ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回から2期編に入ります。周囲が新しくなって学校の体制も変わってきます。

それでは、今回も心の隅で待っていた知らせを受けた彼女たちの反応をご覧ください!


第5章 舞い降りてきたチャンス
女神たちに来た知らせ


空也side

 

 講堂にこの学校に通う全生徒が集まっていた。それは何のためかというと集会があるためだ。

南ママ「音ノ木坂学院は入学希望者が予想を上回る結果となったため、来年度も生徒を募集することになりました。3年生は残りの学園生活を悔いの内容にすごし実りのある毎日を送っていったらと思います。そして1年生2年生はこれから入学してくる後輩たちのお手本となるように、気持ちを新たに前進していってください」

 登壇していた理事長は全校生徒に向かいここではじめて廃校がなくなったことを言葉として報告し1年生から3年生までの生徒たちに語り掛けていた。

 

 そしてそれが終わると司会の生徒の声がかかる。

司会1「理事長。ありがとうございました」

 理事長は生徒の声がかかると立っていたところから立ち去りステージから降りた。

 

 次にもう一人の司会の生徒が次のプログラムを進めるべく話し始める。

司会2「続きまして、生徒会長挨拶。生徒会長、お願いします」

 そうして話した言葉を聞いてみんなが座っているところにいる絵里が立ち上がり、ステージに向けて拍手をする。

 

 するとステージの外から新生徒会長として高坂穂乃果が現れた。穂乃果はそのままマイクのある所へ向かい大勢が見ているほうを向く。

穂乃果「皆さん。こんにちは」

 目の前にいる全校生徒に向かって穂乃果が挨拶をする。それだけで歓声が起きる。

 

 その歓声の中穂乃果は続けて話し続ける。今ここに立っている理由ともいえることを話し始め、

穂乃果「このたび新生徒会長になりました。スクールアイドルでお馴染み、わたくし」

 そこまで言い終わるとスタントに取り付けてあるマイクを外し上に投げつけ戻ってくる間に一回転。そして戻ってきたマイクをキャッチして、

穂乃果「高坂穂乃果と申します!」

 いつもと変わらない元気な様子で自己紹介をした。そう。この集会というのは学校が新体制になって初めて行われたもので生徒会長もはじめて出る集会になっていたため紹介のために生徒会長が出ることになっていた。

 

 っとここまではよかった。ここまでは……。そのあとはあいさつ文を考えていたというのにその内容は頭から飛び出してしまい、ステージ下の何かを見るようにして途切れ途切れで話し、とてもグダグダの中穂乃果の初めての生徒会長としての仕事を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 式も終わり、新生徒会長の穂乃果といつもの幼馴染3人は生徒会室に戻ってきた。

穂乃果「疲れたぁ~」

 先ほどのあいさつの緊張からか穂乃果は机に突っ伏して疲れを表していた。

 

 そしてその穂乃果に声をかけるのは会計のことり。

ことり「穂乃果ちゃん。お疲れ様」

 本当に疲れた様子をしている穂乃果にエールを送る。

 

 そんな話をしているともちろん話題は先ほどのことになる。

穂乃果「生徒会長挨拶って、ライブとは全然違うねぇ~。緊張しっぱなしだったよ……」

 μ'sとしてステージに立ったことのある穂乃果は少し軽い気持ちでステージに上がったことを少し後悔していた。

 

 そんな挨拶を思い出しながらことりが口を開く。

ことり「でも、穂乃果ちゃんらしくていいと思うよ?」

 それは穂乃果のあいさつを褒めるような言葉。ことりはそういうのだが、あの内容を見て人が言うなら……、

 

 そのうちの一人である海未。最初はステージに歩いていく穂乃果を安心した様子で見送ったのだが、あの挨拶を聞いてしまっては少しがっかりせずにはいられなかった。

海未「どこが良かったんですか! せっかく昨日4人であいさつ文も考えたのに」

 そう。穂乃果はみんなで考えた挨拶の内容を全部忘れてしまっていたのだ。それを書記の海未が穂乃果に向けて話す。

 

 そしてスケッチブックを持った副会長の空也は、

空也「俺の作ったカンペは無駄にならなかったがな」

 そうやって穂乃果にもう一度カンペを開いて見せた。

 

 2人から言われている穂乃果は、

穂乃果「ごめん……。ありがと~!」

 怒っている海未には謝り、空也のほうには自分が本当に助かったと思ったから精いっぱいの感謝をした。

 

