ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

62 / 145
どうも、そらなりです。

今回で初音島編は終わりになります。そして活動を始めて初の数曲ライブです。

それでは、今回もライブの模様をご覧ください!


初めての長時間ライブ

空也side

 

 今日はライブ本番の日なのだが……

空也「穂乃果! 今日はライブ当日だぞ! 早く起きろ!」

 珍しくライブの日に穂乃果が寝坊した。空也はそんな穂乃果を揺さぶり起こそうとする。

 

 寝ている穂乃果は空也の行動のおかげで少し目が覚める。

穂乃果「まだ眠いよ……」

 しかし眠いことには変わりないので穂乃果はそのまま布団にもぐっていく。

 

 そんな穂乃果を見ていた空也は、どうしても起こさないといけない理由があった。

空也「早く起きないと打ち合わせも出来ないぞ! それに朝ごはんが冷めちまう」

 ごはんが覚めるのは当然ながら、今回は活動を始めて初の複数曲を披露するライブをするつもりだった。

 

 それでも起きない穂乃果は、

穂乃果「あと……5……」

 眠そうな声でとぎれとぎれに呟き始める。

 

 そのあとの言葉を予想して空也は話を続ける。

空也「5分もまてねぇよ!」

 初めてのことをするときには余裕が重要になってくる。だから1分も無駄にしたくない。

 

 そんな時にいつまでたっても来ない穂乃果と空也を心配して、海未とことりがやって来た。

海未「どうですか? 穂乃果の様子は」

 穂乃果の寝坊に離れているがさすがに遅いと思った海未は穂乃果を状態を見るためやって来た。

 

 ことりも同じ理由で来たが穂乃果と空也の状況を見て、

ことり「ありゃ、まだ寝てるんだ。穂乃果ちゃん」

 まだ時間がかかりそうだとすぐに直感した。

 

 そして、穂乃果は先ほどの言葉の続きを言う。

穂乃果「あと500年……」

 

 …………。

ことうみくう「「「長いわ(よ・です)!!」」」

 穂乃果の言った時間にはさすがにツッコまずにはいられなかった。

 

 それからしばらくして穂乃果が起床し、朝食を食べ終わると風見学園にさっそく向かった。

 その道中今朝のことで気になったかを空也が無意識のうちに口にする。

空也「それにしても、ライブがあるときに穂乃果が寝坊するのは珍しいな」

 穂乃果はイベントごとがあるときには寝坊しないことが多く最近は全くなかったのだが、今日は珍しく寝坊してしまった。

 

 どうやら本人にはそういった自覚がなかったようで、

穂乃果「え? そうかな?」

 首をキョトンと傾げながら穂乃果は聞いてみた。

 

 穂乃果のことに関してそう思っていたのは空也だけではなかった。

海未「そうですね。いつも自分が楽しみにしていることがある日は早起きですから」

 それは海未も、そして

 

ことり「うんうん」

 ことりも同様に感じていることだった。

 

 そんな穂乃果が寝坊したとなれば、

空也「なんかあったのか?」

 穂乃果自身に何かあったと判断するのが流れ的に当然である。

 

 空也の言ったことは穂乃果の図星を的確についた。

穂乃果「えっとね……。今日でここから帰っちゃうから……。少し寂しくて」

 それが今の穂乃果が思っていることだった。少しの間過ごしてきた人たちとの別れ、そしてこの島への感情で一抹の寂しさを覚えてしまう穂乃果。

 

 穂乃果がそう思うのと同様に空也もそして、

海未「それは……。私もよくわかります。本当にいいところですからね」

 穂乃果と同じように始めてきた海未もそう思っていた。

 

 2人がこの島への思いを口にするように、

ことり「そうだね。きれいだし居心地がいいよ~」

 穂乃果たちと同じ思いを口にする。それほどまでにこの島での生活は楽しかったのだ。普段は経験のできない活動を通じ、そしてたくさんの人たちと出会い仲良くなった。その人たちと今日、お別れをすることに少しの寂しさを覚えるのは仕方ない。

