ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回から『エリーチカ』の回に入ります。

この回で初めてラブライブ!という単語が出て物語もここからある意味本番となるのではないでしょうか?

それでは目指すべきものを見つけた女神たちの綴る物語をご覧ください。


出場の条件

空也side

 

 花陽が慌ただしく部室に入ってきたと思ったら、

花陽「大変です!」

 っと興奮気味に口にした。

 

 普段見ない花陽の姿に、

5人「「「「「え……」」」」」

 思わず困惑してしまう。

 

 みんなが困惑している状況だが花陽にはそのようなことは関係なかった。

花陽「ラブライブです! ラブライブが開催されることになりました」

 そういいながら今ここにいるにこ以外のメンバーに熱弁していた。

 

 花陽の出した単語に穂乃果が反応する。

穂乃果「ラブライブ!? って何?」

 しかし、反応してみたはいいもののその内容が分かっていなかった。

 

 そんな穂乃果にもわかりやすく説明するため、部室にあるパソコンでそのラブライブのページを開きながら説明する。

花陽「それはですね! スクールアイドルの甲子園。それがラブライブです! エントリーしたグループの中からこのスクールアイドルランキングの上位20位までがライブに出場、ナンバー1を決める大会です。噂には聞いていましたけどついに始まるなんて」

 花陽が言ったのはおそらく一番わかりやすい例えなのだろう。言った瞬間みんなが納得をする。

 

 先ほどまで知らなかったことなのだが、

穂乃果「へ~」

 穂乃果はそう言いながらどういうことなのかということを理解した。

 

 海未は今のスクールアイドルの人気を思い出しながら、

海未「スクールアイドルは全国的にも人気ですし」

 現状を確認するようにそう言った。海未の言った通り今のスクールアイドルの人気はかなりのものになっていた。なんせ全国のスクールアイドルの数は1000を超えるようになっていた。

 

 凛はそのステージを想像したようで、

凛「盛り上がること間違いなしにゃー」

 もうすでにテンションが高くなっていた。

 

 花陽はパソコンにがっつき当日のことを想像していた。

花陽「今のランキングから上位20組が出場となると、1位のA-RISEは当然として2位、3位は……。まさに夢のイベント、チケット発売日はいつでしょう 初日特典は…」

 今までにない花陽の興奮気味にみんなが少し意外な顔をしていたが、

 

 ただ一人空也だけがその話を聞いて考えていたことがあった。

空也「そうだ。花陽、お前多分このイベント見に行けないぞ」

 ここまで興奮している花陽には辛いであろうことを空也が言った。

 

 その言葉を聞いた花陽は当然のように、

花陽「なんでですか! なんで見に行けないんですか! これはアイドル史に残る一大イベントなんですよ!」

 空也にその言葉の真意を聞く。

 

 普段はここまではっきりと意見を言うことがないため、

真姫「アイドルの事だとキャラ変わるわよね」

 真姫がその花陽の変化について思ったことを口にする。

 

 その真姫の言った言葉を聞いた凛は、

凛「凛はこっちのかよちんも好きだよ」

 今日一番の笑顔でそう答えた。

 

 そして空也は先ほど言った話について詳しく語る。

空也「そりゃ、このイベントに参加するからに決まってるんだろうが、お前たちは何だ? スクールアイドルだろうが。ならこのイベントに出場目指すのは当たり前だと思うが?」

 スクールアイドルをやっている以上出場を目指すのは何ら不自然ではない。

 

 しかし空也の言葉を聞いた花陽は、

花陽「え~! そっそっそんな、私たちが出場なんて恐れ多いです」

 さきほどまでと全く逆の反応をして見せた。

 

 その様子を見ていた真姫は、

真姫「キャラ変わり過ぎ」

 さきほどと同じように急なキャラの変わりようにツッコミを入れる。

 

 そしてそれを聞いた凛はまたもや、

凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

 そう言いながら先ほどよりも輝いた笑顔でそう答えた。結論、凛はどんな花陽でも等しく一番好きなようだ。

 

 空也の考えを聞いたことりは、

ことり「でもそうだよね。私たちスクールアイドルなんだし、目指してみるのも悪くないかも」

 空也の提案に賛成のようだ。

 

 ことりがそう言ったのだが、少し消極的な答えに、

穂乃果「っていうか、目指さなきゃダメでしょう!」

 穂乃果がツッコミを入れるのと同時に自分もその考えに賛成だということを宣言する。

 

