ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回は穂乃果と空也とのプレゼント準備回。ようやく準備が終わります。

それでは、今回も彼、彼女らの新しい顔を見てみてください!


女神たちの誕生日~準備編③~

空也side

 

 穂乃果に頼まれたため誕生日プレゼントを一緒に買いに行くことになった空也。

空也「じゃあ、穂乃果。行こうか」

 ほかのみんなが買い物に出かけた。空也と穂乃果も家から出て商店街に行く。

 

 2人しかいない状況で少しテンションが上がっているのか、

穂乃果「うん! じゃあお願いします! 空也君。なんちゃって」

 普段は空也に対して敬語を使わないのだが少しふざけて穂乃果は空也に行ってみた。

 

 穂乃果にそう言われた空也は、すぐにその問いかけに自然な返しをする。

空也「じゃあ……、まいりましょうか。お嬢様。それではお手を」

 空也は穂乃果に跪いて手を置いてもらうように手を出す。

 

 空也の答えに対して、

穂乃果「空也君……。ハイ」

 受けて空也の手をとる。

 

 空也と穂乃果は手をつないだ状態になる。

空也「手をつないだはいいが、穂乃果はどこに行くつもりなんだ?」

 手をつなぎながら穂乃果に空也は訊ねる。

 

 空也に聞かれた穂乃果は考えていたプレゼントを買える場所を口にする。

穂乃果「穂乃果は、アクセサリーショップに連れて行ってほしいかな?」

 どうやら穂乃果はアクセサリーをプレゼントをすることにしたようだ。

 

 そのことを聞いた空也は少し考える。しかし、ここで空也が男であることが少し問題になる。

空也「……。あっ! 一応先に雑貨屋に行ってみないか? いい店を知ってるんだ」

 考えた結果ある店が思い浮かんだ。

 

 空也のおすすめの店ということでそこに行くことに問題はない。

穂乃果「うん! じゃあ連れて行って? 空也君」

 そう言って穂乃果はもう一度空也と握る手を強めた。

 

 強く握りしめられた手を握り返し、

空也「かしこまりました。それでは行きましょうか」

 先ほどの茶番を続けることにした。

 

 先ほどからやっている掛け合いですぐにそのことに気が付いた穂乃果は、

穂乃果「フフ。じゃあよろしくね」

 微笑みながら空也についていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空也と穂乃果は手をつなぎながら空也おすすめの雑貨屋に到着した。

空也「ここがおすすめの雑貨屋。って……。あれ?」

 その店を紹介しようと穂乃果に話しているととある人物を店の中で見つける。

 

 その空也の変化にもちろん穂乃果は気が付く。

穂乃果「ん? どうしたの? 空也君」

 空也の見ている視線のほうを穂乃果が見ている。

 

 穂乃果が見ると空也は自分の視線にある人物を指差し穂乃果に見せる。

空也「……あそこにいるのって……。立夏だよな?」

 そこにいたのは水晶などのマジックアイテムのあるコーナーで商品を見ている立夏の姿があった。

 

 穂乃果も立夏のことに気が付き、

穂乃果「あ! 本当だ! おーい! 立夏さーん!」

 店に大急ぎで入り立夏のもとに入る。その間も手をつないだままだったため空也を引っ張って入っていく。

 

 穂乃果がだんだんと近づいていくと立夏も穂乃果と空也に気が付く。

立夏「ん? 穂乃果じゃない! それに空也も」

 

 引っ張られてきた空也も体勢を立て直し立夏に声をかける。

空也「立夏もここで買い物か? っていつも道理だな」

そして買い物をしている立夏を見て普段通りな立夏に微笑んだ。

 

 普段通りの返しに立夏も反応する。

立夏「それってどういう意味よ!?」

 いつもの空也の様子から反応してみた。

 

 そして空也が思った感想は短い時間だが一緒に話した穂乃果にもあった。

穂乃果「本当に立夏さんらしいですね」

 穂乃果らしい笑顔で立夏に話しかける。

 

