ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
まず最初に、新年あけましておめでとうございます。元旦ということで昨日と引き続きの投稿です。
新年ということで少しだけ長めかも?
それでは今年も行きますよ! 新たな年をまたぎつつも物語はライブに向けての準備が着々と終わりつつあります。彼女たちの頑張りをそして彼の恋の予感をしっかりと見届けてあげてください!
ことりside
昨日の親子の話し合いでことりの留学の件が完全に決着がついた。そして昨日もう一つ決まったことがある。それが……、
ことり「ごめーん。誘っておいてちょっと遅れちゃった……」
いつか約束した服のデザインを見るということ。そしてそのためにライブの衣装の材料を買うのを手伝ってほしいというものだ。野外ステージでライブをすることが決まりそれに合った材料を買おうとことりは歩を今日誘った。
そんな中待ち合わせ場所の秋葉原駅に早めに来ていた歩は、少し遅れてきたことりを見つけるなり、
歩「全然いいですよ。今日はこっちが教えてもらうんですから」
素直に謝罪を受け取り、これからの買い物を手伝ってくれることを感謝していた。
ことりも変に待っていないといわれるより軽く受け止めることができた。今はさほど関係のない少年に気を使わせているのではないかと考えることは今回はないようだ。
ことり「ありがとう。それと言っておいたけど衣装の素材を買わないといけないからそっちも手伝ってね?」
改めて今日の目的の2つを再確認する。
ことりが言ったことは十分に歩は理解していた。
歩「はい! 問題ありません。ことり先輩」
それをのんでの相談だったのだから。歩はしっかりとことりのことを名前で呼びが慣れてきたようだ。
集合してしまえば今の場所に用はないため、
ことり「じゃあ、行こっか」
改札に向けて歩き出した。
ことりについていく形で歩も歩き出した。
歩「えぇ!」
今の歩にはいつもと違った自分になれるかもしれない期待とμ'sの衣装を作っている憧れのことりとの買い物でかなりテンションが上がっていた。
電車でことりがよく買い物に行くという店に向かっているのだがその間に、今日はどういったのを買おうとしているのかを確認しておくことにした。
ことり「歩君は普段どういったお洋服を着ているの? やっぱり今みたいな感じ?」
今着ている歩の服装は、明るめの赤を使って黒のラインと胸に黄色のワンポイントが入った長袖の服と黒のジーパンだった。
普段から服装に気を使っている歩は、
歩「そうですね……。普段はこういう感じの服か……、あとはバンドとかやるときにもう少し派手な服とか来てます」
常にこういう格好で自分の服をコーディネイトしていた。そんな中ことりが知らないことも補足しておく。
それはバンドをしていること。予想だにしないことに少しは驚くことりだが、
ことり「バンドやってるんだ! じゃあ……アクセサリーとかもしっかりとつけてるの?」
どこかイメージ通りだったようですぐに納得する。ことりのバンドのイメージはきっと義之たちのようなものなのだろうが渉とか写真で見ていると意外にアクセサリーをしていたイメージが付いていた。
確かに歩もアクセサリーは気を使っている。
歩「そうですね。ギターなんで腕に巻くのはそんなにしないんですけどネックレスとかはかなりこだわってます」
どういったデザインなのかもそうだが、ギターをしていると手首の動きが重要になってくるためブレスレットは選ばないようにしていた。
そういうことを聞くと歩のある一点に目が行く。
ことり「今もつけてるんだね」
それは今着けている八分音符マークのネックレス。それをつけてるだけで音楽が好きなことはどことなくわかった。
そしてそのネックレスは歩自身すごく気に入ってるようで、
歩「えぇ、お気に入りなんですよ」
毎日このネックレスを身に着けている。
そうやってファッションの話をしていると次第に時間がたち始めてしまう。
ことり「そうなんだ。……で今日はどんなのを見たいの?」
それに気が付いたことりはまずはこの時間に聞いておきたいことを歩に訊ねる。それは、いったい今日はどんなものを見たいのかだった。
もちろん今日の歩も目的があってきたためすぐに答える。
歩「上着……ですかね。これから少しずつ寒くなりますから。って今日は?」
