ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回から合宿回ということでさらに空也の耐性が見れる回になってます。
どうぞ暑い夏の日に頑張る彼女たちをご覧あれ!
学校はすべての学生が望む夏休みになった。その間も部活であるµ'sの活動はある。しかし……、
にこ「暑い……」
にこの言う通り気温と湿度が高いため運動するのには適さない状況になっていた。
穂乃果もたっている状態なだけで汗をかいている。
穂乃果「そうだね…」
また穂乃果も暑さには勝てないのかかなりダル気にしている。
そしてにこの不満が爆発する。
にこ「ていうかバカじゃないの! この暑さで練習とか」
あまりの暑さでしかも日差しの強い屋外で練習するのはきついらしい。
そんなことを言っているにこに絵里は、
絵里「そんなこと言ってないで早くレッスンするわよ」
やる気の落ちているみんなを先導した。
はきはきとしゃべる絵里に、
花陽「う……、はい……」
まだ花陽は慣れていないようで少しかしこまってしまう。
そんな花陽に絵里は、
絵里「花陽、これからは先輩も後輩もないんだから。ね?」
やさしく声をかけた。そして最近絵里はメンバーの呼び方をさん付けから呼び捨てに変えたようだ。絵里からはもっと近づきたいと思っての行動だった。
花陽もそんな絵里を安心させるように、
花陽「はい……」
凛の後ろに隠れてそう言った。それでは絵里は安心できないとは思うが。
そんな話をしているとあることを思いついたようで先ほどと一転元気になる。
穂乃果「そうだ! 合宿行こうよ!」
それは合宿をするという宣言だった。そして本当に楽しそうにいう穂乃果はそう言った。
その発想が思いつかなかった空也は、
空也「合宿?」
穂乃果に本当にそうするのかを尋ねる。
それはにこも同じだったようで、
にこ「はぁ? 何急に言い出すのよ」
空也と同じく穂乃果に聞き返す。
しかし聞かれた穂乃果は自分の思いついた案が名案だと感じているようで、
穂乃果「あ~ぁ、なんでこんないいこと早く思いつかなかったんだろ~」
空也たちの言葉が聞こえていなかった。
そしてその考えはほかの人たちもいいと思ったようで、
凛「合宿か~、面白そうにゃー」
凛もその気になっていた。
そして意外なことに希も賛成なようだ。
希「そうやね。こう連日炎天下での練習だと体もきついし」
確かにここ最近の気温は高く広い場所が屋上しか使えない学校内での練習はつらいものがあった。
しかしそうなると考えなくてはいけないことがいくつかある。
花陽「でも……、どこに?」
その1つは花陽の言う通りどこにするか。
そしてそれは穂乃果に考えがあったようですぐに答える。
穂乃果「海だよ! 夏だもの」
海ということは決まっていたらしい。しかしそれは具多的な場所ではない。
そして次に決めなくてはいけないのは、
海未「費用はどうするのです?」
1人当たりどれだけの金額が必要なのか。
費用の言葉が出てきた瞬間穂乃果の顔が暗くなる。
穂乃果「それは……、ことりちゃんバイト代いつ入るの?」
そう思ったらすぐさまことりの所に行き耳元で、そう呟いた。
聞かれたことりは、
ことり「えぇ~!」
ただただ驚いた。バイトを数か月しただけのことりに全員分の旅行費は出せないだろう。
空也はそんな穂乃果にツッコミを入れる。
空也「ことりをあてにすんのかよ」
空也に言われた穂乃果は、空也に反論をしながらもお金が必要ない方法を思いついた。
穂乃果「違うよ~。ちょっと借りるだけだよ。そうだ! 真姫ちゃん家なら別荘とかあるんじゃない?」
それは、お金持ちの部類に入る真姫に頼むということ。それならお金は安く済むだろう。
そして真姫は自分の家の持っている別荘の場所を思い出し、
真姫「あるけど……」
穂乃果にそう伝えた。
あるということが分かった穂乃果はかなり喜んだ。
穂乃果「ほんと!? 真姫ちゃんおねが~い」
穂乃果は真姫に抱き付き頼み込んだ。
抱き付かれた真姫は、
真姫「ちょっと待って! なんでそうなるの!?」
顔を赤くしながらいきなり言われたことに反抗してしまう。
その言葉を聞いて絵里は、
絵里「そうよ。いきなり押しかけるわけにはいかないわ」
