DARK SOULS The Encounter World【旧題:呼び出された世界にて】   作:キサラギ職員

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Slayer of demons

 「どうかしたかね? 鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして」

 「……え? デュラ……? 生きてる?」

 

 シャナロットの脳内は混沌と化していた。狩人が突然デュラを刺し、銃という武器を撃った。別の銃でキアランも撃った。今まさに自分が殺されようかという瞬間に奇妙な感覚に襲われたかと思えば、生きているデュラがいた。デュラは言っていた。自分は死ににくいのだと。しかし仮にデュラが奇跡か魔術で回復したとしても瞬時に再生できるとも思えない。仮に再生したとして服まで再生するわけも無い。キアランも同様で、大穴の開いていた腹は無事だった。

 事態が全く飲み込めなくなったシャナロットは平素のしゃべり方が出てしまっていた。驚きの度合いが強すぎたのだろうか、辺りをキョロキョロと見回している。

 シャナロットはまともな感性の子供であった。重傷を負った人間が元通りになる可能性を考えれば、傷を癒す強烈な力があるだとか、薬品で蘇生したのだとか、常識的な手段を考える。仮に二名が瞬時に傷を癒す手段を持っていたとしても、シャナロット自身の顔面に迫ってくる槍を押しのけられる術などありはしないのだ。シャナロットには槍に反応して顔を逸らす機敏さも無ければ、術で槍先をどかす手段も無い。狩人が手加減したならば話は別だろうが、容赦なく二名を殺害しにかかる狂人がたかが少女に加減する理由が無い。幻覚でも見せられていたのだろうかと思考が迷路に迷い込んだ。

 心臓が酷く高鳴っていた。

 おかしい。以前見たことがある風景だと思った。

 

 村は混乱に陥っていた。霧に飲まれた発狂者が無差別に攻撃を仕掛けているのだ、デュラとキアランの二名が誘導したところで、所詮は小さい波に過ぎない。人の波を押し戻せる威力などありはしない。

 デュラが自らに殴りかかろうとした中年男性の拳をかわすと腹に蹴りを叩き込み沈黙させた。

 

 「キアラン。撤退するしかないようだ……霧の発生の原理がまったくわからん。市民を正気に戻す方法があれば別だが……」

 

 これもだ。シャナロットは次にキアランが言う台詞を一言一句暗唱できたが、黙って口元に注視していた。

 

 「わからない……見たことも聞いたこともない術だ。そもそも術なのか? 対応できるのだろうか」

 「私も生憎剣と魔法の世界とは無縁の街に住んでいたものでね。毒を纏った胞子ならば口を覆えばよかったが、この霧はどうも違う。退こう。シャナロット、おいで」

 

 デュラが手を伸ばしてきた。シャナロットの足では常人以上の速力を発揮する自分たちにはついてこれまいとの判断からであろう。しかし、ここで抱きかかえられてしまってはデュラが狩人に反応できなくなる。

 シャナロットは首を振ると、胸元で淡く輝く球体を抱え込んだ。

 

 「ううん。……デュラ」

 「どうかしたのか」

 

 シャナロットは見た。デュラの背後に潜む影を。爛々と輝く狂気の瞳を。

 指差し叫んだ。

 

 「後ろ!」

 

 

 

 どくん、と胸に抱く球体が脈打った。

 

 

 

 「――――!?」

 

 狩人は見た。小さな少女に潜む巨大な翼を抱く影を。その背後を守るようにして聳え立つ光と闇の力を内包した何者かの姿を。背後に聳える存在は途方も無く巨大であった。狩人の瞳をもってしても、大地を覆い尽くす力の圧にしか見えなかった。