そんなときに気が付いた。ことりの思いもしない言葉の表現に。つまりことりが言ったことは、今日も行くけど次もあるということだった。
聞き返した歩に向けてことりが今回の買い物では終わらないと思ったことを口にした。
ことり「うん! さすがに今日だけで全部の相談は受けられないと思ったから、これからもこういう時に一緒にきて見て回ろうと思ったんだ。ダメ……かな?」
いくらことりがファッションに精通しているからと言って季節ものなどを考えると妥当なところである。ことりはかわいらしく歩に訊ねた。
その申し出は歩にとって好都合すぎるものだった。
歩「いえ! むしろありがとうございます!」
ことりと過ごす時間がほしいと思っている歩にとってチャンスが増える提案を受け入れる。
歩の言葉を聞いたことりはすぐに笑顔になる。
ことり「こちらこそだよ! じゃあお店は私が決めるね? ジャケット系なんだよね」
本当に楽しそうにことりは話す。そして買いたいものの目的が決まったことでもあった。
歩もその決定事項に異論はないため、
歩「はい! お願いします!」
素直に受け入れる。その表情はこれからの買い物を楽しみにしていることが伺える。
頼られたことりは腰に手を当てて、
ことり「うん! ことりにまっかせなさい!」
胸を張って自信満々に歩にそう宣言した。今のことりもかなり楽しそうだ。
歩はことりの案内でことりがよく使うというおすすめの店に一緒に行った。
ことり「ここがことりのおすすめのお店だよ」
『time world』のブランド品を多く扱っている種類も豊富な店だ。外観はかわいい系というよりかっこいい系の店に見える。
そんな店を見た歩はことりに持っていたイメージが少し変わる。
歩「ことり先輩ってかわいいお店が多いと思っていたけどこういう店も来るんですね」
変わりはするがそれはマイナスな意味ではなくてむしろ自分に合っているほうにも興味があるといううれしい誤算のような変更だった。
先ほどの歩の言葉でことりは歩が思っていることを察する。
ことり「うん! たまにはことりもこういうかっこいいお洋服を着るんだよ?」
いつもはかわいい系の服を着る傾向があることりも雰囲気を変えたい時などたまにはかっこいいような服装をすることはある。まぁ、着る機会そのものが少ないためみんなにはかわいい服を着るというイメージが付いているのだと自分でも自覚していた。
少し向きになっていることりをかわいく思いながらも店の中で自分の気になる上着を手に取る歩は、
歩「今日でわかりました。あ、これいいかも」
直感でいいと思ったものをことりに見せた。
見せられたことりは似合っているように感じたが、今日はただ似合っているだけではいけないのだ。
ことり「でもそれ、今着てる服と変わらないよね?」
そう。今回の買い物は普段気ないような新しいジャンルに手を出すこと。そのためことりはそのことを指摘する。
ことりとの買い物が楽しいと感じていた歩にはそのことがすっぽりと抜けていた。
歩「あ……、確かに。今日は違った感じのを聞きたかったんでした」
言われたことで思い出した歩は手に持っていた物を戻して、もう一度ことりのほうを向き戻した。
歩が振り向くと自身の右手を顎に当て考え事をしている。
ことり「そうそう。今着るのが赤とか黒の色だし、歩君は青系の色も似合うんじゃないかな? バンドでライブやってるときはどんな服?」
映像を頭の中で作りことりは歩に似合うそれでも今とは違った感じになるような服装を考えていた。
ことりにバンドの時の服装を聞かれ歩はバンドをしている時を思い出しながら答える。
歩「バンドやってるときか……。色はこういう感じの色ですけど少しシルバー系が増えるんですよね」
どうやら大本の色は変わらないらしい。がやっぱりすいってを入れる為が少しは普段と変えているらしい。
そんな話をしていると今日買うべきものが事細かく決まり始める。
ことり「じゃあ今日はその2つの用途の服を見てみようか」
2つの使う服があるのならせっかくだから一緒に考えてみればいい。だからことりは歩にそう提案した。
そんな色のアドバイスをもらった歩はそれを踏まえ自分で服を探してみる。
歩「そうですね。じゃあこんなのってどうですか?」
するとその条件に合った自分の好みのデザインの服に出会った。普段は選ばない色からことりがいなければ出会えなかった。
今度はことりもその選んだ服がいいと思い、そのことを表に出す。
