ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
さてさて、今回はあまりオリジナル要素はないかもしれません。
ですが空也のすごさが分かる会になっております。
それでは今回もラブライブ出場のために頑張る少女たちをご覧ください!
理事長に出されたラブライブ出場の件で問題があると分かったため部室で会議を始めた。
穂乃果「大変申し訳ありません」
凛「ません」
そう言って深く頭を下げる穂乃果と凛。
その穂乃果の様子に、
空也 海未「「小学校の時から知ってたけど(知ってましたが)」」
海未と空也はそう言いながら少し呆れていた。海未に至っては溜息を吐いていた。
溜息をすることをやめて海未は穂乃果のことをじっくりと見る。
海未「穂乃果……」
鋭い眼光でにらまれた穂乃果は少しおびえながらも、
穂乃果「数学だけだよ~。ほら、小学校の時から算数苦手だったでしょ」
苦手教科をカミングアウトする。その教科は数学。わからない人にとっては全く分からない科目だ。
そんな穂乃果に花陽が問題を出す。
花陽「7×4?」
それは小学生が一番苦戦するであろう九九のうちの一つ。
それを穂乃果は指で数えながら答える。
穂乃果「26?」
それでも間違える穂乃果は本当に数学…いや算数が苦手なのだろう。
その答えに空也が突っ込む。
空也「ダメじゃねぇかよ!」
高校生にもなってそこまでの計算ができないのは日常生活でも支障をきたしやすい。それに穂乃果の実家は和菓子屋だ掛け算くらいできなくてはいけない。
そして今度は凛の番になった。
花陽「凛ちゃんは?」
話を振られた凛は、自分の苦手な教科を打ち明ける。
凛「英語! 凛は英語だけはどうしても肌に合わなくて」
その教科とは英語。日本人が学生から始めると難しくなかなかマスターできない教科だった。
その凛にフォローを入れるべく花陽が口を開く。
花陽「確かに難しいよね」
花陽が言ってくれたことにより凛は自分の思っていたことを口にする。
凛「そうだよ! だいたい凛たちは日本人なのにどうして外国の言葉を勉強しなくちゃいけないの?」
それは英語ができない人は全員言うことであろうその言葉。
その凛の言葉は真面目な真姫の癇に障ったようだ。
真姫「へりくつはいいの!」
突然立ち上がり凛に向けてそう言った。その顔はかなり必死で…、
凛はそんな真姫を見て少しおびえながら、
凛「あ~、真姫ちゃん怖いにゃー」
少し場の空気を換えようとしなのだが、
それは真姫が今一番心配していることを口にされ凛の思惑通りにはいかなかった。
真姫「これでテストが悪くてエントリーできなかったら恥ずかしすぎるわよ」
そう、今真姫が心配していることは赤点を取ってしまいラブライブに出場できないということで起こる真姫たちμ'sのμ'sの立場であった。
そのことは凛もわかっているようで、
凛「そうだよね……」
その真姫の言葉は素直に受け入れた。
立ち上がっていた真姫はもう一度座り、
真姫「やっと生徒会長を突破したっていうのに」
今までの中で一番の難所だったところをクリアしたのにもかかわらずに、この状況になってしまったことを残念がりながら言った。
そして、今まで会話に入ってこなかったにこがようやく口を開く。
にこ「まったくその通りよ。あっ赤点なんか絶対取っちゃだめよ」
部室にあるパソコン前に座っているにこは何やら本をもってそう言った。
そんなにこの様子に気になったことりはにこにあることを聞く。
ことり「にこ先輩、成績は……」
ことりに聞かれた瞬間に背中がピシッとする。
にこ「にっにっにこ!? にっにっに、にっこにっこに~が、あっ赤点なんて取るわけないでしょ」
姿勢はいいのだが声が震えて動揺していうるのが簡単にわかる。きっと成績は2と5でいっぱいなのだろう。動揺してるからそれはないか……。
にこの反応に空也が突っ込む。
空也「動揺しすぎなんですけど」
見ている教科書からしておそらく数学。この時期になると数列のことをやってるのだと思う。
空也に突っ込まれたにこは、
にこ「うぅ……」
上級生のプライドなのか少し不機嫌になりかけていた。
そんなにこは置いておいて海未がこの場をまとめる。
海未「とにかく試験まで私とことりと空也は穂乃果の、花陽と真姫は凛の勉強とみて弱点強化を何とか底上げしていくことにします」
各学年の人たちで勉強を教えるという内容の作戦で赤点を乗り切るようだ。
しかし、そんな作戦もこの部活にただ1人の3年生のにこをどうするのか。
真姫「まぁそれはそうだけど、にこ先輩は?」
真姫はそのことに気が付きみんなに相談する。
そこで空也は自分で提案する。
空也「俺が穂乃果と並行して教えるから問題ないと思うけど」
空也の提案は知らない人からすればかなり無謀なことである。習っていないことを教えるということなんかは普通の人間には難しい。
