ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

81 / 145
どうも、そらなりです。

今回の話で2話分が終わりです。いろいろと悩んで新曲を作っていた3人はユニット作戦というもの中で少しずつ進み始めました。

それでは、今回も支えながらも頑張り続ける彼と彼女らの物語をご覧ください!


新曲完成

真姫side

 

 ユニット作戦というそれぞれに分かれて新曲に関係するものを作り始めてもう日が落ちていまは真姫たちの囲んでいるたき火以外は真っ暗になっていた。

絵里「ねっねぇ……」

 そんな状況を認識し始めた絵里は震えている声でにこと真姫に話しかける。

 

 しかしその恐怖を共有しようにも今の2人にはこの状況はさほど気にするほどでもないことだったようで、

にこ 真姫「「ん?」」

 首をかしげながら絵里の言いたい言葉を待っていた。

 

 そんな状況で一刻も早く今を打開したい絵里は今後なるであろうことを聞く。

絵里「このままだと、火を消したら真っ暗よね……」

 おびえながらも絵里は真姫たちにそう話した。

 

 怖がっている絵里を尻目に真姫は暗くなることでどうなるのかが絵里と同じ考えになっていないため、

真姫「何? まずいの?」

 なぜ絵里がそういうことを話題に出したのか疑問に思いきいてみる。

 

 しかし、にこには今の絵里に気持ちがなんとなくわかったようで絵里に今の気持ちを聞いてみた。

にこ「まさか、苦手なの?」

 少し子供っぽいように思ったのかにこの表情は幼い子供を見るような優しい表情の中に同い年という立場からなのか意外な表情を入れ混ざった表情をしていた。

 

 にこに言われたことで少し言葉の詰まる絵里。

絵里「っまさか……。待っててね。ちょっとだけ待ってて」

 だがそこで止まらずに続けて話をする。絵里はそう言って風を切るような速さでテントの中に入り、その中にあったランプを点灯させた。

 

 そしてテントの外からはランプがついて自分の周りが明るくなって安心している絵里の様子がうかがえた。

真姫「エリーにあんな弱点があったなんてね」

 もうその様子を見てしまうと絵里が必死で隠そうとしていたことを否応何し察することができてしまう。

 

 勿論察しのついていたにこも裏付けができたため少し一安心した様子で、

にこ「この年にもなって、暗いのが怖いなんて。あ!」

 しかしその話をしている最中にたき火が消えかけているのを確認して消えないように息を吹きかける。

 

 たき火の中に十分な酸素がいきわたり何とか火が消えずに済んだのを確認してにこはまたホッとしていた。

真姫「全く~。こんな3年生のために曲考える身にもなってよ……」

 暗いのが怖いのはにこも同じだったようでそこまで気にしていない真姫は少し2人にあきれていた。もう3年生にチャンスは残されていないという現状を考えて作詩をしていた真姫はそんなことを口に漏らす。

 

 そしてその真姫の言葉ににこは反応した。

にこ「え!? 今なんて言った!?」

 真姫に言い寄っているにこの表情は少し怒っているようで先ほども真姫の言葉に何か気になるところがあったようだ。

 

 しかしそれは言った本人はわからないため、

真姫「え?」

 急変したにこの様子に驚くことしかできなかった。

 

 そんな真姫にわかるように今にこの思っていることを話す。

にこ「今、3年生のためって言ったわよね」

 そう。真姫は卒業してしまう3年生のためにラブライブでいい成績を残そうとしていた。しかし、そのことににこは不満があった。

 

 その不満を今の言葉で真姫が察することはできずに、

真姫「だったら何よ」

 いつもと同じように不機嫌そうな声でにこにそのことが同志的になるのかを尋ねる。

 

 すると先ほどまでの真剣な表情は柔らかくなっていき三度目の安心をにこはした。

にこ「そうじゃないかと思ってたのよねぇ~。3年生のためにいい曲作って、3年生のために勝とうって」

 今のこの状況で言っているにこの言葉は真姫の先ほどの言葉で意識していることはわかった。そして作詞している真姫の表情を見ていたにこは少なからずそういった思考があることを理解していた。しかし、作曲に夢中の真姫の邪魔をするわけにはいかずまた、先ほどまで確証はなかったためそのことを指摘することができなかった。

 

 ようやくにこが真姫に指摘できたと思ったらいつも通りの素直じゃない真姫が出てきて、

真姫「そっそんなこと……」

 もうすでに遅いのに言い訳をしようとした。

 