ことり「それいいね! 暖かそうだし、色も配色も歩君似合ってると思うよ!」
機能性もあり、何より着た姿を想像すると青を基調とした服でも似合うことが分かりことりは精一杯良いということを口にした。
この服と出会えたのもことりのおかげだ。
歩「こういうの普段選ばないし、ことり先輩がいてくれて助かります」
そのことをしっかりと理解している歩はまずことりに感謝した。
急に感謝されたことりは顔を赤らめ恥ずかしがりながらも次のいい感じの服を探す。
ことり「どういたしまして。あ、これもいいんじゃない?」
すると見つかったのだ。先ほどとは違う普段のようなデザインでもアクセントが変わっている服を。
その服を見て少しだけ普段と違うだけなのだが、それが全く普段気ないようなデザインに見えた歩は、
歩「えっと……似合いますかね?」
その服を着たことが想像できなかった。そのため少し不安になる。
そんな不安を打ち消すかのようにことりは自信をもって歩に声をかける。
ことり「ことりが言うんだから間違えないよ! 試しに来てみる?」
言葉で何回行ったとしても受け入れられないときは本当にだめだ。しかし一回でも着ている姿を客観的に見ればどうなのかすぐわかる。百聞は一見に如かずだ。
その提案を歩は受け入れる。
歩「はい!」
ことりから服をもらいその場で羽織る。
着終えるとまずはことりに感想を聞く歩。
歩「どうですかね?」
服を着た歩はジップの部分の中間部分をもって引っ張りながら訪ねる。その顔は少し恥ずかしいようで照れている表情だ。
そんな不安げな歩だがどうやらことりの見立ては間違っていなかったようで、
ことり「やっぱり似合うよ! さっきのは青が基調だったけど、黒とシルバーがメインで青いラインが入ってるのもいいね!」
シルバーをメインにした服を着ている歩は普通にバンドにいるような服装になった。青いアクセントが普段と少し違った印象を与えている。
ことりの勧めもありその2着を買った歩は店から出てくる。
満足した顔で店から出てきた歩は本当に今日の買い物がいいものだと思っていた。
歩「ことり先輩、今日はありがとうございます」
改めて歩は今日の買い物の件でことりに感謝する。今日歩はことりにありがとうを言ってばかりだ。
それでも今日は歩の件だけをやりに来たわけではない。
ことり「いいんだよ。朝も言ったけど代わりにこれからお願いね」
朝も言ったようにライブできる衣装の材料を買うために来たのだ。歩はその荷物持ちを了承して今日一緒に買い物に来た。
もちろんそのことは歩も覚えている。
歩「材料の荷物持ちですよね。わかってますって!」
腕を曲げ歩は力持ちアピールをしてことりにいいところを見せようとしていた。
それも重要ではあるが今の時間は12時を少し過ぎたころだった。
ことり「でも、その前にお昼ごはんだべよっか!」
そのためことりも歩もおなかが減り買い物の前に食事をとろうと提案する。
それを聞いているとこの場所が自分も知っていることを思い出す。この場所が楽器を見に来た時によく来る場所だった。服は違うところで見ていたため気が付かなかったようだ。
歩「あ……ここら辺って確か……、俺のおすすめのカフェがあるんですがどうです?」
そして覚えのある場所のよく歩が行く店をことりに紹介しようとする。
意外な歩の申し出にことりは甘えることにした。
ことり「そうなの? じゃあお願いしようかな?」
ことりもここにはよく来るがカフェにはあまり行かないため新しい発見があることを期待して歩に案内を任せることにした。
歩の案内で2人はカフェのcafe Diceyに来た。
ことり「わぁ~、落ち着いた感じのお店だね」
少し古びているような、それでいてゆったりとできる雰囲気を醸し出しているカフェにことりは感心していた。
この雰囲気が気に入ってよく利用するようになった歩の前でことりが同じ点を気に入ってくれたことがうれしく、
歩「かなりいいんですよね。ここ。何にします?」
歩は同調してくれることをうれしく感じていた。そしてメニューを渡しどの料理選ぶか聞く。
聞かれたことりは視線を店内のことからメニュー表へと移す。
ことり「えーっと、サンドイッチと、あ! チーズケーキがある!」
食物をまず見ていると気分にあったものとことりの大の好物が見えた。真っ先にチーズケーキに反応して目をキラキラと輝かせていた。
