ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回は少し暗いサブタイトルですが花陽が成長するのに必要な回になります。

なので今回も成長していく彼女達にを見ていってください。


壊れる決意

 放課後になってから間もない時間に生徒会長たちは理事長室へと向かった。

 

絵里side

 

 理事長にμ'sのことを話すために来た生徒会長は、講堂内に生徒が集まらなかったことを話した。

絵里「生徒は全く集まりませんでした。スクールアイドルの活動は音ノ木坂学院にとってマイナスだと思います」

 そしてそこから穂乃果たちの活動の無意味さに繋げて話す。

 

 しかし彼女たちは部活動で活動しているわけではない。

南ママ「学校の事情で生徒の活動を制限するのは」

 よって彼女たちの活動を制限することはできない。

 

 その答えを聞いた生徒会長は自分たちの活動を認めてもらおうとお願いをするが、

絵里「でしたら学院存続のために生徒会も独自に活動させてください」

 

 それで理事長の絶対に受け入れられないことの一つだった。

南ママ「それはダメよ」

 だから頑なに生徒会長の提案を拒む。

 

 その意味を理解することのできない生徒会長は理不尽な理事長の意見に反論する。

絵里「なぜですか!」

 理事長の机を思いっきりたたきその理由を尋ねる。

 

 しかし理事長はその質問には答えず別の話題へと会話をすり替える。

南ママ「それに全然人気がないわけじゃないみたいですよ」

 そう言って自分の見ていたパソコンを生徒会長たちに見せる。

 

 それを見た生徒会長は、

絵里「あ!」

 っと声を漏らし、眼を少しそらせた。

 

 そこで希は今起きている現状を口に出す。

希「この前のライブの。誰かが撮ってたんやな」

 理事長のパソコンには穂乃果たちμ'sのライブ映像が映っていた。それは希の言う通り誰かが撮影をしてサイトに乗せたということだった。

いったい誰がこの行動をしたのだろうか……。それは、撮影してサイトにUPした人にしかわからないことだった。

 そして希の目にはある1人の女性が映っていた。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽side

 

 真姫との用事が終わった花陽は家に帰ろうと今日のことを思い出しながら家に帰っている。

花陽「いろいろあるんだな~みんな。あ、お母さんにお見上げ買っていこうかな」

 するとそこで見つけた和菓子屋に普段来ないところだったためお土産を買おうと決めその店へと入る。

 

 『穂むら』と書かれた店の暖簾をくぐる。

穂乃果「あ! いらっしゃいませー」

 すると入ってきた花陽に対して店番をしていた穂乃果が出迎えてくれる。

 

 花陽は穂乃果が店番をしていることに驚く。

花陽「あ、先輩」

 それから話があると裏口に呼ばれ家に入る。

 

 そこには先回りしていた穂乃果がいてすぐに花陽を迎え入れた。

穂乃果「いらっしゃい」

 

 1日に2度もほかの人の家に入るとは思いもつかなかった花陽は少し声が小さくなりながらも、

花陽「お邪魔します……」

そう答えた。

 

 そこで穂乃果は1つの事情を話す。

穂乃果「私、店番あるから上で待ってて」

 

 穂乃果がそういったので花陽は、

花陽「あっはい」

 その言葉に従い2階へと上がった。

 

 すると問題になってくるのは入る扉だ。上ったところには2つのドアがあるが、初めて来る花陽はどちらが穂乃果の部屋なのかわからない。

花陽「えっと……」

 迷った花陽はとりあえず手前のドアを開けた。

 

 するとそこには、

雪穂「ふんぐぐぐぐぐぐ~、この位になれれば」

 顔に美容パックをつけ、胸を寄せ集めている少女の姿があった。それを見た花陽は、見てはいけないものを見てしまったと思いすぐに扉を閉める。

 

 すると誰かのハミングが隣のドアから聞こえてくる。

 

 ♪~♪~

 

 花陽は今度は音のするほうの扉を開けた。

海未「ララララ~ラ、じゃ~ん。ありがと~」

 今度はマイクを片手に鼻歌を歌いながらポーズをとる。μ'sの1人園田海未がいた。花陽はまたもや反射的に扉を閉める。

 

 バタン

 