 しかしそんなのを待つなんてことはにこはしなかった。

にこ「曲はいつもどんな時も、全員のためにあるのよ」

 今送れる最も真姫にとって重要である言葉をにこは真姫に伝えた。数多くのアイドルを見てきていろんな曲を聞いてきて、それでアイドルになろうと研究してきたにこが持っている曲に対する信念。それを言葉にして真姫に送った。

 

 そのことを聞いた瞬間真姫の中で何かが変わるような気がした。

真姫「……! なっなに偉そうに言ってるのよ」

 まぁ、そこで素直になれないのが真姫なのだがいつも通り過ぎてにこはそのままの笑顔でいる。

 

 そして続けて話をする。

にこ「部長だもん。当たり前でしょ?」

 そう。にこは忘れがちだがれっきとした部長でいつもアイドルに関しては全力で一番アイドルのことを研究している。だからアイドル研究部を作ったのだ。

 

 そしてその部長らしさはこの後も現れる。にこは手に持っていた枝でたき火の中に差し込み中からアルミホイルでくるまれたものを真姫に渡す。

真姫「これは?」

 にこが差し出しているものがよくわからない真姫は渡してきた本人であるにこにその中身を聞いてみた。

 

 そしてそのアルミホイルでくるまれたものが何なのかをすぐににこは教える。

にこ「焼き芋よ。焚火といったら焼き芋でしょ」

 たき火をしたならそこに焼き芋が付いてくるのはもう定番のものだろう。ただお嬢様的な存在である真姫にはその定番は通じなかったみたいだ。

 

 にこの差し出している焼き芋を受け取った真姫はその焼き芋ができたてであるため熱く慌てるが息を吹きかけ少しでも冷めるようにする。やがて芋は冷めて、真姫はその1つの芋を2つに分ける。

真姫「はい」

 そしてその片割れをにこに渡した。

 

 まさか渡されるとは思ってなかったにこは少し驚きながらも、

にこ「あっありがと……」

 渡してくれたことに喜びを感じ先ほどまで胸を張って話していたにこは照れくさそうにしていた。

 

 そして真姫がにこがくれた焼き芋を一口食べるのと同じタイミングでテントのから絵里がこちらに話をかけてきた。

絵里「どうかしたの?」

 しかしその絵里の問いかけに帰ってくる言葉はなくその代わりに仲良く話している真姫とにこの姿があった。そしてそこには作詞で悩んでいた真姫の姿は見えなかった。

 

 真姫が一口芋を食べた瞬間先ほどの照れていたにこは急変しいつものテンションのにこが現れた。

にこ「食べたわねぇ~。食べた以上はにこを一番目立つようにしてよ。3年生なんだし」

 先ほどのいい言葉を言っていたにこはそこにはなかったがそれはそれで今の状況ではいいものだったのかもしれない。

 

 焼き芋を渡された瞬間から少しいつもとは違っていた真姫はいつもの状態に戻り、

真姫「何よそれ、台無し」

 そう言いながら自然と微笑み始めた。今にこに言ってもらったこと、そして絵里が言ってくれた自分には支えてくれる人たちがいることを理解した真姫にもう迷いはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてテントの中から真姫とにこのやり取りを見ていた絵里はもう大丈夫のように見えた真姫の様子に一安心し、優しいほほえみを浮かべ2人のことを見守っていた。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりside

 

 夜になり、河付近を拠点としていたことりたちは昼間見つけた温泉に入っていた。

ことほのぱな『はぁ~』

 普段は入れないような自然豊かな温泉に来たことりと穂乃果と花陽は気持ちよさそうにお風呂の中に入っていた。

 

 思いもしないところにお風呂を発見したため驚きながらもその驚きが本当に感じているのかわからないほどリラックスした声色でことりが話す。

ことり「こんなところに、お風呂があったなんてぇ~」

 リラックスした様子でとても気持ちよさそうなことり。

 

 そしてそれはことりだけでなく花陽も、

花陽「気持ちいいねぇ~」

 そして、穂乃果も一緒だった。

穂乃果「なんか眠くなっちゃうねぇ~」

 さらには穂乃果は昼間に何度も寝たのに今も眠そうに呟いた。しかしそれほどまでにまたリラックスできているということか。

 

 穂乃果の発言に昼間の穂乃果の様子を思い出したことりは口を開く。

ことり「また~?」

 まぁ、ことりも穂乃果と一緒に寝ていたがしかし1人で作業していた時とは全く違った様子で取り組めていることりはなんとなく表情は明るくなっていた。

 

