ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回は前回言ったとおり私のやりたかったことがようやくできる回です。この場面からしかできなかったのでとても満足しました。

それでは彼女たちの想いを見届けてやってください!


心からの叫び

空也side

 

 昨日の相談で生徒会長にダンスを教わることが決定した空也たちはすぐに行動を移しに来ていた。

空也「お願いします。ダンスを教えてください!」

 そこには深々と頭を下げてお願いする空也の姿があった。

 

 空也に言われた絵里は、

絵里「私にダンスを?」

 ダンスのことは本気なようでダンスという単語に反応する生徒会長。

 

 生徒会長の言葉を肯定し、

穂乃果「はい! 教えていただけないでしょうか。私たち、うまくなりたいんです!」

 穂乃果は今の自分が思っていることを熱心に伝える。

 

 生徒会長は何か少しためらっているような感じだった。

幹「なんかわかんないけど面白そうなことになってるな。生徒会の仕事なら俺がしっかり やっておくからやって来いよ」

するとちょうどいいタイミングで幹がやって来た。

 

 その言葉で生徒会長自身は安心した。

絵里「…………。わかったわ」

 幹の言葉があったからか生徒会長はダンスレッスンをしてくれるということになった。

 

 生徒会長の口からききたい言葉が出た瞬間、

穂乃果「本当ですか!」

 穂乃果は本当にうれしそうにそう言った。

 

 しかし生徒会長にもダンスにかけるプライドはあるようで、

絵里「あなたたちの活動は理解できないけど、人気があるのは間違いないみたいだし、引き受けましょう。……でも、やるからには私が許せる水準まで頑張ってもらうわよ。いい?」

 本気でやることを条件に引き受けることにした。

 

穂乃果「はい!」

 生徒会長にそんなことを言われてもすでにやる気のある穂乃果はすぐに返事をして見せた。

 

 そして頭を下げてまでお願いした空也は、

空也「お願いします!」

 もう一度頭を下げて生徒会長に感謝した。

 

 

 

 

 

 

 そのころ生徒会長のやり取りを見ていたにこは……

にこ「いやな予感しかしないわ…」

 これからおきることにそんな不安を抱いていた。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幹side

 

 μ'sが屋上に言った後で幹は希と二人きりになった。

希「幹君大丈夫なん?」

 普段は生徒会の書類仕事をやらない幹に希は心配そうに幹に声をかける。

 

 その希の心配を受けた幹は、

幹「大丈夫さ。少しは好きなやつのために働きたいしな」

 今の自分の心境を希に伝えた。幹が絵里のことを好きなのは希だけが知っていた。しかし幹が好きなのは絵里であって生徒会長ではない。

 

 幹がこういう一面を見せるのが少ないため、

希「本当にえりちのことが好きなんやね」

 少し本音が漏れてしまう。

 

 希の言葉は幹に聞こえていた。

幹「希だって好きだろ? 絵里のこと」

 そんな幹も希が絵里のことを好きなのは知っていた。

 

 そう言われた希は優しげな眼をして、

希「そうやけど。やっぱり幹君にはかなわないって思うんよ」

 今の自分が思っていることを告げる。それと同時に希は自分も同じように思ってくれる人ができるのかと考えていた。

 

 希の考えていることを知ってか知らずか、

幹「そうか……。さて、普段仕事に参加できてないしここはしっかりとやりますか!」

 幹は気分を明るくして生徒会の仕事に入ることにした。

 

 その幹の行動に希は笑顔で答え、

希「そうやね」

 幹と同じく生徒会室に入っていった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 生徒会長を連れて屋上に練習をしに来た空也たちはさっそく生徒会長にダンスを見せていた。

凛「どわわわ~ぁ」

 しかし凛が途中でバランスを崩してしまいダンスが途中で終わってしまう。

 

 転んだ凛にすぐに近づく花陽。

花陽「凛ちゃん!」

 

 お尻から着地してしまった凛は、

凛「いった~い」

 自分のお尻を抑えながら本当に痛そうにつぶやいた。

 

 そんなダンスを見た生徒会長は、

絵里「全然ダメじゃない。よくこれでここまでやってこれたわね」

 皮肉交じりにそう言った。

 