 さすがに空也と違い知り合って間もない穂乃果に言われると、

立夏「穂乃果まで……。それで、何してるの?」

 少しの諦めが含まれえいるような溜息をして、2人がここにいることの意味を聞いてみることにした。

 

 空也は立夏に聞かれたため隠す意味もないので答えることにする。

空也「穂乃果がアクセサリーをプレゼントで買いたいっていうからここに案内したんだよ」

 そういって立夏の目を穂乃果のほうへと誘導する。

 

 立夏と目が合った穂乃果は、気になったことを尋ねる。

穂乃果「立夏さんはそういうのを買いに来たんですか?」

 そういうものというのはマジックアイテムのことなのか見ていた商品を指さして立夏に聞く。

 

 立夏は正直に今日の目的をいうことにした。

立夏「まぁ買いはしなけど見てる分には楽しいからね。何なら空也の誕生日プレゼントでも買おうと思って」

 きっと立夏の中では後者が本音のようだが、何とも立夏らしい行動だと思った。

 

 不意打ちでそんなことを言われた空也はすぐに顔が赤くなる。

空也「あ? それ本人の前で言うなよ。恥ずかしいな……」

 風見学園では学園のアイドルとまで言われた美しい少女にそんなことを言われて恥ずかしがらないわけがない。それがたとえ知り合いだったとしても。

 

 そんな反応の空也を見た立夏は、

立夏「あっ。もしかして……、キュンキュンした?」

 少し自分より背の高い空也に向かって近づき背伸びをして距離を縮めてかわいらしく尋ねる。

 

 そんなことをされたら先ほどまでの恥ずかしさよりも恥ずかしくなってしまう。

空也「……。さぁ、穂乃果。買い物を続けようか」

 そのためここにはいれなくなったと判断したためすぐに離れようとする。

 

 その行動をとった空也に穂乃果は、

穂乃果「空也君……」

 少し悲しそうな声で空也のことを呼ぶ。

 

 そして空也にそんな対応をされた立夏は、

立夏「無視ってひどくない!?」

 新聞部のみんなに100年以上前のことを話したら設定と言われた時並みに空也にツッコむ。

 

 2人から反応しろという視線を感じた空也は観念した。

空也「あ……。あぁ! した、したよ! これでいいのか!?」

 立夏に対して心が動いたかと言われれば間違いなくイエスというだろう。

 

 正直な空也の感想を聞いた立夏は、

立夏「そ……そう?」

 指で頬を掻きながら照れた表情になる。

 

 自分で強要してきたのに恥ずかしがっている立夏を見た空也は、

空也「お前まで照れるなよ! 立夏」

 空也自身が恥ずかしいのに立夏が恥ずかしがることによって余計恥ずかしくなった。

 

 そんな2人を見ていると穂乃果は少し2人に嫉妬した。

穂乃果「なんか想像以上に仲がいいね」

 

 そんな穂乃果の様子に気が付いた立夏は、

立夏「安心して、穂乃果。言ったでしょ。この前」

 初めて会ったときに言ったことをもう一度安心させるように穂乃果に言う。

 

 立夏にそう言われた穂乃果は少し安心した様子で、

穂乃果「そう……ですね」

 立夏の言葉を受け入れた。

 

 立夏と穂乃果の掛け合いだがここにいる空也だけが理解できなかった。

空也「何を話していたのかは知らないけど。穂乃果、どんなものを買おうとしてるんだ?」

 だけど、それは今はそこまで重要なことではなかった。穂乃果がこの店で買いたいものを訊ねる。アクセサリーとしか聞いていないから。

 

 聞かれた穂乃果だが、考えた結果空也に答えを言う。

穂乃果「それは……、空也君には内緒かな?」

 何か隠したいことがあるから空也には秘密にしておくことにした穂乃果。

 

 そのことで空也は深く聞こうとはしなかった。

空也「……。じゃあ店の外で待ってるから、店の中は立夏に案内してもらえ」

 しかし店の中は広いためよく知った人が案内してあげたほうがいい。だから立夏に案内してもらうことにする。

 

 空也にそう言われると穂乃果は笑顔になり、

穂乃果「うん。そうする」

 そう言って立夏に案内を頼むことにした。

 

