おそらく少ない力でスピード任せに攻撃できる突きで私のナイフを負かせると踏んでいるのでしょう。だけどさっきからちやほやと突きの数が減った気がする。まぁ警戒するに越したことはない。
「…危ない!」
予想通り、突きで攻撃してきた。妖夢自体も素早いから強力ね…ギリギリだったわ。
さて、突きから来るのが大体流れで払い切りが向かってくるはず。ここはナイフでも応戦できるけど、今はそのタイミングではないわ。
「せぃや!」
『ヒュン!』
やはり!いくら強い剣術を使っていても、型にはまった戦い方ではかえって足を引っ張ることもある。この妖夢の動きも大体、1つの行動があれば連動して次の決まった動きが来る。それを突けば勝機は見える!
…いや、早まるのはちと急ぎすぎでは?この様に単にマニュアルのような剣術使いであるなら、霊夢たちが負けるなどあり得ない。何か秘密が…。
「少し変わりましたね。私の動きを完全に予想している感じですね」
「そうね。多少は予想して動いてるわ。おかげで少しは疲れも抑えられるわ」
「…そうですか。ただ、今あなたには剣術しか使っていません。いくら私の能力であろうとも、剣なら誰でも振れます。ただ…」
「…!消えた!」
気付いた時には妖夢は目の前におらず、私の首元には光輝く鋭い剣が当てられていた。
「あなたの能力と
私の能力と似た?どう言うことかしら?
「私は剣術を扱う程度の能力だけではありません。相手の視界から外れる程度、重力を操る程度、そして無力化させる程度の能力の3つが私に宿りました」
「それってほぼチートじゃない?」
「裏の大人の事情って奴をここで言っちゃいますか?主が変な妄想してるから仕方がないですよ。ほら、グランさんなんて私よりチートですよ?」
「それもそうね…さて。そんな能力があるから霊夢たちは負けたのね」
とてつもなくメタい話を繰り広げた後、話を繋げるのは厳しいものね。
霊夢が破れた理由はこれだったのね。どれだけ攻撃しても視界から外れられれば正面の攻撃は効かないし、仮に攻撃が当たりかけたら攻撃を無力化すればダメージはない。空を飛ぶ事も、重力を掛けて浮かさなくすれば良い。いくら霊力でも化学の目の前では無力と言うこと、これが正に無力化させる…か。
「強くなったのね、妖夢。どうせ私が時を止めて移動しようとしても、無力化させられてるから今の私は普通の人間となってると言うこと。私の負け…か」
悔しいが今まで自分の能力がどれだけ活躍していたのかが良く分かった。幼い頃は大嫌いだったけど…。いざ無力になるとありがたみが分かるわね。今こうして避わせないんだもの。
「さぁ、首は飛ばしません。ですが、少々お邪魔なので峰を打たせてもらいます」
すみません、お嬢様。私、咲夜めでは、この異変は解決出来なさそうです…。
「では…」
『ヒュ……カーン…!』
…?切られてない?それより後ろの方で乾いた金属音が聞こえたけど…。そぉーっと振り返ってみると、そこには…!
「く…!やはり来ましたか、グランさん!」
博麗神社でぐうたら寝ていたグランであった!
─side 風籟寺 弘鑾─
だから言ったはずだ。油断していったら自分の血を浴びるって。なのに何だ?霊夢と魔理沙は桜の木の下で倒れてるし、咲夜は妖夢に首に剣をかけられてる。このままじゃまずいな。仕方がない!
『ヒュ……カーン…!』
俺は急いで咲夜の下へ走り、ギリギリお払い棒…ではなく日本刀で防御したのは良いが、俺っていろんな武器が使えるな…あらゆる武器を使う程度の能力ってか?
「く…!やはり来ましたか、グランさん!」
「おい、咲夜!霊夢ら連れて離れてろ!今の妖夢は幽々子より断然強くなってやがる、激しさは度を超えるぞ!」
「分かったわ!」
そう言うと、咲夜は遠くまでは行かずとも二人を連れてこの場から離れた。
「さ…てと。お前の相手は、俺が引き受けたぜ」
「あなたなら気付いてますよね?」
剣の刃の辻合いから弾かれ、お互いに構えに入り聞きたいことを聞き出さねば。
「お前の能力…だろう?」
「ご名答です。ならもう分かりますよね?あなたに勝ち目は…いえ、この世の生き物に勝ち目は…」
「…あるんだよな~それが」
「ぇ…、いやいや、いい加減な事言っても無駄ですよ。私には強力な4つの能力がありますから」
どこで手に入れたのかは知らねぇが、確かに強い。下手に手出しするとそれこそ霊夢達の二の舞だ。だが、俺には不可能はないんだよ。この博麗の神主に特別に卸された神体は様々な力を持っている。これぞ、チートと言うヤツさ!…少し悲しいかな?
