ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回はいよいよ皆さんが気になってたことが明かされる回になります。
それでは、彼の打ち明けるすべてを受け止めてあげてください!
先ほど空也の作戦で義之が電話をして数十分が経った。そろそろ来るだろうと思ったときちょうどインターフォンが鳴った。
空也「あ、お客さんだ。にこ、花陽出てきてみてくれ」
義之にアイコンタクトをしてななかたちであることを確認した空也はきっと驚くであろう2人に玄関に行くように頼んだ。
そのことに何か不満があるようで、
にこ「なんでにこが……」
ぶつくさと文句を言っている。
しかし、ここはこれから少しの間泊まる家なのでどうやら率先していこうと思った花陽は、
花陽「大丈夫だよ。にこちゃんいこ?」
すぐに立ち上がりにこと一緒に玄関に向かった。
花陽に連れていかれているにこは、
にこ「仕方ないわねぇ~」
やれやれといった様子で花陽についていった。これから自分がどんなことになるかも知らないまま。
side out
にこside
空也に言われにこと花陽は玄関に来ていた。その間もう一度チャイムが鳴るので、
にこ「はいはい今出ますよ~」
そういいながらにこは玄関を開けた。
そこにいた人物はにこの姿を見るなりその場で固まってしまう。
???「え?」
そして開けたにこもやってきた人物に驚きを隠せない。
にこ「え? なっなんで白川ななかがここに!?」
そう。やってきたのはにこが応援しているアイドル、白川ななかだった。
先に動いたにこに遅れようやく現状を理解したななかは、
ななか「なんでμ'sのにこちゃんと花陽ちゃんがここに?」
にこと花陽がいることに驚き、夢だと思ったのかほほを引っ張っている。
そしてにこの隣にいた花陽は後ろの人物にも目が行く。
花陽「あの~、もしかして後ろの方は……」
その人物は後ろでななかを見つめながら自分に気づかれたことに気がついて、
花陽のほうを見て自己紹介をした。
???「初めまして。月島小恋です」
これまた一緒に来たのはバンドのベース担当の小恋であった。ちなみに義之はギター担当だ。
自分の予想いていたことがあっていたためさらにテンションが上がり、
花陽「やっぱり小恋さんなんですね!」
にこを押しやり小恋のもとに向かった。
そろそろ一通りのやり取りが終わると思われたころに空也はやってきた。
空也「もういいかな。早く入ってこいよ」
テンションが高い3人を小恋がなだめるのは難易度が高いと判断したため空也は早めに来た。
珍しくハイテンションな姿を見られたと理解したにこは、恥ずかしがりながら、
にこ「わっわかったわよ」
そういってななか達をつれ今のほうに戻っていった。
side out
空也side
それからしばらくして準備のできた隣に住んでいる
空也「それじゃあみんな揃ったかな?」
空也はそう言いながら今いる全員のことを見渡した。
そして音姫は今いる人物たちだけを見て空也のやろうとしていることが分かった。
音姫「それじゃあ。穂乃果ちゃんたちにあの事を教えるんだね」
そう。ここまで人を呼んだのは空也にとっての秘密を教えるため。
そのため音姫の言ったことを肯定する。
空也「はい。ここのほうが信じてもらいやすいですし」
本当に信じてもらいたいからここまで来ることにしたためこれからが空也の正念場の1つであった。
しかし、あのことと言われてもわかる人はμ'sの中にはいない。
凛「あのことってなんだにゃ?」
そのため凛の質問は当然のものだった。
そしてこの中でそのことについて深く知っているさくらが話し始める。
さくら「そうだね。じゃあまず僕が少し説明しようか。この島は今の桜が咲いてるでしょ?」
さくらは今のこの島の現状を説明し始める。この初音島の名物として枯れない桜がある。名前の通りこの島の桜は夏である今でも桜の花を咲かし続けている。
この島に来た時から思っていたことを希が代表して言う。
希「はい。とてもスピリチュアルな景色です」
何かとそういうことに敏感な希は感じたことを口にする。
そしてさくらはそのことに関するその根本を口にする。
さくら「それはね。魔法が関係してるんだ」
それは魔法。枯れない桜なんてそういう不思議な力がなければ可能になるわけがない。
しかし、それでも、いきなりそんなことを言われてもすぐに納得がいくわけがない。
μ's『魔法!?』
当然急に出てきた魔法という単語に反応する。
その反応はこの場合は当然のものである。
さくら「ばかばかしいと思うよね。でもあるんだ。それに空也君も魔法使いだし」
そしてさくらの口から明かされる衝撃の真実。
さくらに言われた瞬間にみんなの目が空也に向く。
穂乃果「そうなの!?」
真っ先に聞いてきたのは穂乃果だった。その言い方から本当に驚いているようだった。
穂乃果にそう聞かれると空也は目を閉じた。そのあとに1度右手を握り、開いた瞬間に今までそこになったどら焼きが空也の手のひらに存在していた。
空也「まぁ難しい魔法はここに来たときだけなんだけど、俺は魔法使いだ。そしてここにいる義之に由夢ちゃんななかに小恋、それとさくらに音姫さんにはみんな過去で知り合ってるんだ」
最後に明かされる空也本人の口から本当のことを言う。
その中でことりは気になることがあった。
ことり「過去で?」
普通なら考えられないこと。過去に言ったと言われてもすぐにはぴんと来ないようだった。
ことりの質問に答えられるべく空也は口を開ける。
空也「あぁ、俺の得意としていた魔法の一つに時間を移動できる魔法があったんだ。今じゃもうできないけど。それでこれは今でもできるんだけど過去の事を夢で見ることもできる」
それが空也の力の一部だった。本来過去というより時間に関する魔法は難しく成功したものはほぼ存在していない。もちろん空也の言う通り今はもう時間移動をすることはできない。