 立夏は空也と穂乃果の話を聞いていたが何の了承もなく話が進められていることに気が付いていた。

立夏「ナチュラルに巻き込まれた気がするけど……。じゃあ行きましょうか? 穂乃果」

 だけど快く穂乃果の案内を受け入れてくれた。

 

 穂乃果も改めて立夏に言葉としてお願いすることにした。

穂乃果「はい! お願いします! 立夏さん!」

 そう言って立夏と穂乃果の2人は店の奥へ、空也は店の外に出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果side

 

 空也と別れた穂乃果と立夏は買い物を始めた。

立夏「それでどんなものを買いたいの?」

 立夏は空也がいなくなったため穂乃果の買いたいものを立夏は聞くことにした。

 

 聞かれた穂乃果は指をつんつんしながら、

穂乃果「ペンダントとかいいかなって……」

 立夏に買いたいものを答える。

 

 穂乃果の買いたいものを聞いた立夏は、

立夏「いいじゃない。じゃあここにあるわ」

 誕生日プレゼントらしいものを聞いてほっと一安心し、どこか穂乃果らしいと思った。

 

 立夏の案内でペンダントのコーナーにやって来た穂乃果は、そこにおいてある種類の多さに驚く。

穂乃果「わぁ、いっぱいありますね!」

 右を見ても左を見てもショーケースにペンダントがびっしり並んでいる。

 

 立夏も穂乃果が最初に感じた感想は理解できるようで、

立夏「ここって結構種類豊富なのよね。毎回かなり迷うわ」

 本当に困ったようにつぶやいた。

 

 種類が多いから悩むのだが穂乃果に対してはそこまでマイナスの意味にはとらえられなかった。

穂乃果「確かにそうですね。でもこれならみんなに合うのが見つかりそうです!」

 みんなに合いそうなものを見つけやすいといったポジティブな思考でプレゼント選びを始める。

 

 そんな中で立夏が穂乃果に対してずっと気になったことを聞こうとする。

立夏「……あの、穂乃果」

 

 立夏に呼ばれたので選ぶのはいったん止めて立夏のほうを向く。

穂乃果「なんですか? 立夏さん」

 何を聞きたいのかわからない穂乃果は立夏に聞き返す。

 

 そして立夏は穂乃果に向けてお願いをする。

立夏「この前から思ってんたけど、敬語やめにしない? 無理なら構わないけど……」

 自分に似た声で敬語を使われるのは少し苦手だったようで、立夏は穂乃果にそうお願いした。

 

 これはμ'sの3年生たちと同じことを穂乃果がするということ。

穂乃果「いいんですか?」

 そのため了承さえあれば穂乃果は慣れているためすぐにすることができる。

 

 穂乃果に最終確認をされた立夏はその問いに答える。

立夏「構わないわ。っていうか穂乃果にさん付けで呼ばれると違和感を覚えるっていうか」

 ここでやっと穂乃果は立夏がそう言った理由を知る。苦手ではなく違和感を感じていた立夏。

 

 立夏に確認も取れたところでさっそく敬語を外して話しかける。

穂乃果「うん! わかった! 立夏ちゃん」

 いつも通りちゃん付けで立夏のころを呼ぶ。

 

 立夏は部活のみんなにもさん付け。空也とシャルルには呼び捨てで呼ばれているため穂乃果にそう呼ばれるのは新鮮だった。

立夏「よくできました。それじゃあ選びましょうか」

 嬉しくなった立夏は、笑顔になりプレゼント選びを再開することにした。

 

 立夏にそう言われた穂乃果もさっそくプレゼント選びを再開し、

穂乃果「うん! えっと……、真姫ちゃんは……」

 目をつぶり目を付けたペンダントをつけているメンバーの姿を想像していた。

 

 それと同様に立夏も空也への誕生日プレゼントを選び始める。

立夏「……。空也にいいのは何にしようかしら?」

 ペンダントではなく違うのもを選び始める立夏は少し穂乃果のいるコーナーから離れる。

 

