ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回は海でみんなが遊び、空也があることを約束します。
それでは、今回も何かを変えようとしている少女たちを見届けてやってください!
別荘についてから一通り別荘の中を見学していた。穂乃果と海未と凛、そして空也が寝室を見に行ったり、にことことり、真姫が厨房で料理人の話をしていたり、リビングで絵里と希が話しているところに端っこに隠れていた花陽が加わったりしていた。
そしてその短い自由時間もすぐに終わり練習の時間となった。
海未「これが! 合宿での練習メニューになります!」
そして海未の考えた練習メニューをみんなに公表した。
そのメニューの内容はランニング、遠泳、筋トレ、精神統一、発声、ダンスレッスンとみっちりと練習する内容だった。
希「おぉ~」
その多さに希もこんな声しか出なかった。
さすがにこの量を1日でやるのは骨が折れる。
ことり「すごい……。こんなにびっしり…」
ことりも少し量の多さに脱力しかけている。
そしてそんな中不満を持った集団の1人がその不満を漏らす。
穂乃果「う~、って海は?」
それは穂乃果だった。ほかににこと凛は当たり前だとして花陽まで海水浴をする準備は万端である。
そんな穂乃果の主張も、
海未「私ですが?」
なぜか海未の天然なボケによって受け流されてしまう。
そのボケに対して穂乃果はすぐに間違えを指摘する。
穂乃果「そうじゃなくて、海だよ! 海水浴だよ!」
そう。穂乃果たちは海水浴をしたくて仕方がないのだ。
しかしそのことが通用しなかったようで、
海未「あぁそれなら、ほら」
海未は笑顔でメニューを指差した。
そこにあったのは『遠泳10km』ということだった。
穂乃果「遠泳10㎞……」
その距離に穂乃果は一気に練習のやる気をなくす。まぁ、今日は元からほとんどないのだが。
そしてそのあとにやる練習もハードであった。
にこ「その後ランニング10㎞……」
そう。そのまま走るのだ10kmも。それはいくら運動しているからと言ってきついどころの騒ぎではなくなっていしまう。
しかしそのことに海未は気づかない。
海未「最近基礎体力を付ける練習が減っています。せっかくの合宿ですしここでみっちりやっておいたほうがいいかと」
確かにダンスの練習が多いがやっていないわけではない。最低限以上はやっていたはずだ。
そしてこのメニューを見た絵里が思ったことはただ一つ。
絵里「それは重要だけど…、みんな持つかしら…」
この練習を全部やるのにあたってすべてできるのはいるのだろうか? プロのアスリーとでもこのメニューは厳しいと思うのではないだろうか?
絵里の言ったことに対して海未は、
海未「大丈夫です。熱いハートがあれば」
ガッツポーズをしてそう言った。しかしこれが海未自身がメニューのきつさに気が付かないことだった。確かに気合があればなんとかなることも多いがそれでもできないことはある。今回は絶対にできないほうになるほどの練習量だった。
この練習をやらせるわけにはいかないと思った空也が動き出す。
空也「まあまあ、まだここにきてあまり時間がたってないんだ。少し遊ぶくらいいいんじゃないか」
確かにこの場所に来たからにはみんな遊びたいと思うはずだ。だったらやる気を出すために遊んでもいいだろう。
そう考えた空也の考えも、
海未「空也は甘すぎます。そんなことではラブライブなんて出場できませんよ!」
確かに空也は甘いのだ。しかしそれでも必要以上に甘くしたりはしない。
だから空也はあることを提案する。
空也「そうだな……。じゃあ今度またもう一回合宿に行くのはどうだ。費用は俺が出すし、問題ないだろ」
それは空也の今までにしてきた約束を一気に果たすために提案した。
その言葉に海未は1つ疑問ができた。
海未「空也はいきなり10人分の旅費を出せるんですか?」
穂乃果が言い出した時にも出た費用の問題が空也だけに行くのが疑問に感じた。
そのことに関しては全く問題がないようで、
空也「あぁ。まぁ、フェリー代だけで済むし大丈夫だ」
その言葉から大丈夫だということが分かった。
海未もきっと遊びたかったのだろう。その空也の提案を受け入れて、
海未「そうですか。じゃあそうしましょうか」
遊ぶことを容認した。
海未の言葉を聞いた瞬間水着姿だった穂乃果たちは海未に向かって走り出す。
穂乃果「やったー! いっけー」
そして空也がなぜこのような行動をしたのかが絵里にはわかっていた。
絵里「まぁ、μ'sはこれまで部活の側面も強かったからこんな風に遊んで、先輩後輩の垣根を取るのも重要なことよ」
なぜなら絵里もそうしようとしていたからだ。先輩を禁止にするなら対等な立場で仲良くなるのが一番である。