 

 3人が思っていることは当然空也も感じている。むしろ空也は久しぶりに会った人たちとまた別れる分穂乃果たちより強い悲しみが押し寄せてくる。

空也「確かにさみしくなるけど、お礼を込めて今日のライブをやるんだ。俺たちが落ち込んでいる場合じゃないだろ」

 だけど、今はそれよりも大事なことがある。今まで泊めてもらったさくらたち。いろいろと力を貸してくれた立夏たち公式新聞部。アイドルとしてアドバイスをくれたななかたち。感謝するべき人は多くいる。だから今日、そのお礼をライブという形でするんだ。

 

 穂乃果たちも、空也の言葉を聞いて先ほどの寂しさより今日のライブに向けてより一層やる気が出てきた様子で学校への道を歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風見学園の体育館についた空也たちは、昼までは本番を通した練習をした。そして2時からライブが始まる。控え室で今日のライブの流れの再確認を始める。

空也「あと少しでライブだ。確認しておくと、まずは穂乃果と海未とことりで『START:DASH!!』次に凛と真姫、花陽とにこが入って『これからのSomeday』その次が絵里と希を入れて『僕らのLIVE 君とのLIFE』そして最後がにこがセンターの『夏色えがおで1,2,Jump!』の順で行く。何か質問は?」

 空也が確認のためみんなに今日の流れを説明する。そして空也の言ったことに反論はないということでみんなは首を横に振った。

 

 みんながしっかりと理解していることがわかったため着替えを残している穂乃果たちのために部屋を出ていこうとする。

空也「じゃあ衣装に着替えてきてくれ。俺はもう行くから、がんばれ」

 みんなにそう告げ部屋から出ようとドアノブに手をかけるが、

 

 それは穂乃果に呼び止められてしまう。

穂乃果「うん! でもその前に空也君こっちに来て?」

 出ていこうとする空也を穂乃果が手招きして呼ぶ。

 

 止められた空也は手招きする穂乃果のもとにやってくる。

空也「なんだよ」

 

 空也の問いかけに穂乃果は今自分のやりたいことを話し始める。

穂乃果「いいからいいから。じゃあ行くよ。みんな円陣を組むみたいに丸くなって? そして右手でピースして出して番号を言ってくの。わかった?」

 ライブを始める前に気合を入れるためなのか提案された物。この場に反対する者はだれ一人いなかった。

 

 それは空也も例外ではなく、

空也「わかったよ……。じゃあやるか……」

 少し恥ずかしそうにけれどやる気はしっかりとあるそんな感じで空也が始めるように催促する。

 

 みんなが穂乃果のいったポーズをとる。

穂乃果「じゃあ行くよ。1!」

 穂乃果から自分の番号を言うことが始まる。

ことり「2!」

海未「3!」

真姫「4!」

凛「5!」

花陽「6!」

にこ「7!」

希「8!」

絵里「9!」

 ここまでしっかりと予定通りのナンバーを言って行った。

 

 そして、ある時の約束を果たすため空也は、

空也「10……」

 ちょっと弱くなってしまったがこれで空也は正式にメンバーとしてカウントされることになった。

 

 空也が言った後、

穂乃果「μ's! ミュージック~』

 穂乃果がそんなことを口にする。

 

 この後の言葉はみんなどことなく想像がついた。

μ's『スタート!』

 あとはみんなが声を合わせていえば終わる。これでみんなのやる気が一層高まった。

 

 この後穂乃果たちが着替えライブがいよいよ始まる。

 最初から最後まで危ないところはなく体力面でも心配なところはなかった。全4曲を歌い終わったμ'sは達成感を感じた。

 

 しかし、そんな余韻もつかの間。空也たちにとっては予想外のことが起こる。

観客『アンコール! アンコール!』

 それは観客からのアンコール。空也はこのアンコールがまずいものだと気が付いていた。なぜなら披露した曲は全部歌い切った。そして目新しい曲が夏色しかないこの状況で連続で同じ曲は避けなくてはいけない。