 そのうち今はここにいないほかのメンバーの話になる。

花陽「ほかのみんな今頃どうしてるかな?」

 いつもこういう場合は全員で行動することが多かったためなれないことにほかの7人の様子が気になってしまう。ましてや今回は作詞、作曲をしなくてはならないという条件もあるため作業がどうなっているのかも気になってくる。

 

 そしてもし作詞も作曲も終わっている状態ならと考えたことりは不安そうにつぶやく。

ことり「どうだろ? 私、まだできてない……」

 今のことりはまず焦りを無くすことから始めていたため作業自体はあまり進んでいない。少し考えはまとまっているがそれをまだ形にすることができてはいない。

 

 そんな弱音を吐いていたことりを心配してか、はたまた思ったことをそのまま口にしただけなのか穂乃果が励ますように自信をもって話す。

穂乃果「できるよ」

 完全に穂乃果は言い切った。できると。自信をもってはっきりと。

 

 穂乃果がそう言ってくれてはいるがいまいち自信が持てないことりは、

ことり「でも~……」

 悪いことばかり考えてしまう。

 

 そんなことりに穂乃果がそう思う根拠となることを言う。

穂乃果「だって、10人もいるんだよ」

 そういって穂乃果はいきなり立ち上がる。その目の先にはより遠くの先を見ているようにしてことりたちに向け話を続ける。

 

 しかし、今は秋中盤。さすがに素肌で外にいるのは寒くなる。

ことり 花陽「「穂乃果ちゃん!?」」

 そのことを心配して穂乃果のことを湯船に肩までつかるようにしようとするが、

 

 それでも穂乃果はしゃべるのをやめない。

穂乃果「誰かが立ち止れば、誰かがひっぱる。誰かが疲れたら、誰かが背中を押す。みんな少しずつ立ち止まったり、少しずつ迷ったりして……、それでも進んでいるんだよ!」

 そう、誰もが一人で進んでいるわけではない。どこかしらで誰かに助けられている。それはμ'sにとっても言えることできっと今の穂乃果が一番ことりに伝えたかった言葉だった。

 

 そう伝えると寒さを感じたのか湯船につかり始める。

穂乃果「だからきっと、出来るよ! ラブライブの予選の日はきっとうまくいくよ!」

 それでも穂乃果はことりに言うことを言い切った。

 

 穂乃果の言葉はことりにしっかりと伝わった。その言葉に含まれている想いを感じることができたのか言葉を聞いた後のことりは先ほどよりも自然な笑顔になっていた。

ことり「うん!」

 その声を聴いただけでもう心配はいらないと穂乃果と花陽はすぐにわかった。

 

 また、穂乃果の言葉は花陽にも心当たりがあることだったためすぐに同調する。

花陽「そうだね」

 μ'sに花陽が入る時、花陽が立ち止まってしまったときがあった。そんなとき支えてくれたのは凛と真姫だった。文字通り背中を押してもらいそしてその手から勇気をもらった。こんなことを自分もできたらと今の花陽は思っていた。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 登っていた山から下り、テントを張って夕食を食べ終わって少しすると4人で星空を見ていた。

凛「きれいだにゃー」

 寝転がりながら夜空を見ていると都会では見ることのできないほどの数多くきれいな星空を見ていた。

 

 そしてそれを一緒に見ている希は自分の思っている星に対しての想いを明かす。

希「星はいつも自分の事を見てくれる。星空凛っていうぐらいだから、星を好きにならないとね」

 そのあとに凛のほうに向き関係のある星空に関連付けて話す。

 

 目の前にある壮大でキラキラと輝いている夜空を見て嫌いになるなんてことは凛の中ではなかった。

凛「うん!」

 だから凛は最高の笑顔で希に向けてうなずいた。

 

 そんな風に話している希を見ていた海未は思ったことを口にする。

海未「星座も詳しいみたいですね」

 確かに希は何かを知っているように星空のことを話していた。ある程度知識がないとわからない星の配置などを知っていないと最高の星空を楽しめない。

 

 そしてここまで詳しいとなると何かしら好きな何かがあるのかもしれないと判断した空也は定番の質問をしてみることにした。

空也「一番好きな星座ってあんのか?」

 星座は星を語るうえで誰もが分かる話題。その星座がメジャーなものかそれともなかなか人が知らないものかの差はあるがそれでも話題にはなる。

 

 空也の質問を聞いた希は少し考えるようなしぐさをして、答え始める。

希「そうやね。印象に残ってるのは、南十字星かな」

 その星座は南十字星だった。過去にケンタウロス座の一部として含まれ、独立をしてできた南十字星。この星座は、日本のどこででも見れるような星座ではないのだが……。

 

