ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
前回から幹君再登場しました。次回はがっつりとは言ってきますので、お楽しみに!
それでは、今回もだんだんと動き始める歯車をしっかりと見届けてやってください!
空也side
空也が無言でリズムを取る中穂乃果がリズムに合わせ掛け声をあげる。踊っているほうのカウントでもやってみようということになりたまにこういう風にやっているのだが、
穂乃果「1,2,3,4,5,6,7,8。よし。おぉ! みんな完璧~」
穂乃果がやってみての感想をみんなに伝える。
その穂乃果の評価から、
ことり「よかった~。これならオープンキャンパスに間に合いそうだね」
少し安心することり。そんなことりはオープンキャンパスの話になるが、
その話で真姫が気になっていたことがあった。
真姫「でも、本当にライブなんてできるの? 生徒会長に止められるんじゃない?」
そう。いくら練習をしたところで見せる場がなければ意味はない。そのことを考えた真姫の発言だった。
しかしそのことは空也も考えていなかったわけではない。
空也「それは大丈夫だ。必ず部活紹介の時間はあるからな。……でもな。海未、やりながら見ててどう思った?」
この活動は部活によるもの。だったら部活動紹介という名目で作品である歌とダンスを見せることはできる。
この話をしている最中にもあまり良いとはいえない表情で話の行く末を見ていた海未は、
海未「まだ駄目です……」
っと先ほどの穂乃果の評価とは反対のことを言う。
海未の言葉を聞いた空也は、
空也「だな。タイミングのズレも少なくないし」
先ほど見ていて思ったことを口にする。
穂乃果は海未と空也の違和感に気が付くも、
穂乃果「海未ちゃん……? 空也君……? わかった。もう一回やろう!」
そういう意見があるなら回数を重ねたほうがいいという考えに至りすぐに次の練習に入る。
先ほどと同じように穂乃果がカウントをやっている。
穂乃果「1,2,3,4,5,6,7,8」
みんながダンスをし終わると連続だったせいか少し座り込むメンバーもちらほらいる。
今度こそといわんばかりに穂乃果はみんなに向けて、
穂乃果「完璧~!」
そう宣言をする。
その判断に踊っていた真姫も同じようで、
真姫「そうね」
明るい表情でそう答えた。
そしてにこは、自信満々に、
にこ「やっとにこのレベルにみんな追いついたわね」
っと胸を張ってこたえるがそれでも海未の評価は厳しかった。
先ほどと大して変わらない表情で海未は、
海未「まだ駄目です……」
自分の評価を告げる。
うまくいったと思い込んでいたほかのメンバーたちは、
海未と空也以外「「「「「「えっ……?」」」」」」
海未のその評価に困惑する。
最初に口を開いたのは凛だった。
凛「うぅ~、もうこれ以上はうまくなりようがないにゃー」
凛はそう言いながらその場に寝転ぶ。
それに追い打ちをかけるように空也が口を開く。
空也「ダメだ。このままじゃ絶対に……」
それが今の空也の純粋な感想。今はこれ以上に言葉を見つけることができない。
そんな様子の海未と空也にしびれを切らした真姫が、
真姫「何が気にくわないのよ! はっきり言って」
強めに聞いた。
そして今度は海未の口から言葉が発せられる。
海未「感動できないんです……」
それが海未の感想。
あまりの短さに、
真姫「えぇ……?」
真姫はあっけにとられるが、
そのまま海未は言葉を続ける。
海未「今のままでは……」
そう、今のままでは感動できないと海未はそう言った。
先ほど感じた違和感をまた海未に感じた穂乃果は、
穂乃果「海未ちゃん……?」
今度は聞いてみることにした。
あまりに話が進まないので空也が海未の言いたいことを言うように話す。
空也「はぁ、今の海未の意見を言え。どうしたらうまく……、人を感動させることができる踊りができるのかを」
空也にそう言われた海未は、
海未「空也……」
空也のことを見つめていた。その目は本当に言っていいのかと問いかけるようだった。
そのことに空也は気が付いた。
空也「いいから言ってみな。それをみんなで決めればいいんだからな」
