ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

前にも書いた自分の考えが今回も出てきます。

そこら辺を覚えておいてもらえたら少し個人的にうれしいです。

それでは、才能を開花させ続ける彼女たちの物語をお楽しみに。


ことりの才能

穂乃果side

 

 チラシ配りもなんとか終わらせることになった穂乃果たちは、穂乃果の家で衣装合わせをすることになった。

 その衣装を持ってくることりと付き添いで言った空也を待っている間、A-RISEなどのスクールアイドルのPVを見ていた。

穂乃果「う~ん。やっぱり動きのキレが違うよね。こう? こうかな? それともこう?」

 何度見ても自分たちに何が足りないのかを考えている穂乃果。それを、体を動かしながら確認をしていく。

 

 するとそこへ、何やらパソコンに変化が現れる……。

穂乃果「……あ!」

 その変化を真っ先に穂乃果は気が付く。

 

 まだその変化に気が付いていない海未は、

海未「どうしました?」

 穂乃果が急に声を上げたことに疑問を抱いた。

 

 海未に聞かれた穂乃果はそのパソコンの画面に現れた変化を口にする。

穂乃果「ランクが上がってる!」

 誰かが上げてくれたμ'sのページには、今朝見たランキングよりいくつか数の小さい数字だ書かれていた。

 

 それに気が付いた海未も声を上げる。

海未「あ!」

 口を開けたまま驚いていた。

 

 穂乃果はすぐにそのランキングが上がったことに原因が分かった。

穂乃果「きっとチラシで見てくれた人が投票してくれたんだね」

 今までやっていたチラシ配りで目にしてくれた生徒が投票してくれたのだろう。そう思った穂乃果であった。

 

 その画面を見ながら海未は、

海未「うれしいものですね」

 心の底から喜んでいた。その目には薄っすら涙が見て取れる。

 

 そんな話をしていると穂乃果の部屋の扉が開く。

ことり「お待たせ~」

 そこからやってきたのは、衣装を取りに行っていることりと空也だった。

空也「悪い、待ったか?」

 

 空也の言葉に反応して返す穂乃果。そして今まで見ていたパソコンのページを空也たちにも見せた。

穂乃果「ううん、大丈夫だよ。それよりことりちゃん、空也君。見て見て」

 

 興奮気味の穂乃果に見せてもらったことりと空也もそのページが今朝と違うことに気が付いた。

ことり「わぁ~! すごい!」

 そしてことりは純粋に、

 

 さらに空也は、驚きながらも喜んでいた。

空也「おぉ、またランキング上がったのか」

 

 空也の言葉に海未が答える。

海未「えぇ、なんというのでしょうか。これで今回のライブも頑張ろうっという気になります」

 海未は、数は少なくても応援してくれる人がいることにで明日のライブの気合が高まった。明日が本番という状況でこのモチベーションはかなりいい状態だといえるだろう。

 

 そんな海未の言葉に同調しながら、ことりが持っているものに気が付いた。

穂乃果「そうだよね! ……ってことりちゃん。それ衣装?」

 衣装合わせをするために一度分かれたのだからそうなのだが穂乃果は、キラキラとした目でことりのほうを見ていた。

 

 穂乃果に聞かれたことりは、持っていた袋の中を出そうとする。

ことり「うん! さっきお店で最後の仕上げしてもらって」

 ことりと空也が遅れたのは仕上げができた衣装を取りに行っていたからだ。

 

 そんなことりの様子をいまだキラキラと輝く目で見ている穂乃果。

穂乃果「わくわく」

 穂乃果は言葉にするほど、その衣装が見れることにワクワクしていた。

 

 海未は、ことりが出す衣装を黙って見守る。

海未「…………」

 しかしそれなりに緊張しているようで固唾をのみこむ。

 

 そして、そんな2人をよそにことりが袋から一着の衣装を取り出した。

ことり「じゃ~ん」

 ピンク色のその衣装は、完全に高校生がデザインしたものを超えている。ほかのスクールアイドルにも言えることだが、衣装づくりに関しては、どこも力を入れるほど衣装は大事なのだ。

 

 その衣装を見た穂乃果は、そのあまりの完成度に感動していた。

穂乃果「わぁ~、可愛い~。本物のアイドルみたい」

 穂乃果は先ほどまでキラキラした目で見ていたのだが、衣装を目にした瞬間に目がウルウルしていた。それほどまでに彼女たちの初めての衣装は、価値のあるものだった。

 

 自分のデザインした衣装が褒められうれしがることり。

ことり「ほんと~?」

 初めて作ってみて不安だったことりはほっと安心する。

 

 ことりの作った衣装を見て、この数秒で熱が冷めるわけはなく、むしろテンションが最高まで高くなった穂乃果は、

穂乃果「すごい! すごいよことりちゃん!」

 大きな動きでリアクションを取りことりのことを称賛した。

 

 その衣装を見た空也も、あまりの完成度に言葉を失っていたが、やっと感想を言えるようになった。

空也「あぁ、前から手が器用なのは知ってたけどここまでとは……」

 この4人の中で一番手先が器用なのがことりだ。そんな彼女だから、これほどの完成度で衣装を作れたのだろう。

 

 ことりはあまりに褒められることで謙遜に近い言葉で空也たちに話す。

ことり「本物ってわけにはいかないけどなるべくそれに近く見えるようにしたつもり!」

 彼女の中ではまだ上を目指せるらしい。今でも十分にすごいのだか……。

 