その反応を見るとことりがチーズケーキが好きなことが歩は分かった。
歩「好きなんですか?」
念のためことりに確認のため聞いてみる。
ことりは聞かれそのままの勢いで好物であることを肯定する。
ことり「うん! 大好き! あと、レモンティーかな?」
そして最後に飲み物を選びことりは選ぶことを終えた。
ことりが決まったことを確認した歩はマスターを呼び出した。
歩「わかりました。マスター! えっと……サンドイッチに、ホットドック1つずつ、それとチーズケーキも。飲み物がレモンティーとブレンドコーヒーで」
歩がことりの分と自分の分を注文する。ここのカフェは量が他と比べて少し多いため一つである程度満腹感を覚える。もちろんことりの好物であるチーズケーキも忘れずに。
注文を聞いたマスターはメモを取り、
マスター「ご注文承りました。……歩君。がんばってね」
歩を応援するように耳元で言葉をかけた。そんな様子にことりは首をキョトンとしているが深くは聞かずに流していた。
注文をした料理はそこまで時間をかけずにやって来た。
マスター「お待たせしました」
しっかりと全部の料理を持ってきたマスターはテーブルに料理を並べる。
歩はそんなマスターに感謝をしつつ、
歩「ありがとう。マスター」
仕事中のためマスターは笑顔を見せて厨房に戻った。
やってきた料理を見ると素直な感想が口からもれる。
ことり「わぁ~、おいしそう!」
本当においしそうな匂いと見た目の料理を見て新鮮な感じがして感動していた。
そのことりの感想は歩が来た時も感じたもので、
歩「ことり先輩。おいしいですから食べてみてください」
今の歩は自信をもっておいしいとおすすめした。
歩にそう言われたことりはサンドイッチを手に取り、
ことり「うん! いただきます!」
ことりがいただきますをして一口頬張る。
一口だけでことりが食べたサンドイッチのすばらしさに気が付いた。
ことり「美味し~! 少しマスタードが効いているのがいいね!」
サンドイッチにあった分量の程よい辛みが伝わってきてことりは新鮮に感じていた。
この店はかなり素材にこだわりを持っている。
歩「ここのマスタードはお手製ですからね。このホットドックにもついてますよ」
その中でもマスタードには自家製のものを使うといった一番のこだわりポイントを持っている。歩は自分の食べているホットドックの断面をことりに見せて言った。
そのホットドックを見ているとことりはそっちの味にも興味があった。
ことり「ねぇ、歩君のも一口頂戴?」
正直にことりは歩にホットドックがほしいことを伝える。
言われた歩は自分の食べているものの味も知ってほしいと思い、
歩「いいですよ?」
すぐにホットドックをことりにあ~んをして食べさせる。
歩からもらったホットドックを食べたことりはサンドイッチを食べた時とは違う感動を覚えた。
ことり「わぁ~、こっちはケチャップもマスタードと合ってておいしいね!」
サンドイッチにはないケチャップとソーセージの味を口の中で楽しみつつことりは歩にそう言った。
同じような感想をもってくれたことに歩はうれしくなる。
歩「ですよね! って……あ」
しかし、この動作の意味を理解して恥ずかしくなってことりから目を逸らす。つまりは間接キスと食べさせあいっこをしている。恋人らしいことをしていることを歩は自覚した。
いまだ自覚していないことりは顔を逸らした歩のことを不思議に思い、
ことり「どうしたの?」
首をキョトンとしながら歩に理由を尋ねる。
さすがに自分がそのことを言うことを恥ずかしいと思う歩は、
歩「いや、何でもないです」
慌ててことりの方を振り向き手をワタワタして答えた。
そんなことを不審に思いながらもそこまで深く聞くことでもないような気がして話をいったん終える。
ことり「ん? あ、それでね。今回買う材料は雨にも強くなくちゃいけないんだ~」
そんな中、話は今回の衣装の話になる。今回は野外ライブということで天気が不安定になるこの時期のことを考えると初めて雨のことを考えないといけないことになる。
その話を聞いて歩は少し咳払いをして、話をことりに合わせる。
歩「えっと……、じゃあビニール系を含んだ素材がいいですね」
雨ということを考えると水をはじくほうがいい。スプレーで防水にするのもいいがいまいち確実性に欠ける。
ここまでの思考はしっかりとことりも出来ていた。今までいろいろな衣装を作ってきたことりはしっかりと分析はできていた。
