ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

とうとう、今回歌ができます。

そして前半は前回に続き真姫パートです。それでは、今回も彼女たちの動かす未来をお楽しみに。


小さくて大きな一歩

真姫side

 

 真姫は、音楽室で空也に言われたことについて考えていた。

 今まで、選択に後悔するな。なんて言われたことはあまりないし言われたとしても心には響かなかった。けど空也の話は何かを感じた。

 1年違いだとは全く思えない説得力のある話が聞くことができるなんて思っていなかった。真姫にとって空也は、不思議な先輩になっていた。

 そんなことを考えると足は神田明神へと向いていた。

 

 真姫がここに来た時には、階段で練習している様子が見えた。

真姫「…………」

 何を言っているのかはわからないが必死に練習しているのはなんとなくわかった。

 

 すると穂乃果とことりがその場に座り込んでしまった。この階段は上るだけでかなりきつい。きっとまだ体力が付ききっていないんだろうと

 簡単に予想が付いた。

 

 座り込むだけでは足らずに寝そべってしまっている穂乃果。

穂乃果「も~だめ~」

 文句を言っているがそれでもやる気は消えていないのは見て取れる。

 

 ことりも穂乃果ほどではないがかなり疲れている様子だった。

ことり「もう……。動かない……」

 

 しかしそんな言葉は、海未には届かない。こうなってしまった時の海未の指導はかなりきついものがあるのだ。

海未「ダメです。まだ2往復残ってますよ」

 今回もその鬼指導は変わらずに続ける。

 

 いつもならここで空也が少し量を減らそうとするのだが今回ばかりは時間がない。よって……、

空也「そうだ。あと2往復がんばるんだ。穂乃果の言葉を借りるなら、ファイトだよ! だ」

 いつも穂乃果が使っている言葉を使い、やりきることを促す。

 

穂乃果「それ私のセリフ~」

 自分のセリフを取られて疲れながらも言ってくる穂乃果。

 

 楽しそうに、そしてしっかりと練習している4人を見て何かを感じた。そこへ……

真姫「キャー!⁉ なっ何すんのよー」

 後ろからやってきた何者かに胸を触られた。

 

 犯人は希だ。希は真姫の胸を触った後に、

希「まだ発展途上といったところやな」

 分析をし始めた。

 

 何を言っているのかわからなかった真姫は、

真姫「は?」

 反応に困っていた。

 

 それでもまだ分析を進める希。

希「でもまだ望みは捨てなくて大丈夫や 大きくなる可能性はある」

 

 するとそこに空也がやってきた。

空也「はぁ~。何やってるんですか、東條副会長」

 今やってきた空也は、状況を見て希が何かをしたことだけを把握して、語り掛ける。

 

 突然空也が来た事に驚いた希は、

希「あら、確か時坂君。だったかな?」

 そんなことを微塵も感じさせないかのような感じで空也に話しかけた。

 

 しかし、ここに空也がいることは真姫の恥ずかしいところを見られた可能性がある。

真姫「時坂先輩……。見てたんですか」

 だから真姫は空也に聞いた。

 

 空也は何を見たのかわからなかったので、

空也「う~ん、悲鳴が聞こえてきてみたら、キミが胸を隠して東條副会長をにらんでいたところだったけど」

 自分が来た時の状況を真姫に伝える。

 

 真姫は、空也のその言葉で安心した。見た様子嘘をついている様子も全くなかった。

真姫「そう……」

 

 そして希は、今までで一番気になったことを空也に言ってみた。

希「それはそうと、いつも東條副会長っていうの何とかならん?」

 希のことを呼ぶときの空也の呼び方だった。

 

 しかし何と呼べばいいのかわからなかった空也は、

空也「っというと?」

 呼び方をすべて希に任せることにした。

 

 空也に聞かれて一度はふざけようとした希も雰囲気を感じ

希「うん。じゃあ、希先輩でいいんやない?」

 普通の呼び方を選んだ。

 