 練習もしっかりしていたことができなかったことにまだ少し怒っている海未は、残っている生徒会の仕事を穂乃果に見せて、

海未「ともかく今日はこれを全部処理して帰ってください」

 処理をするように言った。そして穂乃果の前に出てくるファイルの数々。数は10ほどってところだった。

 

 それを目にした穂乃果はあまりの仕事の多さに驚く。

穂乃果「こんなに~!?」

 先ほどまで式で話していたため多少なりとも疲れている穂乃果には過酷なことであった。

 

 そしてそんな穂乃果に追撃ともいえることを空也が言い放つ。

空也「それにこれもな」

 そういって渡してくるプリントの束。それにはあることがまとめられたもの。

 

 そのプリントに書かれていることを穂乃果が読む。

穂乃果「学食のカレーがまずい。アルパカが私になつかない。文化祭に有名人を……。ってこれ何?」

空也「生徒からの要望」

 それは生徒から寄せられたこの学校にしてほしい要望だった。この中には無理なものは当然ある。穂乃果が読んだのはほとんどができることのできないもの。しかし、その中にも検討できるものは少なくない。それがこの学校をよりよくするためには欠かせないものだった。

 

 しかし、これ程の量を見てしまうと仕事量の多さからめげてしまうことがある。

穂乃果「もぅ、少しぐらい手伝ってくれてもいいじゃない! 空也君副会長なんだし」

 確かに空也は生徒会副会長だ。穂乃果がそう言うのはわかる。

 

 それでも空也はある程度のことはすぐできる。もちろん大変だと思っていることは先に終わらせておいてμ'sの練習を優先できるようにしている。

空也「俺は書類すべてに目を通してあるし、この3倍くらいの量は処理したけど? 後お前がこれやれば基本終わりだ。がんばれ」

 そのため今穂乃果の目の前にあるものよりも多くの量を終わらせていた。あとは穂乃果の役職である生徒会長でしかできないことがあるのでそれを穂乃果がやればある程度の仕事は方が付く状態になっていた。

 

 生徒会長というものはつまりは学校の生徒の中の長でもある。身近にいたからそんなイメージはないと思ってしまうが、

海未「生徒会長である以上、この学校のことはだれよりも詳しくなくてはいけません」

 海未の言うようにすべてとは言わないが、ある程度は学校のことについては詳しくないといけない。もちろんそれだけではないがそれでもある程度の知識はやはり必要だ。

 

 それを聞いて穂乃果が次第に今の立場の大変さを知り、

穂乃果「ふぇー。生徒会長って大変なんだねぇ~」

 そんなことを口に漏らした。

 

 その瞬間に生徒会室のドアが開きある人物が入ってきた。

絵里「わかってくれた?」

 それは元生徒会長の絢瀬絵里だった。穂乃果の大変だという言葉に今までの自分の苦労を理解してくれたようで少しうれしそうに生徒会室に入ってきた。

 

 その入ってきた人物の名前を穂乃果が呼ぶ。

穂乃果「あ! 絵里ちゃん!」

 どこかやってきた絵里のことをうれしそうに先ほどまで机に突っ伏していた穂乃果は起き上がる。

 

 そして絵里の後ろからまた1人入ってきた。

希「頑張っているかね。君たち?」

 絵里が入ってきたということはということで元生徒会副会長の東條希だった。希は一枚のタロットカードを指で挟みながら入ってくる。

 

 そして入ってきた希にことりが反応する。

ことり「希ちゃんも」

 やってきた希にことりはうれしそうに迎え入れた。

 

 入ってきた絵里は先ほどの穂乃果のあいさつを聞いて少し不安になったため訪れたように、

絵里「大丈夫? 挨拶、かなりつたない感じだったわよ?」

 確かに穂乃果のあいさつは途切れ途切れでどこかを凝視しながらしていたため不安になるのは無理はない。

 

 そのことに関しては穂乃果はただただ謝ることしかできない。

穂乃果「えへへ。ごめんなさい」

 しかしそんなに気にしていないような感じで絵里に向けて謝る。

 

 それに合わせるように空也は絵里に話しかける。

空也「カンペがなかったらもっとひどかったぞ」

 そうやって話している間空也は絵里にスケッチブックを見せていた。

 

 そう話している絵里と空也に自分の醜態というかなんというか、それを見られるのは恥ずかしいと思ったいるのか穂乃果は話題転換をする。

穂乃果「それで? 今日は?」

 今日のここに来た理由を絵里に話しかけることにした。

 

