ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回は前に見た空也の予知夢の内容を変えようと行動に移す回となります。
一体どんなことをして回避しようとするのでしょうか?
それでは今回も、魔法使いとして救おうとする彼の姿をご覧ください!
μ'sのみんなに空也とことりの秘密や隠し事を打ち明けより一層団結力が固まったのだが、その日の夜に何やら深刻な顔をした空也がいた。
そんな空也はさくらにお願いをするべく話をかけた。
空也「なぁさくら、お願いがあるんだが……」
昨日空也たちが来た時の喜びの表情はなく深刻そのものの顔つきだった。
その雰囲気から何か重要なことだと察したさくらは、
さくら「何? 空也君からなんて珍しいね」
あくまでも普段通りを装いその頼みの詳細を訊ねた。
そしてさくらの言ったことは当たっている。空也は魔法に関しては知識はしっかりと持っているため一人で何とかすることはできた。そのため珍しいことには変わらないのだ。
空也「まぁな。夢を見ちまったんだよ」
そして空也は自分が深刻な顔をしていた理由をさくらに言った。そう、それは空也が見た夢が原因だった。
そして夢という単語からさくらには空也の言いたいことを理解した。
さくら「予知夢……かぁ。どんな夢だったの?」
空也が見た夢をすぐに予知夢だと気が付き、その夢の内容を聞いてみることにした。
さくらに聞かれた空也は素直にその夢の内容を話す。
空也「穂乃果とことり、そして海未が冬のラブライブの会場に向かう途中雪でスリップした車に引かれて、3人が死んだ……」
この夢の内容を話しているときの空也は嫌なことを思い出すように苦々しい顔つきだった。
夢の内容を聞いたさくらは、昨日から一緒に暮らしているうちの3人が死んでしまうことを知り暗い表情をした。
さくら「そうだったんだ……。それで、どうやって変えるの? その最悪の未来を」
しかし、それを改善しようとしているのが空也のため最悪の未来を変えるのに不安はなかった。
どうやって未来を変えるのかを聞かれた空也はすぐに自分の考えを言葉にする。
空也「俺の魔法で何とかしたいと思ってるんだ。だから一度でいい、本島でも大きな魔法が使えるようにしてくれないか」
枯れない桜が依り代になっているため初音島でしか大きな魔法を使うことができないが、それを解決するのも可能ではあるためさくらに協力をしてもらおうと頼んだ。
しかしさくらにも気になることもある。
さくら「僕にはあまり力がないよ? それでも?」
さくらは空也より魔法を使う力がない。世代を通して魔法の力が弱り始めたさくらに空也の言ったことを実行できるかどうか不安が残った。
そんなさくらの不安を空也はすぐに解決する。
空也「枯れない桜。あれはもう一年中桜を咲かせることで手いっぱいだけど、力はためてあった。それを使えば一度だけお前には何の害もなく桜をそのままにしたままにできるんじゃないか?」
枯れない桜に行った時に感じた桜の状態を見てそう思っていた。そしての考えは正しかった。
さくらは空也の考えを聞いた。枯れない桜を使うことをあまり良しとはしないさくらも、
さくら「そうだね……。わかった。やってみるよ」
空也のために行動に移すことに決めた。
その言葉を聞いた空也は、すぐに笑顔になり、
空也「ありがとう。助かる」
心の底からさくらに感謝した。
そして話は空也が本島で使う魔法を訊ねることにした。
さくら「でも、空也君は向こうでどんな魔法を使おうと思ってるの?」
あることが原因でほとんどの魔法を初音島でしか使えない空也はどういうことを考えているのかを聞いた。
そして空也の考えの魔法を口にする。
空也「空間移動魔法。それが一番回避しやすいからな」
空也の得意な魔法の1つ。かなりの魔力を使うがもっとも最悪の未来を変えることのできる魔法。それでその魔法を選択することにした。
さくらも冷静に考えてみると空也がその魔法を使うことを予測できた。
さくら「まぁ、そうだよね。ばれやすいという欠点はあるけど。でもやる前からわかってるけど、その魔法は誰でもできるわけじゃない。だから向こうだと一度だけの一方通行になっちゃうよ?」
一般人から見たら急に空也たちが消えたように見えるから不審に思われやすいのだが、先ほどの考え通り一番回避しやすくもある。
それにばれることに関してはもう空也に関しては問題なかった。本島では大した魔法は使えないため1度大きな魔法を見られても隠し通せる可能性が高いのもあり空也に心配はなかった。
空也「構わない。それに俺の体に負担があるのはわかってる。さくらの今回の大仕事に関してもお前には負担はないから心配するな」
一番の問題は魔法を使っている間に空也自身が動けなくなることだった。しかしそれはこれから何とかしていけばいい。だから空也にとって覚悟もできていた。
さくらのことをサポートするという言葉を聞いてさくらは忘れてはいけないあることを思い出す。
さくら「そうだったね。この島だと空也君はカテゴリー5の魔法使いだもんね。それくらい簡単か……」
この島では空也は前世の立夏同様のカテゴリー5の魔法使いになっている。知識も実力もある空也が言うのは説得力があった。カテゴリーとは魔法使いを示すランクのようなもので5が一番上になっている。現在は世界に3人ほどしかいない。
それでもカテゴリー5といえども出来ないこともある。
空也「いくらなんでも。あの桜の木は身内でもない俺には、様子を見るぐらいしかできないけど……。まぁ、そこは頼んだのはこっちだから気にせずにやって欲しい」
穂乃果たちのも言ったことをさくらにも言う。もちろんさくらもわかっているのだが、それでも様子を見れるだけすごいとは思うが。
空也の言うことも言い終わり話が一通り終わり、
