ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

53 / 145
どうも、そらなりです。

今回は前々回に見た空也の夢について魔法におけるとらえ方が分かります。

それでは今回も彼女と彼女の想いをご覧ください!


予知夢とは

 先導していく葵と立夏の2人についていき部室に向かった。みんなが席に着きさらの入れた紅茶がみんなにわたった。ある程度落ち着いたところで立夏が話を持ち掛ける。

立夏「それで、ここに戻ってきたわけは?」

 空也に向けてこの島に帰ってきた理由を聞いてみることにした。空也がこの島に戻ってくるときは何かしらの約束があるときか魔法本来を使おうとしているときのみだ。今回は立夏たちが聞いていなかったためその理由が気になった。

 

 立夏に聞かれた空也はその内容を立夏たちに伝える。

空也「えっと。こいつらの合宿も含めて俺の秘密を教えるため」

 そう言って空也は穂乃果たちのほうを指して言う。

 

 空也自身は簡単に言っているが魔法のことを教えるというのは一定以上の信頼度が必要なことである。

姫乃「え!? じゃあ空也さんあの事話したの!?」

 そのため魔法のことを教えたということにびっくりする姫乃達。

 

 空也が言っていたことの詳細を代表して絵里が新聞部に向けて話す。

絵里「空也が魔法が使えることは聞きました。それ以外はまだわかりませんが……」

 絵里が思ったのはあの事としか空也が言わなかったからだろう。それでも今知っていることはあるということを絵里が言った。

 

 その話を知っているということと希は何かを感じたらしく、

希「でもこの人たちもなんかあるとおもうんやけど」

 それを希は言葉にしてみた。

 

 希の考えはドンピシャで当たりだった。

空也「お前は、なんでそんなに鋭いんだ?」

 空也は希のその鋭さにかなり驚いていた。どこもそういうそぶりを見せていないのに対してすぐに考えつくのはすごいと思う。

 

 そのことについて希は素直にそう思ったきっかけを言う。

希「それはカードがそういってるから。それになんとなく空也君と同じ感じがするし」

 希は空也に言いながら自分のタロットカードを見せた。その行動を見たμ's側の人間は納得してしまっていた。

 

 言い当てられたことで立夏が話し始める。

立夏「そうよ。私たちは魔法使い……だった」

 希の言っていたことに嘘はないし、だからと言って今が特別というわけではなかった。

 

 立夏の言葉の表現に何も知らない真姫は疑問に思った。

真姫「だった?」

 

 その疑問は当然のものだった。あれだけわかりやすいように強調しておけば気になるのも無理はない。

立夏「そうよ。だったの……。今から100年以上前の前世に私たちは魔法使いとして生活してたわ。私なんか『孤高のカトレア』って言われたカテゴリー5の魔法使いだったのよ」

 だから自分の前世のことを簡単に言うことにした。もちろん完全に魔法が使えないわけではない。前世の時に比べると使えると表現していいレベルに達していないのだ。

 

 立夏の話を聞いていると、どこか思ったことがあるようで穂乃果が口を開く。

穂乃果「なんか痛々しい話を聞いているみたい。まるでアニメとかの設定みたい……」

 そのセリフは立夏のスイッチを入れるのに十分すぎるというか的確なワードの入っているものだった。

 

 もちろん立夏は穂乃果の言った言葉に反応する。

立夏「設定ゆうな~! っていうか空也の話は信じて私の話は信じないのかな」

 新聞部が前世のことを知らなかったころ幾度となく言われ続け、また知ってしまったうえでもいじられるように使われるセリフに立夏は即座に反応して見せた。その後少しいじけてしまったのは言うまでもない。

 

 そんな立夏を慰めながらひとまず話をまとめることにした空也。

空也「まあまあ。まずこんな事話す時点で普通の会話はしてないよ」

 

 ある程度話に片が付いたので今度はこの学校に来た理由を訊ねてみることにした。

さら「それで今日はなぜここに?」

 夏休みに、何の連絡もなく来た空也たちにその理由を聞いてみることにした。

 

 さらに言われたことによりここに来た本来の理由を思い出す。

空也「そうだった。内容は話してあるし、穂乃果が頼めばいいんじゃないか」

 そしてその内容からここは空也が話すよりリーダーである穂乃果が話したほうがいいと判断した。

 

 空也にそう言われた穂乃果は立夏たちのほうを向きっ子に来た理由を話す。

穂乃果「そう? じゃあ、皆さんが知ってるように私たちはスクールアイドルをやっています。それで、ラブライブに出るためにこの学校でライブをやりたいと思ってます。学校を貸してもらえないですか?」