 リーダーの決意が決まったことによりほかのメンバーも反対はしないが、

真姫「そうはいっても現実は厳しいわよ」

 真姫の言う通り、すべてがうまくいくなんてことはありあえない。それを再確認させる言葉だった。

 

 海未も真姫の意見には大方賛成なようで、パソコンを見ながら現状の確認をする。

海未「ですね……。確か先週見たときはとてもそんな大会に出られるような順位では……。あ! 穂乃果、空也、ことり」

 すると以前見た時とは違う結果が見えて、空也たち3人を思わず呼んだ。

 

 海未の反応を見て、

穂乃果「うん?」

空也「もしかして」

ことり「えっと」

 呼ばれた3人は海未の見ているパソコンの画面を見る。

 

 すると海未の驚いた理由が分かった。

穂乃果「すごい!」

ことり「順位が上がってる!」

 穂乃果は、純粋にその変化に驚いていた。そしてことりはその変化の内容をほかの人が聞こえるように口にする。

 

 ことりの言葉を聞いた真姫は、

真姫「嘘!」

 そう言って勢いよく椅子から立ち上がる。

 

 凛もその変化の様子が気になり、4人が見ているパソコンを見る。

凛「どれどれ」

 

 やってきた2人に見やすいように空也が画面を拡大して見やすいようにする。

空也「ほら、急上昇のピックアップスクールアイドルに選ばれてんじゃんか」

 ピックアップに選ばれると初心者というよりそこそこ人気が出てきたということになり、ともあれ成長してきたということになる。

 

 そしてPVにはコメントも来ていた。

穂乃果「本当だ! ほらコメントも! 『新しい曲かっこよかったです』、『7人に増えたんですね』、『いつも一生懸命さが伝わってきてだいすきです』」

 穂乃果がその一部を読み上げる。その言葉は今の穂乃果たちにはものすごくうれしいことでこれからの練習をより一層やる気にさせた。

 

 穂乃果の言ったコメントを聞いた凛は、

凛「うわ~! もしかして凛たち人気者!?」

 自分たち活躍を認められたような気がして本当にうれしがっていた。

 

 その点真姫は何かその変化に心当たりがあったようで、

真姫「そのせいね」

 そういいながら過去のことを思い出していた。

 

 その思わせぶりな言葉に、

ことり「どうしたの?」

 ことりが反応する。

 

 ことりに聞かれたことにより真姫は思い出したことを口にする。

真姫「最近出待ち?みたいなことをされるようになったのよ」

 自分でもよく分かっていないので疑問形になってしまっているが、それでも確かに人気ならなければ起きないことである。

 

 真姫がそう答えていると空也があることに気が付く。

空也「そうか。それはいいが、もう練習の時間だぞ」

 今は放課後。多く練習することができる最大の時間。それも開始予定時間を大幅に過ぎていた。

 

 空也の言葉を聞いた海未は時計を見て、

海未「そうでした。早くいきましょう」

 本当に時間が過ぎていることを確認して、着替えて屋上に向かうのだった。

 

 

 

 

 そして屋上。練習を始めるにもにこが来ていないこの状況で先ほどまでの話の続きをしていた。

穂乃果「出待ちか~。私全然ない……」

 真姫の言った出待ちはある程度人気が出ないとされないことであるために後輩に先を越されたのは少々ショックだったのだろう。少し落ち込んでいる穂乃果の姿があった。

 

 アイドル事情に詳しい花陽が穂乃果に向けてフォローを入れる。

花陽「そういうこともあります。アイドルというものは残酷な格差社会でもありますから」

 確かにそういうこともあるが単に時間が合わなかったというのもあるのではないだろうかとも思わなくもなかった。

 

 花陽のフォローもあまり効果がなく、

穂乃果「うぅ……」

 穂乃果は落ち込んだままだった。

 

 あまりに落ち込んでいる穂乃果を見ていられなくなった空也は、

空也「穂乃果、気にすんな。まだ人気で始めなんだからこれから頑張って人気出せばいいだろ」

 空也の言う通りようやく人気が出始めてきたころだ。十分にこれからまた上がっていく可能性だってある。

 

 慰めている空也を放っておいて、凛は真姫の話で思ったことを口にする。

凛「それはそうと写真なんて真姫ちゃん変わったにゃー」

 凛の言う通り真姫は加入当時から大きく成長していると思う。

 

