ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回からは、アニメのほうに入っていきます。
入学前に空也に伝えられた可能性の話がいよいよ本格的に始まろうとしてきました。
これからの空也の思いと行動を楽しみにしてください。
始まりの出来事とその決意
受験を無事に合格して乗り越えた俺たちは無事中学を卒業し、高校に入学した。
高校生活を1年間終え、2年生になって数日が過ぎたある日の朝礼でとある発表があった……。
穂乃果「はいこう……、廃校……、うゎ~」
バタン
やはり穂乃果には、少しショックが大きかったようだ。そしてその内容とは、やはり共学化でもうまくいかなかったため”廃校の可能性”があることが発表された。
海未「穂乃果! 穂乃果! しっかりしてください!」
ことり「穂乃果ちゃん! しっかりして!」
ことりと海未が穂乃果を心配して声をかける。
穂乃果「私の輝かしいの高校生活が~!?」
ガクッ
穂乃果は人一倍ここに対する思い入れが強い……。けど今回はそれだけじゃなさそうだな。
空也「あ~ぁ、やっぱりこうなったか。海未、ことり。ここは、俺が何とかするから2人は教室に戻ってくれ」
海未「空也……。あなた、この状態の穂乃果を置いて教室に戻れというんですか!?」
言葉が足りなかったか……幼馴染でもたまにあるんだよな。この癖直さないとな……。
空也「あぁ、そうだ。今は力のある奴が必要なんだ。2人は、先生に事情を説明して、HRの連絡事項を穂乃果と俺に教えてくれないか?」
ことり「わかったよ。じゃあ穂乃果ちゃんの事はお願いね」
海未「そうでしたか。すいませんでした……。それでは、穂乃果を頼みます」
空也「あぁ、任せとけ」
そうして俺は穂乃果を抱きかかえて保健室へと向かった。向かう途中にほかの生徒からいろんな目で見られたが今回に関しては、全く気にならなかった。
穂乃果「ハ! な~んだ。夢か、そうだよね。いきなり廃校なわけないよね!」
まぁ、いきなりのことだったからそう思う気持ちもわかるが……。
そんな安心している穂乃果に空也は現実を突きつける。
空也「いや、夢じゃないぞ穂乃果。現実だ」
穂乃果「空也君? え~!? そうなの?」
空也「あぁ、そうだ。っと、いいから教室に戻るぞ」
そう言った空也は、穂乃果の手をつかみ連れて行こうとした。
穂乃果「くっ空也君? 大丈夫だよ、自分で歩けるから!」
空也の行動を理解した穂乃果は、顔を赤くしながら空也に言い放った。
空也「あ、あぁ、悪い……。じゃあ行くぞ」
穂乃果にそのことを指摘され、空也も恥じらいながら穂乃果に言った。
教室で……
穂乃果「は~……。どうしてなんだろ……」
ことり「穂乃果ちゃん。そんなに、この学校がなくなるのが嫌なのかな?」
海未「いいえ。たぶん穂乃果は勘違いしてるんです」
海未は多分わかってるとは思う。でも、ことりの言ってることも、確かにあるんだよな。
ことり「勘違い?」
空也「あぁ、たぶんな」
穂乃果「どうしよ~! 学校がなくなったらまた試験しなくちゃいけないんでしょ?」
やっぱりここで空也と海未が予想していたことを考えてたのか、そんなことはないはずのことを口走る穂乃果。
ことり「あ~ぁ、そういうこと……」
この一言でことりは、穂乃果がどんな勘違いをしていたのか理解ができたようだ。
海未「穂乃果、廃校になるからといって私たちが学校にいるまではなくなりませんよ」
穂乃果「え? そうなの?」
空也「あぁ、少なくとも今の1年生が卒業するまでは、学校はなくならない」
これは、朝に言ってたことなんだけどな?
穂乃果「な~んだ。よかった」
空也(おいおい、本当にいいのかよ?)