さくら「うん、わかった。でも今日はもう遅いから、明日の夜にこっそりとね?」
こっそりと明日の夜に出ることにした。
それに関しては問題ないことなのだが、一つだけ先ほどから空也の木になってることがあった。
空也「ありがとう、さくら。でも……、義之。盗み聞きはよくないぞ?」
義之が部屋の外で話を聞いていたのだ。だから空也は義之に部屋に入ってもらうように呼び出した。
部屋の外で聞いていた義之は中に入ってくる。
義之「ありゃ、ばれてたか。でも、俺も手伝うよ。俺はさくらさんの身内っていうか家族だから問題はないはずだ」
さくらの息子である義之も枯れないさくらに関しては問題ないし、枯れない桜はある意味、義之自身でもある。
その話を聞いているうちにあることが引っ掛かった。
空也「魔法はしっかり使えるのか?」
それは義之自身が魔法を使えるかということ。空也が知る中で義之は魔法をそれほど使えなかったはずだ。
そんな空也の心配も義之には問題なかった。
義之「あぁ問題ない。音姉に使い方を教わったし、これからさくらさんにやり方聞くから」
音姫に魔法の使い方や原理を理解した義之は魔法をある程度自由に使えるほどになった。
義之の言ってたことが本当だということが空也にはわかっていた。
空也「そうか……。でも、無茶はしないでくれよ」
それでも、空也にとってはまだまだ初心者でしかない義之には無茶をしてほしくなかった。
そして魔法のことに関してはほぼ完璧な空也もよく無茶をすることから義之も心配していた。
義之「お前もな。それに空也は俺の命の恩人なんだぞ。少しは恩返しさせてくれ」
枯れない桜が2度目に枯れた時。本当は消えるはずだった義之をそのまま生き残らせるために願いをかなえるプロセスを義之に埋め込んだ。そのおかげで義之は今も生きていることになる。
空也も義之の感謝を受け入れることにした。
空也「じゃあ、ありがたくもらっておこうかな」
これでさくらの負担も軽くなり、安全に魔法を構築することになる。
これで明日の計画がある程度決まり、
さくら「話はまとまったみたいだし。じゃあ寝ようか、もう3時だよ?」
さくらが時間を知らせる。確かに話し込んでしまい。夜ももう開ける手前までになってしまった。
時間に気が付いた空也は明日のμ'sの練習もあるため少しでも眠るべく寝室に向かった。
空也「マジか!? じゃあおやすみ。さくら、義之」
さくらも義之も空也に挨拶をして空也を見送った。
さくら「おやすみ~」
義之「あぁ、おやすみ」
そして義之もさくらから空也のやろうとしていること教えてもらった。
次の日残り4日なので練習を一日中した。空也の生み出した空間で少し重力を強めた状況下で練習をした。
時間はもう夜になり、空也とさくら、義之以外のみんなはもう眠りに入っている。きっと簡単には起きない。
枯れない桜についた3人は、いよいよ術を発動することになった。
さくら「さて、早速だけど始めようか。義之君は言っておいた通りにしてね」
あくまで初心者である義之にさくらが最後の注意をする。
その心配も義之はしっかりと分かっていた。
義之「わかってますよさくらさん」
そして初心者の義之をサポートするために空也も行動をする。
空也「まずは、二人にメンタル保護の魔法をかけるよ」
魔法は想いの強さで変わってくる。だから空也は魔法を長時間魔法を使うことができるように心を守れる魔法をさくらと義之にかけた。
魔法をかけるときに空也はワンドを振った。ワンドというのは魔法を行使するうえで必ず必要というわけではない。しかし、魔法を使うことが簡単になるため今の空也はワンドを毎回使うことにしていた。いうなれば自転車の補助輪である。
空也「あと、義之にこれ貸しとくから。頼んだぞ」
空也はそのワンドを義之に差し出した。
その義之は空也からワンドを受け取り、
義之「任せろ。絶対に成功させて見せるから」
やる気十分で空也に魔法をかける準備をした。
空也を中心に義之とさくらとそして枯れない桜で三角形で囲み魔法を行使する。魔法を使うこと過程で枯れない桜が神秘的に輝く。
そしてその結果は……………、
さくら「ふぅ~、何とか成功、かな?」
さくらの言う通り魔法を空也にかけることは成功した。
かけられた空也自身も自分の手を握ったり開いたりを繰り返し成功したかどうかを確かめる。
空也「あぁ、間違いなく成功したな。感覚でわかる。それにしてもこんなにいきなり言ったことをできるなんて、もしかして義之って魔法の才能ある?」
空也の感じた結果も成功を意味していた。そして大掛かりな魔法を義之が成功させたことに空也は驚いていた。
空也の驚きも義之にとっては良くわかないものだった。なぜなら……、
義之「知らないよ。でもこんなにうまくいったのは自分でも驚きだよ」
初めて大掛かりな魔法を使ったため、しっかりと自分のやるべきことができたのかわからなかった。それでもうまくいったことはわかったため少し誇らしげになる。
そしてこの魔法が成功したということは、あの最悪の未来をほぼ確実に変えることのできるということだ。
空也「本当にありがとう」
空也はさくらと義之の2人に心の底から感謝をした。これで穂乃果たちを救うことが得出来るのだから。
その後3人は枯れない桜を後にし芳乃邸に戻り眠りについた。やり切ったからなのか空也たちはうれしそうに眠った。
今回、μ'sがだれ一人出ていない…。
しかし、これで穂乃果たちが救われる可能性のほうが強くなりました。魔法の定義もここで出せましたし何とかやり切ったって感じはあります。
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次回『取材、再び』
それでは次回もお楽しみに!
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