真姫は空也の話を聞いて気になったことがあった。
真姫「過去の事が見れるからって何なの?」
そう。過去が見れるからと言ってそれほどまでにその重要性が感じられなかった。
しかし、それは間違いだ。過去を見ることができればその歴史について詳しい情報が手に入るし、空也のように時間の移動ができれば……、
空也「そこで見ちまったんだよ。桜の木が暴走したときにさくらたちが不幸になるとこを……。それを見て俺は何もしないと思うか?」
そう、本来起こるはずだった悲劇を変えることができる。変えたいと思った未来を変えることができる。そんな中で見てしまった知人の悲劇を黙ってみているだけで済ますなんて空也にはできなかった。
そしてそのことは幼馴染である海未たちもよくわかっていた。
海未「しませんね。空也は知ってしまえばどんなことでも助けようとしますから……」
その人を本気で助けたいと思った相手は空也は本気で助ける。そういう人間だった。
海未の言ったことはもちろん正しかった。
空也「そういうことだ。だから過去に行った。まぁ何とかなったからよかったよ。それに今回の事はこれからμ'sのみんなとやりあうんだから秘密はなしにしようって思って話しただけだ。それとこのことは絶対に秘密な」
そうして空也はこの話を持ち掛けた理由をみんなに話した。空也が話した理由は、知ってもらいたいと思ったのもあるが、何かを隠している彼女に秘密を打ち明けやすいように手を打つためでもあった。
そして空也の言ったことが気になったようで、
花陽「なんでですか? すごいじゃないですか」
花陽がそう空也に訊ねる。それも当然の事だろう。不思議な力を持っていたら自慢したりするのは人としてしょうがないことでもある。
しかしそれはできない。
さくら「魔法使いはね。表に出ちゃいけないんだ。ここ日本では……」
この日本では魔法使いは影の存在。表に出ることはまずない。それで今までの歴史を生きていくことができた。
そのことを聞いた絵里はどこか納得した様子だった。
絵里「そうなんですか……。それでこれからどうするの、空也」
そして絵里が以前から感じていた違和感も解消された。絵里が年上だったと感じたのは過去に言ったために過ごしてきた時間があったから。そう考えるならどこか大人のような考えができる空也のも納得がいった。
そして絵里の言ったことについては空也は考えがあった。
空也「これからか、今日はななかも小恋も義之もあいてるみたいだから練習を見てもらおうと思ってる」
ただななかたちを呼んだのはただ秘密を伝えやすくするためだけではなく、そしてななかをにこたちに合わせるためだけでもなかった。本物のアイドルに練習を見てもらえればもっと穂乃果たちは上に行けると思ったから呼んだということもあった。
空也の提案はにこたちに火をつけた。
にこ「ほんと!?」
空也に嬉しそうに聞くにこ。よほどななかたちに教わるのがうれしいようだ。
しかしここで問題点が出てくる。
絵里「ちょっと、練習場所は?」
練習場所はどうするのか。さくらの家は広いがダンスをするということは難しい。そして住宅街にあるため外でやるには少し遠出しなくてはいけない。ななかがいる状態でそれはいい手とは言わない。
しかしここにはある部分に特化したちょうどいい力を持っている人がいる。
空也「それは俺の作った空間でやるのはどうだ?」
魔法使いである空也に残されているいちばん大きい能力は空間を操る魔法。この島にいるときに使えるようになる魔法だ。
しかし先ほどの魔法の話を納得しても空間がどうのと言われてピンと来る人のほうが少ない。
穂乃果「空也君の作った空間?」
当然穂乃果たちも疑問に思う。さっきの話では出てこなかった魔法だから仕方がない。
伝えていないことを思い出した空也はみんなにもう一度自分の得意な魔法について教える。
空也「あぁ、俺のもう一つの得意魔法空間移動に応用して作った空間。そこならいくら叫んでも暴れまわってもこっちには関係ないからな。この島にいるときなら使える」
だからμ'sの活動が始まった当初に打ち明けてそこで練習するということができなかった。そして空也の作った空間ならどんなに暴れても問題ない。なぜならそこは完全にこちらの世界と切り離されている場所なのだから。
そういうことが分からなくてもそのことがすごいということは普通の人でもわかる。
ことり「ほぇ~、すごいね~」
みんなが納得したところで空也は空間を作るため行く人数を聞くことにした。
空也「全員で行く?」
いくら使えるといっても限度がある。ある程度節約していかなければならない。
空也が聴いたのはさくらと由夢と音姫の3人だった。
さくら「僕はOKだよ」
由夢「私も生で聞いてみたいです」
音姫「こんな機会めったにないもんね~」
3人とも乗り気だった。そのためここにいる全員で空也の生み出した空間に行くことになった。
そう決まった時、空也は懐から棒状のものを取り出して壁のほうに振りかざす。
空也「そうか。じゃあ行くぞ」
シュンッという音とともに壁には白く輝くゲートのようなものができていた。
空也が先頭でその空間に入っていきこれから初音島での初めての練習が始まる。
はい、ようやく空也の秘密が明かされました。
そうです魔法使いなんです。何度かワンドを振っている描写とかを入れたので気づいた方は何人かいるとは思います。そして不自然な空也の雰囲気もこれが原因でした。
さてようやく空也の秘密を明かしましたがまだ空也のは1つ秘密が残っています。それもこの章で片付けますのでお楽しみに!
新しくお気に入り登録をしてくださったウィルアさん、それ散るさんありがとうございました!
次回『最悪の夢』
それでは、次回もお楽しみに!
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