ことり「うん。それはことりも思った。でも服にするなら柔らかいのじゃだめだよね」
ただその点を考えるにしても問題はどういうのを使うか。それ次第ではダンスのパフォーマンスにも影響しかねない。
それは話を聞いていると歩にも理解できた。しかし、そうなると考えられる選択肢がかなり限られてくる。
歩「そうですね。ある程度硬くて加工もしやすいとなると、あとダンスをするんですから軽くないとだめですね」
さらに考えているとまだまだ気にしなくてはならないことがあることに気が付いた。さらに条件が厳しくなり選択肢は極端に少なる。
いろいろなことを考えていると見せるために大事なことを欠かしてしまいそうでことりは少し怖かった。
ことり「そうすると色とかを気にしている余裕がなくなってこないかな?」
色などを考えてくるとこの素材のこの色はないなんてことが多くあるためそのことをしっかりと考えないといけなかった。
その改善点としてはあることを考えると色を簡単な色にするということ。
歩「じゃあ色はオーソドックスなものにして……難しい色とかを使わないようにすれば…」
色はどこにでもあるような色を選択するしかない。それは一番手っ取り早い。そして後は妥協するしか方法はないだと思う。
話を進めていると歩の出して案をどのようにこれから対策をしていくのかの相談に入る。
ことり「じゃあどんな色がいいと思う?」
自分で考えながらも案を出してきた歩にどういった色のイメージがあるかを訊ねることり。
ことりに聞かれると食べながらμ'sの似合うような色を考えた。
歩「うーん。やる曲が分かっていないんであまり言えませんが今までは明るい色が多かったですし、黒とかはどうです?」
すると今までの衣装の色を考えて少しイメージを変えるような、それでいて自分の好きな色を歩は上げた。
歩の言葉を聞いたことりはその色を思い浮かべたことりは、歩の今の服装と先ほどの買い物を思い出して少し微笑んだ。
ことり「黒か……。フフ、歩君手本当に黒が好きだね。でも、いいかも!」
歩が黒が好きだということに気が付き、ある意味インパクトを与えるのはいいと思いその線で行こうと考えた。
ある程度完成するための道のりが見えたため早めの食事を再開することになる。
歩「そうですか。じゃあ早く食べていきましょうか!」
残りのホットドックを食べながら止まっていることりに食事を勧める。
言われたことりもチーズケーキの楽しみもありサンドイッチの再び食べ始めた。
ことり「そうだね!」
そう言いながらもことりはチーズケーキに感動して少し店を出るのが遅くなったがそれはなた別の話。
買うものが決まりことりは買う店の食事中に検討をしていたためすぐに買い物が終わる。
ことり「今日はありがとうね」
そして今日はもう夕方になり、待ち合わせ場所だった駅前に帰って来た。
今日という日は歩にとってとても重要な日だった。
歩「いえいえ、こちらこそですよ! ことり先輩のおかげで普段とは違った服を選べました!」
いつもは出会うことのできない服と出会えたのは本当に感謝すべきことだった。
正直にここまで感謝されるとうれしくなったことりは、
ことり「えへへ。どういたしまして!」
ほほを赤く染めて自分の頭を撫でて照れていた。
ことりが照れている間に歩は懐から箱状のものを取り出してことりに差し出した。
歩「感謝のしるしとしてこれを……」
少し小さめの箱に入ったものはことりの手に渡された。
そのもらった箱を開けるとそこには金属のあるものが見えた。
ことり「これはキーホルダー?」
それはキーホルダーだった。ひよこのような形をした金属のキーホルダーをことりは箱の中から取り出す。
それを買いに行ったのは待ち合わせの前だった。この場所に来る前に立ち寄って買ってきていた。
歩「えぇ、これ最近できた店でしか販売していなくて。似合うと思って」
小さな店だけどそれでもいいものを売っているということでネックレスなどを買うのにかなり利用することが多かったためいいものが見つけられプレゼントに決めていた。
そのプレゼントを素直に受け取ることり。過ぎてしまったがことりの誕生日プレゼントとしても見れるそのキーホルダーを大事な抱いていた。
ことり「ありがとう!」
そして本日最高の笑顔で歩にありがとうと感謝した。
喜んでもらったことをうれしく思った歩は時間の流れを感じた。