 

 そこで考えたことが1つあった。

 

 

 

 

 

 

 

 それが客席の前で見ていたななかに一緒にステージで歌を歌ってほしいということだった。

空也「ななか。このアンコールにこたえたいが歌がない。同じ曲になるが一緒にみんなとうたってくれるか?」

 ななかに状況を説明し何とか出てもらおうとする。

 

 そのことを聞いたななかはアイドルとしてではなく、

ななか「μ'sの子たちと歌えるの⁉ やるよ。じゃあ行こう!」

 一μ'sファンとして快く受け入れてくれた。

 

 ステージ袖で穂乃果たちのこれからやることを伝え、ななかも準備することができた。空也はマイクを手に取りステージに出る。

空也『えぇ~、今現在μ'sの曲は全部聞いてもらったと思います。そこでのアンコールには、普通だったら答えられないのですが、今回は特別にあの人気アイドルとコラボしてのアンコールに入りたいと思います。皆さん準備はいいですか!』

 この会場を精一杯盛り上げようと即興で話すことを考え話した。

 

 煽りもいい具合に客に届き、

観客『おぉー!!』

 会場が一気に最高の状態になる。

 

 舞台袖からななかとμ'sが出てくる。

ななか「みんな~、今日は私も応援しているμ'sと同じ歌を一緒に歌えることをうれしく思います。最後の曲になっちゃうけど楽しんでいってね!」

 ななかは手に持っているマイクで観客にそう伝える。

 

 またリーダーである穂乃果はみんなを代表して、耳から下げているヘットセットマイクを通じて、

穂乃果「ななかさんの言う通り初めてのコラボですが精いっぱい頑張るので最後まで見ていって下さい!」

 慣れないながらも一生懸命話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてアンコールは無事に終わり、帰ることになった。来た時同様にフェリー乗り場で別れの挨拶をする。

さくら「みんなもう帰っちゃうんだね……」

 さみしそうにさくらがそう呟いた。

 

 さみしいのは空也たちだけでなく初音島にいた人たちもそのさみしさを感じていた。

由夢「寂しくなりますね……」

 本当にさみしそうに由夢がそう呟いた。

 

 しかし、そんな寂しい別れは空也をはじめとするμ'sのメンバーもだれ一人思っていない。

空也「おいおい、別に死ぬわけじゃないんだ。また会いに来るよ。絶対に」

 空也が明るくなるように冗談交じりでまた来ることを宣言する。

 

 空也は嘘はつかないことを知っている義之たちはその言葉を聞いて少し安心した。

義之「そうか。じゃあまた今度絶対にこいよ」

 義之は空也に軽くこぶしを胸にぶつける。

 

 空也もそれを受け取り、

空也「あぁ、じゃあみんなこの一週間本当にありがとう。さくら、義之、由夢ちゃん、音姫さん、ななか、小恋、渉、立夏、清隆、姫乃、さら、葵、シャルル」

 ここにきている見送りにしてくれた人たちの名前を一人ひとりゆっくりと名前で呼んだ。

 

 さくらたちは、そんな空也に明るく、

呼ばれた人たち『またね 空也(くん)! μ'sのみんなも』

 そしてμ'sのみんなに向けて別れを告げた。

 

 そのあとに絵里が生徒会長として代表し、

絵里「今回は本当にありがとうございました」

 今までの一週間のことをお礼した。

 

 そしてみんながお礼を言って別れを惜しみながらもやってきてしまう別れを終え今回の合宿は幕を閉じた。

 




今回で初めてライブ前にやる儀式を始めることができました。

それにダカーポでも出てきたネタ的なやつも出来たし正直満足です。

新しくお気に入り登録をしてくださったミリアルさん、機動破壊さん、nanosakaさんありがとうございました!

次回『空也の誕生日』

それでは、次回もお楽しみに!



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。