ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回で『エリーチカ』回が終わります。

そして物語はサブタイ通り加速します。

それでは今回も頑張った少女たちの努力が実る場面を見てあげてください。


加速する物語

海未side

 

 空也に頼まれた希は海未のいるであろう生徒会室にやってきた。

希「順番があるんやないの?」

 希の考え通りそこには海未が重い表情で生徒会室の前に立っていた。

 

 急に後ろから話しかけられた海未は、

海未「希先輩」

 ビクッとしながらも後ろを向いて話しかけてきた人物を確認した。

 

 希は続ける。

希「ショック受けたんやろ。えりちの踊りに」

 今の海未が感じているであろう言葉を確認のため海未に告げてみた。

 

 希の考えは当たってたらしい。

海未「……。自分たちがやってきたのは何だったんだろうって思いました。悔しいですけど、生徒会長があぁ言いたくなるのも分かりました」

 今の海未の考えていることが希に伝わる。

 

 そこから希の考えられることをもう一度海未に話す。

希「だから謝ろうと思ったん?」

 きっと話の流れから考えればこういう考えに至るのは当然のことなのだろう。

 

 しかし、その希の考えは海未の手によって打ち砕かれる。

海未「いえ、ダンスを教わりたいと思いました。もしみんなが先輩の半分でも踊れるようになったら、本当に意味で人を惹きつけられるのにって」

 希の考えていたこととは全く違う前向きな考え方だった。こういうことを考えられるからきっと空也は海未のことを放っておいたのだろう。

 

 それが希にはわかった気がした。

希「空也君のいった通りやったな」

 空也の言っていたことは当たっていた。確かに挫けることなくむしろ前向きに物事を考えて見せた。

 

 突然空也の名前が出てきたことで、

海未「空也が……」

 海未が復唱して確認する。

 

 隠すつもりもないようで希は素直にさきほどの会話を海未に話す。

希「そうやで、さっき屋上でこんなことで挫けるわけがないって言ってたんよ。信頼されてるんやね」

 今度の希はなんだか羨ましそうに海未のことを見ていたが、それも数秒で終わる。

 

 信頼されていることを改めて確認させられるのはうれしいことだ。

海未「そう、ですか」

 海未はそう言いながら少し微笑みながら、機嫌がよくなったと感じるほど明るくなった。

 

 しかしそれでも海未が今やろうとしていたことは今やるべきことではない。

希「でも、それなら先にやることがあるんやない? 試験まであと5日よ」

 それを希は告げる。そう試験まで時間がない。だったら今やることは一つ。赤点の可能性のある3人のために勉強を教えること。せっかく希にも手伝ってもらってもらっているんだ。絶対に回避しなければならない。

 

 そう意気込んだ海未はすぐに部室に駆け足で戻った。その時の海未の表情はここに来た時とは正反対の明るい表情だった。もうこれなら希の心配していたことにはならないだろう。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 勉強を押していると突然部室のドアが開いた。

海未「穂乃果! ……ん」

 そこには勉強のし過ぎでやつれた穂乃果たちの姿があった。

 

 穂乃果もやつれているのだが海未の言葉には反応した。

穂乃果「あ……、海未ちゃん……」

 この後に続く言葉が穂乃果にとって地獄であるとも知らずに。

 

 海未はここで大きな声で宣言する。

海未「今日から穂乃果の家に泊まり込みます」

 穂乃果の家に泊まり込みで勉強を教えれば赤点は回避できるだろうと考えての海未の行動だった。

 

 しかし、突然ことで穂乃果は、

穂乃果「え!?」

 海未の言った言葉の意味の再確認をしようとした。

 

 しかしその確認も海未がすぐに対応する。

海未「勉強です」

 この状況では勉強以外にないとは思うが穂乃果のその小さな望みもかなうことはなかった。

 

 そして空也はテストまでの日数を数えた。

空也「もう5日だもんな」

 今の空也の中には教師の癖から問題を予測しテストの点数をとれる勉強を穂乃果たちにさせることで頭がいっぱいだった。

 

 そんな空也の考えは知らず、

穂乃果「鬼……」

 穂乃果にとって非常な海未に行動にただただなくことしか穂乃果にはできなかった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里side

 

 空也たちが穂乃果の家で泊まり込みで勉強を教え始めた日の夜。生徒会長のもとにある1本の電話があった。それは国際電話だったことから生徒会長はすぐにその電話を取った。

絵里「はい。元気にやっていますわ。おばあ様」

 その電話の相手は生徒会長のおばあさんだった。音ノ木坂が母校である祖母のために必死で頑張ろうとこの電話で決意を新たにした。

 

 その間におばあさんは絵里の心配をしてきたが、

絵里「もちろんです。おばあさまの母校ですもの、私が守って見せます。…はいおやすみなさい」

 それは生徒会長には今必要のないものだった。心配をしてくれている自分の祖母には悪いと思っても生徒会長は立ち止まるわけにはいかなかった。

 

 それから少し世間話をしてその電話は終わった。短い間でも祖母と電話かできた生徒会長は少し心が軽くなったような気がした。そんな余裕もすぐに消えてしまうとはこの時は全く予想が付かなかったのだが……。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから5日間穂乃果には空也の教えで必要な公式を次々に教えられマスターして見せた。またそんな中難しいところの考え方を空也なりに教えるとみるみる覚えていき小テストでもかなりの高得点をとるようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は過ぎすべての試験が返ってきた日の放課後の部室。つまり今日は運命の日である。

 

空也side

 

 先に来ていた凛とにこのそれぞれの苦手な教科の点数を見せてもらうとお世辞にもいい点数とは言えないがそれでも赤点ではなかった。これであとは穂乃果だけだ。

 

