ガンゲイル・オンライン 〜ピンク色のチビと影を好む死神〜   作:人類種の天敵

2 / 6
ども、天敵です。今回はレンちゃんの紹介回ですね!主人公の紹介回は次かまた今度か………
にしてもレンちゃん可愛い。今日テストだったけどレンちゃん可愛すぎて問題用紙にレッドギルドちゃんをずっと描いてましたわー。P90が描けなかったので適当に黒く塗りつぶした艶消しナイフ姿でしたわ


小比類巻香蓮

小比類巻香蓮は、何一つ不自由せずに育った。

青森県出身の両親は、移り住んだ北海道で商売を興し、たった一代で成功を手に入れた。

二人は子宝にも恵まれ、二人の男の子に二人の女の子、そして数年後の2006年4月20日に、末っ子として小比類巻香蓮が誕生した。

北の大地の裕福な家庭で、両親、そして歳の離れた四人の兄姉に蝶よ花よとして可愛がられながら成長した香蓮はーーー成長しすぎたのだーーー身長が………。

 

小学3年からグイグイと伸び始めた身長は、卒業時に既に170㎝を超えていた。

これ以上長身になりたくないという香蓮の願いを神様は嘲笑うかのように、中学時代以降も成長を続けた香蓮の身長は、19歳の今現在、183㎝。外国であればこういう女性もいるとは思うが、ここは日本。香蓮ほどの高身長の女性は限られていた。

そんな香蓮気持ちを親兄姉や親しい友人達は香蓮の気持ちが分かっているので、身長の事は一切口にすることは無かった。

……問題は、そんな香蓮の内心をよく知らぬ世間の者達だった。

 

『ねえねえ!君、背ぇ高いねぇ!!バレー部入ろうよ!バレー部!一年で即スタメンだよこれ!』

 

『何言ってんの!?君ならバスケット部が良いに決まってるよ!ね、ね!』

 

『ぇ……いや、あの………』

 

『ちょっと!!勝手に話を進めないで欲しいわね。彼女は我が女子サッカー部に相応しいわ!!ねぇ!?そう思うでしょう!?』

 

中学時代も高校時代も、やりたくもない運動部から熱烈な勧誘を次々に受け、ただ、身長が高いだけで適性がある……と、香蓮本人の意思を尊重しない勧誘に、香蓮は次第に辟易していった

 

『……あ!デカ女だ!デカ女!』

 

『っ……ぁ……』

 

『やーい、やーい!デカ女!』

 

『のっぽ!何食えばそんなに大きくなるんだよー!』

 

『えー、ちょっと何あの子、背、高すぎ(笑)ウケるんですけどー』

 

『ふふ、そんなこと言ったら可哀想でしょ?プッ……』

 

『…………………』

 

街を歩けば“大女”だと散々揶揄されて、わざと聞こえるのくに悪口を言う輩も、多いわけではないが、決していなかった…という事もなかった

 

『ちっ、なんだよあの女。身長デカすぎなんだよ』

 

『クラスでも浮いてんの分かんねーかなー?ぎゃはははは!!』

 

『…………………』

 

そして、これは……どんなに嘆き悲しんだとしても、最早どうにも出来ないことだった。

 

 

 

 

『あははっ!お兄ちゃん!お姉ちゃん!ここまでおいでー!』

 

 

思春期からの長身コンプレックスは

 

 

『え?頭で黒板が見えない?あ…う、うん。ご、ごめんね』

 

 

次第に彼女の内面を変えてしまった……

 

 

『………ぇ?……あ…その……ごめん…なさ…』

 

 

 

 

幼い頃は天真爛漫を絵に描いたような、時に男の子と間違えられるような女の子だった香蓮は、近しい人以外とはほとんど会話もせず、読書や音楽鑑賞に籠もる、すっかり内向的な性格になってしまった。

 

『あー!コヒー、髪伸ばしたんだ!』

 

『え?あ、うん』

 

『似合ってるぜこんちくしょー!』

 

『そう?えへへ……』

 

少しでも女の子らしくあろうと黒髪を伸ばし始めたが、それを褒めてくれるのは美優という友人だけで、今では散髪のタイミングを逸してしまい、毎朝一つにまとめるのが面倒になっただけである。

 

「……この服もそろそろきつくなったな…」

 

大きな身長は、彼女が着る服も選ぶ。

香蓮は女性らしいファッションを全て諦めて、ラフで簡単な服装ばかり選ぶようになった。

 

1年前、香蓮は高校を卒業し、東京へとやって来た。地元の大学へ実家から通うはずが、ダメ元で受けた日本有数のお嬢様学校に受かったのが理由だ。合格発表に両親は猛烈に喜び、一番上の姉夫婦が住んでいる都内の高級マンションの部屋を借りてくれた。

 

2025年 4月ーー少しは何かが変わるかもしれない、と。香蓮は東京の一人暮らしを始めた。

 

 

 

 