そしてそう思っていたのは絵里だけではない。
空也「そういうこと。じゃあみんなも行って来い」
先ほど提案を出した空也自身もこのことになれるのには遊んだほうがいいと自分の経験則からわかっていた。
練習着だった人たちも水着に着替え全員で別荘の前なる海へと向かった。
にこ「お~い。早く早く!」
そしてやってきた人たちを先に来ていたにこが呼ぶ。
そこからいろいろ遊んだ。
希がカメラでみんなの水着姿を撮ったり、ことりの最近開花し始めたSっ気が出てみんなの顔に水鉄砲をあてたりしていた。また空也はちょくちょく海に入るが監視のためか砂浜にいることが多かった。
みんなで遊んでいる中、今までみんなと海に入っていない真姫のいるビーチチェアににこは座りに来た。
にこ「全く。PVの撮影とはいえ小悪魔演じるのも大変よね~」
チェアに近づきながらそんなことを言っている。
そんなにこの言葉に、
真姫「そうね」
空也「そうだな」
真姫と空也は話半分で聞いていた。
真姫と空也に流されたにこは、
にこ「となり、いいかしら」
負けないように真姫に確認をとる。
にこに聞かれた真姫は、
真姫「いいけど」
本を読んでいるせいか短く答えた。
許可が取れたためにこは真姫の隣に座る。
にこ「失礼」
隣にいる真姫を見るとそのプロポーションに、にこが真姫に張り合って足を延ばしていた。しかしそのにこの姿ははっきり言っておっさんっぽかった。
そんなにこを見て空也は、
空也「無理しちゃって……」
あきれながらにこに小さく言った。
そんなつぶやきににこは反応した。
にこ「なんか言った?」
ギロリとにこは空也をにらみつける。
そんな空也は肩をすくめ何もなかったことにする。
空也「いいや……。っと」
そして言い終わると同時ににこのもとにビーチボールが来たのでぶつかる前に空也が手で受け止めた。
助けてくれた空也ににこはお礼を言う。
にこ「あっありがと……」
そのお礼を素直に受け取る空也。
空也「どういたしまして」
そしてそのあとに先ほどから近くで遊んでいたバレー組がにこたちのことを呼ぶ。
穂乃果「ごめん。にこちゃん」
代表して穂乃果がにこに謝る。
そんな穂乃果たちににこは、
にこ「もっと遠くでやりなさいよ」
ぶつけられそうになったことを根に持っているのかそう答えた。
そんなことは関係ないと穂乃果が、
穂乃果「にこちゃんもやろうよ~」
にこのことを誘う。
その誘いをにこは受け入れなかった。
にこ「そんな子供の遊び、やるわけないでしょ」
しかし次の凛の言葉でそれはすぐに変わることになる。
凛「そんなこと言って、ほんとは苦手なんだにゃー」
凛は少しにこを馬鹿にしたような感じで挑発をする。
凛の挑発に対抗してにこは、
にこ「何言ってんのよ! 見てなさい! ラブニコアタックをお見舞いしてやるわ」
空也からビーチボールを受け取り穂乃果たちのもとに走っていく。……ラブニコアタックって何?
にこが来たことによりそこにいたほかの2人も穂乃果が誘う。
穂乃果「真姫ちゃんも空也君もやらない?」
真姫は聞かれたとたんは本から目を離すがすぐに読書に戻ってしまった。
真姫「え? 私は別に……」
その様子を見た空也は、
空也「なるほど……。いや俺は見てるだけでいいから遊んでな」
真姫の事情をなんとなくだが理解して、自分で決めた役目があるので近くにはいるが参加しないことを告げた。
バレーを再開している途中に空也のもとに希と絵里がやってきた。
希「なるほどね」
希は先ほどの会話で今何とかしなければならないことを理解した。
そしてそれは絵里も一緒だった。
絵里「真姫はなかなか大変そうね」
ただ他人事のように言っている絵里に、
空也は今までのことを思い出しながら、
空也「お前が言うな。絵里。俺たちからしたらお前も大変だったぞ」
絵里に皮肉を言った。しかし、大変だったのは事実である。
そのことは絵里もわかっているようで顔を赤くしながらバツが悪そうに顔を背けた。
絵里「もう……、それを言わないでよ…」
その後、水泳競争などをやっていくうちにだんだんと日が傾いてきたのでみんなは遊ぶことをやめた。
遊び終わりリビングに全員でくつろいでいるとことりが真姫に聞いたあることを告げてきた。
穂乃果「買い出し?」
別荘には大型連休嫌いでしか来ない成果冷蔵庫には全く食料が入ってなかったのだという。
そして買い物をするのにあたり大変なことが1つあった。
ことり「なんかスーパーが結構遠いらしくて」
それほど近いというところにスーパーがないのだという。
そのことに驚きつつも近所を見て回れると思った穂乃果が手を挙げながら、
穂乃果「え!? じゃあ行く行く」
行くことを立候補した。
しかしそのあと真姫がやってきて、
