ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回は完全オリジナルの回です。ファーストライブを終えた穂乃果たちが何を思ってこれからに繋げていくのかをお楽しみください。
それでは、今回も物語が始まります。どうぞ!
μ'sのファーストライブが終わった後空也の家で打ち上げをすることになった穂乃果たちは、空也の披露する夕飯を食べた後に反省会が始まることになった。
空也「今日はお疲れさま。まぁ、技術的にはまだだけど、それでもいいライブだったと思う」
それが空也の感じたひいき目なしでの感想。ライブ中にミスがないとは言えなかった。
その空也の感想を聞いた3人も同じことを思っていた。
ことり「そうだね。でも、私たちが今できる精いっぱいのことはできたかな?」
しかしマイナス面のことだけではない。今できる最高のパフォーマンスが披露できた。そう思えるほど本気でライブができた。
それはステージに立った3人が共通で思ったこと。
穂乃果「うん! 今度は、もっと人がいる中でしっかりと準備してからライブをやりたいね!」
だがそれでも改善点は多い。
ライブの広告を張った時から言っていたことをもう一度いう海未。
海未「だから言ったでしょう! いくらなんでも早すぎだと……」
確かにライブまでの時間は短すぎた。けど……。
けどその中であれほどまでのパフォーマンスが披露できたのだ。だから……
空也「まぁ、それでも今回は、成功と言ってもいいんじゃないかな?」
だからライブは成功した。誰が何と言おうがこの成功は覆らない。
空也の言葉を聞いた穂乃果は少し疑問を持ち、
穂乃果「お客さんあんまり来なかったのに?」
観客が少なかった今回のライブが成功したのかと言っていいのか空也に問いかけた。
その疑問が来ることはある程度予測がついていた空也は、
空也「ファーストライブに客の数を気にしないほうがいいよ。それより、このライブで人の心を動かせたら成功さ。小泉さんとかすごく見入ってたしな」
ライブが成功である理由を穂乃果たちに伝えた。確かに集客数だけを見れば完敗もいいところだろう。しかし、それでも少ない観客でもはたから見ても心を動かされているように感じたライブができたことは成功だったといえる。
空也の理由を聞いた穂乃果たちも
海未「そうですか……。うれしいものですね」
海未は純粋にうれしくなり、感慨にふけっていた。
その感動もつかの間、今度は問題点に目が行くようになった。
ことり「そうだね。でも、やっぱりまだまだなところもあるって思ったなぁ~」
ことりがステージでダンスや歌を披露したときに感じたことが少なからずあるようだ。
それに同調して穂乃果も自分のミスを思い出していた。
穂乃果「うん……。穂乃果、何回か振り付け間違えちゃった」
予定とは違った振り付けをしてしまった穂乃果。
穂乃果のカミングアウトを皮切りに、
海未「私も途中から笑顔を作るのを忘れてました……」
張り切りすぎて笑顔が途中から消えてしまった海未。
海未に続いて次はことりが
ことり「ことりもだよ……」
ミスをしないように2人のことを見ていたことりがそう答える。
そして空也はそれを肯定するのと同時に
空也「確かに何回かミスはしてたな。でも、ある意味良かったんじゃないか?」
ミスしてことをよかったと答えた。
空也の言葉の意味が気になったことりは
ことり「どういうこと?」
単純に空也に尋ねてみることにした。
ことりに聞かれた空也は、目を閉じてそこから何かを思い出すようにして口にする。
空也「なんにでも失敗はする。失敗したという経験から、どうやったら直せるか、できるようになるかを考えることが重要なんだよ」
自分がかつて3人を救おうとして失敗したことを思い出しながら自分の体験談を語った。
それに気が付くことは3人にはできない。それは彼女たちが知らないことなのだから。
海未「そうですね。では、どうすればいいのでしょうか?」
それでも空也の言ったことは正しいことだった。武道を経験している海未にはそれが分かった。
すると穂乃果がその先のことを考える。今のμ'sに必要なことだ。
穂乃果「う~ん……。まずは、ひたすら練習かな?」
ミスをしたからには改善しなければならない。だからどうするかを考えなければならないのだ。
そこにたどり着いた穂乃果たちに安心した空也が
空也「そうだな。今回は、リハーサルに時間をあまり作れなかったから、本番に近い状況での練習も入れたほうがいいだろう」
