ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回からアニメ3話『ファーストライブ』の回になります。

それでは、今回もひたすら頑張る彼女たちを見ていってください。


急に見つけた問題点

空也side

 

 曲ができてさらに練習の士気が高まり、もうライブまであと1日のところまで来ていた。

 朝から学校に行く前に神田神社で練習をしていた。

空也「じゃあ 3分休憩しよっか」

 朝からみっちり練習したところでやっと休憩に入る3人。

 

ことほのうみ「「「はい!」」」

 疲れていてもやる気があるようで声には力があった。

 

 それから休憩の後も練習し朝の練習を終えることにした。

穂乃果「ふぅ~ 終わった~」

 穂乃果がリラックスしながら体を伸ばす。

 

海未「まだ放課後の練習が残ってますよ」

 真面目な海未は、もう次の練習のことを考えていた。

 

ことり「でも、ずいぶんできるようになったよね」

 ことりは、練習でできることが増えたことで自分たちが成長していることを体感していた。

 

 空也も穂乃果とことりに関しては、今までそれほど運動していたことがなかったためここまで動けるようになるとは思っていなかった。

空也「あぁ、見ててびっくりしたぞ。さすがにここまでとは思わなかった」

 空也は、やりたいことをやるときの強さを感じずにはいられなかった。

 

海未「そうですね。穂乃果は寝坊してくるとばかり思ってましたし」

 今まで学校に来るだけでも寝坊していた穂乃果がここまで早起きするのは予想外だった。

 

 しかし次に穂乃果の口にした言葉は、

穂乃果「大丈夫。その代り授業中にぐっすり寝てるから」

 穂乃果らしい言葉だった。

 

空也「おいおいそれはダメだろ。……ってあれ?」

 空也が穂乃果の言ったことにツッコミを入れていると男坂のほうからこちらを見ている人がいた。

 

 空也の反応でそちらを見た穂乃果は、誰がいるのかわかり、

穂乃果「うん。西木野さ~ん」

 大声で真姫のことを呼んだ。

 

 大声で呼ばれた真姫は、

真姫「……!?」

 すぐさま帰ろうとするが……。

 

 穂乃果は、それでも真姫のことを呼び止めようと、

穂乃果「真姫ちゃ~ん」

 先ほどより大きな声で真姫を呼び止めた。

 

 それが恥ずかしくなった真姫は足を止め、こちらを振り向き、

真姫「大声で呼ばないで!」

 穂乃果たちのいるところへ上ってきた。

 

 何も悪気のない穂乃果は、

穂乃果「どうして?」

 真姫の嫌がる理由がわからなかった。これは別に穂乃果がされても何も問題のないことだったのだ。

 

 真姫は、穂乃果に聞かれたことに顔を赤くしながら答える。

真姫「恥ずかしいからよ」

 

 それでも真姫を呼び止めたことには変わりないので本題に入る。

穂乃果「そうだ! あの曲、3人で歌ってみたから聞いて」

 今回穂乃果が真姫を呼び止めたのはこれが理由だった。あれほどきれいな歌声でピアノも弾ける彼女なら、今自分たちに必要なことをアドバイスしてくれると思ったからだ。

 

真姫「はぁ⁉ なんで?」

 何でそんなことをしなきゃいけないのか見当がつかない真姫は、上級生であることを忘れ敬語を忘れ話す。

 

 それでも穂乃果は気にせずに真姫にお願いする理由を話す。

穂乃果「だって、真姫ちゃんが作ってくれた曲でしょ?」

 

 穂乃果の答えに真姫が驚く。

真姫「……! ちょっと時坂先輩。言わないでって言ったじゃないですか!」

 約束をしていた真姫は、空也が教えたんじゃないかを疑った。

 

 しかしそれを空也は、冷静に、

空也「いや、俺は言ってないけど、CDに声が入ってたから穂乃果はわかったんだと思う…」

 真姫が作ったとばれた経緯を真姫へと伝えた。

 

 それを聞いた真姫は、はッとして

真姫「はっ! そうだった。忘れてた……」

 ようやく気が付いたようだった。

 

