ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今日は大出血サービス!! 今までに出てきたキャラクターたちがいっぱい出てきます!! D.C.を知ってたら青ざめてしまうかもしれませんが(笑)

それでは会場に向かう彼女たちをご覧ください!


終わりの始まり

 空也が作ってくれた朝食を食べた後、身支度を済ませてラブライブの会場へと向かった。朝食の最中、昨日の夕食の時と同じく本当に今日が大事な日であるのかと感じさせるほど普段通りだった。

 

 そんな彼女たちがライブ会場にやってくると、いよいよ今日がライブ当日だということが実感できるようになった。

10人『わぁ~(おぉ~)!』

 目の前には大きく広がる今までライブをしてきた中で一番広い会場。そんな場所でライブができる。そう思うと胸の中で高まるものを感じた。

 

 それと同時に、会場の大きさ、そしてこの場所に入る観客の多さに圧倒される。

真姫「これが会場……」

 

穂乃果「おっきいねぇ~」

 大きい会場、多くの観客を目の前にしていつも通りにパフォーマンスができるか少しだけ不安になる。

 

 そしてみんなが思うことはやっぱりこの会場のことでこの会場のことだった。

絵里「さすが本戦はスケールが違うわね」

 最終予選の時の会場は屋外だったし、初めて参加するラブライブ!の本戦は前回よりも大きい会場であることからも彼女たちの驚きが出てくるのだろう。

 

 今までより広い会場で歌えること、それは彼女たちにとってうれしいことだった。

凛「こんなところで歌えるなんて」

 だからキラキラと輝いた瞳で会場の風景を見ていた。

 

 前回の大会にも出られるものだったら出たいと思っていたにこはついにやってきたこのステージに感動していた。

にこ「トップアイドル並に注目受けてるのよ。ラブライブは!」

 そして自分が憧れていた場所だから当然だと胸を張ってみんなにそう答える。

 

 何の根拠もないのににこの言っていることはどうしてかよくわかった。

凛「そっか!」

 だからすぐに納得することができる。

 

 こんな大きなステージに多くのカメラ。それを見ると自分たちがいかに……。

花陽「注目されてるんだ私たち……!」

 いかに注目されているのかが分かる。ラブライブ!というものがどれだけ人気なのかが分かる。

 

 そんな話をしているとスタッフのほうで照明のチェックが開始された。

海未「すごい照明ですね」

 その光量も今まで以上に派手になっていて、これを使えばどんなパフォーマンスができるのだろうと胸を高鳴らせていた。

 

 今までに感じたことのない照明は慣れないとまぶしいと感じるものだった。

ことり「まぶしいくらいだね」

 少しだけ目を閉じながらも照明の在り方を見ていることり。彼女からもやる気が見て取れる。

 

 だけどこの照明も納得がいくものだろう。

希「たくさんのチームが出場するわけやから設備も豪華やね」

 それもそのはず。だってこの場所には全国の予選を勝ち抜いた47組が雌雄を決する場所なのだから。大いに盛り上げて、スクールアイドルたちの後押しをするのが運営の仕事。

 

 そんな会場に圧倒されていると自然と歩みを止めてしまう人がいる。みんなは移動しているはずなのに1人だけ、ずっと会場のほうをじっと見つめている。

空也「って、お~い。花陽ー! こっちだ!」

 その花陽に空也は遠くから大声で呼んだ。

 

 この場所は他のスクールアイドルも来ているし、スタッフの数も多い。そんな中で迷子になってしまえば合流するのにも時間がかかる。

絵里「迷子にならないでよ~!」

 リハーサルの時間もあるためそれだけは避けたい。だからはぐれないように絵里がそう言ってみんなの注意力を高めた。

 

 でもそれと同じくして、この会場で歌えることを実感し、より一層やる気を出す者もいる。

穂乃果「ここで歌うんだ。ここで歌えるんだよ! 私たち」

 それは言わずもがな、穂乃果だ。穂乃果はこの場所で歌えることを本当に心待ちにしていた。それはずっと前からアイドルに憧れているにこや花陽と引けを取らないものだった。

 

 そして穂乃果の言葉はみんなの心を駆り立てた。

絵里「そうね」

 大きい会場だったがために腰が引けてしまっていたかもしれない。だけどそれがやる気を出し、引けた腰をひっぱたくことができた。

 