 しかしあまり一般的ではない星座だったため海未と凛の頭にはクエスチョンマークが浮かんでいた。

海未「南十字星?」

 沖縄方面でならぎりぎり見ることのできる星座を把握していない海未はいまだ疑問が浮かんだままだ。

 

 まだ空也は話についていけてはいるが次の言葉で驚きを隠せなくなる。

希「ペンギンと一緒に見たんやけどね」

 普通は一緒に見ることのできない動物と一緒に見たと希はそう言った。

 

 野生のペンギンが生息している場所で有名なところは……、

うみりんくう『南極!?』

 地球上の最南端である南極だった。あまりにもその場所のインパクトが強く声を合わせて驚く空也たち3人。

 

 そう驚いている間に希は空を見上げていた。すると突如希が声を上げる。

希「あ! 流れ星!」

 そういって希は空を指さしていた。

 

 希が指をさすとその指先に目が向く海未と凛と空也。

海未「え?」

 急に声を上げた希に戸惑いながらも指さす空を見上げる海未。

 

凛「どこどこ?」

 そして流れ星を探そうと目を輝かせている様子の凛。

 

 そして無言で目を閉じて希の声に耳を傾ける空也。

希「南に流れる流れ星は、物事が進む暗示」

 海未と凛が空を見上げているところで希が口を開く。今の空也を助けるために言い放ったその言葉は、

 

 十分に空也に伝わった。

空也「希……」

 以前にもこんなことがあった。その時はμ'sのためという名目でカメラを貸してくれるようにするためだったが今回は空也個人に向けての言葉。

 

 空也が希がどういうことをしてこのことを伝えたかったのかを感づいていることを察した希は、

希「一番大切なのは本人の気持ちよ」

 その後も言葉を紡ぐ。この話の流れで一番伝えたいことを希は空也に向けていった。

 

 そう話していると目を輝かせて流れ星を探していた凛がやがて探すのを諦めたようにつぶやく。

凛「あぁ、流れ星見損なったにゃ~」

 残念そうに凛はしていた。滅多に見られるものではないため頑張って探していた凛はそう言って起き上がる。

 

 今の話を聞いていた海未には希がどうしてそのことを言ったのかということがなんとなくわかった。

海未「いいえ。もともとなかったですよ。流れ星なんて」

 希は空也に言葉を残した時にテントななかに戻ってしまって今はいないがそれがウソであったことはなんとなく考えついていた。

 

 しかし今の凛にはなぜそんなことを希がしていたのかを考えているがそれでも思いつかないようで、

凛「……?」

 その場で首をかしげていた。

 

 そして希の伝えたかったことを受け取った空也は考えながら海未たちに話をかける。

空也「……じゃあ俺、ちょっと出てくるよ」

 そういっている間も作詞の思考を止めることをしない空也はそのまま海未たちに背中を向けて歩みだそうとする。

 

 先ほどから疑問が尽きない凛は新しい疑問を解決しようと空也に用件を尋ねる。

凛「どこ行くの?」

 急に立ち上がった空也の行動で夜も更け始めている時間に外に行くのが分からなく凛は尋ねてみることにした。

 

 そんな凛に背中を向けながら空也は答える。

空也「ちょっと一人で考えをまとめたい」

 短く答える空也の頭の中はずっと思考を巡らせている。今、自分が何のために、この9人に対して何をしてどうしてほしいのか自分の気持ちを整理している。

 

 考えにふけっている空也の状態が分かっているのか海未は優しく空也を見送る。

海未「そうですか。お願いしますね」

 今の空也に昼間の心配は全くいらない。そう判断した海未は空也にそう声をかけた。

 

 そんな海未を心配させまいと思考を巡らせながらも空也は答えた。

空也「あぁ、任せとけ」

 海未と凛、そして背中を押してくれた希に対して心配してくれた3人に対して感謝の意味を含めて笑顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 山を下り別荘のある所に戻ってきた空也は外でことりと鉢合わせする。お互いの表情は曇りの一つもない笑顔でお互いに作業が満足にできる状態だった。それを確認した2人が別荘に入ろうとすると中に明かりがついていたのを確認し、ピアノの音が中から聞こえ始めた。その曲はとても心が落ち着くようでリラックスするような音色だった。その音楽を聞いて真姫ももう心配いないのが分かった。

 

