ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
前回はみっともない姿を見せてしまい申し訳ありませんでした。
それでは今回もみんなが想い描いた物語をお楽しみください!
昨日、希になぜ穂乃果がリーダーなのかと聞かれたアイドル研究部は緊急会議を行うべく放課後部室に集まっていた。
にこが部長としてこの会議をしきる。
にこ「リーダーにはだれがふさわしいか、だいたい私が部長についた時点で1度考え直すべきだったのよ」
にこがそう話すと途端に重苦しい空気が生まれる。
そんな雰囲気の中真姫は興味はないようで髪をいじりながら、
真姫「リーダーね」
ぼそぼそとつぶやく。
しかしこの会議の始まった理由である穂乃果のリーダーが向いていないという話に納得できていない人が2人いた。
ことり「私は穂乃果ちゃんでいいけど……」
それがことりと、
空也であった。
空也「俺も穂乃果のままでいいと思うけど……」
この2人は穂乃果がリーダーであり続けることを提案した。
しかしそのこの状況では少数派の意見である。
にこ「ダメよ! 今回の取材ではっきりしたでしょ。この子はまるでリーダーにむいてないの」
その結果にこに却下され、話を進めることになった。
真姫もにこの言っていることはよくわかっているようで、
真姫「それはそうね」
話に興味を持っていなくてもにこの考えには賛成した。
それでもいきなりこのような話題を出されてすぐに思考を切り替えることは難しい。
海未「ですが」
よって海未のように戸惑う人も出てくるのだが、
にこはリーダーを変えることで起きることを把握していた。
にこ「そうとなったら早く決めたほうかいいわね。PVだってあるし」
にこ曰く、今の現状をどうにかしなければアイドル活動に支障が出るらしい。
海未を含めここにいるメンバーはPVを取ったことがない。
海未「PV?」
そのためなぜPVとリーダーの変更が関わってくるのかわからないようだ。
その点にこはそのことについてしっかりと理解をしている。
にこ「リーダーが変われば必然的にセンターだって変わるでしょ。次のPVは新リーダーがセンター」
にこの言っていることは正しい。確かにセンターと言えばリーダーがこなしている印象がある。
にこが言っていることを聞いているのかよくわからないが話に参加してくる真姫。
真姫「そうね……」
神をいじりながら聞いているため、本当に話を聞いているのかと不安になる。
リーダーを変えるにしてもどうすればいいのかわからない花陽は、
花陽「でも、誰が?」
不安そうに熱弁しているにこに訊ねる。
花陽聞かれたにこは自分の後ろにあるホワイトボードを裏返し、
にこ「それは、リーダーとはまず第一に誰よりも熱い情熱をもってみんなを引っ張っていけること。次に精神的支柱になれるだけの懐の大きさを持った人間であること。そして何より、メンバーから尊敬される存在であること。その条件をすべてそろえたメンバーとなると……」
そこに書いていたことを読み上げる。空也は思い当たっていたこのメンバーでこの条件に当たる人物のことを。
にこの言ったことを含めて考えた結果凛にある人物が浮かんだ。
凛「空也先輩かにゃ?」
それはなぜか空也のことだった。
あまりにも驚きすぎて反応に少し遅れるが、
空也「おい、話聞いてたか? メンバーって言ってたよな」
空也が言ったように表に出るメンバーではない空也がリーダーだといろいろと統率がとれない可能性が出てくるため空也はそれらしい理由で断る。
空也に言われたことで新しく考えた凛はまたもすぐに人の顔が浮かんだ。
凛「そっか……。じゃあ海未先輩かにゃ」
それは練習メニューを考えている海未だった。
その答えを聞いたにこは自分の望んでいた答えと違ったようで、
にこ「なんでやね~ん!」
すごい勢いでツッコミを入れる。
海未はそのツッコミを完全にスルーして、
海未「私が……⁉」
自分の名前が挙げられたことに驚き目を見開く。
その隣にいた穂乃果は、いつもと変わらない明るい様子で、
穂乃果「そうだよ海未ちゃん、むいてるかもリーダー」
海未がリーダーになることを素直に受け入れた。
そんな様子穂乃果にまたさらに驚く海未は、
海未「それでいいのですか?」
穂乃果にその真意を聞く。
しかし、その質問を穂乃果は理解していなかった。
穂乃果「え? なんで?」
ひょっこりとした様子で海未の質問の意味を聞く。
その様子を見かねた空也が海未の質問の意味を穂乃果に伝える。
空也「なんでって、お前リーダーじゃなくなるってことはお前センターで歌えないんだぞ」