 そんな話をしている真姫を空也を差し置いて、穂乃果が、何かをし始めた。

穂乃果「ぐううう、わお~」

 穂乃果は真姫に抱き付いた。

 

 それに驚いた真姫は、近寄ってくるほのかに少しの恐怖を覚えた。

真姫「はぁ! 何やってんの!」

 

 それでもやめない穂乃果は、真姫の耳元で笑い声をあげる。

穂乃果「うひひひひひひ……」

 

 その結果何もわからなくなった真姫は、

真姫「いや~!」

 ただただ悲鳴を上げることしかできなかった。

 

 真姫が悲鳴を上げているときに穂乃果が最後の一手を打つ。

穂乃果「よし! 作戦成功」

 真姫の片方の耳にイヤホンをつける。

 

 穂乃果のとる行動を予測できていた空也は、それに賛同する。

空也「だな」

 

 真姫は観念してイヤホンから流れる音楽を待つことにした。

真姫「え!?」

 

 準備ができた穂乃果は、海未とことりと空也にアイコンタクトをして、

穂乃果「結構うまく歌えたと思うんだ。行くよー」

 以前に考えたこのグループの掛け声をしようとする。幼なじみで長年ずっと一緒にいた空也たちはそのことをすぐに察する。

 

 先に海未が、

海未「μ's」

 自分たちのグループ名を言う。

 

 その後にことりが

ことり「ミュージック」

 その後に考えた語呂のいい言葉を、

 

 そして最後に4人そろって

4人「「「「スタート」」」」

 自分たちで考えた掛け声を完成させた。

 その後真姫から『大まかな音程はとれている。あとは細部のタイミングと音程に気を付ければいい形になる』という評価をもらった。

 あれほどの歌唱力を持っている彼女からこういう評価をもらい穂乃果たちはやる気をまた上げたのだった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽side

 

 花陽はライブのお知らせポスターの前にいた。この学校にはできないと思ってたスクールアイドル、そのライブが明日の放課後にやるとのことで、恐れながらも見に行く決意をしていた。学校の掲示板にその告知とチラシが置いてある。

花陽「……!」

 急いでポスターの下にあるチラシを取ってバレないように反対側の壁へと向きを変える。

 

 そのすぐ後に後ろを真姫が通る。びっくりはしたがすぐに西木野さんはその場を後にした。

花陽「ふふ……」

 いよいよ明日に迫ったライブで笑みがこぼれてしまう花陽であった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 朝の練習が終わり学校に登校している空也たち。

穂乃果「はぁ~」

 その最中にあくびをする穂乃果は、まさにこれから眠るかのようにあくびをしていた。

 

 そのあくびを見て海未は、呆れながら穂乃果にツッコミを入れる。

海未「眠る気満々ですね」

 普段も授業中に眠る穂乃果の事を心配して海未は注意をする。そんなときに後ろから声がかかった。

 

 リボンの色からして3年生であることのわかる先輩が2人空也たちに話しかけて来た。

先輩1「あなた達ってもしかしてスクールアイドルをやってるっていう」

 その先輩の目的は、スクールアイドルなのかどうかの確認だったらしい。

 

 その質問を受けことりが

ことり「はい! μ'sっていうグループです」

 自分たちのグループ名を言った。

 

 空也は、自分はアイドルではないことを一応補足しておき、

空也「俺はこいつら専属の作詞家ですけど。それと、石鹸ではないですから」

 これから言われるであろうことに先回りして答えておいた。まぁ、この名前を聞いた時に真っ先に浮かぶのはそれだろう。

 

 空也の言葉を聞いた先輩たちは、穂乃果たちに気が付いた理由を空也たちに話した。

先輩2「そうそう。うちの妹がネットであなた達の事みかけたって」

 誰がやったのかわからないネット上へのUPは、空也たちにとって好都合だった。結果このように話しかけてもらえるようになったのだから。

 

 そして穂乃果は、覚えてもらったことに心から喜んだ。

穂乃果「ほんとですか!」

 

 そして先輩たちは、明日のライブのことを聞いてくる。

先輩1「明日ライブやるんでしょ?」

 

海未「はい。放課後に、講堂で」

 海未は、ポスターに書いてあることを簡単に説明した。

 