空也「いいんですか? じゃあ希先輩で」

 女性を名前で呼ぶことは、最近は穂乃果たちしかいなかったのでためらいながらそう呼んでみた。

 

 自分で言ったこともあるのか不機嫌になる様子は全くなく

希「うん」

 笑顔で返事をしてくれた。

 

 ふとここで、真姫がいることの意味を思い出した空也が

空也「それで、来てくれたんだね西木野さん」

 真姫が来たことを微笑みながら喜んだ。

 

真姫「えっと……」

 空也の言葉にごまかすこともできずにだけど本当のことを言うのも恥ずかしいのであいまいな答えになってしまった。

 

 それでも空也は感謝をやめない。

空也「まぁありがとね。でもやっぱり恥ずかしいか?」

 それでいて革新をしっかりとついてくる。

 

 その言葉に便乗して希が

希「恥ずかしいんやったらこっそりっていう手もあると思うんや」

 アドバイスをした。

 

 最初は急に真面目になられてびっくりしてしまう真姫だったが、

真姫「え? 何を……」

 聞いてみたらそれは、

 

 何かを見透かしたような答えに

希「わかるやろ」

 去り際に真姫に残し神社のほうへと戻っていった。その言葉の重さを理解することができた。

 

 その言葉で、決意を決めた真姫は、

真姫「……。決めました。時坂先輩、私書いてもいいですよ。でも今回だけですから、それと誰にも言わないでください」

 今回だけは自分のやりたいことを精いっぱいやろうという決意を決めた真姫は条件をつけながら曲作りに協力することを伝えた。

 

 今までずっとしないと言っていた真姫が協力してくれることを聞いた空也は、

空也「そうか! ありがとう。わかった誰にも言わない」

 ただただうれしかった。穂乃果たちが目指す道も自分の夢のためにも重要になってくるのがなんとなくわかってきたから。

 

真姫「それでは、もう帰りますから」

 伝えることは伝えたそんな感じで真姫は家に帰って行った。

 

 空也は、そんな真姫の後姿を見て

空也「そうか。じゃあまたな」

 これからも彼女との交流はある予感がして別れた。

 

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空也side

 

 ホッとしながら空也は穂乃果たちのもとへと向かう。

空也「ほ……」

 

 階段を登り切った空也はすぐに穂乃果に何があったのかを聞かれた。

穂乃果「どうだったの空也君」

 純粋に空也の身を心配して話しかけてくる。

 

 空也は、何が起きたのかを教えるわけにはいかない。それは真姫との約束を破るのにも等しい行為だから。

 それに彼女たちが心配していることは決してなかったため

空也「あぁ、何にもなかったよ」

 そう言って彼女たちを安心させていた。

 

 空也の言葉を聞いたことりは、

ことり「そう……。よかった~」

 心の底から安心してる様子で安堵する。

 

 一方海未は、すぐに行動してしまう空也のことを心配して、

海未「もう無茶はしないでください」

 空也のこれからに少し心配をしてしまった。

 

 空也としても彼女たちの悲しむ姿は見たくない。

空也「あぁ、わかった。それじゃあ俺は帰ろうと思ってるけどどうする?」

 だから約束をする。これからは無茶にならない程度に無茶をしようと。

 

 そんな話をしているともう日が暮れ始めていた。

 

 それを聞いた穂乃果たちは、もう帰る準備ができていたため、

穂乃果「あ! 待って私たちももう帰るから」

 空也たちは4人で家へと帰るのであった。

 

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穂乃果side

 

 いつもは遅刻ギリギリの穂乃果も最近は早起きするようになっていた。

 今日も早くに学校に行こうとする。

穂乃果「行ってきまーす」

 家を出て学校に行こうとするが、ポストを見る習慣のある雪穂が穂乃果に何かを見せて尋ねる。

 

