ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回は他作品には絶対といっていいほどあることをしない回です。ごめんなさい。私にそこを書く自信がないのと空也にそういうことをしてほしくないので。
それでは彼、彼女が作る料理をご賞味あれ!
買い物が終わり料理をすることになったのだが慣れない道具だったせいか当番だったことりが戸惑っていたためにこと空也で作ることになった。
にこ「しょうがないわねぇ~」
にこはそう言いながらも素早く料理を進めていく。
そして空也はそんなにこに合わせたスピードで別の料理を進めておく。
空也「にこ~。ジャガイモの様子は~?」
そして気になった本日の主役の状況をにこに聞く。ジャガイモが柔らかくなればあとは全部できている。ここまでの工程をにこがやった。
そして今まで調理していたにこがその状況を自分の目で見て伝える。
にこ「いいわよ。そろそろルーを入れてもいいと思うわ」
にこは自信を持ってそう答えた。
そしてここからは空也の担当である。
空也「そうか。あとは仕上げをして完成だな」
市販のルーなどを使い様々な味付けをしていく。空也の料理の師匠の味に近づけるように。
そんな料理姿を見たことりは、
ことり「ごめんね。私が料理当番だったのにもたもたしてたから」
少し申し訳なさそうに最後の盛り付けはと思い後ろでずっと見ていた。
しかし空也にはそんなことは気にしていなかった。しょうがないことはしょうがないのである。
空也「大丈夫だ。それよりあと一時間寝かせれば終わるから」
そしてここからは義之と同じ調理法でカレーを寝かせる。
それをことりの隣で聞いた穂乃果は、
穂乃果「わかった!」
空也たちの作った料理にドキドキしながら待つことにした。
空也の言う1時間が過ぎテーブルにご飯が並ぶ。
花陽「わぁ~」
目を輝かせている花陽の前には茶碗に山盛りになっているご飯と別皿になっているカレーのルーが入っていた。
そして食卓に並んだ料理を見て、
にこと空也以外「「「「「「「「おぉ~!」」」」」」」」
作っていなかったほかのメンバーもあまりの完成度に驚く。
そしてそんな中でも気になったことはある。
絵里「なっなんで花陽だけお茶碗にご飯なの?」
もちろんそれは花陽の前のご飯とルーが別々になっているということだ。
しかし今の花陽には目の前のご飯しか見えていない。
花陽「気にしないでください」
そして話が終わり今度は料理の話になる。
穂乃果「空也君は知ってたけどにこちゃん料理上手だよね~」
幼馴染である穂乃果たちは空也が初音島から帰ってきたころから何度か手料理を食べているので知っていた。
褒められたにこは、誇らしげに胸を張る。
にこ「ふふ~ん。って空也は料理できたんだ」
そして意外だったのか空也が料理できたことに関していまさらながら言ってみる。
にこに聞かれた空也は、
空也「まぁな。料理は教わったから。でもカレーは絶対に勝てないんだよな……。あいつに」
その理由を簡単に教えた。しかしそのことに関して詳しくいってしまったらややこしくなってしまうということが空也にはわかったので黙っておく。それと同時に自分で作ったカレーを食べてその味と義之カレーの味を比較して今回も勝てなかったことに少し落胆する。
そして、ことりには気になっていることがあった。
ことり「あれ? でも昼に料理なんてしたことないって言ってなかった?」
それはにこと一緒にキッチンを見に来た時に言っていたひとことだった。
そこにはいなかった空也はその時の状況がなんとなくわかった。
空也「あぁ、ことり。たぶんそれは見え張っただけだよ」
すぐに見抜く空也の言葉でにこはドキッとする。
その瞬間、にこは両手でスプーンを持って、
にこ「や~。にここんな重いもの持てなーい」
甘い声で非力アピールをしていた。
そんな姿を見て、
空也「な?」
空也はことりに自分の言ったことが正しいことを理解させた。ぶっちゃけにこが自分で自滅しただけではあるが。
そしてあまりにも無理なアピールに穂乃果が突っ込む。
穂乃果「それに、いくらなんでもそれは無理がありすぎる気が……」
自分でもそのことに気が付いたのか、
にこ「これからのアイドルは料理の1つや2つ作れないと生き残れないのよ」
今度はその場に立ち上がりそう宣言した。
そんなにこの行動に、
空也「開き直るんだ……」
空也はあきれながらそのまま食事に戻った。
みんなで食卓を囲み全員が食べ終わった後で、