 そんな話をしていると、空也が何かある違和感を感じた。

空也「おい! 海未、お前さっきから何もしゃべってないけどどうした?」

 そう、海未がまだ一度も衣装を見てからしゃべってないのだ。

 

 空也がそういうと穂乃果とことりが海未のほうを向く。その海未の姿は、何か真剣なものだった。

海未「……。ことり、そのスカート丈は?」

 やっとしゃべった海未の言葉は、衣装のスカート丈のことだった。制服と変わらないであろうスカートの長さ。何も問題がないようにも見えるが、海未にとっては違ったらしい。

 

 海未に言われたことりは、先日海未に言われたことを思い出した。

ことり「あ……」

 ものすごい勢いでそして鬼の形相で言ってくる海未の姿を。

 

 その出来事を思い出していることりに向かいもう一度話した内容のことを言った。

海未「言ったはずです。最低でもひざ下までなくてははかないと」

 海未は、フリルやミニスカートといったものを身に着けるのには抵抗がある。家が純和風の家だからしょうがないといえばしょうがないのだが。

 

 それでもこの衣装が着たい穂乃果は、海未に反論する。

穂乃果「だっだって、しょうがないよ。アイドルなんだもん」

 何も根拠のない理論に、やや呆れる海未だが、

 

 その後に空也がすぐに穂乃果の話に補足を入れる。

空也「それに明日だけってわけでもないけど。お前ら、ダンスしながら歌うんだろ? だったか動きやすいほうがいいんじゃないか?」

 確かにロングスカートでもダンスはできるが、今回のダンスには足を大きく動かす振付がある。それをロングでこなすのは素人には、難しいことだろう。

 

 海未は、自分でも納得してしまうほどの正論を言われたことで、言葉に詰まってしまう。

海未「でっでも…」

 それでも恥ずかしさが勝ってしまうようで、反対の意見を出そうとする。

 

 それに追い打ちをかけるように、ことりが話す。

ことり「でも……、今から直すのはさすがに…」

 確かに明日に迫ったライブの衣装を夜に直して完成度をキープできる保証はどこにもない。そんな状況を利用して、ことりは海未に伝える。

 

 それしかないと思った穂乃果は、ことりと空也の考えに同調する。

穂乃果「うん!」

 

 それでもまだ恥じらいが残ってしまうようで、海未は3人に強く当たってしまう。

海未「そういう手に出るのは卑怯です!」

 

 そんな海未の状態を一番手っ取り早く治す方法は、

空也「なら今着て見ればいいんじゃないか。俺が見てやるよ。いいのか悪いのか」

 そう、ここで一度来てみることだ。自分には似合わない。そう思っているから余計に恥ずかしくなる。だったら似合っているかどうかを確かめればいい。

 

 そう提案した空也をおちょくるように、ことりが空也に向かって、

ことり「っていうことは、私たちの着替えも見るのかなぁ~?」

 とんでもないことを口に出して来た。

 

 そんなことを言われるとは思っていなかった空也は、3人の顔を見ながら顔を赤くして、

空也「いや! そういうわけじゃないって! 俺はその、海未がその衣装を着たらどうなんだろうなって思っただけだよ」

 必死に自分のことを弁護しようとしていた。

 

 そんな空也を面白がりながら観察していたことりが、にやにやしながら空也に向かって喋りかけた。

ことり「冗談だよ。そんなに熱弁しなくても分かってるよ。でも、本気にした?」

 ことりは心の底から楽しんでいたようで何かすっきりしたような表情になっていた。

 

 そんなことりの真意を察した空也は、少しムキに反応したことを後悔していた。

空也「はぁ~、いいから早く着替えろ。俺は外に行くから」

 それでもことりがしたかったことに気が付いたため、そんなに悪い気分はしなかった。

 

 ことりがやりたかったことは、今この場での海未の緊張をなくすこと。せっかくチラシ配りで慣れたことが無駄になってしまわないようにと、気を使っての発言だった。

海未「はい……。覗かないでくださいね?」

 ことりの言ったことで可能性があると感じた海未は、空也にそう言うが、そこには先ほどまで衣装を着ることにためらっていた彼女はもういなかった。どうやらことりの考えていたことは成功したらしい。

 

 もう空也の言うことはない。だから、この流れに空也はもう身を任せることにした。

空也「お前もか……。俺がお前らのマイナスになるようなことしたか?」

 だからと言ってこのまま疑われたままでは性に合わないので、3人にそう問いかけた。

 

 しかし、そんな空也の考えは、穂乃果の空也をおちょくるような発言で効果がなくなってしまう。

穂乃果「え~っと、してなかったかな~?」

 空也のほうを見て先ほどのことりと同じくにやにやしながらいや、むしろことりよりもにやにやしながらそう話してくる。

 

 純粋に恥ずかしくなった空也は、心からの叫びをあげた。

空也「そこはしてないって言えよ! いいから、俺はもう行くぞ」

 そう言って半ばやけになりながら穂乃果の部屋の扉へと向かう。

 

 一通りのコントは終わったようで、穂乃果たち3人もそれを了承する。

ことほのうみ「「「わかった(わかりました)」」」

 その言葉を聞いて今度こそ穂乃果の部屋を出た。

 




今作ではここで試着をすることになりました。

さて何かが起きるのでしょうか?

それと3日遅れましたがにこ誕生日おめでとう!

お気に入り登録してくださった手のひらΛさんありがとうございました!

次回『空也の誓い』

それでは、次回もお楽しみに。



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