 3人がそれぞれに集中をして作業を進める。昼間の時よりも広い空間で真姫のピアノが聞こえるくらいしか変化がない状況ですらすらと作業が進められていた。そしてその作業は明け方まで続き、できた作詞と作曲、衣装を確認するとことりと真姫はすべてを出し切ったといわんばかりに夢の世界へと旅立っていった。

 

 そんな2人に毛布を掛けねぎらいの言葉をかける空也。

空也「お疲れ……」

 その行動をしている空也も徹夜で眠いはずなのにそれを全く感じさせないような落ち着かせるような声で2人に言葉かける。

 

 空也が毛布を掛けているところにどうやらことりたちがいなくなっていることに気が付きこの別荘にみんながやってきた。

穂乃果「あ……」

 その中でも一番に入ってきたのは穂乃果だった。穂乃果は眠っていることりと真姫のことを見て空也同様にやさしい笑みを浮かべていた。

 

 やってきたみんなに気が付いた空也は挨拶をする。

空也「あぁ、みんな。おはよう」

 少し目にクマができている空也は笑顔でそう言った。

 

 そんな空也に挨拶を返すにこ。

にこ「おはよう。……、全くしょうがないわねぇ」

 部屋に入ってくるとソファーでぐっすりと眠っている真姫とことりの姿が目に入り微笑みながらもそんなことを口にした。

 

 落ち着いた感じで眠っている様子を見るともうすでにやるだけのことはやったということを理解することができる。

希「ゆっくり寝かせておいてあげようか。空也君は?」

 そしてここに起きている空也のことを聞いてみる。顔からして作業は終わっているが目にクマができている状況で眠いのではと思ったのだろう。

 

 ただ目にクマができているとはいってもここまでの徹夜は空也は慣れていた。

空也「俺は大丈夫。練習見てやるよ」

 余程大きな魔法を使った後などの場合は睡眠を余儀なくされるが昨日魔法を使った分の疲れは昨日のうちに取れているため問題はなかった。そのため練習を見ることを申し出る。

 

 無理はしていないことが分かった絵里は優しい笑顔を浮かべ寝ている2人を見て、

絵里「そう? じゃあ2人は寝かせておきましょう。でも、起きたらすぐ練習よ」

 これまた優しい声で寝ている2人に向け優しく言った。

 

 眠ったのがつい先ほどのためもう少し眠っているとは思う。それにみんなが起きたのだってつい今しがた。そのため空也は朝食を作ろうとしたが疲れているだろうとのことでにこに止められ、にこが作った朝食を食べ少し時間を空けて練習が始まった。

 

 練習をし始めて十分にみんなの体が温まってきたころに朝食を食べたと思われる真姫たちがやってきて練習に混ざる。

空也「1,2,3,4,5,6,7,8。1,2,3,4,5,6,7,8」

 真姫たちもみんなに追いつき今はことりと穂乃果と花陽が振り付けを確認している。今回の曲はそれぞれにサポートしたメンバーでパート分けをしている。この後真姫たちのグループと海未たちのグループも振り付けを確認して今回の合宿は終わりを迎えた。余談としては空也が少し帰るバスに遅れたくらいだからそんな大層なことは起こっていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 合宿が終わって曲が完成しても完全に1つの作品として完成しているわけではない。ダンスもみんなが練習している。いつも通りダンスのカウントを空也がしていて、それが終わると何かを思い出したかのように空也がにこに話しかける。

空也「なぁ、にこ。これ落ちてたんだけど、お前の?」

 そういって空也はポケットから『25』と書かれたリストバンドをにこにみせた。

 

 そのリストバンドを見た瞬間にこは目を見開き驚く。

にこ「そう! ありがとう!」

 川に落ちたあの時に回収できなかったリストバンドを空也から受け取り笑顔で感謝した。

 

 いろいろなトラブルもあった今回の合宿は何とかすべての障害を乗り越えていくことができた。今回のこの出来事で空也と真姫、そしてことりはまた1つ成長することができた。

 曲もでき、作品が完成しつつあるこれからのラブライブ予選に向けてみんなで走り出した。

 




今回の話で希の嘘の流れ星の話をこんな風に使えるとは書いている時は全然思っていませんでした……。以前書いた通りの意味であの言葉をウソと判断したのですが以外につなげることができてよかったと思います!

今回で『優勝を目指して』回が終わりを迎え、次回から3話回!……と行きたいところですが少し早い私が作品を投稿して1周年の記念回を投稿したいと思います……!

次回『探求して夢を見る』

それでは、次回もお楽しみに!



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。