より詳しく解決をする方法を出した。圧倒的に時間が足りずリハーサルは本番前に一度しただけだった。
空也の意見を聞いたことりも自分の思ったμ's全体の欠点を口に出す。
ことり「それに、なんだかんだで、アピールも足りなかったよね」
広報不足。ポスターを早めに貼ってはいたが、だんだんと当たり前になってきてしまう。それに加えチラシ配りをしたのは昨日から。確かに広報不足は否めなかった。
海未も昨日のことを思い出しながら、
海未「前日になってチラシ配りですからね……」
それを乗り越えるための方法を考えていた。
しかし今回は空也は自分の経験を生かして広報活動をすることができなかった。
空也「確かにもう少し早く始めればよかったな。でもチラシは、学校で配る場合はあまり頻繁に配らない方がいいんだ」
これもその時に学んだことだが、ポスターからのチラシより、逆のほうが良かっただろう。
空也の言うことが経験がないためよくわからない穂乃果は空也に尋ねる。
穂乃果「それってどういうこと?」
いきなり言われても確かにそういう考えが浮かばないのだ。
そこで空也はわかりやすいように説明をする。
空也「学校ってさ生徒数に限りがあるだろ? それで同じものを何度も渡されたらどう思う?」
チラシを受け取ってもらえる人数に限りがあること。それで毎回おんなじ物が配られれば……。
空也に聞かれその場面を想像する海未は、
海未「確かにいい気持ちはしませんね…」
いやそうな顔をしてそう答える。
これが過去に空也が学んだこと。
空也「そう、最悪の場合は、そのチラシが校内に捨てられる可能性だって出てくるんだ」
チラシが捨てられるなんてことになったらそれは穂乃果たちが学校を汚しているようなもの。そんな状態を見ればよい評判なんかは全くでないだろう。
それを聞いたことりは悩む。
ことり「じゃあどうすればいいの?」
今まで経験したことのないことに発想が追い付かないのは仕方がない。
そんなことりに一つアドバイスを空也は出すことにした。
空也「ほかに情報を伝えるやり方があるかどうかだけどな」
重要なのはいかに情報を広くに伝えるかだ。
それを聞いた穂乃果は一つ案が思いついたようだった。
穂乃果「じゃあ、1年生にやったように直接教室に行くとか?」
真姫を勧誘するときに使った手だ。古典的だが一番手っ取り早い方法。
それを聞いた空也は、それを言葉に出す。
空也「まぁ、悪くはないな」
悪くはない、だがそれだけでは何かが足りない。
すると次は海未が何かを考え付いた。
海未「先生方にお願いして放送機器を使わせていただくとかですかね」
放送。基本声だけでしか伝えられないが、全体に伝えることができる方法。確かにそれを使うことができれば大きく時間短縮になるだろう。
自分にない発想を受けた空也もそれを視野に入れ始めた。
空也「それもいいな。使えるなら今度聞いてみるか」
ただし、放送機器をそう簡単に貸してくれるのかは少し不安になってはいるが、ライブができたなら少しは可能性があるだろう。
ある程度広報に関しては改善点が見えたので今度は、ことりが違う問題点を出した。
ことり「笑顔に関しては、毎日練習するしかないね。ねぇ~海未ちゃん」
笑顔。確かに大事ではあるが、これは日々の練習しかない。それをにやけながら海未に振ることり。
普段のことりとは違う雰囲気に海未が動揺する。
海未「ことり⁉ 何でこちらを見て笑っているのですか⁉」
さらに海未に話を振った時からずっと海未のことを見ていることりに恥ずかしくなって顔が赤くなる。
それでも確かに重要なことだったので空也が恥ずかしくなる海未にアドバイスを出す。
空也「でも、ことりの言う通りだ。笑顔の練習は、こまめにやっておいた方がいいぞ。それに、体に負担をかけながらのほうがベストだな」
ダンスをしながら笑顔のままでいる。初めに海未が言ったことだが、最初は良くても後のほうから崩れてしまう。だったら負荷をかけながら練習するのが一番いい方法だろう。
そのアドバイスを聞いた海未は少し自信がないような感じがした。
穂乃果「大丈夫! 海未ちゃんならできるよ!」
それを感じ取った穂乃果は、精いっぱい海未を応援することにした。
穂乃果の応援を受けたこともあり、
海未「わかりました……」
声は弱弱しいがこれから頑張ろうとする姿勢は空也たちには伝わっていた。
改善点はある程度出たことによりここから空也がまとめに入ることにした。