 しかしそんなことを言われて恥ずかしくなってしまうのは真姫の性格上当然のことだった。

真姫「私は別に」

 真姫は顔を赤くしてそっぽを向いて答えた。

 

 その真姫の変化を凛は見逃さなかった。

凛「あ! 赤くなったにゃー」

 真姫の変化を凛は口にする。

 

 とうとう真姫の恥ずかしさも頂点を超えた。その結果、その原因となる凛の頭をチョップした。

 

 たたかれた凛はおでこを抑えながら、

凛「痛いよ~」

 っとたたいた本人である真姫に言う。

 

 そんなことを言う凛に真姫は少し怒ったようで、

真姫「あんたがいけないのよ」

 そっぽを向きながら凛に向けてそう言った。

 

 ちょうどその時屋上のドアが開く。

にこ「みんな聞きなさい。重大ニュースよ」

 そして勢いよく入ってくるのはアイドル研究部の部長の矢澤にこだった。

 

 そのにこの言い方からすると空也はなんとなくにこの言うことが分かった。

空也「あ、にこ先輩。それってもしかして、ラブライブですか」

 その分かったことをにこに向けて伝える。

 

 どうやら空也の考えはあってたらしく、

にこ「……何よ、知ってたの?」

 先に言われてしまったことに少し不満げになる。

 

 そしてアイドル研究部部員が全員集まったことにより空也の行動が始まる。

空也「はい。じゃあにこ先輩も来たことだし、学校の許可をもらいに行きますか」

 ラブライブの参加条件をクリアするべく行動に移すことにした。

 

 

 

 

 空也の考えで生徒会室にやってきた。

穂乃果「うぅ……」

 しかしやってきた途端に穂乃果の元気がなくなる。

 

 穂乃果の元気がない理由をここにいる全員が分かっていた。

真姫「どう考えても答えは見えているわよ」

 真姫の言う通り答えが分かっているからだ。

 

 そして凛も答えに関してはわかっていることで、

凛「『学校の許可? 認められないわ』」

 生徒会長の真似をしておそらく言われるのであろうことを予想して言った。

 

 凛の言葉を聞いた穂乃果は、先ほどよりも落ち込んでしまう。

穂乃果「だよね……。だけど今度は間違いなく生徒を集められると思うんだけど」

 穂乃果の言う通り全国的に有名なグループになればそれだけで知ってもらう機会が増えてくるということになる。

 

 しかし穂乃果の言葉も生徒会長には届かなかった。その結果からにこが導き出した答えは、

にこ「そんなのあの生徒会長には関係ないでしょ。私等の事目の敵にしてるんだから」

 にこは教室の扉から顔を出し、アイドルに関して否定的な生徒会長の考えから推測した答えだった。

 

 特に理由もなく嫌われているのがどうしてなのかわからない花陽は、

花陽「どっどうして私たちばかり」

 必死に頑張っているのに認められないことがどうしても気になってしまった。

 

 しかしそんな理由も空也には何となくではあるがわかっていた。

空也「それは、結果的にそうなってしまってるに過ぎないんじゃないか」

 そう、結果的にそうなっているに過ぎない。空也の言ったことは正しい。初めて生徒会長と話した時に感じた無理をしている感じ、そしてこの前希に聞いたことで空也の考えは肯定されていた。何かやりたいことがあると。きっとそれがカギになっているのだろう。

 

 その考えも空也と希の会話を聞いていなければわからない。

花陽「それはどういうことですか?」

 よって花陽にもその言葉の詳細を知ることはできない。

 

 そしてこのことは希に回せると決めたばかりであることから簡単に空也が言っていいことではない。

空也「う~ん、まだそうと決まったことじゃないけど、そのうちわかると思うよ」

 そう言って空也は会話を濁した。

 

 話の方向がずれていることに気が付いた真姫は、

真姫「それより、もう許可なんて取らずに勝手にエントリーしてしまえばいいんじゃない」

 生徒会室に入れないこの状況で最も手っ取り早いことを言い出す。

 

 しかしそれはエントリーすることができないということでもある。

花陽「だめだよ。エントリーの条件にちゃんと学校に許可を取ることってあるもん」

 その理由は花陽の言う通り学校の許可を取らなければならない。学校の名前を背負っているので当然と言えば当然なのだが、今はその当然のことすら難しい状況であることは確かだ。