 その間も穂乃果はプレゼントする人に似あいそうなものを選びつづける。

穂乃果「あ! これ希ちゃんにいいかも! これはにこちゃんっぽいな~」

 一目見ただけで希に会うのもを見つけその近くに合ったものもにこに合うものだった。これで穂乃果が買う人数分のプレゼントを選ぶ終えた。

 

 それとほぼ同時に立夏も空也が喜びそうなプレゼントを見つける。

立夏「ん~。あ、いいのあるじゃない!」

 歌詞を書く際に歌詞以外のところで特に気にしているのは書いている文房具だった。空也の趣味合う色のデザインであるシャーペンとボールペンを見つけた立夏はそれをもって会計に行く。

 

 立夏が会計を終わると、ショーケースの中の商品を取ってもらっていた穂乃果も会計が始まっていた。

穂乃果「これで一応全部買えたよ!」

 立夏がレジの少し外れたところで待っているとやがて穂乃果が立夏のもとにやってくる。

 

 穂乃果がそう報告してきたので立夏は買い物をした袋を見せて買い終わったことを告げる。

立夏「私も買えたわ。それじゃあ空也を呼びに行きましょうか」

 穂乃果と立夏は一緒に店から出て待っている空也を迎えに行く。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 店の前で待っていると穂乃果たちが空也のもとにやってくる。

空也「穂乃果、それに立夏。買い終わったのか」

 店から出てきたということは買い終わったか目的のものがなかったかのどっちかなので聞いてみる。

 

 空也の問いに穂乃果は自信満々に答える。

穂乃果「うん! 結構いいの買えたと思うよ!」

 買えたというフレーズからここで買い物は終わったことを意味するので空也は少し安心する。

 

 立夏はこれからの空也の行動が気になり聞いてみることにする。

立夏「それで、空也はこれからどうするの?」

 

 空也は正直にこれからの予定を打ち明ける。

空也「俺は、ここで買おうと思っててな。だから穂乃果も一緒に連れてきたんだ」

 ここに来たのは穂乃果に言われたからだけではなく空也自身もここで買い物をするつもりだったからだった。

 

 今日は一切このことを聞いていなかった穂乃果は、

穂乃果「そうなの?」

 空也に気を使わせていないかを訊ねてみることにした。

 

 そんな穂乃果に空也がここで買い物をしようと思った理由を話すことにした。

空也「見てて思ったろ? ここ結構種類あるから複数のものを買うときに向いてるんだ」

 この店は全般的に種類が豊富なため空也はかなりここを使っていた。

 

 空也が買い物に行くということで立夏は穂乃果とまっていることにした。

立夏「そうね。じゃあ私は穂乃果とまってましょうか」

 

 立夏に言われた穂乃果もそのつもりなのか、

穂乃果「そうだね。立夏ちゃん」

 すぐに受け入れる。

 

 しかし、空也は立夏に用事があった。

空也「あ……、立夏。ちょっと買い物に付き合ってくれないか?」

 立夏に買い物に付き合ってもらいたいと思っていたのだ。それも立夏がここにいたからできることがあったからだ。

 

 そのことを知らない立夏は、

立夏「え? 穂乃果じゃなくていいの?」

 一緒に買い物に来た穂乃果でなくていいのかを聞いてみる。

 

 しかし、それだと都合の悪いことがあった空也はその事情を話す。

空也「まぁ、穂乃果はプレゼントされる側でもあるからな」

 できるだけ買うものは秘密にしたいという穂乃果と似たような考えがあり、穂乃果ではなく立夏にすることにした。

 

 そういう事情があることは理解できるのだが、仲間外れにされるのは少し切なくなり、

穂乃果「ぶぅー。ちょっと不満はあるけど納得したから待ってるよ」

 そう言って不満を口にするが空也を送り出すことにした。

 

 少し不機嫌になったことをすぐに気が付いた空也は

空也「ありがとう。いいものプレゼントしてやるから待ってろ」

 そう期待させることを言って穂乃果を機嫌を鎮めることにした。

 