 さすがにこの現状では反論できないので、

穂乃果「すいません……」

 穂乃果は素直に謝った。

 

 そんな中昨日のことを思い出して、

凛「昨日はばっちりだったのに~」

 凛が悔しそうにそう言った。

 

 凛の言葉から生徒会長はあることが足りていないことに気が付いた。

絵里「基礎ができてないからムラができるのよ。足開いて」

 生徒会長は凛のすぐ後ろに立ってそう指示をした。

 

 凛はそれを素直に受け入れ、

凛「こう?」

 足を開くといきなり生徒会長は凛の背中を勢いよく押した。

 

 急に押された凛の体はすぐに止まり、

凛「いっ痛いにゃー!」

 凛は大声でそう言った。

 

 痛がっている凛を見た生徒会長は少しあきれ気味に

絵里「これで? せめて少なくとも足を開いた状態でおなかが床につくようにならないと」

 今の凛にとっては地獄ともいえることを言った。

 

 当然そう言われた凛は、

凛「え~!」

 ものすごく嫌な顔をして驚いていた。

 

 しかし何も考えがないわけではもちろんない。

絵里「柔軟性を上げることはすべてにつながるわ。まずはこれを全員できるようにして。このままだと本番は一か八かの勝負になるわよ」

 ダンスを経験してきたからわかること。それほどまでに柔軟は重要なことだった。

 

 あまりにハードな内容から、

にこ「いやな予感的中……」

 にこは想像通りだったのかそう言葉を漏らしていた。

 

 生徒会長に言われたことをアイドル研究部全員でやったのだができたのはことりと空也だけだった。その後も絵里による指導が繰り返された。内容は筋肉トレーニングに体幹トレーニングと運動における基礎をやり続けた。

 

 そんな中生徒会長と2人で空也は話していた。

空也「絢瀬会長。すごいですね」

 容赦のないそして的確な指導内容は空也も驚いていた。

 

 しかしそんな生徒会長でも空也に対して驚きをもっていた。

絵里「何よ。今まで何もやってきてないあなたが全部できてるなんて私いる必要ないんじゃないかしら」

 生徒会長の言った練習内容をすぐにクリアしていたのだ。

 

 そんな生徒会長の驚きも空也にとってはうれしいものではなかった。自分に必要なかったから重要だということに気が付かなかった空也は少し落ち込んでいた。

空也「俺は、出来るだけです。教えることはできない。っと花陽が」

 そんな話をしていると体幹トレーニング中の花陽が転んでしまう。

 

 かなりきつい練習だったようで、

凛「かよちん! 大丈夫!?」

 いつも以上に凛が大きく反応する。

 

 そんな凛を安心させるべく、

花陽「だっ大丈夫」

 花陽はそう告げる。そう言ってる花陽は疲れこそはあるが怪我などはしていないようだった。

 

 しかしそんなやり取りをしていると生徒会長から厳しい言葉が入る。

絵里「もういいわ。今日はここまで」

 冷たく言い放つその言葉は今の花陽たちにとって傷つく言葉だった。

 

 あまりに突然すぎるその言葉に、

凛 花陽「「え……!?」」

 凛と花陽……、それだけでなくほかのメンバー全員も驚いていた。

 

 そんな中一番に反応したのはにこだった。

にこ「ちょっ! 何それ!」

 あまりに冷たい一言にさすがに苛立ちを表に出した。

 

 そしてにこが反応するとだんだんとみんなが動き始める。

真姫「そんな言い方ないんじゃない!?」

 花陽が原因で言われたその言葉を真姫が反論をする。

 

 しかしその反論も、

絵里「私は冷静に判断をしただけよ。自分たちに実力が少しはわかったでしょ。今度のオープンキャンパスには学校の存続がかかっているの。もしできないっていうなら早めに言って。時間がもったいないから」

 生徒会長の今の状況での言葉としては間違っているわけではない。

 

 生徒会長がそういって屋上から出ようとするとき

空也「絢瀬会長。まってください! 穂乃果」

 空也が生徒会長のことを止め穂乃果に呼びかけた。

 

