☆キャラが倒産(崩壊)しました
☆オリキャラ…もう定番化したね
☆そろそろ初心者脱したい…
「もし少しでも手こずる様ならば、彼女を殺しなさい」
紫から発された言葉は、氷のように冷たい刃の様でした。なんで敬語かって?そりゃそうなるでしょうよ。
「どういうことだ?納得いく説明があるんだろうな?」
「…言わずもがな」
紫はその6文字を返答としたらしい。当然、俺も博麗の名を継ぐものに当たって、幻想郷のルールは聞かされていた。今もそれは忘れてはいない。霊夢も同様である。
「…人間が妖怪化すること、だよな?」
「ご名答よグラン。今の魔理沙は吸血鬼の一族を容易く滅びに誘った。これは最早人間の手技じゃないわ」
「でも…」
霊夢は曇らした顔をしている。俺もそうだが、それより仲が深い霊夢にとって、一番の親友を自らの手で殺めるのは大いな抵抗がある。
「霊夢、あなたは人間である以上に博麗の巫女なの。人間としての行動をするなら止めないわ。でも、博麗としての行動を逸脱する、或いは従えないなら、私は止める。幻想郷の一賢者としてね」
紫の言い分が分からないことはない。ただ、一人の人間としての行動をするか、幻想郷不可欠の博麗の巫女としての行動をするか、霊夢の天秤が揺れている。
「…手こずらなければ、良いんだよな?」
そんなネガティブに捉えるのではなく、前向きに考えよう。魔理沙を殺す?手こずらなければ?ならば手こずらなければ良い、魔理沙を救ってやれば良い。確かに魔理沙を殺すさ。でも"魔理沙"は殺さない。
「…私は、あなたたち二人を信じています。彼女は今どこにいるか、それは定かではありませんが、彼女を、霧雨魔理沙を、その手で救いなさい」
「意外ね、紫。以前の紫なら私たちが何と言おうがルールは絶対とか言って殺せと迫るかと思ったのだけど」
霊夢も不思議に思っていたみたいだ。やっぱり人間も妖怪も年取れば考えることも穏やかに何のかねぇ。
「グラン。決して年を取ったから考えが穏やかになったわけじゃないわよ?」
何故バレたし…。覚り妖怪かよ…油断ならねぇ。
「そりゃ悪かったよ。さて、時間も限られてる。早いうち、魔理沙を見つけよう」
二人は、跡形もなく崩れ落ちた紅魔館を後にし、二手に別れて情報集めを行うことに。いくら切羽詰まってようが、焦っても良い結果は訪れない。地道に調査から進めることが勝利への道さ(キラッ☆)
…柄にもねぇことするもんじゃねぇ何霊夢が呆れたような顔をしてるごめんそんな目で見ないで悲しくなるから~!
まずは霊夢、魔理沙の行きそうな場所、と言うことでアリスを訪ねてみた。が時すでに遅しだった。家は崩れ落ちて、中でアリスが倒れていた。
「アリス!大丈夫!?」
「……うぅ、れい…む?」
途切れ途切れの意識の中、懸命に霊夢を捉えるアリスの目は火が弱まっている。長く話すのは危険、素早く聞き出さないと!
「魔理沙にやられたの?」
「…歯が…全く立たな…かった…わ」
「そう…。永遠亭に運ぶわよ、良いわね?」
そう言うと同時アリスを抱え、永遠亭に向かった。永遠亭は無事のようだが、いつ狙われてもおかしくない。永琳は大丈夫と言っているが…。
一方俺は冥界へと足を運んだ。こういう地上で荒々しいことが起きると、敏感に反応するのが霊である(ただのフィクションです)。この情報を頭に幽々子に様子を聞きに来たのだ。幸い白玉楼は何事もなかった様子。
「おーい幽々子。聞きたいことがあってきたぞ」
「あ、いらっしゃいグランさん」
出迎えてくれたのは庭師の妖夢だった。あのブラックホールはどこに行きやがった!
「おう、邪魔してるぜ。ところで、幽々子は?」
まさかこんな状況下でも、まだ多種多様な料理を目の前にしてるのか?
「下界でとんでもないことが起きてるそうで、幻想郷の主格が集まって会議をすると…。今、紫様と映姫様がおみえになってまして」
幽々子様、申し訳ございませんでした!さすがは幻想郷の主格だけある、きちんとこう言うことには責任を持っている様だ。それを普段からすれば良いのに…。
「なんか変わったことなかったか?霊が騒いだりとか…」
「はい。白黒が幻想郷中を破壊しようとしてると、どの霊もそんなこと言ってて、でもまだ人里には被害はないそうです」
まだ人里に行ってないのか…不幸中の幸いと言いたいが、何か奥歯に引っ掛かる。意図的にそうしてるように感じる。もっと聞き込みが必要そうだ。闇雲に探しても見つかる気がしないからな。
────妖怪の山、守矢神社────
「本当に、霧雨魔理沙なのか?」
魔理沙は守矢神社へやって来ていて、もう1つ激戦が終わったらしい。
「弾幕使わず戦っちゃダメって幻想郷のルールにあった気がするんだけど…」
「神奈子様、諏訪子様、ここは私が食い止めます!」
早苗はもうラウンド1で限界を迎えている。だがしかし、この守矢を思う気持ちは消えてはいなかった。
「無茶だ早苗!」
「そうだよ!今の魔理沙は早苗では勝てる相手じゃないよ!」
「良いんです。たとえこの身が裂かれて砕かれて滅びようとも、神社を守る!それは、この神社が命だからです!それを友の手によって壊されるのは死んでも嫌なんです!私が風祝で有る限り、命を持って守ります!」
そのボロボロの身体を無理矢理立たせ、魔理沙へと向く。
「くくくく…、良いじゃないか!感動の家族愛だぜ!守る気持ちと家族への思いで何でも出来ると錯覚している愚かな奴らのなぁ!」
魔理沙は早苗に罵倒を表し、魔法の構えを取る。ラウンド2の始まりだ!
「死ねぇ!」
「「早苗!」」
………………。
「…?」
「……!」
早苗は無事だった。と言うより、攻撃が届いていない。ふと顔をあげると…。
「霊夢さん!」
霊夢が強い結界を張り、みごと神社を守って見せた。
「逃げなさい!」
「え?でも!」
「聞こえなかったの!?逃げろ!神二人と逃げろ!」
霊夢はこれまで見せたことがない程の鬼の形相を浮かべ、逃げることを促す。神二人を共にさせたかは、早苗の保護と応急処置のためである。早苗は現代神とはいえ、まだ日は浅い人間である。その体で無理を強いていたのだ。
「魔理沙…。貴女とは一回本気で戦ってみたかったのよ」
「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか!でも、私の邪魔をして…無事でいれると思うな!」
「(今のは魔理沙の声じゃなかった。魔導書が声を発している?)」
ラウンド2は霊夢と交代、妖怪の山、守矢神社にて本当の世紀の戦いと言うものが始まった!
続く
今回はかなり長い…。飽きずに読んで下さってる方、本当にありがとうございます。感謝の気持ちで一杯です。
前回で少し話したもう1つオリキャラなしの東方project原作の小説を作ろうかと。そっちは僕の休憩みたいなものです(笑)
一切内容は詰まってないギャグ風に作ろうと思ってます。このシリーズとは性格がかなり変わってるかも…