 それは例えるならば大樹であった。全世界をも包み込まんばかりの雄大な巨影だった。その葉の大きさを知ったようなもので、大樹本体の容積を測ることができないように。

 発生した事実としては一点だけ確かなことがある。

 娘に感づかれた。

 そんなことはありえない。

 青い秘薬で姿を消し視認性のきわめて低い霧の中に潜んでいたというのに、ろくに戦闘経験などない少女に発見されるなどと。人間という生き物は目に映る全てのものを認識しているわけではない。そこに、人がいると思っていなければ感づくことなどできないのだ。少女の行動はあらかじめ来る方角と位置を悟っていたと言わんばかりだった。

 一瞬怖気付いた狩人はしかし壮絶な笑みを浮かべた。獲物は大きければ大きいほど面白い。獣の血を啜り、人の屍を乗り越え、神の首をもぎ取り、上位者を震撼させた男の前に攻撃の手を緩めるだけの感情は存在しない。

 同様に、優しさゆえに獣を狩ることをやめた男にも容赦という感情は無かった。優しさとは温さの対義語ではない。時に刃を振るうことも優しさである。反射的に散弾銃を背後に撃ちはなっていた。無数の鉄粒が一定範囲に収束し飛翔していく。人体の目視可能な速度を遥かに超えて飛来するそれは狩人の装束を易々とくじき人体の内部で弾けた。

 狩人目掛けキアランが火炎瓶を投擲する。狩人の肉体が炎上した。

 火炎の中で赤い瞳が瞬いた。片腕に握られた槍を変形させると、悠然と歩き始める。前方を塞いだ人食植物を突き刺すと、片腕のみで持ち上げる。死に切れず喘ぐ植物をものの一振りで壁の染みに変えると、腰に銃を挿して槍を銃発射可能状態へと変形させた。

 火と煙の中で狩人の低い笑い声が鳴り響いた。低く、震えながら徐々に高まっていく。

 

 「くくくく……くく……ハッ はははは!!」

 「化け物め」

 

 キアランが言うや狩人は火のかかった外套を脱ぎ捨てた。倒れた人を乗り越えて、植物を足蹴にして迫る。

 

 「いいや人さ……面白い。本当に愉快だ。しかし今日は退かせてもらおうか。“三人”相手では部が悪い」

 

 狩人が言うなり特異な銃を取り出した。中折れ式の短銃であった。銃身はごく簡素なもので、フレアガンに良く似た構造をしていた。弾薬を装填すると、胸に手をやりかしこまった一礼をかます。にんまりと白い歯をむき出す憎憎しいこと。

 キアランは新たな銃かと身構えた。流石に銃という武器の特性は理解していたのだ。銃弾を装填して狙わない限りは意味を成さないことを。射撃の気配を読み、射線から逃れ、接近する。実行するだけの反射神経を備えている故に、反撃のために黄金の残光を強く握った。

 デュラは銃の特性を完全に把握していた。かつて自分が使用したこともあったからだ。

 ――共鳴破りの空砲。侵入者が死亡以外の手段で共鳴する不吉な鐘の音を破る唯一の手段。

 キアランが武器を振りかぶり、デュラが散弾銃の銃身を折り銃身を露出させた。

 狩人は引き金をかちりと言わせる間際にシャナロットを見遣った。口が動く。

 シャナロットは狩人の唇が何を言わんとしていたのかを悟った。

 

 「つぎはにがさない」

 

 狩人が共鳴破りの空砲を発射した。

 同時に横合いから火炎の激流が植物の群れもろとも狩人のいた地点を薙ぎ払っていた。離れた地点で身構える三名でさえ肌を焦がしかねない熱量であった。火炎がやんだとき既に狩人は無く、代わりに全身に火炎を纏ったアッシュがあらわれていた。

 アッシュは片腕を炭と化していた。鎧は穴と溶解の痕跡が激しく原型を失っていた。片目は抉れ、焦げて眼孔からかろうじてぶら下がっているだけであった。よろめきながらも、つい今しがた火炎を放つのに使用したロングソードを一振りして鞘に収める。

 狩人は元の世界に帰還したのだろう。影も形もなかった。

 アッシュはデュラとキアランが攻撃直前の姿勢で固まっているのを見ると、頭を下げた。

 