真姫「別に私一人で行ってくるからいいわよ」
そう言って穂乃果の申し出を断った。
しかし穂乃果もだがほかのメンバー全員が思ったことは、
空也「真姫一人でか?」
真姫が1人で行くと言い出したことだ。なぜなら真姫はお嬢様で食材の買い物をするようには見えなかったからである。
でもそれはあることが理由だった。
真姫「私以外お店の場所わからないでしょ」
真姫の言う通り真姫以外はここの土地勘がない。どこにどのお店があるかなんて知っているのは真姫ぐらいである。
そしてその真姫の申し出を今度は希が、
希「じゃあうちがお伴する」
同伴という形で断りを入れた。
そしてそれに習い空也も立候補する。
空也「俺も行くよ。力仕事になりそうだし」
10人分の食材を女性2人だけで持ってくるのはさすがに骨が折れるだろう。そう考えて空也は手を挙げた。
さすがに予想していなかったのか、
真姫「え?」
真姫は困惑していた。
それを打ち破るかのごとく希は、
希「たまにはいいやろ。こういう組み合わせも」
どことなく不思議なニュアンスを含んだ言い方をした。
そしてスーパーに3人で行くことになった。その間に希が夕焼けの様子を見て、
希「お~、きれいな夕日やね」
都会ではなかなか見ることのできない風景の美しさに少し感心していた。
そしてそれは空也も同じであった。
空也「本当に景色がいいなここは」
なかなかここまで景色のいいところは見つからないだろう。
しかし真姫には気になることがあった。
真姫「どういうつもり?」
それは先ほどの希の言ったことがずっと気になっていた。
すぐのそのことについて聞いていることを察した希は、
希「別に? 真姫ちゃんは面倒なタイプだなぁ~って」
素直に何か意味のある行動だということを打ち明けた。
そして男性の目があるときにめんどくさいといわれた真姫は、
真姫「ちょっとそれ空也がいる前でいうこと?」
やはり恥ずかしいのかトマトのように顔を赤くして希にそう言った。
自分の名前が出てきたことにより、どことなくフォローしておいたほうがいいという感じになった空也は、
空也「まぁ俺は気にしないし、けどお前は何となく絵里に似てるんだよ」
きっと希と同じ考えを持っているのだろう。そのことの補足を入れた。ただしそれが希の考えていることのすべてというわけではない。
しかしそのことを今出すことは希はしなかった。
希「そうや、本当はみんなと仲良くしたいのになかなか素直になれない」
そして空也の言っていることも間違いじゃないためそのまま会話を続ける。
そこまで言われた真姫は、
真姫「私は普通にしてるだけで……」
そっぽを向いて答える。
その動作が素直になれていない証拠であると思うのだが、と感じた空也は、
空也「それ、それ。そうやって素直になれないことを隠す。それが似てるんだ」
もうすべてを教えることにした。こればかりは理解してても治ることではない。やはり慣れていかなければならないのだ。
しかし今はその空也の言葉に目を背けたい真姫は、
真姫「っていうか。どうして私に絡むの?」
必要以上に絡んでくるように感じたためそのように聞いてくる。
そしてそのことを認め空也は答える。
空也「俺は、友達として真姫にみんなとより仲良くなってほしいからだしそれに俺自身も仲良くなりたいと思ってるからな」
友達になった以上今より仲良くなりたいと思うのは普通であるし、もっと他のみんなとも仲良くなってほしいと思うことだって何もおかしいことではない。
そして今度は希の番。
希「うちの場合は、ほっとけないのよ。よく知ってるから。あなたに似たタイプ」
その人物に関して深くは触れていない。
なのだがそれでも今までの会話の流れを考えると1人の人物が真姫の頭に浮かんだ。
真姫「何それ……。どうせあの人の事でしょ。意味わかんない」
あの人というのは絵里のことであり、そして今まで感じてた人のことを自分に重ね合わせてみると合わないように真姫は感じていた。
言いたいことは全部言えたのか、希がこの話題を締めくくる。
希「ま、たまには無茶するのもいいと思うよ。合宿やし」
その内容はこれからの真姫に対するアドバイス。
その内容に関して空也も同意見だった。
空也「だな」
その会話が終わるころにスーパーについたので今晩と愛他の分の食材を買って別荘に戻った。
はい。今回の回で前回のサブタイで1が付いていたのに今回全く違うサブタイになった理由が分かったと思います。
そうです。もう一度あります、合宿が。そしてその場所はきっと予想が付くと思います。ヒントはフェリーです。
次回『さぁ、料理を始めよう』
それでは、次回もお楽しみに!
Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!