ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
少しサブタイに合わない内容ですが今回も楽しんでくれたら幸いです。
それでは今日も空也たちの綴る物語を楽しんでいってください。
海未side
海未は、弓道部に所属している。
その練習中にあることが頭をよぎる。それは、幼馴染である穂乃果と空也の言葉。
穂乃果『なんで!? だってこんなに可愛いんだよ!? こんなにキラキラしてるんだよ!? こんな衣装普通じゃ絶対に着れないよ!?』
空也『自分の夢とかさ最初は単なる好奇心や憧れから始まって、そこから努力するかしないかでうまくいくかどうかが決まるんじゃないか?』
そんなことを考えながら弓を引く。
海未「ん……」
アイドルのことを考えていたからだろうか、突然頭の中にあるイメージが出てくる。
海未(みんなのハートを撃ち抜くぞー! ばーん!)
はっ恥ずかしい……。
こんなことを考えてしまうなんて……。
パスッ
当然集中できていなかったため矢は、的から外れる。
海未(何を考えているんですか! 私は)
弓道部の先輩「外したの? 珍しい~」
いつもは必ず的には当たるので先輩に注目されてしまった。
海未「いっいやたまたまです」
そういってもう一度弓を引く。
そしてまたイメージが頭に浮かんでしまう。
海未(ラブアローシュート~)
パスッ
当然外れてしまう。
これでは練習にならない。集中しなくては。
海未「あっ、いけません余計なことを考えては」
そんな決意を決めても、
ことり「海未ちゃ~ん、ちょっと来て~」
3人目の幼馴染のことりの言葉で跡形もなくなくなってしまった。
海未「え……?」
ことりが何をしに来たのかわからなかったが中庭に行こうということだったので気分転換に外に出ることにした。
中庭をことりの誘いで歩いていると自然と先ほどの部活の話になってしまう。
海未「穂乃果のせいです。全然練習に身が入りません」
そう、穂乃果があんなことを言わなければあんなイメージが浮かぶことはなかっただろう。
ことり「ってことはちょっとはアイドルに興味があるってこと?」
ことりは、海未を呼び出した本題に入る。
しかしまだ海未は考えがまとまっていなかったので、
海未「いえ……。それは」
曖昧な答えになってしまう。
ことり「空也君も言ってたけど、やっぱりやりたいって気持ちがあればいいんじゃないかな?」
ことりも経験があるのか空也の言ったことを肯定する。
海未「でも……。やっぱりうまくいくとは思えません」
私にも経験があります。
高校に入って弓道部に入ったことだって最初はただの好奇心でした。そこから努力して2年になる少し前からは、必ず的の中心付近に当たるようになっていました。
それでも、今まで全くやってこなかったことにうまくいくとは思えません。
ことり「でも、いつもこういうことって穂乃果ちゃんが言いだしてたよね」
ことりは、昔話をするように声をかけてきた。そこで私は、ある出来事を思い出す。
小学校2年生ごろに起きたある出来事を…………
回想シーン
いつもの幼馴染の4人で大きな木が特徴の公園で遊んでいる
ことり うみ「「え~!?」」
しかし、なぜこんなに驚いてるのかというと……
大きな木を前にして
ほのか「登ってみようよ!」
突然ほのかちゃんがこんなことを言い出したからだった。
普通に考えて小学生が登れるとは思えない大きな木を目にして、
うみ「無理です~こんな大きな木~」
うみちゃんは、そう答えた。
しかし、そんな言葉を聞いてくうやくんが、
くうや「無理かどうかは登ってから考えようよ!」
この頃からあきらめることを決してしなかったくうやくんは、ほのかちゃんの提案に賛成した。
ほのかちゃんとくうやくんに後を押され登った後
ことりちゃんとうみちゃんは、その怖さから泣いていた。
ことり うみ「「うえ~ん うえ~ん」」
小学生4人が1つの枝に乗っていると大きな枝でもやがては、
バキッ バキバキ
ポッキリと折れてしまう。
枝が折れ、早くに行動できたほのかちゃんとくうやくんはもう1つ上の枝に上るが、
うみちゃんとことりちゃんは、元の幹に抱き着いて泣いている。
ことり うみ「「うわ~ん!」」
今までに経験したことのない恐怖で泣いていた。
回想シーン終わり
あの頃の思い出を思い出しながら
ことり「私たちが尻込みしちゃうところをいつもひっぱてくれて」
確かに穂乃果は、いつも私たちが思いつかないことを言い出してくる。
海未「そのせいでさんざんな目に何度もあったじゃないですか」
しかし、それでもいいことだけではなかった。
ことり「そうだったね」
海未の言葉をことりは、さらに思い出しながら答えた。
海未「穂乃果はいつも強引すぎます」
とんでもない提案をされたときに毎回思うことを今回は口に出してみた。
ことり「でも海未ちゃん、その時は空也君が助けてくれたし、後悔したことある?」