今までリーダーという立場だったからセンターで歌うことができた。しかしリーダーでなくなってしまえばセンターでは歌えない普通なら嫌がるような状況ではある。
しかしそんなことは気づいていなかってようで少し考える穂乃果だが、
穂乃果「そうか! う~ん、まっいいか!」
結論としてはμ'sとして歌っていけるなら別にリーダーでなくてもいいという考えに至ったようだ。
穂乃果のその回答にここにいるほかのメンバーが驚く。
海未「そんなことでいいのですか!?」
そして海未がみんなを代表して本当にいいのか最後の確認をする。
穂乃果は本当にいいようでこの話を終わらせようとした。
穂乃果「じゃあリーダーは海未ちゃんということにして」
穂乃果は早くこの話を終わらせて練習したいようだった。そしてその目からは自分の言ったことに後悔はないように感じた。
その様子を見ていた空也も先ほどは驚いていたが、
空也「穂乃果らしいな」
穂乃果の行動を身近で見ていたおかげでその行動にすぐに納得していた。
しかし自分がリーダーという立場になりかけている海未にそんな余裕はなかった。
海未「待ってください……。無理です……」
極度な恥ずかしがり屋の海未は率先して前に立つということは避けたいようでリーダーになるということを断る。
その様子を見た真姫は海未の性格を見て、
真姫「面倒な人」
先輩ということを忘れているのかボソボソと小さい声で言った。
このままではいけないと思った花陽がもう一人のリーダー候補の名前を言う。
花陽「じゃあことり先輩?」
始まりの3人であるうちのまだ名前が出てきていないことりのほうをみんなが向くが、
自分の名前が挙げられたことに関して驚きもせずにただ首をかしげていた。
ことり「ん? 私?」
凛はそんなことりを見て思った。
凛「副リーダーって感じだね」
確かに凛の言う通りことりはみんなを引っ張っていくというよりサポートする方が向いている。その点を考えると凛の感じたことは間違っていないのだろう。
いよいよ候補がなくなってきたようで話もだんだんと停滞してきた。
花陽「でも1年生でリーダーっていうわけにもいかないし」
花陽の言う通り一番の下級生がしきるとなると少し今後に影響しかねない。
候補がだんだんなくなってきていよいよというところでアピールをしてくる。
にこ「仕方ないわね」
しかしそんなにこの表現もスルーされ、
空也「穂乃果のままでいいんじゃないか」
空也は、自分の思うリーダーにふさわしい人物。穂乃果の名前を挙げる。
その様子を見ていたにこはさきほど熱弁していた時より大きな声でアピールをする。
にこ「仕方ないわね!」
しかしそれでもみんなには届かない。
真姫「私は海未先輩を説得したほうがいいと思うけど」
にこをスルーして真姫は自分の考えを全員に伝える。確かにその方が楽ではあるが一番難しいことでもあるのだが。
にこはそれでもめげずにさっきよりも大きな声で言う。
にこ「仕方ないわね!」
残念ながらそれでもみんなにはスルーされてしまう。
花陽「投票がいいんじゃないかな」
花陽は一番手っ取り早く確実性のある提案を出す。
最後にはどこから取り出したのか定かではないスピーカーを持ち出してしゃべる。
にこ「仕方ないわね!!」
部室にハウリングを起こしそうな勢いでにこの声が響く。
それが響き終わった後、
凛「で、どうするにゃ?」
凛が華麗ににこのことをスルーした。
凛がスルーしたことにより、ここにいつメンバーはどうすればいいのかを察した。
空也「そうだな。どうするか」
空也も同じようににこをスルーするが最終的にはにこの提案でカラオケに行くことになった。
場所は変わり学校近くのカラオケ店に来ていた。
カラオケルームの中でにこはマイクをもちこぶしを突き上げ、
にこ「わかったわよ。じゃあ歌とダンスで決着を付けようじゃない」
これからやることの宣言をした。
しかしこんなことで勝負するとは思っていなかったことりは、
ことり「決着?」
首をかしげながらにこに質問をする。
そしてすごく必死なにこの様子を見ていた空也は、
空也「そんなにリーダーがやりたいんですか?」
にこに単純にそう聞いてみた。
にこもそのことを隠そうとはしていないようで、
にこ「当たり前じゃない!」
素直に白状をする。勢いのある答えに本当にリーダーをやりたいと思っているようだ。
まぁ、やる気のあるリーダーなのはいいことだとは思うが……。
空也「はぁ~、わかりましたよ」
空也はそういう考えに至ったがすぐさま考えを改めることになるのだった。
凛は勝負ということでその方法をにこに訊ねた。