そう思った空也は、穂乃果にその疑問を問いかける。
空也「本当にいいのか? この学校がなくなるってことはお前にとって本当にいいのか?」
その言葉は、元からこの学校がなくなってほしくないと思っていた穂乃果にとっては、その感情を再確認させるような言葉だった。
穂乃果「そう、だよね……。よっし! じゃあ、みんなでこの学校が廃校にならないように頑張ろうよ!」
そして穂乃果は、立ち上がる。
海未「そうですね。私もこの学校にはなくなって欲しくないですし」
ことり「私もこの学校はこのままあり続けてほしいなぁ~」
穂乃果に便乗して海未とことりも立ち上がる。
穂乃果「じゃあまずは、どうしようか?」
早速穂乃果は廃校を阻止すべくアイディアを出そうとするが、どうすればいいのかがわかって内容だった。
空也「確か、入学希望者が定員を下回った場合は廃校にせざるをえないって発表にはあったな」
穂乃果「う~ん。じゃあ定員が多くなればいいってこと?」
空也「そうだな……って」
4人が話してるところに2人の女生徒がやってきた。学年はリボンの色からして3年生。
???「ちょっといいかしら」
女生徒のうちの片方は、空也たちに話があるようだった。
4人「「「「はい?」」」」
穂乃果「誰だっけ?」ボソッ
海未「生徒会長ですよ」ボソッ
穂乃果はこの人を知らなかったらしい……。
今、俺たち4人に話しかけたほうの女生徒は、
そしてもう1人のほうは、
絵里「あなた、確か理事長の娘よね? 何か聞いてない?」
どうやらことりに話があったらしい。
いくら家族といえども、重要な内容は、立場的に話せないと思うが……、
ことり「いえ、私も今日知ったので」
やっぱりことりもこのことは、知ってるわけないよな。俺はまだ可能性があるって聞かされてただけだし……。
絵里「そう。ありがとう」
ことりの答えにもうこれ以上ここにいる意味がないと思った生徒会長は、そう言い残しその場を立ち去ろうとした。
希「ほ~な~」
希もそれに続こうとする。
しかし、それは穂乃果の一言で遮られる。
穂乃果「あの! 本当に学校がなくなっちゃうんですか?」
その問いかけに生徒会長は、
絵里「あなた達が気にすることじゃないわ」
と冷たく言い放つ。
それを聞いた空也はあることを考え、口にする。
空也「それは、ないんじゃないんですか? 絢瀬会長」
それはまるで生徒会長を挑発するかのような言い方で、言った。
絵里「それはどういうことかしら?」
生徒会長もその挑発のような問いかけに耳を傾ける。
空也「今俺たちは、どうやってこの学校を存続させるかを話し合ってたんですよ。だから本当かどうかぐらい教えてくれてもいいんじゃないんですかね?」
絵里「あなたたちが? まぁいいわ。本当よ、定員が下回れはこの学校は3年後に廃校になるわ。絶対に阻止させて見せるけど」
最後のほうは、空也たち4人には聞こえなかったけど、希には聞こえてたらしい。
希(絵里ち…)
空也「そうですか……ありがとうございます。絢瀬会長」
最後の言葉は聞こえなかった空也だが、生徒会長のまとっているイラつきのようなものは感じていたのか、これ以上あおらないように言葉を放った。
そんな空也の言葉に興味が出たのか、先ほどまであまりしゃべることのなかった希が空也に問いかける。
希「何をするきなん? 君たち」
しかし空也たちはまだこれから考えようとしたところだった。
空也「東條副会長……。いえまだ決まってませんが、必ず成功させてみますよ」
希「そうなん? ほな、頑張ってな~」
希は何も決まっていないのに、空也たちの期待の目を向けていた。
希のその言葉を皮切りに生徒会長と希はその場を立ち去った。
生徒会長たちが立ち去って、空也たちは、この学校の図書館に向かった。
海未「なんてこと言ってるんですか!? 空也!」
そう思うのも当然だ。
なんせ、何も決まっていないことなのに生徒会長と副会長に喧嘩を売ったのと同じようなことを空也はしたのだから。
しかし、空也は何も考えずに言葉を発したわけではない。
空也「う~ん? お前たちが逃げられないように手を打ったかな?」
そう。いくらやる気があっても、この学院に思いれがあったとしても、3人があきらめてしまっては何もできない。
それでこそ、空也だって同じことだ。空也のあれは、3人に対してもそうだが、自分に対して、あきらめないように逃げ道を消した行動だった。故にもう空也は、逃げることを選択肢から外した。