 ライブをやることが本当なのが分かった先輩は、

先輩2「どんなふうにやるの? ちょっと踊ってみてくれない?」

 興味が湧いて穂乃果たちの本番やるダンスを見たいと言ってきた。

 

 いきなりのことで驚くことり。

ことり「え!? ここでですか?」

 それもそうだろう。通学途中に急に踊れと言われと戸惑うのも無理はない。

 

 先輩にそうお願いされた瞬間恥ずかしがり屋の海未は周りを見て、昇降口へと逃げようとする。

空也「海未。逃げるなよ」

 そんな海未に気が付き瞬間的に海未の手をつかみ逃げないようにする空也。

 

 それでもいうことを聞かない様子の海未は、

海未「無理です……。こんな人のいるとこなんて……」

 周りを見ながら空也に伝える。こういう場面で恥ずかしがり屋をこじらせたらしい。

 

 そんな様子の海未を見た空也は、

空也「しょうがねぇな……。先輩、もし来てくれるんだったら少し見せますがちょっとあっちのほうでお願いします」

 海未の様子を見て人目があまりないところでの披露を条件にする。ここで披露しない訳にはいかないせっかく興味を持ってもらったんだ。アピールした方がいいに決まっている。

 

 そんな条件を付けられる理由がわからない先輩たちは、

先輩2「なんで?」

 空也にその理由を聞いてきた。この場で踊って欲しかった先輩は今のこちらの状況を知らずに聞く。

 

 それを空也は、正直に答えた。

空也「ちょっと1名恥ずかしがり屋がいまして、まだ心の準備ができてないんです。ですからあまり人のいないとこでお願いします」

 ここで初めてわかった問題点に内心頭を抱え、事情を説明する。

 

 見せてもらう方の立場にある先輩たちは、その条件をのむ。

先輩1「うん。そういうことなら」

 移動する手間よりも見たいという好奇心が勝り移動をすることを受け入れた。

 

 何とか2人までなら耐えられる様子の海未は、

海未「空也……。ありがとうございます」

 チャンスを与えてくれた空也に感謝する。

 

 穂乃果も状況を理解して人目のつかないところを探し始める。

穂乃果「じゃあどこがいいかな?」

 そう言ってもなかなか見つけることができない。

 

 しかしそのすぐ後にことりがちょうどいい場所を見つける。

ことり「あそこがいいんじゃない」

 ことりに言われた場所で穂乃果たちは、少し歌と踊りを披露することにした。

 

穂乃果「空也君。どこら辺までやればいいのかな?」

 踊りを始めようとしている中穂乃果が聞いてきた。

 

空也「ことりが歌いだす前まででいいんじゃないか?」

 空也が感じた一番気になる状況で終わらせるにはここがいいというところを穂乃果に伝えた。

 

 空也から提案してもらったことを考える穂乃果はしっくり来たようで、

穂乃果「うん! じゃあちょうどいいしそこまでにするよ」

 そう言って海未とことりにやる場所を伝えに言った。そして始まる彼女たちの初披露。そこには緊張感もあり動きが鈍っていたが短かったおかげで何とか大きなミスをせずに踊り切ることができた。

 

 中途半端に終わったことでもう少しと頼まれるが、

空也「もう時間ないですよ? あと2分で遅刻になりますが?」

 という空也の言葉を聞いて自分たちの教室へと戻っていった。やはり3年生ともなると遅刻は進路に関係してくるようで避けなければならに事のようだ。

 

 しかし、海未のこの性格は何とかしないとライブに支障をきたす。どうにかしなければいけないが……。はぁ、これから大丈夫かな?

 

 ライブ目前に迫ってきた状況で見つかったことに少々困ったことになった。この問題点を空也たちは乗り越えなければいけない。どうやって乗り越えようか。それしか空也の頭には入っていなかった。

 




今回は、海未を無理やりダンスさせました。

でも先輩たちも自分の部活動ぐらいあるんでしょうからライブに来てくれるかは不安ですね。

お気に入り登録してくださった詩宝院 龍騎さんありがとうございました。

次回『海未の弱点克服』

それでは次回もお楽しみに。



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
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