真姫の味方をする。確かにいきなりこの大人数で尋ねるのも迷惑がかかるだろう。
絵里の言葉と真姫の反論を聞いた穂乃果は、
穂乃果「そう、だよね……」
目をウルウルさせながら納得した。
そして周りを見てみると空也以外は残念そうに真姫のことを見ていた。
真姫「仕方ないわね……。聞いてみるわ」
そんな状況にいたたまれなくなった真姫は了承することにした。
真姫の答えにみんなが喜ぶ。
穂乃果「ほんと!」
凛「やったにゃー」
そして空也が残念がっていなかった理由は、
空也「じゃあ合宿頑張ってこいよ」
自分が行くつもりがなかったからである。
空也が言ったことに穂乃果が反応する。
穂乃果「何言ってんの空也君? 空也君も行くんだよ」
穂乃果は空也も一緒に行くつもりだったようだ。
そう思っていなかった空也は、
空也「はぁ? なんで?」
予想だにしない穂乃果の答えに驚いた。
そしてその理由は穂乃果の口から話される。
穂乃果「それは空也君もアイドル研究部の一員だからだし、それにもうμ'sの一員でもあるんだよ」
そう、もう空也はµ'sの1人である。それがたとえ男子一人という状況でも合宿に仲間同士で行くのは当然であった。
そしてそれはほかのメンバーも同じ考えだった。
絵里「そうね。いいんじゃないかしら?」
穂乃果と絵里、そしてみんなの顔を見ているといいのだと感じた空也は。
空也「みんながいいならいいけど……」
その合宿に参加することになった。
そしてその予定が決まった瞬間に絵里がある考えを思いついた。
絵里「そうだ。これを機にやってしまったほうがいいかもね」
それが合宿でやるようだがいったいどういうものなのだろうか……?
予定が決まり7月が終わる前に合宿に行くことになった。
そして合宿当日になる。みんなが駅に集合すると絵里から思いもつかないことを提案された。
穂乃果「えぇ~! 先輩禁止?」
そう。絵里から言われたのはこの部活内で先輩後輩の関係をなくそうとのことだった。
発案した絵里はその案を出した理由を告げる。
絵里「前からちょっと気になっていたの。先輩後輩はもちろん大事だけど踊っているときにそういうことを気にしちゃダメだから」
目立たなければならない状況で上級生のために動きが小さくなってしまったらいい作品にはならない。そういったことがあってはならないと思ったからこその作戦を出したのだ。
するとその提案の意味を理解した海未は、
海未「そうですね。私も3年生に合わせてしまうところもありますし」
そういったことが海未も経験があったらしい。
その海未の経験が疑問ににこは感じた。
にこ「そんな気遣いまったく感じないんだけど」
練習での海未にはそんな気遣いがにこには分からなかった。
その理由を凛が話す。
凛「それはにこ先輩が上級生って感じじゃないからにゃ」
一応上級生であるにこにはっきりと言う凛。
凛の答えを聞いたにこは凛に聞き返す。
にこ「上級生じゃなきゃ何なのよ!?」
聞かれた凛は自分の思っているにこの印象を告げる。
凛「う~ん……、後輩?」
確かに身長は低いのでそう見えなくもない。
それに続き穂乃果がにこに告げる。
穂乃果「っとういか子供?」
確かに小さいため子供にも見えなくもない。空也も制服のリボンが見えなかったらそう判断していただろう。
そして最後は希がしめる。
希「マスコットだと思ってたけど」
ツインテールに小さい姿確かにマスコットにも...見えなかった。
凛たちの言ったことににこは、
にこ「どういう扱いよ!」
そう言わずにはいれなかった。
そんなやり取りも一通り終わり空也が疑問になっていたことを絵里に聞く。
空也「それって俺も……」
そう。ダンス中を意識したうえでの提案なら空也が入るかが疑問に残った。
しかしそれは空也だけの疑問だった。
絵里「入るに決まってるでしょ。早速今から始めるわよ。穂乃果」
空也もそれだけ信用されているということだ。そして今から先輩後輩は禁止される。
絵里に名前を呼ばれた穂乃果は、
穂乃果「あ、はい。いいと思います。えっ絵里ちゃん!」
今まで上下関係はしっかりとしていたのでまだ少し敬語のままだが同級生を呼ぶように絵里のことを呼ぶことができた。