 穂乃果にそう聞かれた絵里は今日ここに来た理由を話そうとする。

絵里「とくに用事はないけど、どうしてるかなって。自分が推薦した手前もあるし、心配で」

 穂乃果が生徒会長を立候補したのは絵里の推薦があったからなのだ。最初は絵里は空也に頼もうと思ったのだが、空也自身が自分はそういうのに向かないといって穂乃果のサポートに回るとのことで断っていた。それで次に引っ張っていけるような人と言ったら穂乃果しかいないということになり絵里は穂乃果を生徒会長に推薦したのだ。本人も乗り気だったようだし。

 

 そう話していると希は入ってくるときに持っていたタロットカードを見ながら、

希「明日からまた、みっちりダンスレッスンもあるしね。カードによるれば穂乃果ちゃん生徒会長として相当苦労するみたいよ?」

 穂乃果たち4人の生徒会としてのアドバイスをする。希の占いはよく当たるため、

 

 それを聞いた穂乃果は今以上に大変になることを想像して、

穂乃果「えぇ~!」

 ただただ今後のことに悲鳴を上げることしかできなかった。

 

 そんな穂乃果を心配してか、はたまた最初からこういうことを決めていたのか、

希「だから3人共、フォローしたってね?」

 空也たち3人に穂乃果のことをサポートするようにアドバイスを与えた。

 

 このことを聞いた瞬間希がこの部屋に来た理由がなんとなくわかったことりは、

ことり「気にかけてくれてありがとう」

 そのアドバイスを言ってくれた希に感謝した。もちろん穂乃果のサポートもしていくつもりだ。

 

 そして今度は今まで生徒会長として活動していた絵里のとてもためになる言葉を聞く。

絵里「いえいえ。困ったことがあったら何でも言って? なんでも手伝うから」

 生徒会長にいろいろ聞けるのは始めたばかりの新生生徒会にとっては大きいものがある。最初のほうはいろいろとアドバイスをもらえることになるだろう。

 

 そんなことを言っていることを感謝している穂乃果は、

穂乃果「ありがとう!」

 いろいろとよくしてくれている絵里と希にただただ感謝した。

 

 生徒会について話していると空也が何かを思い出したかのようにここにいる全員に話しかける。

空也「それに、ここにいるみんなにちょっとだけ教えとく。今近々みんなが大騒ぎすることが起きるよ?」

 それはあの夢の中で推測できるもの。そして逆算していくとこの時期あたりに何かしら情報が入ると推測した空也はそんなことを穂乃果たちに教えることにした。

 

 そんな何かしら含みのある話し方の空也に疑問に思った海未は、

海未「大騒ぎ、ですか?」

 そのことに関して聞いてみることにした。

 

 しかし何か言われてもここからは詳しいことは何も言えない。だから今は、

空也「あぁ、そんだけ。じゃあ穂乃果、がんばるぞ!」

 ここにある生徒会の書類を終わらせるため穂乃果をやる気にした。

 

 空也にそう言われた穂乃果はやる気を出して書類を進め始めることにした。

穂乃果「うん! 2人ともありがとうね?」

 そして作業に入る前にここにきていろいろ話してくれた2人にお礼を言って早速作業に入ることにした。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽side

 

 場所は屋上。生徒会室にいたメンバーとは違う4人が集まっていた。

にこ「いい? 特訓の成果を見せてあげるわ」

 そういってにこは花陽と凛、真姫の3人の前に出て振り返る。その表情は真剣そのものだった。これから何が起きるのだろうか……。

 

 そこからスイッチが切り替わったようににこが変わり、

にこ「にっこにっこにー。あなたのハートににこにこにー。笑顔届ける矢澤にこにこ♪あ! だめだめだめ~。にこにーはみんなのも・の♡」

 それはにこの持ちネタのようなもの。今までとは違ったものになっており最後のほうが少し伸びていた。

 

 そんなにこを見て真姫が一言。

真姫「気持ち悪い……」

 髪の毛をくるくるといじりながらにこに向かって真姫が言い放つ。ジト目でにこを見つめていた。

 

 真姫にいきなりそういわれたにこはすぐさま反論する。

にこ「ちょっと! なによ。昨日、一生懸命考えたんだから~」

 先ほどの特訓の成果というのは何だったのかという気もするがそっけない反応をされてにこは真姫に子供みたいにじたばたしながら反論する。

 

 しかしそんなことは実際のところ真姫には関係ない。

真姫「知らない……」

 未だに髪をいじるのをやめずにそっぽを向きながらにこに話しかける真姫。

 