だから海未を安心させるべく優しく言葉をかけた。
空也に言われたことにより決心がついた海未は、
海未「わかりました。私が今考えてることは、生徒会長にダンスを教わることです」
真剣な表情でほかのメンバーに自分の考えを伝えた。
しかしその内容はみんなを驚かせるもので、
海未と空也以外「「「「「「え!?」」」」」」
今まで対立していた人から教わるということで普通以上に驚いていた。
そんな驚いているみんなに向けて海未は続けて、
海未「あの人のバレエを見て思ったんです。私たちはまだまだだって」
自分の感じたことをみんなに向けてしゃべる。
ようやく驚きも小さくなったようで、
花陽「でも生徒会長、私たちの事……」
花陽は今までの生徒会長の対応を思い出し、
凛「嫌ってるよねぇ~。絶対!」
その続きを凛がはっきりという。
にこは凛たちとは違う意見だったのか、
にこ「というか嫉妬してんのよ。嫉妬」
自分の意見を持ち出し話に参加した。
ここで状況を知っている空也が口を開ける。
空也「俺も最初はそう思った。でも、そんなすごい技術を持ってる人たちが今の、何もわかってないものを見たら、素人と思う以前に遊んでると思われてもおかしくない」
あれほどのダンスを見れば確かにそう思うのは仕方がないと思った空也は巣内に自分の考えていたことを伝える。まぁ、歌がない分そこはしっかりと判断してほしいとは思ったが。
海未と空也の様子を見て生徒会長のダンスを想像したことりは、
ことり「そんなにすごいんだ……」
見ていなくてもそのすごさは伝わったようだ。
そう話していると真姫が今一番気を付けないければいけないことを出す。
真姫「私は反対。潰されかねないわ」
そう。部活がつぶされることが一番回避しなくてはならないことだった。
しかしその考えは空也にとっては関係のないものだった。
空也「それに関しては問題ない」
心配しているまきに短くそう伝える。
空也のその言葉だけでは根拠がないため、
真姫「なんでそんなこと言えるのよ」
その理由を着てくる真姫。
そんな真姫に素直に打ち明ける。
空也「いくら生徒会長でも、私用で部を廃部にできるほどの権力はない」
空也の言う通りいくら生徒会長であってもできるのは予算の管理など。廃部にしたいなら必ず教師陣を通さなくてはならない。
花陽「でも生徒会長、ちょっと怖い……」
花陽の言うことばかりは慣れていくしかないことなのだが…。
凛「凛も楽しいのがいいなぁ~」
凛の言う通り自分たちが楽しんでなければいい創作物は生まれない。
それでもそんな意見に流されずに自分の考えを言う人がいた。
穂乃果「私はいいと思うけどなぁ~」
それが穂乃果だ。
あまりに唐突なその言葉に、
穂乃果と空也以外「「「「「「えぇ!?」」」」」」
予想していなかった人たちが驚く。どうやら空也だけは穂乃果がそういう答えにたどり着くのだとわかっていたようだ。
穂乃果の賛成宣言に驚いたにこは、
にこ「何言ってんのよ」
穂乃果にその言葉の真意を訊ねる。
にこの言葉に穂乃果は続ける。
穂乃果「だって、ダンスのうまい人がそばにいてもっとうまくなりたいから教わりたいって話でしょ」
自分のやりたいことは中途半端でやりたくないという穂乃果の強い意志が感じられた。しかもその言っている穂乃果の顔は楽しそうで。
そしてその穂乃果の言葉に間違えはなかった。
空也「そうだ」
だから空也はその言葉を肯定する。
空也の言葉を聞いた穂乃果は、
穂乃果「だったら私は賛成!」
今まで以上の笑顔で賛成の意をみんなに伝える。
穂乃果がそういうのだがことりには少し心配もあるようだ。
ことり「穂乃果ちゃん……?」
しかし穂乃果には心配なんてない。
穂乃果「頼むだけ頼んでみようよ!」
その穂乃果の言葉はほかのみんなの心配も軽くするほどだった。
あまりの展開の速さににこが止めようとするが、
にこ「ちょっと待ちなさいよ!」
穂乃果の言葉を受けたことりは、
ことり「でも…、絵里先輩のダンスはちょっと見て見たいかも」
少しずつ生徒会長のダンスに興味を持ち始めた。
それは花陽も同じようで、
花陽「わぁ、それは私も!」
少し興奮気味に言う。
穂乃果はみんなの考えが一致したと判断して、