 「すまん……竜狩り……もどきと言うべきか。アレは逃げた。まさに早業だった。模造品とはいえ槍捌きは一流だったな。次は必ず仕留めたいものだ……」

 

 デュラが狩人がいた地点へと銃を構え歩んで行く。狩人が立っていた石畳が溶岩と化していた。逃げられたのだろう。仮に殺せたとしても、夢に捕らわれた狩人は死ねない。何度でも殺しにくることだろう。ため息を吐くと、辺りを見回してみた。戦闘の余波のせいか家々は倒壊しており、市民と植物が混ぜこぜになって死体の山を築いている。市民を守るため奮闘してこの有様。拳を握るとやるせない気持ちにため息を吐いた。

 アッシュも同じ地点へとやってくると、空っぽになったエスト瓶を逆さに振った。休息が必要だ。

 アッシュが咳き込んだ。口から灰が漏れ出す。火の粉が吐息に混じり吐き出される。デュラが気遣う素振りを見せるのを片手で制した。肉体の損傷はもはや何も感じない。感じるべき神経が雷で焼ききられていたからだ。

 

 「やつは逃げたか? 異様な気配を感じたもので思わず薙ぎ払ってしまったのだ」

 

 アッシュがやったことは単純明快。陰り消えようとする火を一時に燃やし剣に乗せ前方に放ったのだ。火炎は最初の火の力を得て津波が如く殺到し空間を薙ぎ払ったのである。

 代償は、火の寿命。使用と共に火が削がれていく。

 ――また火が弱くなったか。アッシュは己の体に宿る火が悲鳴を上げるのを見た。

 

 「……大丈夫かね。遅かったな。もう一拍早ければ仕留められていたはずだ」

 「いつも肝心な時に間に合わないなどとな……心配はご無用だ……私の世界における流行り病のようなものでね。“死ぬことはない”から安心してくれ。無論感染もせん」

 

 含みを持たせた言い方であった。死にはしない。しかし、生きてすらいないのかもしれないのだと。

 ダークリングがあらわれた人間は決して死なず、いつか全てを失って意思の無い亡者となる。治癒する術を歴史上無数の研究者たちが探求し続けついに発見することはできなかったのだという。

 半壊した村の片隅にて戦士達が顔を見合わせている。

 アッシュの瞳は、怯える仕草も無く胸に抱いた球体を抱きかかえるシャナロットに注がれていた。灰の霧を封じ込めたガラスを金属で補強した球体は、神々しいまでの輝きを放っていた。傍に膝を付くと、シャナロットの肩を揺する。

 

 「どうしたシャナロット……これは?」

 「……竜の力だと」

 

 キアランが油断なく二振りの切っ先を周囲に向けつつ首だけを捻って球体を見ると、ぽつりと漏らした。世界のはじまり以前の静寂を支配していた岩の古竜達の波動と似た感覚がしたのだ。外見は奇妙な宝物にしか見えない。類似の装飾品はアノールロンドで腐るほど陳列されていたが、シャナロットが抱えるそれは唯の飾り物ではないように見えたのだ。

 アッシュがシャナロットの視線が釘付けになっている球体へと手を伸ばした。

 

 「刻の振り子………?」

 

 ぽつりと呟いた。はっと視線を上げたシャナロットとアッシュの顔が対面する。

 アッシュに限った話ではないが、巡礼者達は皆取得したものの性質や名前をなんとなく悟ることができる。歴史が余りに大昔過ぎたり、原型もわからぬほどに破壊されていては不明なままであるが。

 読み取れた情報を呟いた途端に、二人の体が白い光に包まれて消えていく。あっとデュラが息を呑み手を伸ばすも、指先は宙を掻いた。

 二人はたちまち場から消えてしまった。デュラとキアランは顔を見合わせた。

 人を別の場所に送る術というものは、実在する。キアランの知識ならば主神ロイドを筆頭にする神々の奇跡によって。デュラの知識ならば上位者の神秘によって。

 

