ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回から『センターは誰だ?』回に入ります。

慣れないことにチャレンジする初々しい彼女たちを見守ってあげてください。


取材される女神

 μ'sが7人になって数日たったある日希が昼休みにカメラをもってアイドル研究部へやってきた。

 

 そして急に録画を開始して穂乃果を移すが、

穂乃果「あっあの~」

 何も言われずに急に撮影されたことに戸惑いを思える穂乃果。

 

 しかしそんなことは希にとってそれほど気にするものではなかった。

希「はい。笑って」

 希は動画がよりよくなるように穂乃果に指示を出す。

 

 穂乃果も希に言われ戸惑いは増すが、

穂乃果「え? ハハハ~」

 苦笑いながらも希の要望に応える。

 

 今度はなぜか希の隣でカメラを持っている空也が口を開く。

空也「はい。次は決めポーズ」

 希が穂乃果に要望を言ったことで悪ノリして穂乃果に伝える。

 

 いきなり空也の言ったことに驚くながらも、

穂乃果「えぇ~!? じゃあこれは」

 数か月間アイドルとして活動しいてきて穂乃果はアドリブ力が少なからず身についていた。

 

 穂乃果が空也の指示で決めポーズをしているところに、

希「これが音ノ木坂学院に誕生したμ'sのリーダー、高坂穂乃果。その人だ」

 希は手に持ったマイクでナレーションを入れる。この内容からしてμ's関連のことらしい。

 

 そして面白がって希と空也の後ろで見ている凛が、

凛「はいOK~」

 終了の指示を出す。かなりベストな終わり方だと思う。

 

 いきなりのことで質問することを忘れていたのを思い出し、

ことり「あの~、これは?」

 ことりが気になっていることを聞いた。

 

 しかしそれでも凛はことりの質問に答えず空也に指示を出す。

凛「じゃあ次は海未先輩ね」

 

 一番の恥ずかしがり屋な海未を取ろうと凛が言ってきたのでカメラを海未に向ける。

空也「凛。撮るのは俺だぞ。ちょっと落ち着いてくれ」

 そんな悪態をつくがそれでもカメラを向けるのをやめない。

 

 空也に指摘されて少し調子に乗っていた凛は少し反省をする。

凛「あ! そうでした。ごめんなさい空也先輩」

 

 空也と凛のやり取りの間に、

希「ごめんごめん。実は生徒会で部活動を紹介するビデオを制作することになって、あくまで取材をしているところなん」

 希が今回カメラをもってアイドル研究部に来た理由を伝えてくれる。

 

 希が言い終わったら今度は空也が、

空也「それで。手伝ってるってわけだ」

 自分がカメラを持っている理由を穂乃果たち3人へと伝えた。

 

 伝えてもいまだ穂乃果の頭の上にははてなマークが浮かんでいるようだ。

穂乃果「取材?」

 そう言いながら首をかしげていた。

 

 凛は自分のわかってる話から、

凛「ね、ね! 面白そうでしょ!」

 今までやったことのないことに興奮している。

 

 希は自分にあるメリットではなく、

希「最近スクールアイドルってはやってるしμ'sとして悪い話ではないとおもうんやけど」

 今回はアイドル研究部にあるメリットをここにいるメンバー全員に伝える。

 

 しかしそんな事情が分かっても人の感じ方は変わらない。

海未「私は嫌です。そんなカメラに映るなんて」

 海未は恥ずかしがり屋をここでも発動して頑なに断る。

 

 しかしこの状況に心を動かされる人間が少なからず1名いる。

穂乃果「取材……。なんてアイドルな響き」

 そう、穂乃果だ。穂乃果は眼をキラキラさせてそして体をうねうねさせて喜んでいる。

 

 いきなり言われたことを受け入れ喜ぶ穂乃果に、

海未「ほっ穂乃果……」

 海未は少し残念がりながら穂乃果に話しかけた。

 

 海未もうすうす感じている通りもうすでに穂乃果はやる気である。

穂乃果「OKだよね。海未ちゃん。それ見てくれた人、μ'sの事おぼえてくれるし」

 穂乃果もただ面白そうだからということで了解したわけではない。今後のμ'sにとってのことも考えてのことだった。

 