雪穂「お姉ちゃ~ん。これお姉ちゃんの? 宛名がないんだ~、μ'sって書いてあるけど」

 μ'sと書かれている以上穂乃果に関係しているのはわかる。そして雪穂が持っていたものはCDだった。

 

 昨日までずっと反対していた真姫が曲を作ってくれたのかと思うとびっくりしてしまう。

穂乃果「え!?」

 穂乃果は雪穂からCDを受け取った。いまだ信じられない様子だが

穂乃果「は! これって……」

 受け取った瞬間にやらなければいけないことを理解し、空也たち3人にメールを送った。

 

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空也side

 

 穂乃果のメールを受け取って4人が学校の屋上にそろった。

空也「よっし。聞くぞ…」

 空也は3人に問いかける。

 

ことほのうみ「「「うん(はい)」」」

 その3人も緊張とワクワク感の感じられる返事をする。

 

 それを聞いた空也はすぐさま再生ボタンを押す。そこから流れてきたのは、心が落ち着くようなピアノの音。

 

 ♪~♪~

 

 次の瞬間に美しい歌声が流れてくる。

真姫『I say~ hey! hey! hey! start dash! hey! hey! hey! start dash!』

 

 今まで詩でしか見ていなかったものが、曲になった。うれしいとしか思えなかった。

穂乃果「すごい。歌になってる」

 穂乃果は純粋に感動して、

 

 空也は自分の詩に初めて曲が付いたことに感動し、

空也「俺の作った詩が!」

 

 ことりは、いまだ信じられないかのように聞き入って、

ことり「私たちの……」

 

 海未は、これから歌う歌をしっかりと聞き遂げるように

海未「私たちの歌…」

 4人とも歌を聞いていた。

 

 すぐさま次の歌詞が出てきてそれに聞き入っていると、

真姫『うぶ毛の小鳥たちも~ いつか空に羽ばたく~ 大きな強い翼で~飛ぶ 諦めちゃダメなんだ~ その日が絶対来る~ 君も感じてるよね始まりの鼓動~』

 

 誰かが投稿してくれた『μ's』の名前に、

海未「あ! 票が入った!」

 票が入ったのだ。まだ999位と人気になるにはまだまだ時間がかかるが確実に大きな一歩を歩みだした。

 

 やる気が出てきた穂乃果はすぐに練習をしようとする。

穂乃果「よーし。練習だ~」

 

 空也は、この歌を聞いて彼女たちがうまく歌えるようにパート分けを始める。

空也「あぁ頑張ってこい。俺はここでパートわけしとくから、完成して何か不満があれば言ってくれ」

 

 ことりは、空也の考えを理解し、練習に戻る。

ことり「うん、わかった。空也君も頑張ってね」

 ことりが応援してくればいくらでも頑張れる。穂乃果が頑張っていたら負けないように努力を重ねる。海未に心配なことがあったらその障害を壊す。

 今までも、そしてこれからも。

 

空也「おう!(西木野さん、ありがとな。って、これ声出てるからすぐにばれるんじゃ……)」

 けど真姫の声の入った歌を聞いて約束の意味がほぼなくなったことに気が付いた空也なのであった。

 

 しかし、これでかなりの準備か整った。さて、ここからはライブに向けてひたすら練習をするだけだ。駆け抜けてやろう、最後まで。空也は改めて屋上でそう誓った。

 




テスト期間なのですが書き溜めておいて正解でした。普通に更新することができました。

さて、やっとμ'sのランクインですね。

今回で、アニメ2話分が終わりました。なので次回から3話の『ファーストライブ』回に入りますのでお楽しみに。

お気に入り登録してくださったMHさん、グッチ8さん、転生物語さんありがとうございました。

次回『急に見つけた問題点』

それでは次回もお楽しみに。



Twitter始めました。
https://twitter.com/kuuya_soranari
どうかよろしくお願いします!

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