 空也の言葉で安心した穂乃果の機嫌が戻ったため、

立夏「じゃあ穂乃果、少し待っててね。行きましょうか、空也」

 立夏はそう言って空也ともう一度店の中に入る。空也も立夏の後を追い店の中で買い物を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 店の中に入った立夏は、もう穂乃果に声が聞こえないことを理解しているため店を回りながら買うものを聞いてみる。

立夏「それでどんなものを買いたいの?」

 

 聞かれた空也は、それぞれのメンバーに違ったプレゼントをするため、

空也「えっと……。真姫にはヘアピン、希は水晶玉かな。それとにこは……、あれがいいかも」

 各メンバーに合うものを次々に挙げていく。そしてにこに合いそうなおもちゃのマイクを取りながらそう呟いた。もちろん空也の冗談である。

 

 冗談なことはわかった立夏はスルーし、

立夏「それで? 穂乃果は?」

 残りの穂乃果のプレゼントのことを聞く。

 

 するとちょうど近くにあった穂乃果に買おうとしていた物を立夏に見せる。

空也「これかな? 一目見た時から似合うと思ってたから」

 赤と緑を基調とした穂乃果に似合いそうなもの。

 

 それを見た立夏も空也と考えていることが同じになった。

立夏「いいんじゃない? 空也にしてはいい選択だと思うわ」

 それをつけている穂乃果を想像した立夏は似合うと判断した。

 

 さすがに立夏の最後の言葉は反応せずにはいられなかった。

空也「俺にしてはってなんだよ」

 少しひねくれながら立夏に反応する。

 

 そんな空也を置いておきながら空也が立夏を誘った理由を聞くことにした。

立夏「それで? なんで私が必要だったの? 買うものが決まってるならいても意味がないんじゃない?」

 買い物を手伝ってもらうように頼んでいた空也の行動が少しわからなかった。

 

 立夏が不自然だったことに気が付いたためさっそく本題に入ることにした。

空也「お前、5月に誕生日だったろ? だからこれを渡そうと思ってな」

 5月5日の立夏の誕生日プレゼントに立夏に合うものを用意していた。そうして空也は立夏に渡すプレゼントを出した。

 

 立夏はそのプレゼントのものを見て驚愕する。

立夏「これって……」

 空也の手にあったのは少し太めの木の棒があった。それは空也が愛用しているそれによく似ていた。

 

 空也はそのプレゼントを渡して説明に入る。

空也「俺の使ってるのって、立夏が初めて使っていたワンドだから立夏には新しいのをって思ってな。少し使えるようになってきたんだろ?」

 今回のプレゼントしたのはワンド。立夏の昔使っていたワンドを過去の時間でもらった空也はそれを愛用している。その代わりに立夏に魔法使いにとって便利で、立夏にとって思い出の品をプレゼントすることにしていた。。

 

 空也のプレゼントに驚いた後には立夏は自分の目じりを濡らしていた。

立夏「うん……。ありがとう空也」

 魔法使いである証といってもいいワンドを受け取り、立夏もうれしくなった。

 

 目的も終わったためさっそく買い物に戻ることにした。

空也「じゃあ、ぼちぼち確保していきますか」

 そう言って空也は購入する商品を次々にカゴに入れていく。

 

 すると立夏の携帯が鳴る。

立夏「そうね。……ってメール? 誰かしら? ……フフ」

 届いたメールの内容を見てみると自然と笑みが出てくる。

 

 自分の後ろにいる立夏が少し笑ったことに気が付いた空也は、

空也「どうした? 笑ったりして」

 立夏にどうかしたのか聞いてみる。

 

 空也に聞かれた立夏は、問題ないことを告げる。

立夏「何でもないわ。"もちろんOK"っと」

 それと同時にやってきたメールの返信をした。

 

 携帯をしまった立夏を見て、

空也「もういいのか?」

 空也は用事が終わったのか確認をする。空也の手には買い物袋を持っている。

 

 手に袋を持ってきた空也を見て、

立夏「えぇ、それで買うものは取ってきたの?」

 立夏は買い物が終わったのかを聞いてみる。

 