 2つの部屋のどちらに入っても修羅場になるこの状態に困惑する花陽は、部屋の前に立ち往生していた。

花陽「どっどうしよう」

 

 花陽の扉を閉めた音が大きかったため部屋の中にいた2人はすぐさま部屋の外に出て花陽の姿を確認する。

雪穂 海未「「見ました!?」」

 鬼気迫る顔で花陽に尋ねる。

 

 花陽がこの状況で困惑しているところにちょうどいいタイミングで空也が来た。

空也「何やってんだよ2人とも」

 空也はカオスと化した空間に困惑し、海未と雪穂に尋ねた。

 

 雪穂は、自分のしていたことを知られてほしくないため、

雪穂「くっ空也お兄ちゃん!? なんでもないよ!」

 空也が来たことを驚きながらもそう答えた。

 

 雪穂の言葉を聞き海未も事実を消そうとした。

海未「はい。なんでもないんです」

 

 そこでなんとなく状況を理解した空也は、

空也「そうか。あと、雪穂。今の自分の格好を気にしろ。それと小泉さん、どうしたの?」

 雪穂の今の姿を注意して、普通ここには来ないはずの花陽がいることを花陽に尋ねた。

 

 雪穂は空也に注意された後自分の今の格好を思い出して

雪穂「あ……」

 顔を赤くして、自分の部屋に戻っていった。

 

 そして、空也に聞かれた花陽は、事情を話した。

花陽「私は、高坂先輩に上で待っててといわれたので来ました」

 

 穂乃果の家なので客としてきたのだろある程度理解した空也は

空也「そう。じゃあ穂乃果の部屋で待ってるか」

 花陽を穂乃果の部屋へ案内をした。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 穂乃果が部屋に来て改めて自分の見てしまったことを海未と姉の穂乃果に謝る花陽。

花陽「ごっごめんなさい」

 

 アイドルになることを最後まで渋っていた海未がそんなことをしていたことに驚きを感じた穂乃果は、

穂乃果「ううん。いいの。こっちこそごめん。でも海未ちゃんがポーズの練習をしてたなんて~」

 とことん海未をいじることにした。

 

 普段はからかわれることのない海未は、

海未「穂乃果が店番でいなくなるからです!」

 かなり苦しい言い訳をして見せた。

 

 空也はその言い訳に純粋に反応した。

空也「店番でいなくなったからって練習するようなもんなのか」

 そんな空也のツッコミに海未はさらに顔を赤くする。

 

 空也に最後のとどめを刺され、

海未「空也まで……」

 だんだんと声が小さくなり、より一層顔が赤くなる海未。

 

 そんな海未を見ていられなくなった花陽は、

花陽「あっあの」

 とりあえず声をかけてみることにした。

 

 するとタイミングよく穂乃果の部屋の扉が開く。

ことり「お邪魔します。あ!」

 部屋に入ってきたのはことりだった。ことりはすぐに普段とは違う点に気が付く。

 

 花陽も入ってきたことりに挨拶をする。

花陽「お邪魔してます」

 

 ことりは普段はいないはずの花陽がいることに1つの可能性を考えた。

ことり「え? もしかして本当にアイドルに!?」

 それ以外花陽がこの部屋にいる意味が分からなかった。

 

 しかしそれは間違いなため空也がすぐに真実を教える。

空也「いや、穂乃果の店に買い物に来ただけだってさ」

 

 空也が訂正してくれたので穂乃果は自分の店の自慢の1つを見せた。

穂乃果「うん。だからご馳走しようと思って。穂むら名物穂むら饅頭、略して『ほむまん』。おいしいよ」

 海未の好物で空也が和菓子全般を好きになったきっかけを作った一品を花陽にもおすすめする。

 

 そしてことりは遅れた理由である物を穂乃果に渡す。 

ことり「あ、穂乃果ちゃん。パソコン持ってきたよ」

 

 穂乃果のパソコンがダメになってしまったため、ことりがパソコンを持ってきてくれたのだ。

穂乃果「ありがとう。肝心な時に限って壊れちゃうんだ~」

 確認したいことを確認しようとしたらパソコンがそもそも起動しなかったのだ。それに気が付いたためノートパソコンを持っていることりが持ってきてくれた。

 