穂乃果ができたことで、
絵里「うん」
絵里は笑顔で返事を返した。
慣れないことをした穂乃果は、
穂乃果「ふぅ~、なんか緊張」
ドキドキしていたのか胸に手を当てて緊張したことを体で表現する。
穂乃果ができたことで次は凛が挑戦する。
凛「じゃあ凛も! ふぅ、ことり……ちゃん?」
最後は疑問形になってしまったがそれでもしっかりと呼ぶことはできた。
ことりもそんなことは気にせずに、
ことり「はい。よろしくね、凛ちゃん」
絵里と同様に笑顔で答えた。
そして何か面白そうなことを思いついたのか希が空也に声をかける。
希「空也君もやってみなよ」
にやにやしながら空也にそう言った。
完全に空也のことをおちょくっている希に、
空也「あっあぁ、よろしくな希」
空也は慣れているようですぐに対応して見せた。
その対応に希が驚いた。
希「あれ意外と平気なの?」
ちょっとつまらなそうにしているがそれは空也には関係なかった。
そして告げられる衝撃の真実。
空也「あぁ、初音島じゃ希たちと同じ学年だったしな」
今まで穂乃果たち以外は空也が初音島の風見学園に編入していることは知っていても飛び級をしていたことは空也はまったく口にしていなかった。
当然、そのことに驚く。
にこ「え!? それは初耳なんだけど⁉」
しかしそのことは今詳しく話そうとは思わなかった。
空也「まぁいいんだよ俺の事は、この夏休みのどこかで話すつもりだから」
空也にはその言うタイミングが大事だということはわかっておりその状況になるまで話さないようにしておくことにしていた。
ことりは空也の言葉を信じ、
ことり「そうなんだ。じゃあ、次は真姫ちゃんも」
先ほどの名前を呼ぶことの続きをし始めた。
そして呼ばれた真姫は、
真姫「え!?」
恥ずかしそうに目を背ける。
ジ―――――
しかしそんな真姫をみんなが見つめた。
真姫「べっ別にわざわざ呼んだりするもんじゃないでしょ!?」
その状況が耐えられなくなったようで真姫は反抗した。
確かにそうではあるのでここに長い時間いるのもよくないと判断した絵里は、
絵里「そうね。では改めてこれより合宿に出発します。部長の矢澤さんから一言」
部長であるにこに話の主導権を渡した。
急にあてられたにこは驚く。
にこ「え!? にこ!?」
先ほどの真姫と同じようにほかのメンバーが全員に子のことを見ていた。
ジ―――――
にこ「えっと……、しゅっしゅっぱーつ!」
そんな中にこが発した言葉は少し声がかすれ気味で焦っているようだった。
あまりに短いその言葉に、
穂乃果「それだけ?」
みんなが想っていたことを穂乃果が代弁した。
穂乃果にそう言われたにこは、
にこ「考えてなかったのよ!」
少し焦りながらみんなにそう言った。これはアドリブ力も鍛えなくてはいけないのではないだろうかと空也は思っていた。
数時間電車に揺られながら過ごしているとどうやらついたようでそこから徒歩でまきの別荘に向かった。
真姫以外「「「「「「「「「おぉ~!」」」」」」」」」
その別荘を前にした真姫以外のメンバーはあまりの大きさに驚いていた。
穂乃果は今までに見たことのない建物だったため、
穂乃果「すごいよ真姫ちゃん!」
興奮気味に真姫にそう言った。
そしてそれは凛も思っていた。
凛「さっすがお金持ちにゃー」
しかしそんなこと言われてもまきにはこれが普通なことである。
真姫「そう? 普通でしょ」
だからあっさりとこういう風にふるまうのだ。
真姫の別荘を見たにこは、
にこ「ぐぬぬぬぬぬ」
その大きさに軽く嫉妬していた。
そんなにこを空也が現実に戻し、
空也「何やってんだよにこ、早く行くぞ」
行ってしまった穂乃果たちを後から追いかける。
空也の言葉でようやく動き出したにこも、
にこ「わかってるわよ」
そうして真姫の別荘に入っていったのだった。
ともあれこれから初めての合宿が始まるのであった。
というわけで合宿回がスタートしました。
これからの合宿回は長くなると思うので時間差すぎる誕生日回も楽しみにしていてください。
次回『みんなでなかよく』
それでは、次回もお楽しみに!
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