 ことりの考えも穂乃果と一緒で、

ことり「そうね。断る理由はないかも」

 考えてみた結果ことりの中ではこのような結論になったらしい。

 

 海未は自分と一緒になって反対してくれることりのことを頼っていたのだが、それがすぐに打ち砕かれてしまう。

海未「ことり!?」

 海未は心底意外そうにしていた。

 

 そしてそんな海未に追い打ちをかけるように空也が口を開く。

空也「取材させてくれたらカメラ貸してくれるっていうんだし、いいんじゃないかな」

 そう。希と空也の間でそういう話が出ていたのだ。カメラがあればこれまで以上に活動の幅が広がる。

 

 希がそのカメラの使い方の1例を出す。

希「そうしたらPVとか撮れるやろ」

 PV……プロモーションビデオを撮ることができれば広報に使えたり、それこそアピールに使える。

 

 その考えに至るのは簡単だが本人たちが考え付くのは難しい。

穂乃果「PV?」

 よって穂乃果が首をかしげて疑問に思っていた。

 

 その疑問に凛が答える。

凛「ほら、μ'sの動画ってまだ3人だった時のしかないでしょ」

 ネット上にはμ'sが7人になったことは写真でだけでしかわからない状態で、スクールアイドルに重要な歌では登場にしていないのだ。それではアイドルとしては本末転倒だろう。

 

 やっと今のμ'sの状況を理解した穂乃果は、

穂乃果「あぁ~、あの動画、撮ってくれたの誰かわからないままだし」

 ふと前から思っていたことが不意に口に出る。

 

 そして凛に聞いたことでふとことりが思い出す。

ことり「海未ちゃん。そろそろ新しい曲をやったほうがいいって言ってたよね」

 メンバーが増えたのに曲が新しくできていないことに気が付いた海未と話した内容だ。

 

 ことりの言葉を聞いて空也は、

空也「作るのは俺だけど…」

 そう言いながらも確実にやる気を出していた。その証拠に目が珍しくキラキラしていた。

 

 空也のその変化に気が付いた穂乃果は、

穂乃果「決まりだね」

 反対する理由がないことで全員の意見が一致したと考えた。

 

 もちろんここまでのメリットを出してきたら海未だって反論はできない。

海未「も~。わかりましたよ」

 仕方ないと割り切って撮影を許可する。

 

 海未の了承も取れたので早速、

穂乃果「よ~しじゃあほかのみんなにも言ってくる」

 穂乃果はそう言って駆け足で校舎の中へと入って行った。

 

 そしてその後を追うように、

ことり「待って~」

海未「ちょっと穂乃果~」

 海未とことりが穂乃果を追いかける。

 

 あの3人だけでは詳しい内容は伝えられないと判断した空也は、

空也「凛も行ってくれないか」

 最初から成り行きを知っている凛に行くことをお願いした。

 

 凛は先輩からのお願いを断ることはせず、

凛「わかりました」

 その一言で急いで3人のもとへと向かった。あの速さならすぐに追いつくだろう。

 

 そういって4人を行かせた後何で空也がいかなかったのかというと……、

空也「希先輩。ありがとうございます。わざわざ嘘まで言ってカメラ貸していただき」

 そう、希のウソに気が付いたからだ。なぜ生徒会がこの活動をしているのか、やるなら放送部の活動になるだろう。

 

 そして空也に訊ねられた希は、一瞬空也を真剣に見て、

希「な~んだ。気づいてったんや」

 その一瞬とは裏腹に明るく無邪気に答えて見せた。

 

 そして空也は今が最高の機会であることを考え今まで一番聞きたかったこと希に聞く。

空也「えぇ、それとあなたの性格からして『μ's』の名前を付けてくれたのもあなたですね」

 神田明神でアルバイトをしている。その理由が空也に知っている中で”スピリチュアル”だから。神話からつけたんだ、知っててもおかしくないだろう。そして何度かμ'sのことを助けてくれた。その結果からみると一番可能性のあるのは希だけだった。

 

 またもや自分のしてきたことを言い当てられた希は、

希「なんでもお見通しみたいやな。そうやけど、何?」

 半分感心しながらそして半分ばれてしまったことを残念がりながら空也に言い返した。

 