空也「よっし。まずは、今後の方針は何とかく決まったかな」
今の話し合いで出た問題点と改善点を取り入れるプランが空也の中ではもうすでに出来上がっていた。
いきなりのことで驚く穂乃果。
穂乃果「え⁉ 今ので決まったの⁉」
テーブル越しにこちらをのぞき込むような勢いで空也に聞いてきた。
あまりにも勢いのある問いかけに少し驚きながらも冷静に、
空也「あぁ、まずは、近くにライブとかは設定してないから、基礎練をしばらく続ける」
急いでライブをすることがなくなったため足りなかった基礎練をすることにした。
それに関しては海未も賛成のようで、
海未「そうですね。体力などは大事ですから」
ダンスをするのに確実に必要になる体力づくりをしなければならないことは気がついていた。
そしてさらに空也は続ける。
空也「そして、歌の練習は、今までどうりでいいだろう」
歌に関しては何も改善点が出なかった。練習法は変えなくていいだろう。
それに気が付いたことりも思い出しながら、
ことり「歌に関しては問題点はでなかったよね」
歌は小さいころから歌ってたこともあってかなり上達していた。
そして最後に一番必要なことを空也は言う。
空也「最後に、部活動にするために新入部員の確保とそれに合わせての『μ's』の宣伝だな」
足りない1人を加入させて部活動にすること。そうしなければ学校の名を背負って活動できない。それに何より、今のままでは雨の日に活動することができないのだ。
ついに今後の方針を聞き終わった穂乃果たちは、自分たちが思いつかなかったことを思いついた空也を感心して、
穂乃果「おぉ! 確かに今までの流れで方針が決まっていった。さすが空也君!」
穂乃果は空也のことを持ち上げた。
あまり穂乃果にそんなことを言われない空也は、
空也「止めろ。恥ずかしいだろ」
そう言いながら顔を赤くした。
そんな空也を面白がってことりは、ただひたすら空也をからかう。
ことり「空也君。顔赤くしてかわいい!」
普段は見ない空也の顔が新鮮だったようでことりはずっと空也を見つめていた。そのせいで空也は余計に顔が赤くなった。
そんな空也を差し置いて海未が改めて空也に関して思ったことを言う。
海未「それでも空也はさすがですね。幼馴染なのに同い年とは思えないと気がたまにあります」
確かにここまで正確に活動をまとめることができるかといえばできなくはないがここまでの速さで行うのは難しいだろう。
そんなすごいことをやっている空也は人生経験が人より大きいのではないか、そんな感じが海未はしていた。
空也「そっそんなわけないだろ。正真正銘同い年だよ!」
しかしこれは今は伝えるわけにはいかない。だから空也は、ごまかすことにした。
そんな心情を察したのかどうか定かではないが穂乃果が空也の異変に気が付く。
穂乃果「なに動揺しちゃってるの? なんか怪しいなぁ~」
すぐに気が付くような感じではない雰囲気ではなかったと気が付いた穂乃果に驚いた空也は、気づかれまいと穂乃果の好きなものを出して回避しようとした。
食後にほしいデザートを出して穂乃果を出し抜く。
空也「何でもないって。さぁ、デザート食べよう」
そう言って3人の前にゼリーを出していく。
そのゼリーにキラキラした目で見る穂乃果にはもう空也の動揺を探る気は全くなくなっていた。
穂乃果「わーい! デザートだ!」
そう言って穂乃果は真っ先にゼリーの飛びつき食べるのであった。
いつか、空也の秘密を話す日が来ることを心から願って、今日の反省会は終わった。
空也は夢を見ていた。それはいつか見たような9人の少女たちが踊る輝いたステージ。
初めて穂乃果たちがやったステージも輝いてはいたがこれには及ばなかった。
さらに空也には疑問ができた。その9人の中に穂乃果たちがいたことに。
きっとこれから成長していくのがと空也は考え、そのステージを実現するために勧誘に力を入れようと決意したのだった…………。
反省会が終わりました。
ライブでのミスは勝手に作らせていただきました。
そしてだんだんと明らかになる空也の秘密。海未の言ったことはかなり核心をついています。そこを考えれば秘密に気が付くことができるのではないでしょうか?
それでは次回はアニメ第4話『まきりんぱな』回に入ります。
次回『地道なスカウト』
次回もお楽しみにしていてください。
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