 立夏にそう聞かれた空也は買い物をした袋を見せながら、

空也「もちろん。穂乃果もまたせてるしさっさと行こう」

 外で待たせている穂乃果を迎えに行くため店の外に出る。

 

 立夏も空也と同意見だということで、

立夏「そうね」

 短くそう告げ立夏も穂乃果の待つ場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空也と立夏の買い物が終わり店から出ると。

穂乃果「人を待ってるんで……。ごめんなさい」

 穂乃果が男に言い寄られている様子だった。本当に嫌がっていることが分かる表情だった。

 

 穂乃果に言い寄ってる男性は、

ナンパ「そんな維持張らないで俺と一緒にこの島を見て回ろうよ」

 人を待っていることを嘘だと判断したのかより一層言い寄り始める。

 

 見ていられなくなった空也は、

空也「…………。穂乃果~! そろそろほかのところ行くぞー」

 店の入り口から穂乃果のことを大きな声で呼ぶ。

 

 声が聞こえた穂乃果は空也に気が付き、

穂乃果「あ! 空也く~ん! こっちー!」

 手をぶんぶんと振り自分の位置をここに呼ぶ。

 

 穂乃果に向かう途中、立夏があることを口に漏らす。

立夏「今時こんなナンパだなんて、古臭いわね」

 穂乃果に言い寄っている男を見て古臭さからそんなことを呟いた。

 

 穂乃果のもとに着いたが男は信じられないことを口にする。

ナンパ「……悪いんだけど。この子、俺と島回りたいんだって。だから別れてくれない?」

 穂乃果が嫌がっているのが分かっているこの状況で空也たちにそんなことを言う。

 

 だけどそんな怒りを覚えた空也だが、

空也「(腹が立つけど一応ここは乗っておくか……)……、そうなのか? 穂乃果?」

 穂乃果に確認をとることにした。この回答で男があきらめてくれればいいのだが……。

 

 穂乃果は空也の予想通りの回答をする。

穂乃果「そんなわけない!? 違うよ空也君…」

 完全なる否定。それを空也は聞きたかった。

 

 しかし空也が思っていたほどうまく事は進まない。

ナンパ「恥ずかしがってるだけだよ。だから早くここからいなくなってくれない」

 それでそいつはここからいなくなれと空也に言いつける。

 

 だがそれも空也の想定内。

空也「やっぱりな……」

 だから空也はそう口にする。

 

 立夏は目の前の男の自分勝手さに、

立夏「…………」

 言葉を失っていた。

 

 先ほどの空也の言葉を完全に勘違いしたその男は、

ナンパ「わかってくれたんだ。じゃあ、行こうか」

 穂乃果の手を取ろうとしてこの場を移動しようとした。

 

 それを空也が止める。

空也「何言ってんの? お前に穂乃果を渡すわけないだろ。穂乃果が本気で嫌がってることはすぐにわかる。今なら許してやるからさっさとこの場から立ち去れ」

 これは最終警告。これ以降は空也は怒りを隠せないため。今立ち去ってくれることをお勧めする。

 

 しかし何を思ったのかそのナンパ男は食い下がる。

ナンパ「はぁ!? さっきと言ってること違うじゃないかよ!?」

 自分の都合のいいように解釈をした言葉を信じて空也に反論する。

 

 そこを先ほどから黙ってことを見守っていた立夏が口を開く。

立夏「言ってることは最初から変わってないわよ。空也は穂乃果が言っていたことに同調しただけだし。空也じゃなくても穂乃果が嫌がってることはすぐにわかると思うけど?」

 空也の先ほどの言葉の意味。そして本当に穂乃果が嫌がっていることをナンパ男に告げる。

 

 2人から。そして女から言い返された男は、舌打ちをして、

ナンパ「ちっ、うざいな……。じゃあいいよ。勝負をしよう。勝ったほうがそこの2人を連れてみて歩ける。でどうだ?」

 最初は帰ってくれるのかと思ったが、ここからまた意味の分からないことを口にする。今度は立夏も巻き込まれた。

 