穂乃果「あぁ~。食べた食べた」
穂乃果が満足したのか、ソファーに寝転がる。
そんな穂乃果に海未が、
海未「いきなり横になると牛になりますよ」
昔から言われていることをまるで母親のように言った。言ってしまえば食事後は横になると胃酸が逆流してよろしくないのだが……。
海未の言ったことは確かに昔から言われていることであり、
穂乃果「もぅ、お母さんみたいなこと言わないでよ~」
穂乃果もたまに家にいる時に言われることだった。
食事が終わりだんだんと落ち着いてきたのか、
凛「よ~し。じゃあ花火をするにゃ~」
凛がそういうことを提案する。
しかしこのままいくのはよろしくない。
花陽「その前にご飯の後片付しなきゃだめだよ」
花陽の言う通り食器の片づけをしなくてはいけない。
そのことに関して、ことりが名乗り出る。
ことり「あ! それなら私やっておくから、行ってきていいよ」
きっと料理担当ができなかったからという申し訳なさからことりが言った。
それでも1人に負担をかけてしまうのは何となく戸惑ってしまうものである。
花陽「え……、でも……」
いくら先輩後輩をなくすということでもそういうことを頼むのはためらってしまう。
それは絵里も思ったようで、
絵里「そうよ。そういう不公平はよくないわ。みんなも自分の食器は自分で片づけて」
確かに1人に負担がかかることを容認してしまってはこれからのことに支障をきたす恐れがある。
そして先ほど凛のだした提案に海未が反論する。
海未「それに、花火をすると近所に迷惑です」
いくら海が近くにあるからといって騒いでしまったら迷惑はかかってしまう。やるなら夕方から夜にかけての時間がベストだろう。それに、今はその花火がない。
さらには先程から家にいるかのように雪穂にお茶を頼んでいる穂乃果をどうにかしなくてはならなかった。
空也「その前に穂乃果をどうにかしよう」
本当に家にいる時のままくつろいでいた。どんな状況でもなれるのが早い穂乃果はいいとは思うがここまでだと問題だと思う。
きっと家にいるときはご飯が終わってすぐに雪穂がお茶を入れてくれるのだろうが、
穂乃果「雪穂~お茶まだ~」
ソファーに寝ながらずっとそのことを繰り返し言っていた。
あまりのループに、
海未「家ですか!」
海未もツッコミを入れてしまった。確かにあれだけ言われればしつこいとは思う。
騒がしくなった状況で真姫が食器を持って立ち上がる。
真姫「じゃあこれ片づけたら私は寝るわね」
騒がしさからあきれたのかそのまま真姫は食器を片付けに行こうとした。
すると後ろから真姫に声かががる。
凛「え!? 真姫ちゃんも一緒にやろうよ花火」
それは花火をやろうと言い出した凛だった。
そしてその言葉に海未が、
海未「ダメです」
かたくなにそのことを認めない。
ここからはもう言ってしまえば子供と親の争いである。
凛「なんで。今日はみんなで花火やろうよ~」
花火をやることをあきらめない。
そして海未もまた花火が迷惑になると譲らない。
海未「そういうわけにはいきません」
埒が明かないため凛はほかの人に聞く。
凛「かよちんはどう思う?」
幼馴染である花陽に聞いてみるが、
その花陽の口から出たのは思いもしないことだった。
花陽「わっ私はお風呂に……」
花火のことは全く考えていない。いや今日は花火をやりたくないということなのだろう。そしてお風呂に入りたいという欲求が勝っていた花陽にはそれ以外考えられなかった。
しかし花火をやるやらないで話していたので、
にこ「第三の意見を出してどうすんのよ」
にこの言う通り質問には適切な答えではなかった。
そんな中空也は疑問に思った。
空也「風呂って今湧いてんのか?」
そう、お風呂を沸かす係を決めていなかったため今風呂に入ることができるのかはわからなかった。
しかし空也の心配はいらないものだった。
真姫「えぇ。ここは温泉を引いてきてるの。沸かすことはしなくていいわ」
なんと温泉ということだった。それなら決めなかったのも頷ける。
真姫の言葉を聞いた希は今後のタイムスケジュールを立てる。
希「じゃあ今日はみんなもう寝ようか。みんな疲れてるでしょ? やっぱり合宿なんだし明日は早朝から練習。それで花火は明日の夜にして」
確かにいっぱい遊んでみんな疲れている。そしてここに来たのは合宿のため練習をしに来たためやらないということはできなかった。
そのことに凛も受け入れる。
凛「そっか~それでもいいにゃー」
希の言ったことは正しいため、