「それなら、来いよ。
「…!な…何?」
そう言いながら妖夢は構えられた楼観剣を落とす。そして膝から倒れ落ちた。
「力が…全然入ら…ない…!」
「俺に勝ち目はないだと?博麗舐めてんじゃねぇぞ。今のお前は、俺の『無にする程度の能力』で力を無にされた…と言うワケだ。当然、お前の能力も無に出来る。つまり…お前は剣を握れなくなる」
「あなたには、やはり敵いません…師匠。参りました」
やっぱ…こう、幼げがある女の子に師匠って呼ばれるって良いね~(笑) 妖忌もこんな思いで剣を教えてたのかな?今度能力で聞いてみよ。
ただ…妖夢は破れた。能力のぶつかり合いだったが、上には上がいる事を教えれたのは良い収穫だと言えよう。だけど、今から幽々子に説教しに行くから動かれても面倒だ。悪いが身動きは止めておいて貰いたい。
「悪いな、妖夢。痛くはないから…」
なんか…イヤらしい響きね♪…ささ、続き続き。
首元に手のひらを当て、先ほどの能力で意識を無にして動きを封じた。決して何処かの地下宮殿の主の妹とかではない。無意識ではない。
「さて…幽々子、いるんだろう?門のところで身を隠してるのは分かってる」
「んもぅ…ちょっと見逃してくれたって良いじゃない。どーせ桜の木の下で対面したらカッコいいじゃない」
「お前は一体何を目指してんだ?冒頭に妖夢に突っ込まれたりクサいセリフ吐かせたり…妖夢も被害者だな」
ややメタい気もするが、いちいち気にしてたら話が進まない。ささっと本題に入ろう。
「まぁ良い。聞きたいことが山ほどある」
「あら、なら中へどうぞ。お茶でも飲みながら…」
「いや、良い。そんな年下を弄っちゃうお姉さんみたいなキャラ撒かなくても良いからさ。何でまた桜を咲かせようとしたのか。それを教えてほしいんだ。あと妖夢の覚醒についても」
「むぅ…。じゃあまず、妖夢ちゃんの覚醒から話すわ。あの子の力は、西行妖が埋め込んだ物よ」
…どう言うことだろう?西行妖、つまりあの大桜が妖夢に力を与えたと言うのか?バカな話も良いところだ。西行妖は散った、その引き換えとして幽々子が存在してるんだ。
「信じられないような顔をしているけど、これは真実よ。あの子は間違いなく、あの桜の影響を受けてる。まさかこうなるとはね」
「それと、幽々子が再び西行妖を咲かせようとしていることが関係しているのか?」
「それは…、つい先週の話よ。私が西行妖はもう花を見せないのかしら…って呟いちゃったのが始まり」
「やっぱり原因おめぇか!」
「そしたらね…」
「無視かよ!」
段々俺の扱いが酷くなってる気がするが、今はそれどころではないんしたね、どーもすみませんねぇ。
「妖夢ちゃんが協力してくれると言ったから、今一度ここに桜を咲かせようと思ったのよ」
「しかし、それは無理なはずだ。昔のこの異変で分かっただろう?この木の魂はお前の身柄を代として封印された。お前が死なない限り…と言うか消滅しない限り桜は咲かんぞ」
「でも、それは誰が決めたの?誰かが決めたのではないなら覆せる」
「ムチャな理論だぜ…」
「そこで昔のやり方を元に、下界の春をこの木に送り込んだ。すると、思いもよらぬ事が…」
「それが、妖夢の覚醒か」
「私には抑えきれなかった。西行妖の強い呪いと妖力には敵わないわ。まぁ私としては計画が捗るから良かったんだけど」
「ちっとも良くねぇ!霊夢らは惨敗したし、やはりお前を退治しなくてはならん」
「そこまでよ!」
やや遠くやや近い所から聞き覚えがある声が聞こえた。いつも神社に現れては霊夢に引っ付いて鬱陶しがられるおばあちゃんみたいな奴の声が。振り向くと案の定。
「紫…?」
さっきは呼んでも出なかったくせに。何を企んでやがる?
続き
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