 学校を貸してくれないか。いきなりの事で反対されるかもしれないが空也には受け入れてくれるという確証があった。それはコネがあるとかそういうことではなく。イベントごとが好きなこの学校に盛り上がるイベントを反対するなんて選択肢ははなからないと判断したからだ。

 

 しかし聞いておかなければならないことは存在する。

シャルル「それっていつなの?」

 それはいつやるか。貸すにしろ貸させないにしろ日程が分からなければ行動に移すことができない。

 

 そのことはもちろん昨日の話し合いで決まっていた。

絵里「6日後の土曜日だったわよね」

 ライブをする日程を絵里が話す。

 

 日程を聞いた立夏はほんの少し何かを考えるそぶりをしてすぐに、

立夏「問題ないわ。でも条件として明後日に取材をさせてもらっても構わないかしら」

 それは生徒会としての条件ではなく、新聞部としての条件だった。

 

 突然新聞部から取材といわれてもいまいちピンとこない海未は、

海未「取材、ですか……」

 聞き返して首をかしげる。どうやらまだ現状を理解しきっていないらしい。

 

 そんな海未はさておき立夏の提案で葵はすぐに反応して見せた。

葵「それはいいですね! これで非公式新聞部に勝てるかもです」

 公式新聞部の最大のライバルにして風見学園きっての迷惑生徒の集団である非公式新聞部に勝つことが新聞部の大きな目標であるためすぐに反応して見せる。

 

 そうやって盛り上がっている新聞部に置いて行かれているμ'sたちに清隆が細かい説明をする。

清隆「今年は夏休みにほかにもイベントをやるんだ。それを新学期初めの新聞にしようと思っていて、その中でそのライブも取り上げて、練習とかも見させてもらってもいいかな?」

 清隆の話だと新学期の新聞を作るために必要だということ。もちろん取材に関しては問題はない。

 

 しかしそれのことに関してはことりも気づいたようで、

ことり「問題、ないと思うけど……」

 歯切れの悪い返事をする。

 

 その理由を空也が説明する。

空也「約2名ほど苦手なメンバーがいるからな」

 このグループの中で突出して恥ずかしがり屋のメンバーが2人いる。

 

 その2人というのが海未と、

海未「いっいえ、ラブライブのためです。がんばります……」

 花陽だった。

花陽「はい。がんばります……」

 しかしラブライブのためということで何とか話を受け入れてくれることになった。

 

 ここまで話が付いたことによりここにきて話したかったことはもう話し終えていた。

空也「よっし。あと夕方まで何がしたい?」

 初めて知り合った人たちとの交流を使用を思った空也が穂乃果たちに向けてこれからどうするかを聞いてみることにした。

 

 するとこれからやりたいことがあった穂乃果は空也に話しかける。

穂乃果「空也君。あの少し森園さんと2人で話がしたいんだけど……」

 穂乃果が言ったのは立夏と2人で話したいということ。

 

 真剣な表情の穂乃果からふざけているわけではないことを察する空也は、

空也「立夏と? いいか? 立夏」

 立夏にいいのかどうかを訊ねた。

 

 聞かれた立夏は穂乃果のほうを向き、

立夏「問題ないわ。じゃあ……」

 空也にかまわないと告げ話を進めることにした。

 

 立夏は穂乃果を連れてどこかに行こうとしたが、

空也「ここでいいよ。俺たちは…、そうだな。音楽室にでも行ってるから」

 空也は自分たちが移動するという選択をとって穂乃果たちを新聞部部室に残らせることにした。

 

 穂乃果は空也とすれ違いざまに、

穂乃果「ありがとう……」

 小声で空也に感謝した。

 

 その言葉は空也に届いていたようで、

空也「あぁ、じゃあみんな行くぞー」

 すぐに返事が返ってきた。空也も穂乃果がどれだけ真剣なのかが分かりなるべく穂乃果のやりたいようにやらせたかった。

 

 穂乃果にそう言い残し空也は新聞部部室を出て音楽室に向かった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果side

 

 空也たちが出ていったことにより立夏と2人っきりになる穂乃果。初対面のそして上級生でもある立夏に話しかけるのは少し勇気が必要だった。

穂乃果「あの~、森園さん……」

 上下関係をしっかりとする穂乃果だからこそ少し奥手になる。

 