歩「あと、送りますよ。ことり先輩」
少しずつ暗くなってきたのに気が付いた歩はことりを送っていくことを申し出た。
さすがに悪いと思ったことりは家までそんなに遠くないため遠慮しようとするが、
ことり「いいよ~。そんなに気にしなくても」
歩にとってはその油断も注意しておくに越したことはないほどに大事に思っていた。
歩「いいえだめです。ことり先輩はかわいいんですから危ない目に会ったら危険です」
そのため半ば無理やりにことりを送っていくことを決定した。
急にかわいいといわれたことりは耐性がなかったため一瞬で顔を赤くして、
ことり「かわっ!? もぅ、からかうの禁止!」
怒ったように両こぶしを下におろした後右手の人差し指を突き出して注意するかのように言った。
そんな仕草に少し心拍数が上がる歩だが、
歩「わかりました……。でも送らせてもらいますからね」
それでも送ることを引かないように少々しつこめのことりを送ることを宣言する。
その勢いに負けことりはまだ赤い顔で歩の申し出を受けることにした。
ことり「わかったよ……」
ことりが思っていたように遠くないことりの家に着いた。
歩「今日はありがとうございました」
最後に今日のことを感謝する歩。もう今日の買い物が終わることを意味していた。
まだ少し顔の赤いことりはその感謝を受け入れ、
ことり「こちらこそ。じゃあ、またね」
今日の材料のヒントをくれた歩に対してもことりは感謝する。
そして今日の朝にわかったこれからの予定を期待して、
歩「えぇ、また今度」
歩は次回以降のこういう買い物を楽しみにして別れた。その挨拶を終えたことりは自身の家へと帰っていった。
ことりは家の中に入ると帰ってくるときから感じていた心臓の動きをよく感じるようになった。
ことり「初めてだったな……。男の子とお洋服が目的で出かけるの……。さっきのでまだ心臓がバクバクだよ…」
このことがきっかけでことりは歩のことを意識しだすのだが、今はそのことをことりも歩も、そしてμ'sのみんなもだれも知らなかった。
空也side
休日も終わりまた今日から学校生活が始まる。そんな中穂乃果がこの休日に思ったことを報告した。
絵里「え!? 曲を?」
そのことに絵里をはじめとするμ'sのみんなが驚いて聞いていた。
穂乃果が言い出したのは新曲を最初にやろうということだ。
穂乃果「うん! 昨日真姫ちゃんの新曲を聞いたらやっぱりよくって。これ、一番最初にやったら盛り上がるんじゃないかなって」
新しく作られた新曲は今まで以上のアップテンポな曲で観客も聞いてて楽しくなるような作品に仕上がっていた。
それについてはみんなも同意見だった。
絵里「まぁね。でも振り付けも歌もこれからよ? 間に合うかしら……」
しかし問題は新曲の振り付けがまだのため時間が間に合うかといったこと。あと3週間もない状況でリスクの高い行動になるといえる。
絵里の言ったことに関して穂乃果は考えていたことを口にする。
穂乃果「頑張れば何とかなると思う」
それは根拠のない自信。しかし、説得力もあり、穂乃果がみんなを信頼していることはこの言葉からすごくわかった。
そう穂乃果は言うが確実性を求める海未は少し不安げに呟く。
海未「でも……。ほかの曲のおさらいもありますし……」
今回も夏休みにやったライブ同様に数曲連続のライブをやる。そんな中時間も少ないのにできるかと言ったらさすがに不安になる。
問題点を挙げられるとその不安は少々伝染して、
花陽「わっ私……、自信ないなぁ~」
花陽も自信なさげにそう言葉を漏らした。
だが、そんな不安は穂乃果にはない。
穂乃果「μ'sの集大成のライブにしなきゃ、ラブライブの出場がかかってるんだよ?」
太陽のようにみんなを明るくするような笑顔とやる気で自分の思っていることをほかのみんなに告げる。
ラブライブという大きな目標が目前と迫ってきている中いろいろとできることはやっておきたい。
希「まぁ確かに、それは一理あるね」
そう思っている希は穂乃果の言ったことに同調する。
今言っていた穂乃果の提案を賛成してくれた希の意見を、
穂乃果「でしょ?」
嬉しく思い。笑顔で首をかしげることをした。
穂乃果の言ったことに不満はない空也だが、もしダンスをしっかりとマスターしても本番で気になることがあった。
空也「そうだけど。それをやると観客のテンションの維持が大変だぞ」