凛「勝負の方法はみんなで得点を競うにかにゃ?」
カラオケに来たからにはそういうことなのだと確認の意味を込めてにこに聞く凛。
にこの考えも同じだったようで、すぐさま凛の考えを肯定する。
にこ「その通り。一番歌とダンスだうまいものがセンター。どう? それなら文句はないでしょ」
確かにセンターはいろんな人に見られる。だったら歌はともかくダンスはうまくてはならない。
しかしカラオケに慣れていない人には不利な勝負に、
海未「でも私カラオケは……」
真姫「私も特に歌う気はしないわ」
興味のない人や慣れていない人にはやろうとは思わなかったようで、そのように発言する。
しかしその発言はリーダーになりたいにこからすると都合のいい答えだった。
にこ「なら歌わなくとも結構。リーダーの権利が消失するだけだから」
そのせいでこのように話すが少なくともそれで真姫はやる気になってしまった。
そんなことは今のにこに知る手立てはなく、
にこ(くふふふふふ。こんなこともあろうかと高得点の出やすい曲のピックアップは既に完了している。これでリーダーの座は確実に)
黒い笑顔でこっそりと口にする。
誰も聞いていないことをいいことに呟いた時とは全然違うやる気のある顔で宣言する。
にこ「さぁ、始めるわ。ってあんたら緊張なさすぎ」
しかしそのやる気はにこだけが持っているものだったようで、ほかのみんなはただ純粋にカラオケを楽しむようにしていた。
そうしてカラオケ勝負が始まった。
海未「……ふ~、恥ずかしかった~」
最後まで嫌がっていた海未をやる気にさせ全員が歌い終わった。
海未の得点は93点、穂乃果は92点、ことりは90点、花陽は96点、真姫は98点、凛は91点、にこは94点だった。
空也「これでみんな90点以上だったな」
空也の言う通りみんながみんな90点以上の得点をとっていた。これも真姫の歌のアドバイスがあったからだろう。
そうして分析していると穂乃果から空也に声がかかる。
穂乃果「じゃあ次は空也君に歌ってもらおうよ!」
まさかまさかの歌ってとのお願いだった。
穂乃果の言葉を皮切りにことりも空也に頼んでくる。
ことり「そうだね。私も久しぶりに空也君の歌聞きたい」
そして純粋に空也の歌を聴きたいと思った花陽も、
花陽「私も聞いてみたいです」
目を輝かせて空也に懇願する。
いきなりのことで空也も驚くことしかできない。
空也「マジで!?」
目を見開き穂乃果たちに本当に歌わなければいかないことを聞く。
真姫も歌に関しては聞いてみたいと思っていたようで、
真姫「私も聞きたいわ」
珍しく自分の意見を出した。
みんなが聞きたいと願っている現状で凛が聞きたいと思わないわけがない。
凛「凜も凛も~」
そして海未は今まで悪ノリで悩まされた腹いせと思わせるほどの勢いで、
海未「さ、お願いします」
マイクを渡してくる。
この状況に見かねたにこが、
にこ「さっさと歌いなさいよ~」
空也の歌うことを催促してくる。部長まで参加してくるとなると断ることが難しい。
この状況であきらめた空也はマイクを手に取り曲を予約する。
空也「はいはい。じゃあ『crossing field』でいいかな」
それはとあるアニメのオープニングテーマ。空也の好きな作品である。
穂乃果も空也にすすめられたことで見ていたのでその歌を歌っている歌手が女性であることに気が付き、
穂乃果「それって女の人の曲だよ。いいの?」
空也に聞いてみるが、
空也もそれなりにフェアな条件でやりたいと思ったようで、
空也「同じ条件でやろうと思ってな。大丈夫」
それが言い終わったと同時にイントロが流れる。
空也が歌い始める。キーは原曲をリスペクトした音の高さだ。
そうして歌い終わり、空也の点数は99点だった。
その結果をもいてすぐさま穂乃果が反応する。
穂乃果「すごい! 1番高いよ!」
穂乃果の言う通り部員の中で一番点数が高かった。
空也はやりきったというような顔で、
空也「そうか……、久しぶりだからどうなるかと思ったけど何とかなったかな? じゃあ、今度はダンスの勝負だな」
次の勝負場所に行こうとする。
にこもそれに賛成で、
にこ「そうね。じゃあ行くわよ」
しかし歌に自信を持っていた真姫が何曲か歌っていたのはこのメンバーだけの秘密である。
カラオケが終わりました。この回で私がやりたいことがわかる回となるので推測してみてください。
さて、実は次回で『センターは誰だ!』回の最終回です。
次回『リーダー決定』
それでは、次回もお楽しみに!
Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!