 だから今の穂乃果たちにはこのステージに立っていいのかという不安は無くなった。今彼女たちにあるのはいいライブにすること。それだけだった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間はだんだん過ぎていき、もうすぐ開演の時間。リハーサルを終えたであろうμ'sは舞台裏の楽屋にいる中、開場した会場は入場者で盛り上がっていた。

 

 ここにも、この場所に憧れている少女たちがやや興奮気味に入場口に。

 

雪穂side

 

 入場口にやってきた雪穂と亜里沙は、μ'sを応援するため、そして自分たちが経ちたいと思っているステージを一目見るためにこの場所に来た。

 

 けど、どうやら今回はお客さんとして来ている面が強いようで入場口に設置されているアーチを見て抑えきれないほど興奮していた。

雪穂「こんな大きな看板が出てる!」

 上には大きく『LOVE LIVE!』と書かれた看板。それを見ればこの場所に来ることができたとなかなかに嬉しくなってしまう。それも自分の応援していたグループが立つ場所で、姉たちの立つ場所だ。嬉しくないわけがない。

 

 ただし、この場所に来たのは何もライブを見るためだけではないことをここにきてようやく思い出す。自分たちもこのステージに立つんだという視察に来たといっても過言ではない。

亜里沙「雪穂、雪穂! 写真!」

 だから記念の写真であるとともに雪穂と亜里沙が2人でアーチと一緒に撮った写真は目標そのものになった。

 

 当然、その考えは雪穂にもある。

雪穂「はいはい!」

 だから2人で頬を合わせ、しっかりとカメラに映るようにして亜里沙がシャッターを切るのを待つ。

 

 そして撮った後の写真見て1つの思い出ができたと感じた。

亜里沙「ここを目指す写真!」

 それもそのはず。だってその写真は思い出になるものだから。理由なんて、ここに来たいから来た。そんな単純なもので目標になる写真であるとともにこの写真は普通の思い出の写真なんだ。

 

 その写真を亜里沙と一緒に確認した雪穂はそのスマホに表示されている時間を見て大事なことを思い出した。

雪穂「遅刻しちゃうよ!」

 開場が終わるまであと数分。オールスタンドのこの会場ではいい場所はもう取られてしまっているかもしれない。でも自分たちにあった場所はまだ残っているのかもしれないと少ない可能性に賭けて駆け足気味に会場のアーチをくぐった。

 

 その先にあったのは多くのスクールアイドルファンが集まったライブが始まるのを待機している様子。

 雪穂たちも、今か今かとライブが始まるのを待っていた。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒフミside

 

 一方、穂乃果たちの友人であるヒデコ、フミコ、ミカの3人もこの会場へとやってきていた。けど、この場所に来たフミコは少しだけ心配そうにしていた。

フミコ「大丈夫かな? 穂乃果達」

 それもそうだろう。だって、1年前は穂乃果たちだってただの高校生だった。部活動をやっていたり、家の手伝いをしていたり……それは今も変わらないけど、それだけの特に変わったことをやっている学生ではなかった。

 それが今、こんな多くの人の目で見守られる中、ライブをするアイドルになっている。そのギャップが、いくら近くで見てきたからだとは言え、心配になる要素に十分なりえていた。

 

 それに穂乃果たちμ'sを取り巻く空気感も関係している。

ミカ「優勝候補とか言われてるし、緊張してるかも」

 そう。前回大会の優勝者A-RISEを破ったμ'sはこの大会で優勝するのではないかと思われている。今までとは違った大きな期待が穂乃果たちにのしかかっている。

 

 けど、ヒデコたちは知っている。穂乃果たちの挫折を。上手くいくと思っていた活動がうまくいかなかったあの場所のことを。

ヒデコ「大丈夫よ。誰もいない講堂に比べたらどうってことないでしょ」

 今外の人に行っても信じてくれないであろう事実。初めてライブをしたときに穂乃果と海未、そしてことりが経験した1つの大きな挫折。ほとんど観客のいない会場でライブをするというこの挫折は穂乃果たちの心に大きな傷を作っただろう。でもそれを通じて今がある。

 過去は変わらない。今があるのは過去のおかげ。どんなことでも……繋がっている。あの始まりがあったから、こうして大きな会場に立つことができる。それに、穂乃果たちはもともと優勝を志してここに立っている。優勝候補とか言われたってやることが変わるわけではない。記念出場なんて考えていない。完全に勝ちに来ている。