 そんなことを考えていると部室のドアが開く。当然入ってくるのは穂乃果でその表情は少し暗めだった。

穂乃果「うぐ!」

 しかしそんな暗い表情もほかのメンバーの視線の弾丸ですぐにいつもの穂乃果になる。

 

 いまみんなが思っているであろうことを真姫が代弁する。

真姫「どうだった!?」

 今の状況は穂乃果がこれからの未来を左右することになる。

 

 海未は自分がすべてのテストが戻ってきたことを覚えていた。

海未「今日で全教科帰ってきましたよね」

 必死な表情で穂乃果に確認のため告げる。

 

 それを補足するように空也が、

空也「それに今日は数学の返却日だったしな」

 1番の難関であった数学の返却日であることをみんなに告げる。

 

 穂乃果の数学の点数でこれからが決まる。

花陽「……!」

 それを理解した花陽は固唾をのみこむ。

 

 ことりは赤点でないことを祈り穂乃果の名前を呼ぶ。

ことり「穂乃果ちゃん!」

 

 そんな思い空気の中穂乃果は、

穂乃果「うん……」

 短く弱弱しい声で答えた。

 

 そんな中先にみんなに答案を見せた凛は、

凛「凛はセーフだったよ」

 そう言いながら穂乃果に向けてピースを見せた。

 

 凛のおかげで少しは気が楽になったのだが、

にこ「あんた。私たちの努力を水の泡にするんじゃないんでしょうね」

 にこのその一言で雰囲気が戻る。

 

 穂乃果以外の部員全員が穂乃果に向けて、

7人「「「「「「「どうなの!」」」」」」」

 必死に結果を聞いてくる。

 

 あまりの勢いに委縮してしまう穂乃果は、

穂乃果「う、うん」

 自分のカバンから数学の答案用紙を出す。

 

 その間に穂乃果の表情が変わる。

穂乃果「すごい点数取っちゃった……。じゃ~ん!」

 さきほどの表情から一変して明るくそして自分でも驚いた様子の穂乃果の出した答案用紙に書かれていた点数は100点。つまり満点の答案用紙が存在した。

 

 苦手だったと言っていた教科で満点を取った穂乃果に、

6人「「「「「「えぇ~!?」」」」」」

 空也以外のメンバーが全員驚いて見せた。それもそのはず九九すらまともにできなかった人が満点を取ったのだから。

 

 しかし驚いてなかった空也は、

空也「よくやったな穂乃果」

 そう言いながら穂乃果の頭を優しく撫でた。

 

 撫でられている穂乃果は、顔を赤らめながら、

穂乃果「うん。空也君がこれを絶対覚えろって言ってくれた奴を覚えてたらできたよ」

 本当にうれしそうに空也に報告した。

 

 みんなの驚きも落ち着いたのか話は空也のことになった。

にこ「そういえば空也。あんたはテストどうだったの? まさか教えてて勉強してませんでしたとか言わないわよね?」

 確かに範囲ではないにこの勉強を教えていたのだ。ごっちゃになっててもおかしくはない。

 

 にこにそう言われた空也は、

空也「俺ですか?」

 鞄をガサゴソとあさりすべての答案用紙を見せた。

 

現代文:100

数学A:99

生物基礎:100

物理基礎:100

英語Ⅱ:100

世界史A:100

 

 つまり合計点数599点の答案用紙が出てきたのだ。

 その答案を見たほかのメンバーは驚いていたがすぐに空也だから仕方ないということになり、

穂乃果「よ~し。今日からっ練習だぁ~!」

 穂乃果のその一言は練習の始まりを告げた。

 

 この結果から、

花陽「らっラブライブ…」

真姫「まだ目指せるって決まっただけよ」

 花陽と真姫の言う通りラブライブに目指せるということが決定した。みんなは本当にうれしそうに屋上へと向かった。

 

 しかし、始まりの4人である穂乃果たちは、理事長室に報告に行くことになっており、

空也「ほら2人も早く行った行った」

 空也は花陽と真姫を屋上へと送り出し理事長室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理事長室についたのだが穂乃果がノックをしても中では何の反応もない。

穂乃果「ん? あれ?」

 不思議に思った穂乃果は理事長室のドアを開けた。

 

 そこには理事長席に座った理事長と何かを話している生徒会長の姿があった。話している表情からいい話をしているとは思えない。

絵里「そんな、説明してください!」

 生徒会長はもうすでに心の余裕がないのか必死になって理事長に説明を求める。

 

 聞かれた理事長は短く今まで話していたことをもう一度生徒会長に告げる。

南ママ「ごめんなさい。でもこれは決定事項なの音ノ木坂学院は来年より生徒募集をやめ、……廃校とします」

 それはドアの前で聞いている穂乃果たちにも聞こえていた。

 

 突然のことで聞き間違えかと思った。信じたくないと思った。その出来事に、

穂乃果「廃校……」

 穂乃果はただただその場で理事長の言葉の意味を理解することしかできなかった。

 

 空也はただこの異常な展開に戸惑い数秒思考が停止していた。しかしそれもすぐに終わり、あとは穂乃果に合わせるように行動することを決めた。

 




テスト回これにて終了です。

空也は穂乃果に数学の点数負けましたね。っというかことりも海未も負けてるんですよね。高校に入って100点なんてとったことありませんよ。

さて次回からは『やりたいことは』の回に入ります。幹君も登場します。

次回『オープンキャンパスまでに…』

それでは、次回もお楽しみに!



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https://twitter.com/kuuya_soranari
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