今までで一番アップテンポな曲ということはそれ以上の盛り上がる曲はないということになる。客を飽きさせてしまうと本末転倒だ。
だが、穂乃果にそんなことの心配はなかった。
穂乃果「私たちならできると思う! ラブライブは今の私たちの目標だよ。そのためにここまで来たんだもん」
このメンバーならできるという確かな自信を胸に絶対の確信をもって穂乃果は答えた。
今までの話で何回か出てきたラブライブという単語に花陽は反応する。
花陽「ラブライブ……」
今までは見るだけの舞台だったものが今目の前にやってきている。それだけでうれしくなっている花陽が心の中にいた。
それはアイドルの執着していなかった穂乃果も思っていること。
穂乃果「このまま順位を落とさなければ、本当に出場できるんだよ!? たくさんのお客さんの前で歌えるんだよ!? 私、がんばりたい! そのためにやれることは全部やりたい! だめかな?」
ラブライブに出たいと心の底から思っているからこその今日の提案を受け入れてもらいたくて必死なようだ。
穂乃果の熱意にあてられて絵里は決断をする。
絵里「反対の人は?」
それは穂乃果の案を受け入れるということ。そのため反対の意見を持つものがいるかどうかをこの場で訪ねる。
その絵里の問いかけを聞いたみんなは誰も手を挙げない。満場一致で賛成ということになる。
空也「ダメなわけないよ。でもほどほどにしろよ。ライブ前に体壊したら元も子もないから」
それでも空也はこれからのみんなの様子を考えずにはいられなかった。
受け入れてくれたことに穂乃果は純粋に喜んだ。
穂乃果「みんな……、ありがとう!」
笑顔でみんなに感謝をする穂乃果。このことからこれからが忙しくなることが決定する。
最後に一応絵里は穂乃果にある忠告をする。
絵里「ただし、練習は厳しくなるわよ! 特に穂乃果、あなたはセンターボーカルなんだから みんなの倍はきついわよ? わかってる?」
新曲は穂乃果がセンターだ。そのため練習量が増えることになる。
だがそこは自分から言い出した穂乃果だ。
穂乃果「うん! 全力で頑張る!」
ガッツポーズをしてやる気があることをアピールする。こういう時はしっかりと頑張るのが穂乃果だ。
今日でライブまでに決めなくてはいけないことがほとんど決まった。これからは練習や広報活動をするだけ。これからも忙しくなりそうな気がしていた。
side out
穂乃果side
文化祭までの残りの日数を気にした穂乃果は落ち着いていることができずに夜も神田明神の階段を走っていた。
走り終わり穂乃果が家に帰るとそこにはちょうど2階に上がろうとしていた雪穂の姿があった。
雪穂「え!? 夜も練習してるの?」
雪穂は外から帰って来た穂乃果の服装を見るなり練習をしていることが分かった。夜も遅いといっていい時間にやっていることに驚きを隠せない雪穂。
そのことに穂乃果はいつもの笑顔で肯定する。
穂乃果「うん!」
そんな穂乃果を見ていると頑張っていることを応援したくもなるが、
雪穂「やり過ぎよくないよ? いつも無理するんだから」
やはり穂乃果のことが心配になる雪穂はくぎを刺すように穂乃果にそう言った。いつもの穂乃果は頑張りすぎるという欠点がある。今回もそれが出てしまうのかと思うと雪穂は不安になった。
しかし、そういわれたって頑張ることはやめられない。
穂乃果「大丈夫! 自分が誰より頑張ってライブを成功させなきゃ! 自分がやるって言い出したんだから」
一応穂乃果にだって責任感はあるのだ。自分が言い出したから自分が一番頑張らないといけない。素晴らしい考えだがそれが穂乃果のみをむしばむことに今は誰も気が付いていなかった。
改めまして新年あけましておめでとうございます! 今年も空也ともどもよろしくお願いします。
今回は考えてもらった大事なキャラのデート回でしたね。これからどうなるのかかなり気になってきます。
それでは今年もいつものように定期的に更新できるように頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。
新しくお気に入り登録をしてくださったAcedia666さんありがとうございました!
評価をくださった零風さんありがとうございました!
次回『ライブ前日に』
それでは、次回もお楽しみに!
Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!