 

 あの光景を見ていれば自然と通じ合う。

フミコ「そうだね」

 だってあの場所で挫けなかったのだから。それに穂乃果たちを見ていれば分かる。ライブをすることがどれだけ楽しいのかということが、どれだけ楽しんでいるのかということが。

 

 自分たちの不安を拭い去ったヒフミの3人は安心した様子でアーチをくぐろうとする。

ミカ「って時間大丈夫!? 各校の応援席って入場時間決まってるんでしょ」

 けど、1つだけ忘れていたことがあった。出場する学校の生徒の応援の入場には指定された時間があるということを。そしてその時間が迫ってきているということも。

 

 時計を確認してそのことを確認すると、ヒデコたちは走ってアーチをくぐって指定された待機場所に向かった。

ヒデコ「あ! 本当だ!」

 これからどんなことが始まるのか心が湧き出す気持ちを抑えきれないようで駆ける足も浮きだっているような気がした。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高坂ママside

 

 そしてこの場所に来ているのは学生だけではない。この会場でライブをする学生の保護者だって自分たちの子供の活躍を見届けにくる。

 

 そう。例えそれが音ノ木坂の理事長であろうと……。

南ママ「あの? 使います? これ?」

 ことりの母親がよく娘間で交流をしていた穂乃果の両親を見つけた。自分たちの娘を応援する為に穂むらを臨時休業にしてまで来たようだ。

 そんな穂乃果の両親たちに彼女のイメージカラーであるオレンジのサイリウムを使うかどうかを尋ねる。

 

 しかし、そのサイリウムは受け取られることはなかった。

高坂ママ「……ご心配なく!」

 穂乃果の両親はすべての指の間にオレンジの使い捨てのサイリウムを携帯し、ライブが始まる準備は万端だった。穂乃果の父親に至っては寡黙が故なのか雰囲気が興奮しているように伝わる。自分の娘がこんなに大きな会場で歌うということが本当に嬉しそうだ。

 

 だけど、それは穂乃果の母親もことりの母親も同じ。同じ想いを持つ者同士、会場へ向かった。

 

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ななかside

 

 ラブライブ!の会場に来たのは何も出場する学校の生徒や出場する生徒の保護者たちだけではない。ただのファンの姿も当然ある。そのファンの中に一際オーラの質が違った人もちらほらといるようだ。

 

 デビューして数年でトップアイドルの地位を確立した、無邪気ながらもアイドル活動を楽しむことに関しては上回るものがいない風見学園が誇るアイドル。白川ななか改め白河ななか。そして、そのバンドのメンバー、義之の家族も遠く離れた初音島からこの会場にやってきたようだ。

 

 μ'sの活動が始まったころからすでにファンで、第一回ラブライブ!にも応援しに来ようと思っていたななかは半年の延期を得てやっと大きな会場で歌えるμ'sを生で見れるということに感銘を受けていた。

ななか「小恋! もうすぐμ'sのライブ見れるよ!」

 まるで学生の時に戻ったかのようにハツラツとした元気な姿を見せるななか。本当にここでμ'sのライブが見れることを喜んでいることが分かる。

 

 そして、初音島で空也たちが合宿をしたときに直接会ったことからななかの影響で興味を持った他のみんなも友人がこの場所に立てると聞けば嬉しくもなるだろう。

小恋「そうだね。あの時から生では見れてないもんね」

 それに、穂乃果たちのライブは風見学園の体育館でやった時以来生で聴けているわけではない。歌自体はいろんな方法で聴けただろうがライブとなれば話は別。この場所でしか経験できない時間がそこにはあって、2度とない特別な空間だからこそ、高まるというものだ。

 だからどこまで穂乃果たちが成長したのか気になってくる。どのように観客を魅了し、どのように楽しむのか。だから1秒1秒が見逃せないライブになるだろうとそう直感した。

 

 そんな話をしていたからだろうか、思い出すのは初めてμ'sにあった初音島での思い出。そこで経験したライブと、練習風景。そしてたくさんのお客さんに見てもらおうと宣伝活動をする健気な姿を見たら自然と応援したいと思うようになっていた。

渉「みんなかわいいし、空也の歌詞はいいし。踊りもきれいだし、音楽も最高だし。並のスクールアイドルを越えてるもんな。なぁ、義之」

 そんなことを後頭部で腕を組みながらやや興奮気味に義之に聞いてみる。

 

