ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回から少しオリジナル展開に入ります。

それではオリジナルの部分も楽しみにしつつ空也たちの世界を覗いていってください


空也の誓い

 穂乃果たちが着替えることになって数十分後。

 

 そろそろいい時間になったと思ったので穂乃果たちに声をかける。

空也「入るけどいいかぁ~?」

 春とはいえまだ肌寒い時期に廊下にいるのはさすがにきつかったため早めに許可を取りたい空也だった。

 

 その空也の声を聴いて穂乃果が元気に答える。

穂乃果「うん! いいよー」

 穂乃果からの了承をとれたので早速部屋に入る。

 

 その最中に海未から、

海未「ちょっとまってくださ……」

 そういう声が聞こえたような気がしたが、そんなことは気にせずに扉を開けた。

 

 その扉の先は、まるで天国と見間違えるほどの光景だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンクがメインで作られた穂乃果の衣装姿、そして緑のおとなしめに作られたことりの衣装姿、そして最後に名前の通りうすい青でできた衣装をまとっている海未は、今まで見たこともないような新鮮な姿であった。

空也「おぉ~! すっげぇかわいいじゃん3人共! 見た目はいいアイドルって感じだぞ」

 テレビで見るようなアイドルとそれほど変わらない姿。これほどまでの完成度だとは空也も思っていなかった。

 数秒間その姿に見惚れてしまいやっとのことで口に出した言葉は、純粋な何も飾り付けいない感想だった。

 

 先ほどまで、恥ずかしがっていなかった海未が、

海未「でも……。恥ずかしいです」

 空也に衣装姿を見られた瞬間に頬を染め顔を隠しながら言う。

 

 衣装を着て恥ずかしさが再び出てきた海未に、ことりが安心させるかのように優しい一言をかける。

ことり「心配ないよ。そのために今日チラシ配りをしたんでしょ?」

 そうだ。そのために急遽チラシ配りを始めて慣れることができた。

 

 その言葉を聞いた海未は、持ち前の度胸をもってそれを乗り越える。ことりには人の心を穏やかにするようなそんな力があるようだった。

海未「そう、ですね。わかりましたここでうじうじ言ってもしょうがないですね」

 何とも海未らしい言葉に穂乃果とことりと空也はホッと一安心する。

 

 海未の言葉を聞いて完全に全員の意見がまとまったため改めて穂乃果が宣言する。

穂乃果「うんうん。じゃあ衣装はこれで決まり!」

 これで衣装も決まり歌も完成し、ダンスも何とか形になった。それに照明はヒデコたちに任せている。場所も確保した。これで最低限、ライブを開催することができるようになった。

 

 そんな状況で喜んでいる3人に空也がある提案をする。

空也「じゃあ衣装も決まったことだし、神社でお参りでもしておこうぜ」

 夜遅い時間だが、それでも今まで練習をするのに使ってきた場所である神田明神にお参りに行くことを提案した。それが今まで使っていた人の義務であるとも感じて。

 

 その提案を断る意味がなかったので3人はそれに賛成する。

ことり「そうだね。じゃあいこっか」

 ことりがそういうとさっそく神田明神に出発の準備をする。

 

 先ほどの言ったようにまだ夜は出歩くのにはまだ寒い。だが制服を着れば何でもないくらいなのですぐに出発できた。

 夜遅くに出歩くのはあまり良くないので早めに行動する。そして神田明神に着くとすぐに境内のほうへと向かった。

 

 そこで4人は、お参りをする。このお参りという行動には神頼みと、自分の想いを自分に向けて宣言するという意味も持っている。

穂乃果「どうか、ライブが成功しますように、いや! 大成功しますように」

穂乃果の何としても成功させたいという単純な願い。

 

 この中で一番緊張に弱い海未は、

海未「緊張しませんように……」

緊張しないようにと神頼み……いや、自分自身に言い聞かせていた。

 

 そして誰より優しいことりは、

ことり「みんなが楽しんでくれますように」

 観客に向けた優しくてささやかな願い。

 

 そして、誰よりも彼女たちの努力を見ていた空也は、

空也「穂乃果達が途中で挫けませんように」

 ライブだけでなくその先を見据えた想い。そして何があっても3人を支えていく決意をここに宣言した。

 

 そんな様子で全員が願いを言い終わった音に代表して穂乃果が言うがただ一つ空也の言ったことだけだ気になっていた。

穂乃果「よろしくお願いしまーす。って空也君。今のどういうこと!?」

 気になったことを空也に聞いてみる穂乃果。

 

 それを聞かれた空也は、言った方がいいのか悩んでいた。

空也「え? あぁ、これは言ったほうがいいのか迷ってなんか言えないようになったから言わないようにしてたんだけど……」

 空也は、この状況で自身の考えを言っていいのか不安になっていた。

 

 そんな空也の煮え切らない様子にしびれを切らした海未は、

海未「なんですか。はっきりしてください」

 空也にはっきりとした答えを求めた。

 

 そしてことりも、

ことり「そうだよ! もう話しちゃいなよ」

 この状況で話してくれないともどかしかったのか空也の言葉を待つ。

 

 そんな様子に後戻りができないと感じた空也は、

空也「はぁ~、わかった。あのさ、お前たちががんばってきたことは俺が一番知ってる。けど他の人たちはどんな頑張りをしてるか知らない……」

 観念して自分が今まで考えていた内容を穂乃果たちに話す。

 