 さすがに自分勝手すぎる男を見た空也はその性格からこの行動をするのだと理解した。

空也「はぁ、だからこんなことしてるのね……。いいぜ。そんなことを考える自分が恥ずかしくなるくらいつぶしてやるよ。勝負内容はどうする」

 こういう相手は真っ向からつぶしたほうが早いと判断した空也はその勝負を受け入れることにした。

 

 悪くない体格のナンパ男は、

ナンパ「そこは男らしく殴り合いだろ? じゃあ行くぞ!」

 空也を見て勝てると思ったのかそう提案する。

 

 定番すぎる勝負内容にあきれつつも、

空也「ハイハイ……」

 やる気のないように答えた空也。ナンパ男の攻撃からこの勝負は始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナンパ男からの攻撃で始まったのだが、この勝負は一瞬で終わってしまう。

空也「……終わりかな」

 簡単に言っている空也だが、この勝負で空也のやったことは相手の先発を腕を払って受け流し、相手の肘を押し込むことで殴って来た拳を相手自身の顔にぶつけることで勝負を終わらせた。

 

 自分の攻撃でノックダウンしたナンパ男が気絶している。

穂乃果「怖かったよ……。空也君」

 終わったことを確認して穂乃果はほっと一安心して、先ほどまでの恐怖から少し泣き出してしまう。

 

 空也は普段はこういうナンパを見ないことから安心して穂乃果を一人にしたのだが、

空也「ごめん……」

 何はともあれ空也の配慮が足りなかったことは事実なため素直に謝る。

 

 それは立夏も同じだった。

立夏「私も用事が終わったらここにきておけばよかったわ……」

 すぐに出てくることにはしていたがやろうと思えば空也より先に出ることができた立夏は申し訳なさそうに穂乃果を見つめる。

 

 泣き終わり、穂乃果の不安な感情はもうなくなった。

穂乃果「でも空也君。ありがとう!」

 だから今度は守ってもらった空也に感謝の言葉を贈る。笑顔で空也に言う穂乃果の様子からもう心配はいらなくなった。

 

 穂乃果の様子に一安心した空也は、

空也「当然だよ。さぁ、いろいろと回ろうか」

 手を差し出し、初音島を穂乃果と見て回ることにした。

 

 その状況で立夏が口を開く。

立夏「私はここで失礼するわ。生徒会の仕事もあるし」

 どうやらここで立夏とはお別れのようだ。

 

 生徒会の仕事という仕方のないことだから穂乃果は素直に受け入れ、

穂乃果「そうなの? じゃあね立夏ちゃん!」

 立夏のことを送り出す。

 

 生徒会の仕事が大変なのは知っているため、

空也「がんばれよ立夏。じゃあな」

 穂乃果と同様に空也もエールと一緒に立夏を送り出す。

 

 空也からエールをもらい穂乃果たちから送り出された立夏は、

立夏「えぇ。空也、ありがとうね。それと穂乃果も頑張ってね」

 今日のことを空也にお礼を言い、穂乃果の恋にエールを立夏は送る。

 

 そして立夏は風見学園に音楽室の使用許可の書類を作るために向かった。

 

 立夏がこの場を去って空也と穂乃果の2人になる。

空也「じゃあ、穂乃果。行こうか」

 穂乃果にそう言ってここから空也と穂乃果の初音島観光が始まる。

 

 空也の誘いに穂乃果は、

穂乃果「うん!」

 元気にそう返事をして初音島を見て回る。

 

 

 

 

 

なんというかここまで相性のいい2人を見てていつ付き合い始めるのか気になっては来るが、それはおそらくもっと先になるだろう。

 

空也が幼馴染3人の命を救うまでは少なくとも……。

 




今回も長い…。

前回の話と少し関連付けたり、実は過ぎていた立夏の誕生日を祝ったりかなり濃い回になったと思います。

さて、準備回も終わり次回からいよいよ誕生会回です。お待たせしました。

新しくお気に入り登録をしてくださった(・_・)さんありがとうございました!

次回『女神たちの誕生日~Let's PARTY!!~』

それでは、次回もお楽しみに!



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どうかよろしくお願いします!

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