 「どういうことなのだ……」

 「あの光は…」

 

 二人は背中合わせになると襲撃に備えた。考えるのは後にするべきなのだ。特に非常時には。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「きゃああああああっ!」

 「シャナロット!」

 

 落下。景色が変貌すると同時に二人の体は空中に投げ出されていた。

 流石のアッシュも空を飛んだことはなかった。ドラゴンに掴まれて巡礼の道を一望できる絶景に運ばれた後に放り投げられて地面の染みと化した経験を除けば。

 シャナロットは救いを求めて自らが抱きしめる球体とは別側の手で足掻いた。むなしく宙を切っていた指先を捉える手があった。

 アッシュが空中で手を捕らえると引き寄せたのだ。視線を素早く巡らす。周囲は円形の壁に囲まれている。上を見、下を見、理解した。天辺と底を刳り貫いた中を落ちているのだと。アッシュに翼は無い。滑空の術も無い。落下制御も使えぬ。魔術も奇跡もからきしだ。落下しようが首がもげようが死ねない不死よりも、死んだら永久に終わりの娘を優先しなければ。衝動的に胸に引き寄せると、空中で身をよじって自らが下に来るようにした。少なくともアッシュというクッションがあればよいと。

 落下速度の増加が止まる。自由落下と空気抵抗が鍔迫り合いしていることなど騎士にはわからない。

 目を閉じ祈る。神には祈らない。神を殺してソウルを奪い取ってきた身だ、手を差し伸べようとする神のほうが少なかろう。

 薄く目を開くと、落下先が眩いばかりの白い光に覆われていた。

 

 「――――……」

 「――――……」

 

 景色が跳んだ。

 ふと気が付いたアッシュは砂浜に横たわっていた。

 霧の充満した白い砂浜が果てしなく続いている。浜辺には朽ちた岩の石柱が転がっており、かつて大規模建築があったことを伝えている。あたり一面には巨人が担ぐような長大な武器が突き刺さっていた。不可思議な幾何学状の円環が柄の代わりに据え付けられているものもあった。まるで手持ちではなく投擲したのだと言わんばかりに。

 浜辺には無数の海鳥たちが飛んでいた。霧の彼方からやってくると、大地があると思しき方角の空に消えていく。

 剣群。アッシュは、まるで墓標のようであると感じた。空虚な風景にほうとため息を吐いて上体を起こし首を振った。兜のバイザーを開けて視線を左右上下に振った。

 アッシュは波打ち際に倒れこんでいたのだ。剣を抜くと、相変わらず傷ついたままの左腕を見て、力が全く入らないことを確かめた。右手で剣を抜くと、シャナロットへと歩み寄った。

 シャナロットは球体を抱えたまま意識を失っているようであった。瞳は閉ざされたまま開こうとしない。薄い胸元がかすかに上下しており、生命は繋がっていることがわかった。足を見、頭を見る。頭巾を取って頭を撫でてみても傷一つ無い。ほっと胸を撫で下ろして肩を揺する。

 

 「シャナロット! シャナロット! 後生だから起きてくれ」

 「……アッシュ?」

 

 シャナロットの瞳が開く。左右違う瞳であることを見られた羞恥心か、ぱっと両目を手で覆った。

 アッシュがシャナロットの頭に頭巾を乗せると、屈んで顔にかかっていた前髪を除けてやる。

 

 「痛いところはないか。どこか打ってたりはしないか? 大丈夫か。何かあれば言ってくれ」

 「別に痛くないよ。ほんとうだよ」

 「しかし、落ちたんだぞ。擦り傷とかだな」

 「だ、大丈夫」

 「本当かな。何でも言ってくれ」

 

 二言目には母親染みたじみたことを言い始めるアッシュにシャナロットが噴き出した。自分の膝を払うとくすくす笑う。

 

 「しんぱいしょう」

 「………私は君のことを思ってだね………いや無事ならいいんだ。うむ」

 