 しかし、少し分かりづらかったようで、

穂乃果「回りくどいよ~。はっきり言って!」

 穂乃果には、よくわからなかったらしい。

 

 穂乃果にそう言われた空也は、先ほどの言葉をわかりやすいように伝えようとする。

空也「要するに、ライブにはあまり人が来ないってこともあり得るんだよ。まぁ、今日の先輩たちはきっと部活動のほうで来れないかもしれない、多くても5人来ればいい方だ。最悪、1人も来ない場合だってある。だから、気を引き締めて最後まで頑張れるよう今お参りしたわけ」

 空也の考えはそう言った考えだった。今回の時期は1年生を対象に考えたもの。そしてその1年生も部活に気が持っていかれる可能性が大きい。

 

 その空也の考えていたことを知った3人は、

海未「そう、だったのですか……」

 少しながら残念に言う海未。

 

ことり「でも確かにそうだよね。今までは何でもうまくいくって思い込んでたみたい」

 ことりは、今までの甘い考えを改めさせられた。しかし、完全に気分が沈み込んでるわけではない。そう言った意味では、打ち明けてみて正解だったといえるだろう。

 

 そしてこのことを空也が打ち明けることを決意した理由の1つとして、もう1つ理由があった。

空也「でも0ってことにはさせない。絶対だ」

 最悪の場合は、0の可能性があるだけで0になるという保証は何もない。だから空也は、観客を1人は絶対に連れてくることを心に決めていた。

 

 それを聞いた穂乃果は、先ほどまで少し沈んだ顔をしていたが、

穂乃果「ほんと? なら心配ないね。空也君、私たちとの約束は破ったことないもん」

 穂乃果たちの完全な信頼によって得られた絆によって穂乃果の表情は明るさを取り戻していた。

 

 穂乃果が空也に言ったことは空也にとっては恥ずかしかったようで、少しとぼけるしぐさをするが、

空也「そうだったか? まぁ信じてくれるんだったらそれはそれでいいけど」

 やはり信頼されていることはうれしいようだった。

 

 穂乃果の言葉に海未も賛成のようだった。

海未「そうですね。では、明日は本番なので私はもう家に帰りますね」

 確かにもう時間的には遅い時間になってきている。帰るという選択は間違っていない。

 

 それに気が付いたことりも帰ることにする。

ことり「ことりも帰る~。また明日~」

 その言葉からは、全く緊張が感じられず明日は、いいパフォーマンスをしてくれるのだと期待ができた。

 

 しかし、この時間に彼女たちだけを返すほど空也は、人間が腐っているわけではない。だから空也のとる行動はもう決まっていた。

空也「おっと、3人とも俺に送らせてくれよ。夜の女の子の一人歩きは危ないからな」

 自分の大切な幼馴染を守るため、空也は行動するのだった。

 

 空也の申し出を断る理由がないため穂乃果たちも笑顔で空也に任せることにした。

穂乃果「そう? じゃあお願いね空也君」

 その明るい笑顔は、今が夜なのを忘れさせるくらい明るかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初についたのがことりの家。

 

 道中に不審者が出るなんてことはなく安全にここまで来ることができた。

ことり「ここまでありがとうね。空也君」

 送ってくれたことを心から感謝することり。その笑顔は天使のようにきれいだった。先ほどの話をして寂しがっていたことりの表情ではなかった。

 

 その様子が見れただけでも空也はうれしかった。

空也「当たり前のことをしただけなんだけどな。まぁ、どういたしまして」

 照れながらことりに伝えた。基本夜に3人を外に連れてくるなんてことをしない空也には耐性のないものだった。

 

 ことりは、家に入る前に、

ことり「空也君、穂乃果ちゃん、海未ちゃん。また明日。頑張ろうね!」

 明日にあるライブのため力いっぱい頑張ろうと宣言した。今までにない挑戦に立ち向かおうとする思いはきっとこのメンバーでいるときに身につけたのだろう。その目には不安はなかった。

 

 それを穂乃果は、真っ先に、

穂乃果「当然だよ! ことりちゃん、ファイトだよ!」

 ことりにエールを送った。普段穂乃果が応援するときによく使う言葉だがこの言葉には不思議と重みがあった。何が何でも頑張ってやると思えるほどの。

 

 それに続き海未も、

海未「えぇ、明日は頑張りましょう!」

 海未も緊張しながらも楽しみにしているようだ。今までの海未では想像がつかない一言だがこの数週間で海未も成長できたようだ。

 

 それを聞いた空也も、

空也「あぁ、みんなならきっとできるよ。俺が保証する」

 少しでも彼女たちの心を軽くしようと優しい言葉をかけた。空也は実らない努力があることを知っている。しかし、必死になって頑張ってきた人の努力が実らないことは許せない。そういう考えの持ち主だった。だから空也はことりたちの努力を実らせるようにここでまた決意を固めた。

 

 空也たちの言葉をもらったことりは、

ことり「うん! じゃあ今度こそ、また明日」

 そう言い残し自分の家に帰って行った。ことりは軽やかに玄関をくぐって行った。明日は心配なさそうだ。

 




ここにきて初めて穂乃果の名言が穂乃果に言わせることができました。

最初に0の可能性を知って穂乃果たち。彼女たちは折れてしまうのかそれとも未来が変わるのか!?

次回はライブ前最後の話になります。ライブ回は、次々回となるので待っていてください。

お気に入り登録してくださったブルーランナーさん、皇天さん、フユニャンさんありがとうございました!
次回『おまじない』

それでは次回もオリジナル展開があるのでお楽しみに。



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