ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回からはアニメ2期3話の回に入ります。

それでは、今回も慣れないことに四苦八苦する彼女たちを見守ってあげてください!


インパクトを求めて

穂乃果side

 

 今はラブライブの予選に向けて練習をしているところだ。その中で、大会のほうに変化がありそれを花陽と絵里と穂乃果で話し合っていた。その近くで海未たちのグループが練習をしている。勿論練習を見ているのは空也だ。

穂乃果「へぇ~」

 その状況で3人でパソコンに映し出されているラブライブでの動きについて話をしていた。新しい情報もあったため少し新鮮なものになっている。

 

 それは完全に公開されたいままでとは違う新しいサイト。

絵里「これがラブライブ専用のサイト……」

 トップ画面を見ながら絵里は孫ページに目新しいものを感じ少し感慨深くつぶやく。

 

 そしてパソコンの画面はそこから変わり、様々なステージの画像のあるページになった。

穂乃果「これは?」

 画面を動かした張本人であり、何か疑問に思ったから動かした穂乃果はよく知っていそうな花陽に話を聞く。

 

 聞かれた花陽は自分の記憶にある情報を穂乃果に教える。

花陽「予選が行われる各地のステージだよ。今回の予選は参加チームが多いから会場以外の場所でも歌うことを認められているの」

 確か、新曲でないとラブライブに参加できないということを教えてくれたのも花陽であって、情報としてはかなり詳しいことまで知っているのだろう。そんな花陽は今回の予選での重要なことを教えてくれる。

 

 初めて知った穂乃果はそのことに驚きを隠せずにしていた。

穂乃果「え!? そうなの!」

 しかしそれはあらかじめ特設ページに載っていたことで、絵里はそのことを知っていた。

絵里「それはルールブックに載っていることよ。なんで穂乃果が知らないの?」

 もうすでに穂乃果はそのことを知っているのだと思っていた絵里はそんな疑問を穂乃果に投げかける。

 

 そう言われると穂乃果は背筋を伸ばして正直に知らなかったことを打ち明けた。

穂乃果「いや~、文字を読むのは苦手で」

 空也にあるアニメの原作を進められていた穂乃果は、これと全く同じ理由で原作には手を付けずにアニメのほうを見ていた。それが今回の知ることのできなかったことにつながったみたいだった。

 

 そして自分たちでライブ会場を抑えた場合、その場所に人を呼び込むわけではなかった。

花陽「もし自分たちで場所を決めた場合、ネット配信でライブを生中継。そこから全国の人にライブを見てもらうんです」

 普通に会場に言ってライブをすると公式の人がネット配信してくれるのだが、自分たちでやるとなるとそこは自己責任になるリスクも出てくる。

 

 しかし、今の穂乃果にはそれよりも重要な言葉に反応した。

穂乃果「全国……。すごいや!」

 それはネット配信で全国に知られるということ。ラブライブの公式が開催している大会のためそれがより多くの人に見られるという期待で穂乃果の胸は高鳴っていた。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

 白い制服を着た女性が何やらビルの中でパソコンの画面を見ていた。

???「……始まる」

 そのページにはラブライブのホームページ。その画面を閉じてその女生徒は嬉しそうに呟いた。その言葉からは全くの緊張が感じられなかった。

 

 まるで一度その舞台を経験し良い成績を出したかのように……。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 練習が一通り終わり近づいているラブライブについての話し合いにをするために部室に来ていた。

空也「ここでルールの確認をしておくぞ。各グループの持ち時間は5分、曲一曲分だ。エントリーしたチームは出演時間が来たら自分たちのパフォーマンスを披露する。このサイトから全国に配信され。それを見た人から1番良かったチームを選び投票する。参加チーム4つが決まる」

 ラブライブの予選の決まりを確認のため空也が読み上げる。そしてこの条件から曲数で人を引くことが難しくなっている。まぁ、新曲しかできないからこの作戦を使うのは無理がある。

 

 空也の言った最後の言葉、予備予選を通過することのできるグループの数に絵里は圧倒される。

絵里「そしてその4チームが最終予選に進むということね」

 スクールアイドルの発祥といっても過言ではなくなっているこの東京地区でわずか4グループしか通過できないことに今から緊張しているようだ。

 