穂乃果「よーし! じゃあ早速明日聞いてみよう!」
それをμ'sの意見として明日行うことを決定した。
そんな中少し不安そうにしているにこがいた。
にこ「どうなっても知らないわよ」
side out
絵里side
生徒会長としてオープンキャンパスの時にしゃべる内容を聞いてもらうべく亜里沙たちに聞いてもらっている。
絵里「このように、音ノ木坂学院の歴史は古く、この地域の発展にずっとかかわってきました。さらに当時の学院は音楽学校という側面ももっており、学院内はアーティストを目指す生徒にあふれ、非常にクリエイティブな雰囲気に包まれてた言います。その音ノ木坂ならではの……」
今の自分が思う最高の学校の特徴を長々としゃべっていく生徒会長。
しかしそれはある1人の少女によってさえぎられる。
雪穂「わ! 体重増えた! ……あ、すいません……」
話の内容とは関係ないことで大声を出したのは穂乃果の妹雪穂だった。
雪穂の言っていた内容から、
絵里「ごめんね。退屈だった?」
聞いてもらっていなかったことを察した生徒会長は、今までの感想を聞こうとした。
聞かれた雪穂はしっかりと答える。
雪穂「いいえ! 面白かったです! 後半すごい引き込まれました!」
……夢の世界にっと後につきそうな感想を生徒会長に言った。
そんなお世辞に生徒会長は気が付いていた。
絵里「オープンキャンパスまでに直すから遠慮なく何でも言って?」
年上だから緊張させているのかもしれないと思った生徒会長はなるべく優しく聞いていた雪穂たちに言った。
何でも言ってといったからなのか生徒会長の妹である亜里沙は動き始める。
亜里沙「亜里沙はあまり面白くなかったわ」
その場に立ち上がって静かにそう言った。
あまりに急だったことから、
雪穂「ちょっと!」
雪穂が驚くが、亜里沙は止まらない。
今までの話を聞いてきて雪穂が思ったことを姉である生徒会長に訊ねる。
亜里沙「なんでお姉ちゃんこんな話をしているの?」
まず思ったことがこれだった。話を聞いていて生徒会長が何をしたいのかがよくわからなかった。
そんなことを言われても生徒会長の答えは一つしかなかった。
絵里「学校を廃校にしたくないからよ」
廃校を阻止するために生徒会長は今の考えていた文章を読んだ。
しかしそれはどうやら伝わらなかったようで、
亜里沙「私も音ノ木坂はなくなって欲しくないけど。でも、これがお姉ちゃんのやりたいこと?」
やりたいことを無理してまでやっていることの心は宿らない。そんなことを言っているのか、
絵里「…………」
亜里沙がそういった後時間もそろそろだということで雪穂たちは帰ったのだが、生徒会長はその日ずっと亜里沙の言葉が頭から離れなかった。
次の日生徒会室で昨日会った亜里沙とのやり取りを希に話していた。
絵里「いやでしょう。自分の学校が廃校になったら」
愚痴をこぼすように放つその言葉にはやはり昨日の亜里沙の言葉が残り続けていた。
その話を聞いた希は、
希「それはそうやけど。廃校を何とか阻止しなきゃって無理しすぎてるんやない?」
今の生徒会長の状況を簡単に分析して本人に伝える。
しかし希の言葉は生徒会長には受け入れがたいものだったようで、
絵里「そんな、無理なんて……」
近くにあった椅子に座りかけると同時に否定する。
そんな様子の自分の親友を見た希は、
希「えりちも頑固やね……」
生徒会長を心配させないように静かにそう言った。
絵里「私はただ、学校を存続させたいだけ」
希にそう言われた生徒会長は自分にも言い聞かせるようにそう言った。
その真剣な様子の生徒会長の言葉に、
希「…………」
言いたいことが言えずにしていると、ドアのノックする音が聞こえた。それが今後重要になってくるとは知らずに生徒会長はそのドアを開けた。
そこにいたのは…………真剣な表情の穂乃果たち最初の4人だった。
今回も読んでいただきありがとうございました。
次回は冒頭から幹君の登場です。そしていよいよ私自身がしたくてうずうずしてきたことができそうです。
次回『心からの叫び』
それでは、次回もお楽しみに!
Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!