 それでも立夏は先ほどと変わらず穂乃果に接する。

立夏「立夏でいいわ。それで何?」

 名前を呼ばせるということはある程度信頼関係が芽生えたということ。

 

 そのことに気が付いた穂乃果は立夏のことを言われた通り名前で呼んだ。

穂乃果「じゃあ立夏さん。その……、空也君のことについて聞きたくて……」

そして穂乃果の口から出たのは空也のことを知りたいということだった。

 

 しかしその質問をしてくる穂乃果に少し立夏は疑問に感じた。

立夏「空也の? あなたのほうが詳しいんじゃない?」

 確かの幼馴染である穂乃果のほうが空也のことを理解しているはずだった。

 

 そうなのだが、今回穂乃果が聞きたいのは普通の空也の事ではなかった。

穂乃果「あ! そうじゃなくて魔法使いの空也君に関して、聞きたいことが」

 昨日初めて知った空也の秘密。そして今朝の言葉を聞いた穂乃果は、まだ魔法についてしっかりと理解していないのが身に染みていた。だから魔法に関して詳しそうで自分に近いと感じた立夏に話を聞くことにした。

 

 魔法についた教えてほしいといわれた立夏は一度目をつぶり

立夏「そう……。まぁ、本人しか言えないことがあるからそこ以外なら答えられるけど。なんで私なの?」

 そう言って穂乃果の質問に答えることにした。

 

 立夏に聞かれた疑問はすぐに答えられるものだった。

穂乃果「私に近かったんですよ。立夏さん、空也君の事好きなんですよね」

 穂乃果が感じたのは立夏が空也に向けている視線が普通ではなかったこと。普通よりももっと上の何か。それは同じ男性である清隆よりも大きかった。

 

 一瞬の沈黙の末に立夏が話し始める。

立夏「……。あちゃー。ばれてたか~。うん、空也の事は好きよ。でもね……。実は私、振られてるんだ。空也に」

 そう言って自分の頭をなでる立夏。

 

 その事実に穂乃果はすごく驚く。告白したという報告もそうなのだが……、

穂乃果「そうなんですか!? 立夏さんぐらいの人を振っちゃうんだ……」

 空也が立夏のような美しい女性を振ったことが驚きで仕方なかった。

 

 穂乃果が驚いているが立夏は言葉を続ける。

立夏「そうよ。その時に空也は『俺には好きな人が向こうにいる。だから立夏の気持ちには答えられない』って言われたけど……。今日なんとなくわかったわ」

 それが空也が立夏の告白を受け入れなかった理由。その理由がこの9人を連れてやってきた空也の顔と会話を聞いて立夏はなんとなくわかった。

 

 先ほどから出てくる事実が多すぎて少し混乱し言葉にしてまとめてみる。

穂乃果「そんなこと言ってたんですか……。それで誰なんです?」

 そして空也に好きな人がいるという事実を理解し興味が出てきて立夏に聞いてみる。

 

 しかしそれは空也が言うべきことであり、立夏を通じて知っていいことではない。

立夏「穂乃果。話がそれてるわよ」

 だから立夏は本当に聞きたかったことであろう話からそれていることを指摘し話を逸らすことにした。

 

 指摘され気づいた穂乃果は、

穂乃果「あ! そうだった……。すいません」

 自分からききたかったことがそれてしまったことに申し訳なくなり謝った。

 

 しかしそれは立夏にとって問題のないことだった。

立夏「いいのよ。それで、空也の事だったっけ」

 そして話が元に戻る。

 

 立夏の言葉で穂乃果の顔が真剣な表情に戻る。

穂乃果「はい。お願いします」

 

 穂乃果の言葉を聞いて立夏もつられて緊張感のある表情になる。

立夏「それで何が聞きたいの?」

 そして話を持ちかける。

 

 そして本題を打ち出す。

穂乃果「えっと……。今朝に、空也君を起こしに行ったんですね。その時嫌な予知夢を見たらしいんです。でも、予知夢は絶対起きないって言われたんですけど。私何が何だかわからなくて……。どういう意味か分かりますか?」

 今朝言われた空也の言葉の真意を魔法に詳しそうで話してくれそうな立夏に聞くことにした。

 

 そして聞かれた内容は前世で清隆に説明したことと同じ。

立夏「えぇ、わかるわ。でもあなたが理解できるかわからないわよ」

 それでも魔法の知識のない穂乃果が理解できるかはわからなかった。

 

 それでも穂乃果にはやる気があった。

穂乃果「お願いします」

 目標ややりたいことのためならどんなことだって本気になれる。苦手な数学のテストで満点を取った穂乃果ならそれぐらいきっとどうにでもなる。

 

