ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
昨日更新をしましたがもちろん月曜なので今日も投稿しますよ!
どんどん迫ってくる文化祭に向けて準備を進めるμ'sたち。これからどういった行動をするのでしょうか…?
それでは、今回も1つの目標に向けて精一杯頑張る少年と少女たちをご覧ください!
空也side
練習を重ね大体の形はでき始めたころあるものが完成しそれを公開するため掲示板に穂乃果たち2年生組は向かった。
穂乃果「おぉ~! いい感じだよ! これならきっと屋上までみんな来てくれるね!」
そこに張り出していたのはことりがデザインをして書いたμ'sの文化祭ライブの告知。しっかりと屋上でやることを書いてあるため誰も来ないということは何とか回避できそうだ。
穂乃果にそう言われたことりはやり切ったという様子で微笑みながら、
ことり「うん! 成功させたいもん! がんばっちゃった」
自分のやったことを誇らしげに、そしてこれからのライブをより楽しみにしていた。
あることを思い立った穂乃果はさっそくその行動に移そうとしに行く。
穂乃果「よ~っし。クラスのみんなにも見てもらおう!」
それはクラスのみんなという身近な人たちへの宣伝。部活動でも運動部は活動をすることはほとんどないし、空いている生徒だって絶対にいる。穂乃果の行動はいい判断のものだといえる。
先ほどから穂乃果が話していたため黙っていた海未と空也がことりのポスターを見た感想を言う。
海未「ポスターいい感じですね」
しっかりとメンバー全員が描かれたポスターを見て自分の思ったことを素直に言う。
それが終わると今度は空也の番だ。
空也「おぉ~! さすがことりだな」
いつもこういうデザインの仕事はことりがやっているが今のメンバーの中でことり以上に適任がいないというほどの完成度の高さだった。
素直に褒められたことりは普通にうれしくなる。
ことり「ありがとう!」
今日1番の笑顔でことりは空也と海未に感謝をした。
授業が終わり昼休みに入るのだが少し穂乃果の様子がおかしかった。
穂乃果「ふぁ~~」
大きな欠伸をした穂乃果はすごく眠たそうにしていた。
それに気が付いた海未は少し心配になり穂乃果に訊ねてみる。
海未「ちゃんと寝てるのですか?」
睡眠をしっかりととらないとライブ近くでばててしまう。そんなことが起きないように注意しようと海未は話をする。
するとそんな海未の心配を考えずに穂乃果はありのままを伝える。
穂乃果「えへへ。つい朝までライブの事考えちゃうんだよね。今からワクワクして眠れないよ!」
楽しみにしていることがあると穂乃果は眠れなくなることは今までもあった。しかし明日がライブだというのに今の状態では心配になってしまう。
海未同様に空也もその心配をしていた。
空也「ほどほどにしろよ」
無理をしかねない穂乃果の性格を知っているからこそより心配になる空也はそれでも強くは言えずに普段と変わらない言い方で穂乃果に注意をする。
そして放課後になり明日のライブの話をしていると穂乃果が眠れないということを話になった。
にこ「子供ねぇ~」
その話を知ったにこがまず思ったことを口にした。子供のような状況を聞いてにこは穂乃果のことをにやにやしてみながらそう言った。
しかしそう言ったのは誰よりも見た目が子供っぽいにこである。
穂乃果「にこちゃんに言われたくない!」
だから言ってきたにこに穂乃果は思いっきり反論する。
穂乃果がそう言ったことを言った瞬間にこは先ほどのにやにやした目からいきなり変わり、
にこ「どういう意味?」
険しい目になって穂乃果にトーンの低い声が向かう。
口げんかが始まりそうになったのだが穂乃果は何かを思い出したかのようににことの会話を一度やめる。
穂乃果「そうだ!」
面白いことがあるのか穂乃果の目がキラキラ輝いていた。
急に大声を上げた穂乃果に驚いたほかのみんなは、
穂乃果以外『うん?』
穂乃果の大声が聞こえ穂乃果のほうに視線を集める。
すると穂乃果がいきなり動き出した。
穂乃果「どう? 昨日徹夜で考えたんだ!」
両手を大きく8回上に同時に振り上げそれと一緒に飛び上がる動作をする穂乃果。
それが何を示しているのかはみんな理解できた。