 自分で自分が恥ずかしくなってきたのかアッシュが顔を背けた。剣を砂から抜くと、辺りをぐるりと見回した。

 地平線さえ見えない霧の充満した海。白い砂浜。遺跡の残骸。程度しかものが無い。あとは鳥が飛んでいるくらいである。

 果たして自分たちがどうしてこの場所に呼ばれたのか。落ちて無事だった理由は。謎が謎を呼び考えが纏まらない。

 アッシュはシャナロットを連れて歩き始めた。

 ざくりざくりと砂をほじる脚鎧と、軽量な靴がさくさく砂を押しのける音が響く。

 

 「見覚えの無い風景だ。美しいが、悲しい。世界の終わった後というのはこのようなものなのだろうかな」

 「わかんない」

 「すまん」

 

 首を振るシャナロットにアッシュが謝罪をした。

 二人の前方に見えてきたものがあった。鳥の嘴のような尖った兜を被った甲冑一式と武器と盾であった。甲冑は武器を横に置き、砂浜に足を投げ出していた。甲冑にまとわり付く力はかすかに輝いていた。

 砂浜の雰囲気に似つかぬ物体の登場にアッシュの表情が強張る。ロングソードの先端を甲冑に向け、シャナロットを背中に隠して接近する。

 しかし甲冑は動かなかった。

 

 『だれか……だれか………たすけてくれ……』

 

 音も無く脳裏に言葉が過ぎる。

 

 『だれか……だれでもいい………だれか……どうか…………あぁそんな……』

 

 アッシュは武器を下げた。傍らに屈むと手を伸ばす。指先に力が纏わり付いた。久しく触れた人の感触に興奮するかのように。ぶちりと甲冑から力の一部が引き抜かれる。思わずよろめき後退したアッシュは、自らの手の中で輝くソウルの欠片を凝視していた。

 

 かつて多くの悪魔を屠ってきた英雄の偉大なソウル。

 その欠片がアッシュの手の中にあったのだ。

 

 英雄は世界を救うものであるが、英雄を救ってくれるものはいるのだろうか。

 笑えぬピエロを笑わせてくれるものがどこにいるというのだろうか。

 

 騎士は南方の下級騎士に過ぎなかった。

 任務を帯びてボーレタリアから広がり始めていた霧をくぐったのだ。

 槍衾そのものである悪魔を殺したその時に彼は別の名前を帯びるようになった。

 英雄としての名であり、悪魔としての名である。

 

 スレイヤー・オブ・デーモン。

 

 悪魔を殺すものと。

 

 騎士はまどろみの中に夢を見る。今は遠い懐かしき故郷を。もはや取り戻せない掛け替えの無い過去を。

 寿命も無く、肉体さえ人のそれではなくなった騎士を唯一繋ぎとめているもの。ソウルではない。肉体でもない。魔術でもない。心だ。世界を観測し続ける要たる心が折れかけていた。ならば世界は拡散するしかない。拡散した世界はもはや形状を保てず確率の海へと消滅する。

 永遠にも渡る観測の果てに心は次第に磨耗していく。終わり無き苦悩の果てに知るのだ。どうか、終わらせてくれと。死ねず、生きてすらいない騎士に終わりがあるとすれば朽ち果てる永久の彼方である。

 

 アッシュは、騎士甲冑の傍らに跪いていた。思わず手を伸ばす。触れるか触れられないかというところで風景が霞み始めた。

 

 「貴公………そうか、貴公こそが……」

 

 アッシュの言葉は霧に紛れて消滅していった。




【要人のデモンズソウル】
名も知らぬ騎士のデモンズソウルの欠片
人知を超えた力を感じる

悪魔を殺すには強大な力が必要だ
悪魔を殺すものは、悪魔に他ならないであろう

どこかに束縛されているのか使用することはできないが、
郷愁によって所有者をいずこかへ導くであろう
要人は楔であり、故郷に戻ることなど許されないのだ


【刻の振り子】
「その資格はない」

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