 やる気が伝わり立夏が話を始めることにする。

立夏「そう。じゃあまずは……、そうね。あなたが夢で誘拐されてしまう夢を見たとするわね」

 立夏は一応穂乃果が理解しやすいようにとたとえ話をすることにした。

 

 穂乃果もそのおかげかついてこれている。

穂乃果「はい……」

 

 立夏はそのまま話を続ける。

立夏「それはいつ起きるかまではわからない。けど起きることはわかってるから、男の子である空也に相談したするわね。その場合あなたが見た夢には1人でいたときに誘拐されていたなら空也がいる時点でその夢と合ってないから予知夢にはならない」

 予知夢は予知夢を見ていないと仮定したときに起きることを予測している。ならば夢に見てしまったときからそれは全く同じ未来ではないことになる。

 

 その話を聞いた穂乃果は納得しながらもある疑問を感じていた。

穂乃果「確かにそうだけど……。でもたとえば、予知夢でいいことが起きるとしますよね。それならその通りになるんじゃないですか?」

 そう。夢で見た時に起きたことがそのまま起こるときにはその夢通りと思ってしまうことがある。

 

 それに関しても立夏は説明することができる。

立夏「それはね。そうね……例えば宝くじを買ったとするわね。夢でのあなたはただあたるかもしれないって思って買ったけど。夢を見たあなたは当たるから買う。買う動機が違うのよ」

 今回もたとえ話を交えて穂乃果に理解しやすいようにする。また、買う動機が違うのもそうだが時間が少しでも違えば当たることもない。

 

 つまり……

穂乃果「う~ん。ってことは全くその通りになることはないけど結果が同じになることはあるってことですか?」

 穂乃果の言う通りまったく同じ未来は起こることはない。しかし、それ通りの結果になることだってあるし、ならなくなってしまうこともある。はたまた、回避しようとしてもできないということもある。

 

 まったく魔法のことを知らない状態からここまで理解した穂乃果に立夏は驚く。

立夏「お! さすがこんなに難しい話を理解するってよほど空也の事が好きなんだね 穂乃果は」

 そして同時に魔法に関する知識を知ってもらい少しうれしくなる立夏。

 

 そして自分が空也のことが好きなことをいじられたことで少し恥ずかしくなる。

穂乃果「それは……、そうですけど……」

 いつもの元気な穂乃果から一気に恋する乙女のようにしおらしくなる。

 

 そして話を聞いたうえで立夏が考えたことを補足で行ってみる。

立夏「それに話からするとあなた達の事を夢に見たんだと思うけど、その場合空也はあなた達には絶対に言わないわよそのこと」

 そう。空也は魔法に関することになると他人を巻き込まないように行動する。

 

 しかしそれは魔法だけではなかった。

穂乃果「わかってます。幼馴染ですから。それに……。いえ、なんでもないです」

 いつも見ていた穂乃果ならわかる。危機が訪れた時空也は被害が出ないように事前に防ぐ行動をすることに。

 

 立夏の説明した内容を穂乃果が理解したことにより話が一通り区切りがついた。

立夏「そう? じゃあ話はこれぐらいでいいの?」

 立夏はほかに聞きたいことがあるかを訊ねてくる。

 

 だけど穂乃果が今回聞きたかったことは今朝の夢の一件についてだけだった。

穂乃果「はい。ありがとございました!」

 だから魔法についての話はここで終わる。

 

 穂乃果がそう宣言すると立夏は穂乃果にエールを送ることにした。

立夏「いいのよ。がんばってね。穂乃果、私はあなたを応援するから」

 自分と同じ人を好きになった穂乃果に恋愛を成功させたくて応援をする立夏。

 

 その言葉を最後に部室にいた穂乃果と立夏は空也たちのいる音楽室に向かった。そんな中2人で話した穂乃果と立夏の間にはもうすでに友情が生まれていた。

 




っというダカーポ3で出てきた予知についての使い方を出してみました。

立夏と穂乃果が話す場面をどうしても書きたかったのでこういう展開にしました…。穂乃果の好きな人が分かった回ですね。

凛誕生日おめでとう! 本編で11月になるまで待っててください! それらしいのを描くので…

新しくお気に入り登録をしてくださったマリオネっトさんありがとうございました!
また、評価をいただいたスーパーかみさんありがとうございました!

次回『空也の過去とことりの秘密』

それでは、次回もお楽しみに!



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。