名門女子大に通い始めた香蓮を待っていたのは、やっぱり楽しくない現実だった。

流石に歳が歳なので、あからさまに身長で揶揄される事はなくなったがーーー今の香蓮には、やれファッションだサークルだデートだと青春を謳歌するような“普通の女子大生ライフ”は向いていなかったのだ。

しかもこの大学では、ほとんどの学生が幼年部や初等部からエスカレーター式で上がって来た者達が大半で、結局、期待していたような、心許せる友達は誰一人として作る事はできなかった。もちろん、内向的な性格が災いして自分から積極的に話しかけるようなことをしなかった香蓮にも原因はあるのだが。

 

そうして香蓮は、講義にしっかり出て、一人で昼食を食べ、休み時間はヘッドフォンを肌身離さず、学校が終わってマンションに戻り、部屋で一人過ごす毎日を送っていた。

そんな香蓮の他人との交流といえば、家族と地元の友人くらいり談笑が出来るのは、時々夕食に呼ばれる姉夫婦と姪っ子だけ。アルバイトは両親から禁止されていたが、その分使い切れないほどの仕送りが毎月送ってくる。

 

(もう少し社交的にならないと人付き合いの仕方すら忘れてしまうかもーーー)

 

そんな危惧すら抱いていた香蓮は、夏休みの里帰り中に、ぼんやりとインターネットでニュースを見ていて、一つの記事に目を奪われた。

 

見出しはこうーーー『ヴァーチャルリアリティ(VR)オンラインゲーム、復活から隆盛へ。別の人生を楽しみたい人々の欲求は止まず』

 

頭に特殊な器具を取り付け脳と電気信号をやり取りすることで感覚を得て、まるで本当にそこにいるかのように五感の全てを使って体験できるーーーそれが、VR技術。

このフルダイブ技術を、使って大人数がインターネットを介して一斉に参加できるゲームにしたのが、VRゲームである。

 

「これ……って、あの、SAO事件の?」

 

《ソードアート・オンライン》ーーー略称SAO。

そう名付けられた世界初のVR・MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム)は………一人の天才開発者の悪意によって、一万人のプレイヤーを閉じ込める恐ろしい牢獄と化した。

プレイヤー達はこのゲームから出ることは不可能であり、ゲーム内でプレイヤーが死ねば、または現実世界で誰かがプレイヤーの頭に取り付けられた機械を強引に外せば、脳を焼き切られてプレイヤーが本当に死ぬという、文字どおりの“デスゲーム”を強いられたのだ。

 

事件直後は連日のニュースになったSAOも、中のプレイヤーの救出方法が掴めないまま、時は過ぎて行き、新しい死者が出る度に報告に似たニュースが流れるだけとなった。

やがて、SAOという存在自体、中に大切な誰かが囚われている人達を除いて、じんわりと、人々から忘れられていったーーー

 

2年後の2024年11月、幼少期から「異世界」へ旅立つことを夢見た天才開発者、茅場晶彦の死と共に、囚われていたプレイヤー達が解放されたことでSAOは新しくニュースとなった。曰く、「SAOのような危険なゲームは無くなる」ーーーと。

しかし、別の記事は告げていた。

 

『2025年の夏現在、VRゲームの数はなおも増加している。当然プレイヤー人口も急増し、その隆盛は、遠からぬ過去にあんなおぞましい事件があったことなどみんな忘れてしまったかのようだ。五感で楽しめるゲームは今まで以上の仮想現実をもたらし、“別の自分”を簡単に楽しめるが、それは本当にその人に人間的な成長や真の幸福を(以下略)』

 

「“別の……自分”………」

 

その言葉は香蓮に壮絶なインパクトを与えた。

彼女は思った。

ゲームの中で別の自分になれば、少しは積極的に他人とコミュニケーション「取ることができるかもしれない。それが、現実世界でのリハビリのような効果を持つかもしれない、と。

香蓮は、それまでまるで興味がなかったVRゲームについて一から詳しく調べ上げ、友達の美優からも会って話を聞き、実家の里帰りを早めに切り上げて東京に戻った。

 

「え、っと…あ、こ、これ…下さい」

 

「ありがとうございました〜〜」

 

羽田空港から家電量販店に直行し、絶対に必要なも物。アミュスフィアを手に入れた。この銀色の巨大ゴーグルが得ている感覚を全て遮断し、架空の感覚を脳に送り込む。この機械が作動中は身体は失神しているようなものだが、アミュスフィアにはSAOの教訓から、幾多もの安全装置が付いてあり、使用者の心拍数が極端に上がったり呼吸が長く止まったりなど、etcの問題が起きた時には自動シャットダウン機能が働くようにせっていかれ、これは解除することは出来なくなっている。この様な安全対策も考慮して、香蓮はゲームも購入した。

それは、ファンタジー世界を羽の生えた妖精となって冒険するというものーーー香蓮はの友人も遊んでいるゲーム《アルヴヘイム・オンライン》略称をALOと言う

 

友人の勧めやサンプル画像から見える風景を見た香蓮はその期待度を大幅に高め、パソコンとアミュスフィアの設定を終えて人生初のフルダイブへ挑んだ。

 