 

 そんな中真姫が新しい意見を出す。

真姫「じゃあ直接理事長に頼んでみるとか」

 それはこの学校の一番偉い理事長に話をつけに行くこと。

 

 その発想はなかった穂乃果が、

穂乃果「え! そんなことできるの⁉」

 少しオーバーにも思うが穂乃果は驚いていた。

 

 そこで思い出したように海未が補足をする。

海未「確かに部の要望は原則生徒会を通じてっとありますが理事長のところに直接行くことが禁止されているというわけでは」

 そう原則しなければならないというだけその行動を禁止するとは生徒手帳にも書かれていないこと。だったらやってはいけないというわけではないということだ。

 

 海未の言葉を聞いた真姫が生徒会の裏をかけると思ったようで、

真姫「でしょ。なんとかなるわよ。親族もいることだし」

 そういう真姫には少し片方の口角を上げた。

 

ことり「え!?」

 そして話に出された親族であることりが少し驚く。

 

 

 

 

 

 

 真姫の提案で理事長室に行くことになった。しかしその扉の前で穂乃果はずっと動けずにいた。

穂乃果「さらに入りにくい緊張感が」

 穂乃果の言う通り先ほどの生徒会室の時よりも緊張してしまうほどの重みがその扉にはあった。

 

 しかし今回は状況が状況なので、真姫はそれほど緊張していない様子。

真姫「そんなこと言ってる場合?」

 真姫はいつもと同じようにそう言えるほどの余裕を持っていた。

 

 真姫に突っ込まれた穂乃果は、

穂乃果「わかってるよ」

 そう言いながら理事長室の扉をノックしようとする。

 

 が、穂乃果がドアをノックすることはなかった。

空也「失礼します」

 それは空也が先にノックをしてはいる準備をしていたからだ。

 

 いきなりノックされたことにより驚きが最高まで上がった穂乃果は、

穂乃果「って空也君。いきなりいかないでよ!」

 ビックとしながらも空也にそう言った。

 

 そんな様子の穂乃果にドキッとしながら、

空也「悪い悪い。って」

 空也はそれを悟られないように平静を装いそう言っていたのだが、扉からは空也たちが予想もしていない人物たちが出てきた。

 

 その人物とは生徒会長と希だった。

希「あれ? お揃いでどうしたん?」

 希は珍しそうに空也たちに声をかけた。

 

 そして穂乃果たちの視界に入ってきたのは今もっとも会いたくない人物であろう人である生徒会長だった。

穂乃果「うわ! 生徒会長!」

 

 その様子を見たにこは、肩をすくめながら、

にこ「タイミング悪」ボソッ

 っと建前0の本音をぼそりとつぶやいた。

 

 そして冷めたような声で生徒会長は、

絵里「何の用ですか?」

 穂乃果たちにそう訊ねる。

 

 その問いかけに率先して真姫が答える。

真姫「理事長にお話があってきました」

 その挑発的な発言でそう言った。

 

 流れで理事長室に入ろうとした真姫を止めるべく、

絵里「各部の理事長への申請は生徒会を通す決まりよ」

 真姫の前に立ち侵入を止めた。

 

 止まられた真姫は少し苛立ちを覚え、

真姫「申請とは言ってないわ。ただ話があるの」

 少し強めに生徒会長に言って当たった。

 

 エスカレートしてしまった真姫を我先にと止めたのは、

穂乃果「真姫ちゃん、上級生だよ」

 穂乃果だった。少し真姫を心配したような顔で止めた。

 

 その注意された真姫は、

真姫「…………」

 少しやってしまったと思ったのかただ黙ることしかできなかった。

 

 するとコンコンと開いている理事長室からノックが聞こえてきた。

南ママ「どうしたの?」

 そこにいたのはこの学校の理事長でありμ'sのメンバーの一員である南ことりの母親だった。

 

 理事長に部屋に入るように言われ、部屋に入る。そしてここに来た理由を話した。

南ママ「へぇ~、ラブライブね」

 話を聞いた理事長は、少し興味があるような感じでそう言った。

 

 少し手ごたえがあったので、

海未「はい。ネットで全国的に中継されることになっています」

ことり「もし出場できれば学校の名前をみんなに知ってもらえることになると思うの」

 ラブライブに出ることの利点を理事長に話した。

 