 渉の言葉を皮切りに想い出を振り返ってみる義之。そこで初めて見たスクールアイドルの練習。アイドルの練習とは違って教えてくれるトレーナーや振付を考えてくれる振付師もいない。全部を自分たちでやらないといけない。

義之「確かにな。みんな頑張ってることがよくわかるグループだよ」

 そのすべてに妥協することなく、投げ出すこともなく続けてきた。μ'sと出会った影響でいろんなスクールアイドルを見てきた義之が思ったことは、一番頑張っていることが伝わってくるのがμ'sだったということ。

 

 そんな思い出に浸っていると次第に時間は過ぎていく。

ななか「早く行こう! 早く行こう!」

 そろそろ開演までの時間が無くなってきた。そんな焦りからか若干ななかの足が駆け足気味になる。

 

 それに穂乃果たちμ'sの活躍を早く見たいのはここにいる全員が思っていること。

由夢「そうですね。早く行きましょう。兄さん」

 だからいつもはかったるいとか言ってだらけてしまう由夢だろうが穂乃果たちの輝く姿を早く見たいと思う。

 

 そしてさくらは、一番の年長者として彼女たちのことを見届けたいと思っていた。

さくら「そうだね。未来の教え子もいるし、いっぱい応援しなきゃ!」

 それに、自分の教え子になる……子供のような関係になる真姫のこともしっかりと見る。そう心に誓いななかに着いていく。

 

 だけど、こんなお祭りごとになると昔から心配になってしまうことが音姫にはあった。

音姫「でも問題は起こしちゃだめだよ! 弟君」

 さくらが久しぶりに風見学園に帰ってきたときのお祭りごとでは、花火など大きな仕掛けで盛り上げていた。しかしそれは生徒会にとっては迷惑行為で、生徒会のブラックリストにここにいる義之と渉は載っていたのだ。だから元生徒会長で義之の姉である音姫は心配なのだ。

 

 いつものように右手の人差し指を立てて、左手は腰に添えた音姫の注意にやや苦笑い気味の義之は安心させるように答える。

義之「もう子供じゃないんだから大丈夫だよ」

 そう。義之はもう子供ではない。それに今日の主役は天変地異が起こったってスクールアイドルのみんなだ。そんな場所で目立とうとするような義之ではない。……ただ、盛り上げるために関してはどんな手段も使う人が友人にいることをふと思い出した義之だった。

 

 そんな会話をしつつ、ななかたちは足早に会場へと向かった。

 

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清隆side

 

 さらには風見学園からやってきたファンがいた。

 

 それが風見学園に現在在籍している生徒。風見学園公式新聞部の面々だ。

清隆「空也たち。本戦まで進んだんだな」

 あの雪の日に来た清隆たちはμ'sがこの場所に立てるという事実になんだか感慨深い気持ちになっていた。

 

 けど、このことは去年のうちにもうわかっていたことだ。

姫乃「兄さん。何言ってるんですか。それはもう3か月前からわかってたじゃないですか」

 急に当たり前のことを言い出す清隆に寄り添って歩く姫乃はそんなことを呟いた。

 

 それは清隆も十分に分かっている。そもそも、このようなライブ会場になかなか来ないこともあるのかもしれなが、大きな会場で自分の知っている人たちが歌うとなれば感慨深くなるのも分からないわけではない。

清隆「そうだけど。ここに来るとな」

 しかも、いざこの会場に来てみれば思ったよりも大きく、本当にこの会場でライブをするんだと実感できる。

 

 自分たちですらこんなに嬉しくなるのに、本人たちが自分たちより冷めているわけはない。それに初めて立つラブライブ!の本戦のステージだ。嬉しさは比較にならないほど感じていることだろう。

立夏「きっと一番そう思ってるのは本人たちなのかもね」

 スクールアイドルを経験したことはない立夏でさえも、気持ちが高鳴っていれば穂乃果たちがこの気持ち以上に感じていると立夏は思った。

 実際、穂乃果たちも今日になってようやくこの場所で歌うことができると、実感して身震いをしていた。

 

 そしてそんな話をしていると思い出されるのはあの雪の日の思い出。終業式が終わった後に穂乃果たちを応援するために公式新聞部が向かって参加した東京地区最終予選のステージの光景。