海未「え…?」
ことりの言葉に海未は、あの時に起きた出来事の詳細を思い出す。
回想シーン
あの後枝が折れ幹につかまっていると……
うみ「うわ~ん 怖いよ~」
くうや「海未ちゃん、ことりちゃん。つかまって」
くうやくんが上から手を差し伸べてくれた。
今から思うと2人を持ち上げるのは小学生には無理なのではないだろうかと思うが、大事なのはそこではなかった。
うみ「はい……」
ことり「うん。ありがと~」
うみちゃんとことりちゃんは、当然くうやくんの手を取った。
くうや「はい、どういたしまして。わぁ~! すごいよ2人も見て見なよ」
くうやくんが感嘆の声を出し前の方向を指さし言う。
ことり「うわぁ~」
うみ「…………」
ことりちゃんは、あまりにもきれいな夕焼けに喜びの声を当て、うみちゃんは、そのきれいさに声が出ずただずっとその景色を眺めていた。
回想シーン終わり
海未が思い出に浸っているうちにことりの目的の場所についた。
穂乃果「はぁ! てい! そりゃあ!」
そこでは、穂乃果と空也がダンスの基礎練習をしていた。
ことり「見て」
ことりが短くそう言うと、そこには、いつもの穂乃果の目ではない穂乃果がいた。
穂乃果の目がただ好奇心にとらわれているような目ではなく、あの時と同じ目をしていた。
空也のカウントで穂乃果がリズムをとる。
空也「1,2,3,4,5,6,7,8 1,2,3,4,5,6,7,8」
しかし、今までまともに踊ったことのない穂乃果は、リズムをとることで頭がいっぱいだった。
穂乃果「うん! はぁ!」
そんな穂乃果を見て海未は、思い出す。
海未「は!」
そう今まで思い出してた過去の思い出のあと空也に教えられ見た風景を思い出した。あの木を上った後、木を上ったことに後悔は全くなかった。
むしろ上ってよかったとさえ思えた。
思い出に浸っていると基礎のできていなかった穂乃果が、
穂乃果「うわわ」
バタンッと転んでしまう。
穂乃果「いった~い! 本当に難しいや~」
空也「そりゃ、そうだろ?」
空也は、なぜか踊りに関して知識があるようで穂乃果のサポートを必死にやっている。
穂乃果「みんなよくできるな~」
空也「ほら」
そう言い空也は、転んだ穂乃果に手を差し伸べる。
穂乃果「うん! もう一回。せーの!」
穂乃果が仕切り直しと言わんばかりにまたも踊りだす。
ことり「ねぇ、海未ちゃん。私やってみようかな」
ふいにことりがそんなことを言い出す。
それはもちろんアイドルのことで、海未が言われたときに少し憧れを抱いたもの。
海未「え?」
しかし、ことりがいきなりそんなことを言い出すとは、思ってもいなかったため変な受け答えになってしまった。
ことり「海未ちゃんはどうする? フフッ」
ことりは私を挑発するようにそんなことを言った。
その時にまたも穂乃果は転んでしまう。
穂乃果「うわ!」
バタン
今度は、しりもちをつきかなり痛そうな転び方だった。しかし、穂乃果はあきらめなかった。
穂乃果「いたたたた~。う~」
でも今回は、空也の手が差し伸べられるわけではない。なぜなら……、
スッ
穂乃果「? 海未ちゃん?」
海未も覚悟を決めた。穂乃果が本気なら私は、とことんついていきますよっと。それがどんなに迷惑をかけられそうなことでも、穂乃果は、海未たちがただ生きてるだけでは得られないものを見せてくれる。
だったら最後までその景色を見たい。そんな気持ちになった。
海未「一人で練習しても意味がありませんよ。やるなら4人でやらないと」
ここまで来た海未は決してひかない。今日ここに誓う。穂乃果が本気である限り海未は、穂乃果を信じ、最後までスクールアイドルを続けますっと。
穂乃果「海未ちゃん!」
空也「海未……」
穂乃果も空也も幼馴染の参加宣言がうれしかったのか感嘆の声を上げる。
ことり「海未ちゃん」
ことりも私を信じていたのでしょう嬉しそうに喜んでいます。
穂乃果「よし! じゃあもう一度練習しよう」
空也「いや、今日はもういいだろ。海未、早く着替えてこい。生徒会室に行くぞ」
穂乃果がせっかく行動しようとしたが空也によって止められる。でも、きっと今の空也が考えてることは……、
穂乃果「何しに行くの?」
空也「決まってるだろ? 部活動の許可をもらいに行くんだよ。許可されればもっといい場所で練習できるしな」
そうだろうと思いました。やはり空也は、いろんなところに機転が利きますね。
海未「そうですか。では、着替えてきますから待っていてください」
ことり「うん、わかった」
そうして海未は弓道部の部室へと戻った。
これで幼馴染が全員参加することが決定!
そしてサラッと空也が超人的な力を発揮しました!
年齢的に高くて小学校2年生くらいなのに海未とことりを持ち上げる…。
すごいバカ力…。
しばらく先になりますが、そんな空也の謎もはっきりとしてくるのでそこも楽しみにしていて下さい。
それでは次回またお会いしましょう。