 しかし、同行してきた生徒会長が反対意見を言う。

絵里「私は反対です。理事長は学校のために学校生活を犠牲にするようなことはすべきではないとおっしゃいました。であれば」

 確かに生徒会長の言っていることは正しい。だけど今回に限っては根底がら違っている。

 

 そう想った空也は、

空也「動機はどうであれ、彼女たちはやりたいことをやっている。学校生活は無駄にはしてないと思いますが」

 その間違えを指摘する。それは学校のために犠牲にしているという言葉だった。穂乃果たちはやりたいと思ったからやっているだけだ。それが廃校を阻止するためであったとしてもそれは変わらない。

 

 その考えを理事長はわかっているのか、

南ママ「そうね。ならいいんじゃないかしら、エントリーするくらいなら」

生徒会長が反対意見を言う中で賛成してくれた。

 

 そしてその言葉に穂乃果が反応する。

穂乃果「本当ですか!?」

 まさかこんなに早く賛成してくれるとは思っていなかったのだろう。思わず聞き返してしまう。

 

 穂乃果のその問いかけに、

南ママ「えぇ」

 理事長は賛成の言葉を肯定した。

 

 しかしその言葉に生徒会長は納得いかなかった。

絵里「ちょっと待ってください! どうして彼女たちの肩を持つんです」

 自分の行動を反対する理事長がμ'sの活動を認めるのか納得いかなかった。

 

 生徒会長にそう言われた理事長は、

南ママ「別にそんなつもりはないけれど」

 今の自分の本心を少しだけ生徒会長へと伝えた。

 

 μ'sの活動を許したということは生徒会にもチャンスがあると考えた生徒会長は、

絵里「だったら生徒会も学校を存続させるために活動させてください」

 そうやって理事長に頼むのだが……、

 

 少しだけ考えるようにして、

南ママ「ん~、それはダメ」

 それでも理事長の意見は全く変わらなかった。

 

 変わらない理事長の考えに悩む生徒会長は、

絵里「意味が分かりません」

 その疑問を口にする。

 

 理事長はその疑問に答える。

南ママ「そう? 簡単なことよ。空也君のいったことを思い出してみればね」

 これは理事長が何らかの意図があって生徒会の活動を許可しないと言ってるのも同然なのだが、大事なのはそこではない。理事長はヒントを与えた。さきほどの空也の言葉を使って。

 

 しかし今の生徒会長にそんな余裕はなかった。

絵里「…………」

 理事長にそう言われ訳が分からなくなった生徒会長は理事長室を後にした。

 

 生徒会長の怒りを収めようとした希が、

希「えりち!」

 生徒会長の名前を呼ぶが、それでも生徒会長が立ち止まることはなかった。

 

 出ていく生徒会長を見たにこは、

にこ「ふん! ざまー見ろってのよ」

 何か勝ち誇ったようにそう言いながら、胸を張る。しかしそれがすぐに崩れるということは今は誰もわかっていない。

 

 丸く収まろうとしていた話もここから少し雲行きが怪しくなってくる。

南ママ「ただし、条件があります。勉強がおろそかになってはいけません。今度の期末試験で1人でも赤点を取るようなことがあったらラブライブのエントリーは認めませんよ。いいですね」

 そして出されたその条件。それはテストで赤点を取るなということだった。これができないメンバーは膝から崩れ落ちる。

 

 あまりに唐突なその条件にいまいち実感が持てなかった穂乃果は、

穂乃果「え!?」

 やっとのことで驚いた。しかしここで驚いたということは穂乃果自身赤点の危険があるということ。

 

 しかしことりはその心配はなく安心していたのだが、

ことり「まぁ、さすがに赤点はないから大丈夫だと思うけど…」

 みんなのほうを見ると3人気力がなくなっているメンバーを見てしまった。

 

 そのメンバーとは、

にこりんほの「「「うぅ……」」」

 にこと穂乃果そして凛の3人だった。

 

 まさかそこまでとは思っていなかったことりは、

ことり「あっあれ……?」

 これからのことが少し不安になってしまった。

 




始まりました。テスト回。

空也がどうやって行動するのか、そしてラブライブには出場できるのか。その大事な回となりますので思いっきり駆け抜けていきますよ!

新しくお気に入り登録をしてくださったうさみん1121さん、凍氷魚さんありがとうございました!

次回『予想外の邂逅』

それでは、次回もお楽しみに!




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どうかよろしくお願いします!

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