 しかし空也の言いたかったことはそれではなかった。

空也「いえ、ありがとうございます。最後に……」

 空也の感じていたのは感謝。きっと名前がなかったらここまで続けることはできなかったかもしれない。

 

 それと同時に空也が気になることを言ったのでそれが気になる希。

希「なんや?」

 首をかしげながら空也に訊ねる。

 

 今一番気になっていることを空也は希に聞くことにした。

空也「絢瀬会長って何がやりたいのかがわからないんですが知っていますか?」

 無理していることはわかってもそこまでは知らない空也はきっと知っているだろう希に聞くことにした。

 

 今までのことと今聞かれたことそれをすぐに察した空也を尊敬して、

希「ほんとに鋭い子やな。でもその件に関してはうちらに任せてもらいたいな~」

 空也のことをほめるが、希は自分にまかせてほしいと空也にお願いした。

 

 空也もきっと希なら何とかしてくれるだろうと少しながら感じていた。

空也「そうですか。じゃあお願いしときますね」

 だから今は、希にすべてを任せることにした。

 

 空也に任された希は今までで最高の笑顔を空也に見せ、

希「うん。うちらに任せとき」

 自信満々に空也に宣言した。

 

 

 

 

 

 そして放課後今まで取った内容を確認してほしいということでアイドル研究部でビデオの内容を確認していた。

 

 最初は穂乃果の授業中を取った動画。

希「スクールアイドルとはいえ学生であるプロのように時間がいに授業を受けたり早退が許される許されることはない。よってこうなってしまうこともある。昼食をしっかりとってから、再び熟睡。そして先生に発見されるという1日であった。これがスクールアイドルとはいえまだ若干16歳。高坂穂乃果のありのままの姿です」

 

 動画には授業中に居眠りをしている穂乃果の姿。そして元気いっぱいにご飯を食べている穂乃果の姿。そして今度は居眠りがばれて転んでしまう穂乃果の姿が映されていた。その最中希がマイクをもってナレーションをしていた。

 

 穂乃果は自分の恥ずかしい姿を撮られたことに顔を赤くして、

穂乃果「ありのまま過ぎるよ~! というかいつの間に撮ったの~⁉」

 恥ずかしさのあまりその場に急に立ち上がりツッコミを入れた。

 

 そして穂乃果の疑問に対して凛がその人物へと話しかける。

凛「うまく撮れてたよ~。ことり先輩」

 カメラの角度的にことりしかあの映像を撮ることができないのでことりがとることになったのだ。

 

 そして凛にばらされたことりは頬に掌を当てて少し頬を染めながら、

ことり「ありがと~。こっそり撮るのドキドキしちゃった」

 すごく楽しそうに話す。

 

 ことりが撮ったという事実を知った穂乃果が

穂乃果「え~!? ことりちゃんが! ひどいよ~」

 少し駄々をこねるように目を思いっきりつむり話す。

 

 そして空也は幼馴染の変化に気が付く。

空也「それになんかことりがSに目覚めたっぽいんだが」

 最近ことりがSっ気が出てきたことが空也にとっては驚きでしかなかった。

 

 しかしことりにそんな自覚はなく、

ことり「そうかな~」

 首をかしげて空也に聞き替えす。

 

 空也とことりの会話の外で海未が穂乃果に説教をしていた。

海未「穂乃果。普段だらけてるからこのようなことになるのです」

 真面目が一番似合う海未が言うと説得力がある。

 

 しかし穂乃果はそんな説教は聞いていなかった。

穂乃果「さっすが海未ちゃん」

 穂乃果は海未の写っているカメラに釘づけにされていた。

 

 急に褒められた海未は何をしているのか疑問に思い、

海未「ん?」

 穂乃果のほうを向く。

 

 穂乃果の見ているビデオには海未が弓道部の練習をしてる姿があった。

穂乃果「真面目に弓道の練習を。これは~?」

 真面目に練習している様子を写した素晴らしいビデオなのだが、次の瞬間それが崩れる。

 

 弓道部にある鏡に向けて笑顔の練習をしていた。ポーズ付きで。

ことり「可愛く笑顔が見える練習?」

 しかしそれはライブでの反省会で言われたことを実践していたのだから恥ずかしいはずではないのだが……。

 