にこもそのことはわかっており、
にこ「なんで下級生に教えてもらわないといけないのよ」
空也の提案に上級生のプライドが勝ち提案を受け入れることはしなかった。
先ほども言ったように普通の人間には習っていないことを教えるのは不可能に近い。
空也「今俺、3年の勉強もしてますから」
そう、その点空也は普通ではない。だから教えることはできるのだ。
しかし普通できないことができる空也に疑問を持った花陽は、
花陽「なんでそんな勉強してるんですか?」
空也に質問をした。
花陽に質問されたことにより、穂乃果たちしか知らないことをほかのメンバーたちに明かす。
空也「中2の時に風見学園に行ったときに飛び級で3年に在籍したんだよ。だから戻ってきたときにはもう高校の勉強を始めていたんだ。それでみんなより勉強している内容が進んでるんだけど、でももう一人欲しいんだよな」
風見学園は飛び級のできる日本唯一の学校で飛び級編入していたことを打ち明けた。しかしいくら空也だけでは2人を教えるのは難しい。そこでそう口にした瞬間
突然部室のドアが開いた。
希「それはうちが担当するわ」
そこにいたのは生徒会副会長の希だった。
にこ「希?」
突然入ってきた希に少々驚きながらもその先の言葉は空也によって遮られる。
適応能力の高さゆえなのかまたは、最初から希がいたことに気が付いていたのか、そんなことを思わせるように空也は、自然な流れで希にお願いすることにした。
空也「そうですか。ありがとうございます」
突然のことに驚いていた穂乃果はすぐに適応して見せた空也にツッコミを入れる。
穂乃果「だからなんで空也君はそんなに適応が早いの!? それで、いいんですか?」
そのツッコミを入れながらも希が手伝ってくれるということを確認をする。
しかしにこにも上級生のプライドは少なくともあるようで、
にこ「いっ言ってるでしょ。にこは赤点の心配なんてな……」
ムキになって反論をしようとするのだが、
にこがそう言った瞬間希がにこのちいさな胸をがっしりと掴む。
希「嘘つくとワシワシするよ」
胸を触りながら希はにこに心底楽しそうにそう告げる。
希に胸を掴まれたにこは、何かを諦めたように肩を落としながら、
にこ「わかりました。教えてください…」
希たちに勉強を教えてもらうことを受け入れた。
その言葉を聞いた瞬間希はようやくにこの胸から手を放す。
希「はい。よろしい」
そして、やっとこれからの方針が決まったので、
穂乃果「よし。これで準備はできたね。明日からガンバロー」
穂乃果が立ち上がりこぶしを突き上げてそう言った。
それに反応し、
凛「おー!」
凛も大きくこぶしを突き上げた。
しかし、そんな簡単に物は運ばない。
海未「今日からです!」
その海未の一言は先ほどの二人を撃沈させるほどの威力を持っていた。
やはり海未に言われ、
ほのりん「「うぅ……」」
さきほどのテンションとはかけ離れたように項垂れていた。
side out
絵里side
生徒会室で仕事をしている生徒会長。
絵里「…………」
黙々とパソコンを打つのを止めずに仕事を進める。
すると携帯に着信が入った。
絵里「もしもし?」
その相手は、生徒会長の妹だった。
side out
空也side
勉強を始めた凛は初日にもかかわらず、
凛「うぅ~、これが毎日続くのかにゃー」
机に伏してこれからのことに落ち込んでいた。
だらけきった凛に活を入れるべく、
真姫「当たり前でしょ」
凛の言葉を肯定するのだが、凛にとってはそれは地獄だった。
そんな凛が行った行動とは、
凛「あ~! 白いご飯にゃー」
何かで目をそらさせて、その間に逃げるというものだった。そこで利用したのが幼馴染の好物だった。
案の定花陽はその凛の作戦に引っかかる。
花陽「え! どこどこ?」
花陽は凛の指刺した方向を目を凝らしじっくりと見る。
しかしそれは花陽だけだった。
真姫「引っかかると思ってる?」
真姫はそんな子供のネタに引っかかることなんてなかった。真姫はその言った凛にチョップを入れ、反省を促す。
凛はとうとう勘弁したのか、
凛「はい……」
そう言いながら勉強に戻った。
そのころ穂乃果たちは、
穂乃果「ことりちゃん」
机に突っ伏した穂乃果はことりの名前を呼んだ。
呼ばれたことりは、
ことり「何? あと一問よ。がんばって」
今といている問題が後一問で終わるところまで来ていたので応援を入れる。
しかしその応援をしても今の穂乃果には意味がなかった。
穂乃果「おやすみ……」
そう言った瞬間穂乃果は眠りに入った。
眠りに入った穂乃果の様子を見たことりは、
ことり「わ!? 穂乃果ちゃん!? 穂乃果ちゃ~ん!」
無理やり肩を揺さぶり起きるようにしていたが、
それは空也の行動で意味をなくしてしまう。
空也「寝てんじゃねーよ。穂乃果」
その言葉と同時に穂乃果の頭を軽くチョップする。