海未「確かに練習をしないわけにもいきませんし、そちらのほうが効率がいいかもしれません」
海未も明日から練習をするということで希の提案を受け入れた。
言い合っていた2人が納得したため、
希「じゃあ決定やね」
これでこれからの予定が立った。
そして先ほどからここにはいない雪穂にお茶を頼んでいる穂乃果に空也が、
空也「穂乃果。いい加減にうるさい」
軽くチョップをしながら穂乃果を注意した。
その空也の問いかけに穂乃果はようやく現実の世界に戻ってきた。
穂乃果「あれ? 空也君、それにみんなも?」
周りを見て状況を頭の中で整理をしようとする穂乃果。
しかしそんな穂乃果を待たずして準備のできた海未たちはお風呂に向かった。
海未「穂乃果。お風呂に行きますよ」
その後すぐに海未たちを追って穂乃果もお風呂に向かった。
穂乃果「あ! ちょっと待ってよ~」
空也はその間みんなが片づけた食器を洗って時間をつぶした。
side out
穂乃果side
別荘にある温泉に9人で入っていた。
μ's「「「「「「「「「ふぅ~」」」」」」」」」
思いのほか気持ちいいのかみんなが声を出して疲れをとっている。
もう眠ってしまいそうなほどリラックスしていた。
穂乃果「気持ちいいねぇ~」
ことり「うん」
ことりも普段より数倍甘い声でリラックスしているのはすぐにわかる。
海未「明日はちゃんと練習ですよ」
そんな状況でもきっちりとしている海未だが声はリラックスしきっているようだ。
それはにこも同じだった。
にこ「わかってるって~」
そして今までのことを思い出し凛が話す。
凛「でもこうやってお風呂に一緒にはいるのって初めてだにゃー」
そしてそのことに花陽も同調するのだが、
花陽「すっごく楽しいです」
敬語になってしまったため、
絵里「花陽、先輩禁止」
言い出した本人が花陽に注意する。
まだ慣れないためすぐに返そうとすると敬語になってしまうが、
花陽「あ! すいま……、ごめん」
何とか言いとどまり普通に言い返す。
ちゃんと帰ってきたことに絵里はウインクをして花陽に返した。
絵里「ウフフ。そうよ」
どうやらこれが定着するにはまだ少しかかりそうだった。
side out
空也side
みんながお風呂に入り終わり1人で空也はお風呂に入っていた。
そして今日明らかにした2回目の合宿のことについてその詳細を決めることにしていた。
空也「いついけるかは、さくらに連絡入れておいたほうがいいな」
空也は1人で次の合宿の予定を立てていた。そう今回の合宿の行き先は初音島。空也が通っていた学校のある島。そして空也の始まりの場所。
そんなことを考えているとなんだか懐かしい気持ちになった。
空也「それにしても、初音島か……。なんだかんだで最後に言ったのは花見をしに行った時以来か……。あいつら元気かな?」
空也は最後に言った4月30日のことを思い出しながら初音島にいる同じ部活の部員だった人たちのことを笑顔で思い浮かべた。
そんな中合宿の日にやろうとしていることについて考えるとその笑顔が曇る。
空也「けど……。打ち明けて平気なのか? 信じてもらいやすいからと言って基本ばらしてはいけないことだけど……」
もちろん空也に不安がないわけではない。穂乃果たちにも黙っていたことを初音島で打ち明けるということはどうなるのかわからない一種の賭けのようなものになってしまう。
空也「それでも、打ち明けないといけない気がする」
その空也には不思議とそんな感じがしていた。どうなるかはわからない。でも動かなければどうにもならない。
だったらと空也は決意した。
空也「よっし。覚悟は決まった。あとはその場のノリで何とかなるだろう」
空也は振り切った。不安がないわけではないけどそれでは前には進めない。空也にとってそのままではいつまでたっても成長ができないのと同義であった。
そのためにも空也は打ち明ける決意をした。
空也のためにも、そしてどこか違和感を感じる少女のために空也は動く。
空也の料理の師匠は義之です。
ダカーポを知っている人は知っていると思いますが義之のカレーは義之カレーと呼ばれその友人たちに大評判の料理なんです。
しかしメニューは誰にも教えていないので空也も食べた味から想像して作ってるため何か足りないと思っているようです。
新しくお気に入り登録をしてくださった地獄人生さんありがとうございました!
次回『希の想い』
それでは、次回もお楽しみに!
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