 穂乃果は過ぎに空也の言いたいことが分かった。

穂乃果「うん! 生徒会長。ありがとうございました!」

 頭を下げて生徒会長にお礼をする。時間をかけてまで指導をしてくれたのだこうするのは当たり前だろう。

 

 しかしあんなことを言った後でできるかと言われればできる可能性は限りなく少なくなる。

絵里「え……?」

 そんな中しっかりとそれをやった穂乃果たちを見て生徒会長は驚いた顔をする。

 

 そして穂乃果は続けて話す。

穂乃果「明日もお願いします!」

他6人「「「「「「お願いします!」」」」」」

 穂乃果が言ったのに合わせてほかのメンバーが全員生徒会長にまじめに言った。

 これは彼女たちがあきらめていないということ。それだけ今の彼女たちにはやる気があるのだ。

 

 そのことを知っている空也は、

空也「こういうことなので、お願いします」

 屋上から出ていきそうな生徒会長にそう言って見ていなくても頭を下げた。

 

 生徒会長は何かを考えるようにして屋上から出て行った。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里side

 

 μ'sのダンスレッスンを頼まれた日の夜。生徒会長は何か思うところがあったのか亜里沙の部屋に来た。亜里沙はどうやらμ'sの動画を見ていたようだ。

絵里「亜里沙」

 部屋に入って亜里沙に声をかける。

 

 亜里沙は聞いていたイヤホンの片方をとり応じる。

亜里沙「お姉ちゃん」

 

 生徒会長は亜里沙の机の近くに行き、

絵里「貸して……」

 そういって亜里沙からイヤホンを一個借りる。

 

 μ'sの曲を聴いている生徒会長に亜里沙が声をかける。

亜里沙「私ね、μ'sのライブ見てると胸がか~って熱くなるの。一生懸命でめいいっぱい楽しそうで」

 それは亜里沙の持っているμ'sの好きなところ。μ'sのことを話しているときの亜里沙の目は輝いていた。

 

 しかし生徒会長はその動画を見て、

絵里「全然なってないわ……」

 やはりダンスのことを意識してみてしまう。

 

 亜里沙はそれは当然だと思っている。

亜里沙「お姉ちゃんに比べればそうだけど……。でもすごく元気をもらえるんだ~」

 ダンスが生徒会長ほどうまいとは言えない。だけど得るものは多くあった。それが亜里沙の思ったことだった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 翌日の土曜に練習するということで学校の屋上に穂乃果たちは来ていた。

穂乃果「おはよう!」

 元気に挨拶をする穂乃果。

 

 すると先に来ていた空也とことりと海未がそれにこたえる。

空也「おはよう。穂乃果」

ことり「おはよ~」

海未「おはようございます」

 海未のことりは準備運動を軽くしながら答えた。

 

穂乃果「よっし! がんばろう!」

 そして穂乃果はすでにやる気満々で早く練習がしたいようだった。

 

 そういってる穂乃果を後に空也は屋上のドアに何かを感じ近づいた。その扉を開けてみると生徒会長と真姫の姿があった。

空也 真姫「「覗き見ですか?」」

 ドアの淵の近くにいた生徒会長に真姫と空也が思っていたことを生徒会長に告げる。

 

 突然ドアが開いたことと後ろから声をかけられたことで、

絵里「あ。いえ……」

 一瞬言葉を失うがそれでも答える。

 

 そうしている間に下の階から凛たちがやってきた。

凛「あ~ぁ!」

 昨日あんなに痛めつけられた相手にかけるには合わないようなハイテンションな声で生徒会長のいたことを喜んでいた。

 

 そして凛は生徒会長の背中を無理やり押して屋上へと連れていく。

絵里「ちょっちょっと!」

 急に行動を始めた凛に少し驚く生徒会長は凛にそのまま押されて屋上に足を踏み込んだ。

 

 そして来てくれた生徒会長に穂乃果が声をかける。

穂乃果「おはようございます」

 

 そして練習内容はきっと基礎練だと判断していたので、

ことり「まずは柔軟からですよね」

 ことりがやる気を出してそう言った。

 