 ことりがテーブルにパソコンを置こうとしていることを察した花陽がテーブルの片付けようとしていたのだが、

空也「いいよ。俺がやるから」

 空也が真っ先に動いた。

 

 花陽は空也に感謝した。

花陽「あっありがとうございます」

 まだ慣れていないせいか言葉は少し詰まってしまうけどそれでもしっかりと空也には感謝してくれたことは伝わった。

 

 そして海未は、ことりがパソコンを持ってきた理由を聞いてみた。

海未「それで、ありましたか? 動画は?」

 動画がアップされている。そんな噂を学校で聞いた穂乃果たちは確認すべく穂乃果の家で調べようとしたのだが穂乃果のパソコンがダメになったためことりが持ってきたのだ。

 

 家に帰ってからすぐにパソコンを持ってきたため検索はしていないのでまだわかっていないのだが、

ことり「まだ確かめてないけど、たぶんここに」

 スクールアイドルのページを開いて上から見ていくと新着からそんなにしないくらいのところに……

 

穂乃果「あった!」

 穂乃果が見つけた通りそこには『μ's』の文字があった。

 

 遅れてパソコンの画面を見た海未は、

海未「ほんとですか⁉」

 まだ見つかっていないようだったため、

 

 動画を再生してみることにした。

空也「おぉ~、よく撮れてるな~」

 その映像ははっきりととれていて、手振れなんかもないきれいな映像だった。

 

 その動画を見ていくと同時に一つの疑問が出てくる。

ことり「誰が撮ってくれたんだろ~?」

 誰がとってくれたのか。それは空也でないことは学校でわかっているため誰なのかわからないでいた。

 

 けど今重要なのはそこではない。

海未「すごい再生数ですね」

 再生数もそうだが、コメントもかなりの高評価だった。

 

 ファーストライブのあの集客数をから考えるとかなり多くの人に見てくれたことになる。

穂乃果「こんなに見てもらったんだ~」

 それは穂乃果を大いに喜ばせた。

 

 動画を見ながらライブの時の反省点がさらに見つかってくる。

空也「ここは見ていてきれいだったぞ」

 でもそれは悪い点だけではなく良い点もはっきりとわかるようになっていた。

 

 空也が褒めたところは、初めのほうのことりが歌い終わったときの3人の手の動きだった。練習では何回も失敗していたところだったため、

ことり「何回も練習してたところだから決まった瞬間ガッツポーズしそうになっちゃった」

 ことりは素直にうれしかった。

 

 そんな話をしていると穂乃果が花陽の位置ではパソコンの画面が見ずらいことに気が付く。

穂乃果「あ! ごめん花陽ちゃん。そこじゃ見づらくない?」

 花陽に話しかける穂乃果だが、花陽からの返事はなかった。

 

 なぜなら花陽は思いっきり画面に集中してほかの音なんて耳に入ってこなかったからだ。

花陽「…………」

 そこまで聞き入っている花陽を見て、アイドルがそこまで好きなことを理解する3人。

 

 そこで今回は真剣にアイドルに勧誘することにした。

海未「小泉さん」

 海未が真剣な様子で花陽に訪ねる。

 

 その続きを穂乃果が言う。

穂乃果「スクールアイドル。本気でやってみない?」

 アイドルがそこまで好きなら、きっと本気でなりたいと思っている。その考えに今回は間違えはなかった。

 

 それでも、自分の性格を知っているからこそ、

花陽「え!? でも私向いてないですから」

 向いていない、恥ずかしいで済ませてしまう。

 

 でもそれは穂乃果たちにとっては想定内だった。

海未「私だって人前に出ることは苦手です。向いているとは思いません」

 海未も最初は人前に出るのは苦手だった。今でも苦手なのは変わらないがアイドルを通じてましにはなってきた。

 

 海未に続いてことりも、

ことり「私も歌忘れちゃったりするし運動も苦手なんだ」

 ことりは運動が苦手だ。それも今も変わらないが練習をしていくとだんだんできるようになっていた。

 