穂乃果「穂乃果達は逃げないよ~!」
空也は、穂乃果ならそういうと思った。
しかし、穂乃果、海未、ことりは、女の子だ。困難な状況に立たされたら、あきらめないとは、完全には言い切れない。
空也「わかってるよ。でももしものために保険だよ」
そう、だから空也は、保険を掛けたのだ。諦めないように、そしてこれから穂乃果たちを支えていくために。
ことり「でも、どうするのこれから?」
ことりがこれから本来話すはずだったことを切り出す。
空也「セオリーだと……。この学校のいいところをアピールするだな」
海未「いいところですか……」
空也の問いかけに穂乃果は、何か思いついたほうな顔をしていた。
穂乃果「えっと、歴史がある!」
確かにこの学校には、歴史があるが、まだ足りない。
空也は、もう一度穂乃果に尋ねた。
空也「ほかには?」
ほかの案を聞かれるとは思わなかったのか、穂乃果が慌てる。
穂乃果「ほか!? えっと、伝統がある!」
しかし、あまり思いつかなかったのか、この回答だった。
海未「それは、同じです」
空也「同じだな」
そんな穂乃果の回答に、海未と空也がツッコミを入れる。
穂乃果「え!? じゃあ、じゃあ……。え~、ことりちゃ~ん」
結局自分では思いつかなかったのかことりに泣きついた。
しかし、そんなことりも……
ことり「う~ん……。強いてあげるなら古くからあるってことかな?」
このように答えた。やはりこの学校のいいところと言って真っ先に思いつくのは、この学院が持つ歴史だった。
海未「ことり。話聞いてましたか?」
ことりの回答がやはり穂乃果と同じようなことで海未は、話を聞いていたのが疑問に思ったらしい。
そんなことりは、汚名返上と言わんばかりに先ほどまで調べていたことを発表する。
ことり「あ! でも、さっき部活動では少しいいとこ見つけたよ」
穂乃果「ほんと!?」
ことりの調べたことをしっかり聞こうと穂乃果がことりのほうへ身を乗り出す。
ことり「といってもあまり目立つものはなかったんだ~……」
しかし、空也は、今この学校の部活動がどのような成績を持っているのかは気になるところだった。
空也「それでもいいから教えてくれ」
ことり「うん。うちの高校で目立った部活といえば」
3人「「「いえば?」」」
一同が息をのむ
ことり「珠算関東大会6位!」
…………
穂乃果「う~ 微妙すぎ…」
ことり「合唱部地区予選奨励賞!」
…………
海未「もう一声ほしいですね…」
ことり「最後は ロボット部 書類検査で失格」
…………って!
空也「最後のはダメじゃないか!?」
なぜことりは失格したところをピックアップしたのだろうか?
穂乃果「ダメだ~」
緊張が途切れたのか、穂乃果から力が抜けた。
海未「考えてみれば目立ったところがあればもう少し生徒は集まってますよね」
確かにそうなのだが……。しかし、この内容では、もう現代の子がこの学院に入ろうと思うきっかけは、それほどこの学院にはないのだと空也は悟った。
それと同時に、見どころを作ればまだ可能性があると考えた。
ことり「そうだね……。あ! 家に帰ったらお母さんに聞いて調べてみるよ」
ことりは、もう一度調べることを宣言した。
穂乃果「私やっぱりこの学校好きなんだなぁ…」
ことり「私も好きだよ」
海未「私も」
空也「あぁ、俺もだよ」
ここで空也たち4人は、この学校の思いをまた再確認したのだった。
セリフ以外のところで希と絵里の表現方法を変えているのはわざとです。
この頃の絵里は、個人的には、絵里であって絵里ではないと思っているからです。
理由は今後空也に語らせてもらいますが、勘の良い方なら私の考えが分かるのではないでしょうか?
いよいよ始まりだしたこの物語。この物語を幸せに迎えるキーワードは想い。
その思いが空也たちの力になります。
それと、遅れすぎですが、finalが来たからと言ってその世界は終わることは決してありません。この話のあらすじでも少し触れましたが、本編のパラレルワールドですが、アニメラブライブの世界は、私たちの住んでいる世界のパラレルワールドに値すると考えています。
若干中二病っぽいことを言ってるように感じますが、この世界でパラレルワールドのことを知ることができなくなったってその世界の時間は進み続けるのだと私は思います。
この考えについて意見がある方またこの話で思ったことがある方は感想等で教えてください。