 それでも海未は恥ずかしかったらしい。

海未「プライバシーの侵害です!」

 顔を真っ赤にしてすぐさまカメラを止める。

 

 その映像を見ていなかった空也だけが海未の行動の意味を知らずにいた。

空也「どうした? なんかあったのか?」

 

 海未は空也に見られていなかったことを一安心をして、

海未「なんでもありません!」

 すぐさま気にしないように空也に言った。

 

 その間に穂乃果は何を思ったのか立ち上がり回転しながらことりのバックのある所へと向かった。

穂乃果「よっし。こうなったら~、ことりちゃんのプライバシーも。ん?」

 たどり着くとすぐに目についたものに疑問を感じる。

 

 そして穂乃果の行動に疑問を感じた空也もバックの中を見る。

空也「どうした?」

 

 穂乃果はことりのカバンの中にあるとある写真を指さす。

穂乃果「なんだろ~。これ?」

 じっくり見ようとしなのだがすぐにそれはかなわなくなってしまう。

 

 ことりがすぐにチャックを閉じて素早く後ろに下がってしまう。

穂乃果「ことりちゃんどうしたの?」

 急なことりの反応を疑問に思った穂乃果は素直にことりに聞いてみることにした。

 

 その穂乃果の問いに早口で、

ことり「なんでもないのよ」

 明らかに焦っているように見えるが答えた。

 

 ことりの回答に穂乃果は納得できなかった。

穂乃果「でっでも……」

 だからもう一度問い返すのだが、

 

 またも早口で、

ことり「なんでもないのよ何でも」

 本当に聞いてほしくないからこそここまでかたくなに断るのだろう。なら空也は問いただすことをやめた。

 

 その間のやり取りを見ていた希はことりの助け舟を出すかのように話題を戻す。

希「完成したら各部にチェックはしてもらうようにするから。問題あったらその時に」

 しかしそれは穂乃果にとっては恐れているものの1つであった。

 

 穂乃果が恐れているものそれは……、

穂乃果「でも! その前に生徒会長が見たら……」

 自分たちの活動に否定的な生徒会長が見てしまった時の行動だった。

 

 空也は穂乃果の考えていることがすぐにわかった。

空也「俺たちのせいで風紀が乱れるとか言われそうか?」

 学校のイメージにすぐに直結するため文句を言われるのは仕方がないがそれでも文句を言われるのは嫌なのである。

 まぁ、そんな心配はないのだがここは秘密にしておいた方がいいだろう。

 

 空也の考えは正しかった。

穂乃果「そうだよ!」

 穂乃果は空也の言葉にそう言って空也に向かって身を乗り出した。

 

 しかし、希はそこまで責任を持てるわけではない。

希「まぁ、そこは頑張ってもらうとして」

 ただ頑張るしかない。それはこのグループにとっては一番簡単なことであった。

 

 しかし、穂乃果の予想外の希の返しに少し戸惑い、

穂乃果「え!? 希先輩なんとかしてくれないんですか」

 本人に訊ねてみるが……、

 

 事情を知っている空也が穂乃果のことを止めようとした。

空也「いくらなんでもそこまでしてもらうのは悪いだろ」

 生徒会だからと言っていろいろなことを任せっぱなしではいけない。

 

 空也のフォローもあって簡単にかわすことのできた希は、

希「ありがと~、空也君。さて次は……」

 空也にお礼を言ってすぐに自分の次の仕事に入ろうとした。

 

 するとそこへ突然部室のドアが開く。そこに現れたのは息を切らして怖い目をしているにこであった。

にこ「はっはっはっはっはっは」

 正直、すごく怖い顔だった。

 

 しかし短くてもにこの性格が分かってきた穂乃果は、

穂乃果「あ、にこ先輩」

 急いでやってきたであろうにこに疑問を持ち問いかけたのだった。

 




オリジナル設定がここで入ってきました。部活紹介が嘘⁉と思った人も多いと思いますが、本編で言った通り自分は放送部がやることじゃないかなと思ったのです。後悔はない。

さて、絵里のことを希に任せた空也。もしかしたら空也の出番はなかったりするかもしれませんね。

次回『素朴な疑問』

それでは、次回もお楽しみに!



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https://twitter.com/kuuya_soranari
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