 昨日の対応からは考えられない行動に生徒会長が驚く。

絵里「……。つらくないの?」

 昨日は音を上げても仕方がないと思うくらいに厳しくやっていた。そう自分でも思っていた生徒会長は穂乃果たちに聞いた。

 

 来るとは思っていなかった質問に、

空也以外「「「「「「「えっ!」」」」」」」

 μ'sの面々は驚きの声をあげる。

 

 そして先ほどの質問の補足を生徒会長がした。

絵里「昨日あれだけやって、今日また同じことをするのよ。第一うまくなるかどうかも分からないのに」

 

 その質問に穂乃果が真剣な目をして答える。

穂乃果「やりたいからです! 確かに練習はすごくきついです。体中痛いです。でも廃校を何とか阻止したいと思う気持ちは生徒会長にも負けません!」

 その穂乃果の言葉には重みがあった。そしてその瞳は幾度となく空也たちに見えない景色を見せてくれた時にしていた輝いている瞳だった。

 

 そしてそのことを生徒会長に告げる。

空也「っだそうなので。今日もよろしくお願いします。それにうまくならない保証だってないですから」

 確率論に0がないように練習しても上達するかしないかなんてやってみなければわからない。だったらやりたいようにやるのが一番じゃないか。

 

 空也の言葉を聞いてよりやる気を出したμ'sは、

μ's「「「「「「「お願いします!」」」」」」」

 昨日以上に真剣に生徒会長にお願いをした。

 

 それを聞いた生徒会長は無言のまま屋上から出て行って決まった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里side

 

 生徒会長の頭の中で昨日までのいろいろなことが繰り返し聞こえてくる。そんな時……

希「うちな」

 突然後ろから自分の親友の声が聞こえてくる。

 

 反射的にその声のしたほうを向く生徒会長。

絵里「……! 希……」

 そして声をかけてきた人の名前を呼ぶ。

 

 希はそのまま話を続ける。

希「えりちと友達になって、生徒会やってきて、ず~っと思ってたことがあるんや えりちは本当は何がしたいんやろって」

 それが今までの希が想っていたこと。

 

 しかし生徒会長は何でそんなことを聞いてくるのかわからない。

絵里「え……?」

 

 そのまま希は話し続ける。

希「一緒にいるとわかるんよ」

 おっとりした声で希は言う。

 

 

希「えりちが頑張るのはいつも誰かのためばっかりで。だから、いつも何かを我慢してるようで、全然自分の事を考えてなくて……」

 それを聞くと生徒会長はこのままでは自分の心が開けてしまうと思いその場を後にしようとするが……

 

 希はそれを許さない。先ほどよりも強い声で生徒会長を止める。

希「学校を存続させようっていうのも生徒会長としての義務感やろ! だから理事長はえりちの事認めなかったんと違う!?」

 それが4月から希の思っていたことだった。生徒会長が無理をしているのはすぐにわかった。それも初めて会う空也が分かるほどに…。

 

 少しの間を作り今希の本当に聞きたいことを聞く。

希「えりちの……。えりちの本当にやりたいことは?」

 絵里のやりたいこと。それが今の希にはどうしても知りたかった。知ることで何か手伝うことができるかもしれないから。

 

 次々に自分の心の弱い部分に語り掛けてくれる希に、

絵里「何よ……。何とかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない! 私だって好きなことだけやってそれだけで何とかなるんだったらそうしたいわよ!」

 とうとう生徒会長……絵里の本当の言葉が出てくる。

 

 そこから涙目になりながら絵里は続ける。

絵里「自分が不器用なのはわかってる……。でも! 今更アイドルを始めようなんて私が言えると思う?」

 それが今の絵里の想い。そして願いだった。しかしこの状況でできることなんて限られている。それが生徒会長である絵里の考えだったのだ。

 

 そしてその場から逃げようとするところに一人の男の声が聞こえた。

 




やっと絵里ってかけたーーー!!!

それとこのことに関して空也に語らせるといいましたが多分その役は幹と半分こぐらいになるかもしれません。

次回『集結した女神たち』

それでは、次回もお楽しみに!



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