 そして最後に穂乃果が自分の欠点を言う。

穂乃果「私はすごいおっちょこっちょいだよ」

 これは空也が思うに一生かかっても治らない穂乃果の特性なのだ。おっちょこちょいだから振り付けは間違えるし、ダンスも少し人より早くなってしまう。

 

 人は欠点でできている。欠点のない人なんていない。だけど欠点は克服できる。

花陽「でも……」

 それでも恥ずかしいというのは変わらない。

 

 そこで最後の最後に空也が口を開いた。

空也「こう言っちゃなんだが、こいつらはプロとしてやるなら失格だろうな。でもプロじゃなく3人はスクールアイドルなんだ。才能より、向き不向きより、やるかやらないかじゃないのかな?」

 この言葉に空也が伝えたいことはすべて詰まっていた。

 

 空也の言葉に同調して、

ことり「そうだよ。だから目的に向かってやってみることはできる!」

 ことりがガッツポーズをして続ける。

 

 プロではなくスクールアイドル。

海未「それがスクールアイドルだと思います」

 自分がやりたいと思ったことをやるのが一番正解なのだ。

 

 そしてそれは穂乃果の考え方と同じだった。

穂乃果「だからやりたいと思ったらやってみようよ」

 やりたいと思ったらまず行動してみる。それが穂乃果だ。

 

 まぁ、ここまではいい調子なのだが……

海未「もっとも練習は厳しいですが」

 海未が言ったことは事実なのだが、ここでデメリットを話す意味はあまりないような気もする。

 

 海未の言ったことに真っ先にツッコミを入れる空也。

空也「今言うのかそれを……。まぁ、鏡の前でポーズをとる練習はかなり厳しいのかな?」

 ツッコミを入れると同時に空気を変えるべく海未に犠牲になってもらった。

 

 最初のツッコミのほうが先に反応した海未は、

海未「は! 失礼……。って空也⁉ 今それを言うんですか⁉」

 もう一度考えてみると、またからかわれ始めたことに気が付いた。

 

 そんな海未は置いといて穂乃果は最後の勧誘に入る。

穂乃果「ゆっくり考えて、答え聞かせて」

 時間がないはずなのにそれでも待つという判断を取ったのは穂乃果の優しさからだろう。

 

 そしてそれはμ's全体の意志でもあった。

ことり「私たちはいつでも待ってるから。それと海未ちゃん。何の話だったの?」

 そして花陽に言いながらも、気になることを聞いたことりは海未に問い詰めることにした。

 

 ことりの性格からしてかなり引っ張られることは予想が付いたため、

海未「い、いぇ、何でもないんですよ」

 海未は、言葉が少し詰まりながらもごまかした。

 

 そのごまかしのあと結局ばれて緊張のほぐれた花陽と4人で笑った時に海未が顔を赤くして隠していなのはこの4人の秘密となった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽side

 

 次の日の学校。現国の時間

 

 花陽は昨日言われたことを原告の時間に思い出していた。

花陽(やりたいと思ったらやってみる。そうだよね)

 空也と穂乃果が言ったことを思い出し決意を固める花陽。

 

 すると花陽が先生にあてられる。

先生「じゃあ次を小泉さん」

 

 突然のことに焦る花陽は、

花陽「え!?はっはい……」

 そう言いながら思いっきり立ち上がる。

 

 そこで先生が花陽に指示を出す。

先生「読んで」

 

 花陽は先ほど決意したこともあって普段より大きな声で音読をしようと思ったのだが、

花陽「はっはい! 遠い山からこの一文が示す芳郎の気持ちをいったい何なっあ!」

 慣れていないせいで噛んでしまった。

 

 噛んでしまったことで花陽は先生に読むのを止められてしまう。

先生「はいそこまで」

 

 先生に言われた後クラスメイトから笑われ恥ずかしくなってしまい、先ほど決意を固めた花陽はもうこの空間にはいなかった。

花陽「はい…」

 それは花陽の決意を壊すのに十分すぎる出来事だったのだ。

 

 




今回も読んでいただきありがとうございます。

最後のほうの噛んだら交代ってなかなかプレッシャーですよね。私も受けたことがありますが滑舌が悪いせいでかなり早めに交代させられます。

さて、4話も終わり近づいてきました。

次回『6人になった女神』

それでは、次回もお楽しみに!



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!

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