 そんな絵里の気持ちはみんなも感じているようだった。

真姫「4組……、狭き門ね……」

 あまりにも少ない数に肩の力が入ってしまう真姫。

 

 さらに、一番のグループ数のいる東京でその中に入るのは難しい。

希「とくにこの東京地区は、1番の激戦区……」

 だからか希は真剣にこのことを受け入れている。少しでも気を抜くとだめだと感じたからだ。

 

 しかし、数が多いだけでここまで集中するわけではない。

花陽「それに何と言っても……」

 それはこの地区には、確実に予選を通過できるグループが存在することを知っている。

穂乃果「A-RISE……」

 A-RISE。今のスクールアイドルの頂点であり、そして前大会の覇者。そして優勝を目指すには越えなくてはならない壁。

 

 それをわかっているからこそ、この予選に関してはわかっていることがある。

にこ「そう。すでに彼女たちの人気は全国区、4組のうち1つは決まったも同然よ」

 人気が全国にあり、だからこそ、この東京地区の枠の中ですでに決めってしまっているようなもの。そして数多のスクールアイドルの数少ない枠に入らなくてはならない、またそんな枠が1つ埋まってしまった。残りを手に入れるにはより頑張っていかなくてはならないということになる。

 

 少ない枠がより少なくなり現状はさらに悪化してしまっている。

凛「え~!? ってことは凛たち、あと3つの枠に入らなきゃいけないの!?」

 進みたい道が狭くなってしまったこのことは予期せぬ出来事。さすがに狭すぎる道に驚きを隠せない凛。

 

 こうなるのはある程度分かっていた人物はこの中にもいる。スクールアイドルに詳しいからこそ、大会が開かれることが分かったからこそ分かることがあった。

にこ「そういうことよ」

 1000以上あるスクールアイドル。その中心ともいえる東京だ。参加グループはほかのどこよりも多くなるのはわかり来ていた。そしてそこにA-RISEが入るということも。ならば心の準備をすることはできる。だからにこは今は平然としていた。

 

 しかし、そこまで考えつくのはアイドルに詳しい人のみ。もしかしたら抜け道があるかもなんて思っていた凛はにこの言葉でその考えを打ち砕かれる。

凛「え~!?」

 ショックのあまり凛は声を荒げて驚く。

 

 ただ、そんな心の準備ができているものでも、狭い道に驚くものとも違う反応を示した人がいた。

穂乃果「でも、ポジティブに考えよ。あと3組進めるんだよ! 今回の予選は会場以外の場所で歌うことも認められてるんだよね」

 あえて少ない道のことをではなく見方を変えて物事を穂乃果は見ていた。そう、わずかな道のことではなく、選ばれる可能性のある道が複数存在しているという視点で見ていた。

 

 そして穂乃果が最後に言ったことに対して海未が答える。

海未「えぇ」

 今回の大会は参加数が多い結果ある程度自分たちでライブをすることが許可されている。それを最大限に使うことができれば予選通過を優位にすることが可能になる。

 

 その思考にたどり着いた穂乃果はそのことについてみんなにある提案をする。

穂乃果「だったら、この学校をステージにしない? ここなら緊張しなくて済むし、自分たちらしいライブができると思うんだ」

 これが穂乃果の考えたある種の作戦といえるもの。確かに見慣れているこの学校でやることでリラックスしてライブを行うことができるかもしれない。

ことり「いいかも!」

 勿論それに賛成する人もいる。

 

 しかし、それだけではだめだと考えるものもまたいる。

にこ「甘いわね」

 それはにこの口から告げられた穂乃果の考えの否定から始まる。

 

 みんなが同調してくれるかもしれないと思っていた穂乃果はそんなにこの言葉に驚きを隠せない。

穂乃果「え?」

 落ち着いてライブをすることのできる学校を提案した穂乃果は少しそのことにショックを覚える。

 

 ただ、何の考えも持たずに穂乃果の考えを否定したわけではない。にこと同じ発想になっている花陽がそのことについて話す。

花陽「にこちゃんの言う通り、中継の配信は1回勝負。やり直しは聞かないの。失敗すればそれはそのまま、世界の目にさらされて」

 ネット配信……。過去に1度だけ手を出したことがあるがそれでもそんなポンポンと簡単にできるようなものではない。それは失敗した時のリスク、そして演出を配信用に工夫しなければならないという手間のかかるものだったりもする。そこまでして失敗したときはこれからの活動の意欲にも影響しかねない。