にこ「ちょっと、振り付け変えるつもり!?」
それは今までしっかりと練ってきた新曲の振り付けの変更をするということだった。
明日を本番に控えている現状で盛り上がるからと言ってそれをするとなるとかなりリスクが大きくなってくる。
花陽「そっそれはちょっと……」
運動を得意としない花陽はおどおどしながら後ずさりする。
しかしそんなことを気にせずに穂乃果は話を続ける。
穂乃果「絶対こっちのほうが盛り上がるよ! 昨日思いついたとき、これだ! って思ったんだ。はぁ~、私って天才!」
自分の考えた振り付けを自己評価している穂乃果は自身の思考の中に短い旅に出かけていた。
そんな中海未は穂乃果の異変に気が付き、
海未「ことり、空也。これはさすがに……」
近くにいたことりと空也に話しかける。
もちろんその変化にも海未の言いたいこともことりと空也はわかっていた。
ことり「うん……」
少し心配した様子で穂乃果を見つめることりと、
頭に手を当てながらはやりと思った空也は、
空也「暴走してるな……」
そう口にして穂乃果のほうに近寄った。少しでも穂乃果のためになるように。
しかし、それは穂乃果の案を受け入れるための行動ではない。
空也「穂乃果。確かにいろいろ考えるのはいいし、盛り上がるとは思うけど。今更振り付けを変えるよりは今の振り付けを全力でやって盛り上げるほうがいいと思う。だからそれは次の曲に回そう?」
空也としては珍しい穂乃果の案の否定。これからを見つめると穂乃果の出した案とこれからのメンバーのことを考えると今回は穂乃果の案を見送ることしかできなくなった。
空也のそういわれて驚きショックを軽く受けた穂乃果は、
穂乃果「そう、だね……。ごめん、暴走しすぎたみたい…」
少しうつむきながらそう呟いた。最高傑作だと思っていたからこそ否定されるのはやはり悔しい。
そんな感情を察した空也は穂乃果の頭に手をのせ、
空也「気にすんな。それだけライブに熱心なんだから」
慰めるように言葉を呟き穂乃果の頭をやさしくなでた。
それがうれしくなった穂乃果は先ほどのさみしそうな表情ではなくいつも通りの笑顔に戻り、
穂乃果「ありがとう……。よっし、気を取り直して練習しよう!」
これからの練習にやる気を入れた。それでこそ高坂穂乃果という1人の少女だ。
その穂乃果の発言にもうすでに着替えている全員がこぶしを上にあげ、
全員『おー!』
声を合わせて気合を入れる。そしてみんなは屋上に向かう。
そして本番前最後の練習の前半が終わり休憩時間になった。
にこ「もう足が動かないよぉ~」
少し時間がなかったため最終日でも練習をしてしまっているが故ににこの疲労もたまってきてしまいその場で座り込んでしまう。
しかしやる気のみなぎっている穂乃果にはそんな弱音は通用しなかった。
穂乃果「まだ駄目だよ! さ! もう一回」
座り込んでいるにこに向かい穂乃果は練習をすることを強要した。汗もかなり出ているため脱水症状にならないかが心配になってくる。
それに体力面での限界もある。
にこ「え!? また!?」
ばて始めているにこは穂乃果の言ったことに反応する。しかし、本当に疲れている感じのにこは少々ぐったりとしていた。
それでも穂乃果は止まらない。
穂乃果「いいからやるの! まだまだできるよ~!」
にこにどんどん近寄っていきながら穂乃果はどんどん練習をすることを催促する。
そんな穂乃果の昼休みの出来事を思い出すとこれからのことが心配になってくる。
海未「私たちはともかく、穂乃果は休むべきです」
そう感じた海未は穂乃果の熱をいったん冷やそうと休憩することを勧める。
今はやる気がみなぎっている穂乃果は海未の勧めを受け入れようとはしなかった。
穂乃果「大丈夫! わたし燃えてるから!」
精神論で語る穂乃果の目はスクールアイドルを始めた時以上に燃えていた。
それは確かにいいことなのだが限度というものがある。そのため海未に続き空也も穂乃果に休むように言う。
空也「それに夜遅くまで練習してるんだろ? 少しでいいから休め。っていうか少し寝ろ」
少し強引にほのかに事を止める空也。その顔は少し険しいものがあった。
空也にそう言われても穂乃果に辞めるという意思はない。
穂乃果「でももうすぐライブだよ?」