空也にたたかれた穂乃果はすぐに起き上がり、たたいた空也のほうを見て、
穂乃果「いたいよ~、空也君」
そう反論するが、どうやらもう目が覚めたようなのか眠るということはしなくなった。
海未はこの部活以外に兼部している部活がある。
海未「全く。ことり、空也、後は頼みます。私は弓道部のほうに行かなけれはならないので」
弓道部に行こうとことりと空也にそう伝え部室を出ようとする。
ことりはやる気満々といった様子でしっかりと答える。
ことり「わかった!」
しかし、にこが勉強しているところから何か声が聞こえてきた。
にこ「わかった。わかったから~」
その様子を見ているとどうやら希が文字通り付きっきりで勉強を教えていた。
にこの肩に手を置いて耳元でボソッとつぶやく。
希「じゃあ次の問題の答えは?」
希に出された問題はにこにはわからなかったようで、
にこ「えっえっと、にっこにっこに~」
苦笑いを浮かべながらいつもの自分の持ちネタを披露する。
しかし、それはにこにとって最もやってはいけないことだった。
希「ふふふふふふ」
にこのそれを聞いた希は過ぎに手を構えにこの胸へと手を伸ばす。
それを察知したにこは過ぎに椅子から立ち上がり、
にこ「やめて、やめて。いや~、胸はもうやめて~」
部室の中を逃げ回る。
それでもにこに詰め寄る希は、
希「次ふざけたらワシワシMAXやよ」
次はないと予告し、それを聞いたにこはおとなしく椅子へと戻って行った。
そんな様子を見ていると、
海未「これで見についてるんでしょうか?」
これからが不安になるようなそんな感じがして部室を後にした。
side out
海未side
海未は弓道部の練習が終わり同じクラスの部員と正門前まで一緒に行く。月に何回かは幼馴染ではない人と帰る日がある。
生徒A「じゃあね~」
正門についたところで同じ部員の人が自分の帰宅する道と逆のほうへと歩いていく。
海未はその友人を見送り、
海未「ごきげんよう」
自分も家へと帰ろうとしたその時聞き覚えのある音楽が聞こえてくる。
♪~♪~
海未「ん? この曲」
海未が音のする方へと向くとそこにはイヤホンを付けた女の子がいた。
海未は失礼だとは思ったが好奇心が勝ってしまいその女の子の見ているものをのぞき見する。
海未「サイトに上がってないところの映像まで」
その映像はインターネットに乗っていないところまで映し出されていた。そんな驚きを口にしてしまい、
女の子が海未のことに気が付き、
???「わぁ!!!」
急なことで驚き、後ずさりする。
驚かせてしまった海未は、
海未「あ! ごめんなさい」
素直に目の前の少女に謝る。
すると海未のことを見ていた少女があることに気が付いた。
???「ん? あ! 園田海未さんですよね。μ'sの」
今さっきまで見ていた動画に登場していた海未のことに気が付いたようで声をかけてくる。
しかしそこは恥ずかしがり屋の海未。これからのことが軽く予想できた海未は、
海未「え! いっいえ、人違いです」
人違いだと押し通そうとした。
その答えを受けた少女は、
???「え?」
しょんぼりとしてしまい海未の中に罪悪感が生まれる。
その罪悪感に耐えられなくなった海未は、
海未「いっいえ、本物です……」
自分が嘘をついたことを認め自分の正体を明かした。
海未の本当の答えを聞いた少女は、
???「ですよね」
ほっと一安心した。
そして今度は海未の気になったところだ。
海未「いっいえ、それよりその映像」
それはネットにない部分が映像として残っていたこと。
その答えを隠すでもなく素直にその少女は教えてくれる。
???「はい! ライブの映像です。亜里沙はいけなかったんですけど、お姉ちゃんが撮影してきてくれて」
この会話で少女の名前が亜里沙だということが分かった。しかし、いまだそのお姉ちゃんという人物が分からない。
海未が亜里沙のお姉ちゃんのことについて聞いてみることにした。
海未「お姉ちゃん?」
亜里沙「はい!」
海未に聞かれた亜里沙は元気にそう答える。
すると正門のほうから亜里沙の名前を呼ぶ声がした。
???「亜里沙」
2人は声のする方へと向く。
海未 亜里沙「「あ」」
亜里沙はその声の主のほうへと走って向かう。
亜里沙「お姉ちゃん!」
???「ん! あなた……」
その亜里沙を受け止めた声の主は先ほど亜里沙のいたほうを見て機嫌を悪くした。
そうその人物とは……、
海未「生徒会長……」
今までさんざん口論してきた相手である生徒会長だった。
Aパートが終わりました。
次からは初めて絵里を絵里表記で書くのではないかというくらいの回です。
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次回『絵里の過去』
それでは、次回もお楽しみに!
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