 

 言われて初めて気が付いた穂乃果は、花陽の言葉に目を見開く。

穂乃果「あ!」

 そう。ミスができないのである。そして見た目には何かを引き付けるようなものを取り入れないといけない。ダンスを目立つようにしても見てくれなくては意味がない。見せるためにはサムネイルと呼ばれる外見をまずは決めなくてはいけない。それを凝るような時間も残されていないこの状況で一番になるのはやっぱり場所だ。

 

 そして次に必要になってくるのはその画面を開いた後。何の変化もないものを淡々とされても続けてみようとは思わない。

にこ「それに、画面の中で目立たないといけないから目新しさも必要になるのよ」

 今までμ'sは観客を楽しませるライブをしてきた。そして心を動かされる人がいれば入学希望をしてほしいと考えて。しかし、ラブライブの予選に必要なのはとにかく見てくれるライブをすること。まず見てもらわなくては話にならない。評価すらしてもらえないのだから。だから見られるように、続けて見られるように演出のほうでもいろいろと考えなくてはいけない。

 

 花陽とにこ。2人の話を聞いていたほかのメンバーたちは正しい正論を聞いて考え方を改めさせられる。

穂乃果「目新しさ……」

 今まで見てくれていた人も、そしてまだ見てもらえていない人にも目を引くようなライブにしなくてはならない。それが難しいことだというのはわかっている。でもそうしないといけない目新しさを作らないといけないのが今回のライブだ。

 

 そして真っ先に思いつくのは自分たちの見た目を変えることや、迫力のある歌を使うことだった。

凛「奇抜な歌とか?」

 実際にそう言うことが合うものなら目を引くことは可能であるといえるだろう。ただし、今回は新曲でないと参加できない。今から新しい曲を作っている暇はない。それにもう1つ想っていることもある。

 

 次に自分たちの見た目といっても過言ではないライブ中に衣装のこと。何か目をとどめておけるような服装なら確かに少しの間見てもらえる希望が出てくる。

ことり「衣装とか?」

 そして衣装なら今から変更することは可能ではある。まだ2週間時間はあるデザインを1からして完成させるほどの時間はある。ただし、それを作る人が納得すればではあるが。

 

 そんなことりの言葉を聞いた希は何かを思いついたようで少し面白そうに横目で絵里を見ながらつぶやいた。

希「うふ……。例えばセクシーな衣装とか」

 女性の目を引くような衣装といわれ真っ先に浮かぶのは露出度の高いセクシーな衣装であろう。それを見せることができれば男性ファンの視聴率はかなり上がると思う。

 

 それもみんなが納得しないとできないものではあるが十分な手ではある。

海未「むっ無理です……」

 しかし、希の意見は絵里に向けて言われたことなのだがそれでも反応してしまうのが海未だった。部室で話をしているのに机の下にもぐって体育座りをしている。顔もうずくまっている。まるで初めて踊って見せてと言われた後の海未のように。

 

 そんな感じの海未を見て懐かしさを感じる面もある穂乃果だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。

穂乃果「海未ちゃん!?」

 ……ないのだが、どうしても気になってしまう。最近はなかったことだからそれは余計に。

 

 そう思ってしまうからこそ空也は海未のその姿を見てなんだか懐かしいものを見るような表情になった。

空也「なんかこうなるのは、久しぶりだな」

 でも、今はとにかくライブの仕方の話をしなくてはならない。早く決めるものを決めないと練習だって時間が短くなってしまう。

 

 そんなことを空也が考えていると先穂のこの展開を作り上げた張本人が今度は直接絵里に話しかける。

希「えりちのセクシードレス姿も、見て見たいなぁ~」

 確かに絵里のような、スタイルの言い女性がセクシーな姿を見せたらほとんどの男性ファンは必ず1度は目にとめてしまうだろう。それを考えてか、それともこれからの絵里のこれからの行動が楽しみで発言をしたのかわからないが希はそう呟いていた。

 

 そして希の言葉を聞いた絵里はすぐに驚き、自分のその姿を想像した。

絵里「え……!?」

 この世の終わりを聞いたかのような表情に絵里はなった。

 

 そんな絵里のことは知らずに穂乃果はセクシー衣装を着ている絵里の姿を想像して思ったことを話す。

穂乃果「おぉ~、セクシャルハラスメンツ!」

 ……思ったことをそのまま話したのだろう。穂乃果よ。それを略すとセクハラになることに気が付いていない。今はその言葉を希に送ってあげよう?