ライブが明日という事実で反論しようとする穂乃果。
そんな穂乃果を今度は海未が意見を言って休ませようとする。
海未「だからこそです。本番に体調を崩しちゃいけないでしょう?」
そう。いくらライブまでの練習で頑張ったからといって本番に出れなくては意味がない。それが起きないように少しでも海未たちは穂乃果に休んでほしいと思っていた。
それを代表して空也が行動に移す。
空也「そういうことで、穂乃果こっちに来い」
そういって穂乃果の腕をつかみみんなが練習をしていない開けた場所に連れていき、その場で横にして空也の膝枕とワンドを振るしぐさを見て穂乃果は眠りについた。
side out
穂乃果side
練習は結局最後の通しまでぐっすりと眠っていた穂乃果は夜に空也から電話がかかってきた。
穂乃果「はっくちゅん! どうしたの空也君?」
電話に出ている穂乃果は小さいくしゃみをしながら空也の電話に応答をする。どうやらもうすでに軽い風にかかっているようだった。
穂乃果の電話の相手である空也は穂乃果のことを心配して電話をした。
空也『穂乃果が風邪ひかないか心配で電話した。でもその様子じゃ軽い風邪になってるみたいだな」
空也は電話で聞こえる穂乃果の声で体調が崩れ始めていることを察した。明日のライブに響かないように注意しようとするのだが、
それは先に穂乃果によって止められてしまう。
穂乃果「そんなことないよ。私は大丈夫! 心配してくれてありがとう」
先ほどのくしゃみを思わせないほどの元気な声で空也に心配ないことを伝える穂乃果。その声には普段通りの変わらない穂乃果の声が聞こえてきた。
その声を聴いた空也はどこか安心した気持ちになった。
空也『いや、大丈夫ならいいんだ。それじゃ』
安心したからなのか、それとも今日の穂乃果の出した案や提案をひたすら否定してしまったことが原因なのか空也はここで引き下がってしまう。
穂乃果も空也が自分のことを信用してくれたことをうれしく思い、
穂乃果「うん! またね」
先ほど以上に、夜にしては元気すぎる声で別れを告げ電話を切った。
その電話が終わった後、今日までの日課のようになっていた自主トレをするために玄関に来ていた。
雪穂「また行くの!?」
準備をしていると穂乃果のことを見つけた雪穂に話しかけられる。この前以上に驚く雪穂は穂乃果のことを心配していた。
しかしもうここまで来てしまった以上最後までやりたいという穂乃果の意志は強かった。
穂乃果「うん。ちょっとだけ」
少しだけといい家を出ていこうとする穂乃果。
そんな穂乃果の姿を見た雪穂はどこか止めなくてはいけないと思い自分たちの母親を出して止めようとする。
雪穂「もう時間遅いし、お母さんに怒られるよ?」
これを聞いてあきらめてくれることを願い雪穂は穂乃果に語り掛ける。
その雪穂の可愛い抵抗も今の穂乃果のやる気には通用しなかった。
穂乃果「ごめん。すぐ戻るから」
短くそう伝えて穂乃果は引き戸を開けて外に出た。そのあと何も言われないようにすぐに扉を閉める。
外に出たのはいいのだが、ここで穂乃果の予想外のことが待っていたことを今初めて知ることになる。
穂乃果「うわぁ、雨~」
それは雨が降っているということだった。しかし、それだけでは今の穂乃果は止まらない。今着ているウェアのフードをかぶりいつもの神田明神の男坂に向けて走りだした。
悲しいほど強く降る雨は明日にも影響しそうなほど強く降っていた。この中を走る穂乃果の未来を案じているかのように。それでも穂乃果は走り続けた。今の自分が夢見ている最高の舞台に立つことを信じて。
この後自分が犯してしまった過ちを知ることもできずに穂乃果はひたすら自主トレのランニングを続けていった…………。
今回の穂乃果の暴走はこの物語にどう影響してくるのでしょうか? いつものように空也が何とかしてくれるのか、それとも……?
まぁ、それは次回のお楽しみということで。
新しくお気に入り登録をしてくださったイタリアの神様さん、カゼッピキさん、黒川白さん、Lily29さん、夜桜乃道さんありがとうございました!
次回『悲劇の文化祭』
それでは、次回もお楽しみに!
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