「リンク、スタート!」

 

パジャマ姿でベッドに横になり、部屋はカーテンを閉めて暗くした状態で、エアコンのスイッチを入れて快適な環境を作り出した後で、香蓮は被ったアミュスフィアの下で、音声によるスイッチを入れたーーーー

 

 

 

「な、なんで!?」

 

そして、激しく絶望してALOの世界から現実世界へとアミュスフィアの安全装置によって、強制的に現実世界へと引き戻された。

 

『ごめん!私、コヒーが身長で悩んでること、すっかり忘れてた………』

 

電話の向こうで友人の美優が平謝りしているのを聞きながら香蓮はぼーっとしていた。ALOで見た………現実世界の香蓮と同じく、同種族のキャラクターと比べても長身の美女であった自分の姿を呆然と思い出しながら……

 

『いやさ……今更だけど、小柄アバターが多い種族もあったんだ……。猫妖精族の《ケットシー》とかさ……。キャラクター生成、やり直す?追加料金、発生しちゃうけど……』

 

美優の提案も、香蓮は自ら断った。既にALOでの《アバター高身長事件》はお金の問題などではなかったからだ。

ランダムに作られたとはいえ長身にされたショックで、香蓮はALOというゲーム自体が嫌いになってしまったからだ。それに、自分の香蓮という名前をもじって“レン”と、綴りも他のキャラと被らないように大文字で、更に子音も重ねて“LEENN”と拘りを持ったアバターをまた作り直すのはなんだか嫌な気がしたからだ……

 

『ねえコヒー、キャラクターの《コンバート》って分かる?』

 

美優から、キャラクターのお引越しーーーコンバートを教えてもらった香蓮は、せっかく作ったアバター“レン”を無駄にしないために、自分の気にいるアバターを作るために無数にあるゲームをコンバートさせまくった。

言い出した美優が呆れるレベルに

 

そして、その執着は数日後に身を結びました

 

「見つけたあっ!!」

 

とあるVRゲームのスタート地点にて、絶叫の声を上げたレン。

狂った黄昏時のような不気味な色の空へと、メタリックな壁の超高層ビルが乱雑に伸びる異様な世界で、ミラーガラスに映る彼女の姿は。

 

「ああ……。見つけた!見つけた!」

 

緑色の戦闘服を着た、身長150㎝にも満たない………

 

「見つけたっ!」

 

夢にまで見たチビの少女アバターだった。

 

 

 

 

こうして、レンが身を置くことにしたゲーム。

《ガンゲイル・オンライン》

“銃”と“疾風”の名の通り荒廃した世界でキャラクター同士が遠慮なく互いを撃ち合う銃の世界でーーーレンが色々あってその頃“対人戦で最も有効”とされていた、敏捷性、またはアジリティ、略してAGIを上げていき、馬鹿正直に全クリしたチュートリアルのNPCである鬼教官から「お前にはこれが一番合っているぞ!」と太鼓判を押されたサブマシンガン。旧チェコスロバキア製の「Vz61 スコーピオン」を両手で撃ちまくり、多数のプレイヤー達をPKしまくって。

『砂漠フィールドに潜む正体不明の恐ろしい待ち伏せプレイヤー・キラー』

と噂されるのは少し長くなるので止めておく。

 

そしてこれまた色々あってスクワッド・ジャムーー通称?イカジャム?ま、まあ、簡単に言えば2人から6人までの人数の複数のチーム同士で、最後の1チームになるまで殺し合う大会をなんだかんだ優勝してしまうーーーのも、小説1巻分になるのでこの際省略。

 

その、すこーし後くらいの後日談、『砂漠の悪魔』と呼ばれる噂が、次第に誰も口に出さなくなってから、ピトフーイなるフレンドも出来て中堅レベルの実力を付けたレンの前に

 

影の死神は現れた

 

 

 

 

「な、なな、なんで場所が分かったの?」

 

「……ニットキャップが取れて思いっきり頭が出てるからだけ………ど………」

 

「私のお気に入りがーー!!」

 

『シャドウストーカー』

『シャドウスレイヤー』

『死神』

嘗てのデスゲームでは、意図的なPKを繰り返すレッドギルド「ラフィンコフィン」から『シャドウ・リーパー』と恐れられた少年の姿を持つアバターは、頭を抱えたピンクのチビへ、ドイツの銃器メーカー、H&K(ヘッケラーアンドコッホ)社製の自動拳銃「HK45」に、レーザーサイトに似た照準器を付けたカスタムハンドガンを突き付けてこう呟いた

 

「なんで……お前が……………“ラン”………」

 

「へ?」




主人公はSAOサバイバーで隠密スキルを極めたユニークスキルとは別のイレギュラースキル持ちのプレイヤーって設定っス。まあ、SAOの回想とか多分書かないので覚えなくてもテストには出ませんよ。
あと今回は小説見ながら書いたんだけど、後半から適当になってしまった……………

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。