 

 そんな穂乃果に続いてことりも思ったことを口にする。

ことり「セクシーダイナマイトじゃ……?」

 穂乃果もことりもどこか違うんじゃないかというような言葉になるのだが、まぁ本人がいいのならいいのだろう。

 

 そんなバカなことを言い合っている中絵里に向けて言われていたことを自分も想像してしまった人がいた。

海未「無理です……」

 それが海未だ。うずくまっているままそんな恰好をしている自分が恥ずかしいと思っている海未の姿がここにあった。

 

 恥ずかしがっている海未を見たにこはあまりの変化に話が進まないことを心配して海未にそのことを心配する。

にこ「いつまで言ってるの」

 今もなおそのままの状態になっている海未を直そうと努力をしていたのだかにこが声をかけてもなお海未の状態は治らなかった。

 

 そして絵里のほうでも展開があったみたいだ。それはようやく想像をした自分の姿を受け入れられたのか、我に返ったのか、絵里が言ってきた希に対して反応することができた。

絵里「いやよ。やらないわよ私は!」

 本当にやりたくないのだろう。必死に絵里は希にやらないことを伝える。

 

 その、絵里と希のやり取りを聞いてまたもや想像の世界に入ってしまう海未。

海未「セクシードレス……」

 先ほどよりも詳しい内容を妄想してしまいとにかくその場から逃げ出そうと立ち上がり逃げようとする。

 

 しかしそれを良しとしない穂乃果が海未をまるで大きなぬいぐるみを持っているかのように抱きかかえた。

海未「離してください! 私は無理です~!」

 今すぐにここから逃げ出したいと思っている海未はそれでも抵抗しているが穂乃果から一向に逃げ出すことができていない。まるで逃げようとしているのにその場にとどまろうとしているかのように。

 

 ここまで話してきて、空也はずっと考えていることがあった。それは……、

空也「まぁまぁ、合宿で頑張ってデザインした衣装だ。変えるなんてできないだろ。なぁ、ことり?」

 みんなで手を取り合って考えて完成した曲や衣装を今更変更したくないという作り出したものにしかわからないような感情を持っていた。そう。これは言ってしまえばエゴだ。建てるならいろいろと変えるべきなのだろうけど、この曲だけはこのままでいきたいと思ってしまう。

 

 それはことりも同じだったみたいだ。あれだけ悩んで作ってみんなにも手伝ってもらってまでした作品だ。

ことり「うん。納得ができたんだもん。今回の衣装はこのままがいい!」

 これで予選を突破したいと思って作ったものを使っていい結果を残したい。それは空也と真姫、そしてことりの考えていることだった。

 

 それにセクシーな衣装に関してはほとんどのメンバーがその意見にいい反応を示しいていなかった。

空也「それに、半分のメンバーは乗る気じゃないしな」

 そこに気が付いた空也はそのことをみんなに告げてその意見をないものとすることにした。

 

 やっと1つの話に区切りがついたときに真姫がその場で手を挙げて何かを言おうとしていた。

真姫「っていうかこんなところで話してるより、やることがあるんじゃない?」

 それは今のところ真姫にしかわからないことではあるが真剣な表情をしている真姫を見るとどうしても必要であることのように思えた。

 

 真姫が言ってくれたことに覚えのない穂乃果はその場で首をかしげて、わからないことをアピールする。

穂乃果「ん……? やること?」

 わからない穂乃果はそのまま真姫が何を言うのかを待っている。それは穂乃果だけでなく真姫以外のみんなも。そんな真姫の意見を期待して待っている人たちがいた。何が必要なのだろうか?

 

 それは今は西木野真姫にしかわからないことだった。

 




ラブライブ予選に向けてようやく向き合い始めたμ'sたち。これからどんなことをしてどのように予選を迎えるのでしょう。

それは今後のお楽しみですね!

新しくお気に入り登録をしてくださった嘆きの妖精さんありがとうございます!

次回『リーダー同士の出会い』

それでは、次回もお楽しみに!



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!

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