 そして今まで黙っていた凛がにこに向けて話しかける。

凛「っていうか4人でこんなことして意味があるの?」

 にこがここ屋上にこの3人を集めたことがよくわかっていないため集めた本人であるにこに訳を聞こうとした。

 

 凛にそう聞かれたにこは集めた理由を話すことにした。

にこ「あんたたち、何もわかってないわね。これからは一年生ががんばっていかなきゃいけないのよ」

 そういってにこはカメラの三脚を立てながら言う。確かに新生生徒会の発足などをして部活動などはもう1,2年主体になってきている。そんな中いつまでも1年生として何もできないなんてことはあってはならないことでもある。

 

 さらににこは話を続ける。カメラのセットが終わったのか腰に手を当てしょうがないという感じで話し始める。

にこ「いい? 私はあんたたちだけじゃどう頑張ればいいかわからないだろうと思って、手助けに来たの。先輩として」

 確かにいきなり何かをやるように言われてもできないことが多い。むしろ何をやればいいかなんて最初のほうはわからない。そういった意味でもにこのやっていることは助かるのかもしれない。

 

 そこで疑問に思うのはにこが先ほどからセットしているビデオカメラ。

真姫「そのビデオは?」

 気になった真姫はセットしているにこにそれについて聞いてみることにした。

 

 それにはちゃんとした理由があったようでそこの発想に至らなかった真姫のほうを向きながら、

にこ「何言ってるの! ネットにアップするからに決まってるでしょ。今やスクールアイドルもグローバル。全世界へとアピールしていく時代なのよ! ライブ中だけでなく、日々レッスンしてる様子もアピールにつながるわ」

 にこが言うのもわかる。スクールアイドルは今や日本だけの文化ではなくなってきている。海外にも日本ほどではないが多くいるという話はよく耳にすることがあった。その為にこの考えていることは正しいことでもある。

 

 しかし、それはにこが本当に考えていることがそれだけの場合だ。

にこ「こうやって一年生を甲斐甲斐しく見ているところをアピールすれば、それを見たファンの間ににこにーこそセンターにふさわしいとの声が上がり始めて、やがて……」

 実際のところは自分がセンターに立ちたいため。それが一番大きかった。だが、こういう時に自然と声に漏れてしまうにこの癖はカラオケの時から治っておらず、

 

 その内容は凛達1年生全員に聞かれていた。

凛「全部聞こえてるにゃ……」

 あまりにも素直すぎるにこの考えに少しあきれながら凛はにこに注意した。

 

 凛に言われると自分の心の声が漏れていたことに気が付く。

にこ「は! にこ!」

 もうごまかしは聞かないがせめてもの悪あがきで笑顔を作りごまかすことにした。

 

 そうやってにこがごまかしているとちょうどその瞬間に花陽の携帯にある1通のメールが届く。

花陽「え? えぇぇぇぇ!」

 その内容を見て花陽は驚くことしかできなかった。

 

 急に大声を出す花陽に驚いた凛は何かあったであろう花陽に声をかける。

凛「かよちん、どうかした?」

 普段は大声を出さない花陽だからこそこういう時はどことなく不安になる。

 

 凛にそう聞かれても今はただただ花陽は来たメールを読んでいる。

花陽「嘘!?」

 その内容がまるでドッキリでも仕掛けられているのではないかと錯覚するほどに衝撃的な情報だったから。

 

 いつもの花陽なら幼馴染の凛の反応にはすぐに応じるのだが今はそんな気配が一向にないため、

真姫「花陽?」

 花陽の異変を確かめるべく今度は真姫が花陽に話しかける。

 

 そうすると次第に周りの声が聞こえてきた花陽は、3人のいるほうに振り替える。

花陽「ありえないです。こんなこと」

 その花陽の目はいまだ信じられていない情報を目にして驚いたままの目だった。一体花陽はどんな情報を仕入れたのか……。今は花陽本人しか知らない。

 




はい!今回も読んでいただきありがとうございます。

前書きにも書いたように今回から2期のお話に入ります。そんな中物語の時期的に2人の誕生日が近づいてきました。それはまた合宿回が終わった後ということになりましたので凛推し、絵里推しの皆様、もう少し待っていてくださいね。

新しくお気に入り登録をしてくださったへびーさん、⭐️RYO⭐️さんありがとうございます!
そしてA4用紙さんより評価をいただきました。ありがとうございます!

次回『もう一度できたチャンス』

それでは、次回もお楽しみに!



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!

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