 あの時は穂乃果たちの命の危険があったことを空也に聞いていたから無理してでも来ようとみんなで決めていたから来ることができたが、そのおかげもあって立夏たちはあのステージを生で見ることができた。

葵「でもすごいですよ!! あの最終予選もすごかったですけど今回はどうなってるんでしょう!?」

 瞳を閉じれば雪の降る景色、その中で全力で想いを届けようと歌って踊るμ'sの姿が蘇る。

 だからその分期待も持てる。最終予選の時にあれだけすごいと感じたライブが今回どんな風になるのかライブの時が楽しみになった。

 

 葵が興奮気味に呟いているのを見ているとそれが伝染するかのようにみんなの心を駆り立てた。

さら「葵ちゃん落ち着いてください。って実は私も興奮してるんですけどね……」

 あの冷静なさらでさえ、これから始まるμ'sのライブに気を高まらせていた。

 

 もうみんなが早く会場に入りたいと思って仕方がなくなってくると、シャルルが手に持った荷物を胸の上まで持ち上げてニコニコしながら口を開いた。

シャルル「さて、みんなで応援しましょう。お弁当作ってきたから」

 それはある種の死刑宣告。高まっていたみんなの背中に冷や汗が湧き出るのを感じる。

シャルルの料理は現在存在する人類の味覚を超えたもの。それを何のペナルティもなく食べれるのはシャルル本人だけなのだ。ということはどういうことか……。シャルル以外が食べれば最低1日は行動不能になってしまう劇薬料理がこの場にあるということだ。

 

 その事実を聞いた清隆は目を見開いてシャルルのことを見ていた。

清隆「………え?」

 聞き間違いであってほしい。そんな叶うはずもない願望を脳内で何回も再生しながらも自然と足は会場に向かっていた。

 

 その中で立夏は少しだけ立ち止まり、懐から1つのアイテムを取り出した。それは最終予選の時に空也に貸した古びたワンド。リッカ・グリーンウッドが所持していたジル・ハサウェイの残留思念や宿ったワンドだった。

 

 立夏はジルに空也の晴れ舞台を見せるためにこの場所まで持ってきたみたいだ。立夏はリッカとしてワンドに一言二言話しかけた後ワンドを戻し、清隆たちの背中を追いかけた。

 

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京介side

 

 そしてまたここに空也によって救われた2人の夫婦がやってきた。

京介「空也たちもこんなとこまで来ちまったんだな。桐乃」

 京介が最後にあったのは空也に頼まれたアクセサリーを渡した時。その時にはもうこのステージで歌うことは決まっていたのだが、やはりここまでくるといよいよ実感することができる。

 

 そんな隣を腕を組んで歩いている黄色がかった茶髪の女性は答える。

桐乃「そうね。でもあの子たちならここまで来れるとは思ってた。それににこちゃんとか妹みたいだし!」

 桐乃の好みがここにきても発揮されたようで小さくてかわいいと思ったにこにやや興奮気味の様子。

 

 どんな場所だろうが、年月を重ねようが変わらない桐乃の性格にやれやれと言わんばかりにリアクションを取る京介。

京介「ここにきてそれか……。まぁ あの時から、なんとなくここまで来ることが分かった気がするな」

 そんな中、空也が初めて穂乃果たちを連れて店に来たときのことを再び思い出して、あの時に思ったことを口にする。あの時はほとんど完全に女子高生の集団だったように思えた。けど、空也と話をしているところを見て、μ'sというグループを大切にしていることが分かったらここに来られたのも理解できたよう。

 

 感慨深く思い出を振り返っている京介を現実世界に戻したのは腕を組んでいた桐乃の呼びかけだった。

桐乃「そうでしょ? 早く行くわよ京介」

 袖をクイっと引いた桐乃は初めて生でμ'sのライブを見た時のことを思い出す。来るべくして来たんだと2人の認識は同じだった。

 

 そんな息の合った血のつながらない兄弟夫婦は会場に足を踏み入れた。

 

 開演まで後5分……。

 

 




なんか……今まで関係してきたキャラたちが出てくると終わりが近づいてきたんだと実感しますね……。

あと数話でTVアニメのお話は終わりになるんですよ。正直信じられないです。

と、そんな内部事情はさておき。次回、いよいよラストライブです!

次回『ラストライブ!』

それでは、次回もお楽しみに!



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https://twitter.com/kuuya_soranari
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