ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回は前回の後書きでも書きました通り、完全オリジナル回になります。すごく個人的で自分のためだけに書いたといっても過言ではありませんが、ほんの少しだけお付き合いしていただければと思います。

それでは……久しぶり!


はじめて出会うクラスメイト

 音ノ木坂学院の冬休みが終わり、今日から新学期。2週間ぽっちしかなかった休みを終えた学生たちは友達に会える喜びと、勉強しなくてはいけないというある種の悲しみが混ざったような少しだけ複雑な表情で登校してくる。

 

 が、そんな学生たちとは違う表情で登校している生徒も少なからずいた。ニット帽をかぶり、口角は少し上がって笑顔の男子生徒。まだ新しいと言っても過言ではない制服に袖を通した彼は、軽い足取りのまま音ノ木坂学院の正門をくぐっていた。

 

 生徒数が一般の学校よりは少ないこの音ノ木坂学院ではあまり見ない顔が出てくると少しだけ周りの雰囲気が変わる。転校生。そんな心躍らせるイベントだからこその反応なのだろう。けど、なぜかお帰りなさいと言いたげな表情をしている生徒もいる。このことが意味するのはいったいどういうことなのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 新学期の始まり、空也は生徒会として穂乃果たちと一緒に登校してきた。その中で見つけた一度も見たことのない人物のことで穂乃果たちの会話が弾んでいる。

 つい先日にはμ'sのことを表す、キャッチフレーズが公開され、いよいよあとは本戦に集中するのみとなった。が、今穂乃果たちが話しているのはラブライブのことではなく、一般にいる普通の高校生と何も変わらない会話。

 

 正門で見たこれまでの学生生活で見たことのない顔に他の生徒同様に高まる気持ちを抑えきれない穂乃果は、一緒に見たであろうことりたちに向けて話す。

穂乃果「ねぇ、さっきの人って転校生かな!? 制服も新しそうだったし」

 実際に、生徒数が一般の学校と比べて少ない音ノ木坂学院では見慣れない顔がいれば十中八九それは転校生ということになる。以前転校してきた星空タクトがこうして正門をくぐった時も同じような反応をした生徒が何人もいた。学校生活をしていると、どうしても転校生というイベントに心躍ってしまう気持ちはかなりの人が経験のあることなのだろう。それは穂乃果たちだって例外ではなく、むしろ生徒数が限られている音ノ木坂の生徒にとっては他よりも嬉しいと思えるイベントなのかもしれない。

 

 が、ここで重要なのが穂乃果が何も知らないということ。この学校の中で穂乃果は今、トップに君臨しているといってもいいほどの存在なのだ。それはμ'sが関係しているからではなく、ただただ生徒会長をしているというそれだけの理由。

海未「ですが、転校生が来るなんてこと知らされてましたっけ?」

 そして、ここにいる海未にことり、そして空也も穂乃果が会長を務める生徒会に属している。にもかかわらず、何の情報もなく見知らぬ顔を見かければ何かがおかしいと思ってしまう海未の気持ちもわからないわけではない。

 

 それでも、つじつまを合わせようと思えばいくらだってできる。

ことり「冬休みを挟んだから私たちには知らされてないんじゃないかな? ニット帽をかぶってる人、この学校で見たことないし……」

 冬休みだったから、休んでいた穂乃果たちには情報が来なかった。ないわけではないのかもしれないが、きっとその線は薄いだろう。理由は単純、生徒会としての仕事は冬休みも少ないとはいえあったからだ。その時に伝えればいいのだ。そうすれば生徒会の手も借りることができて教師側の負担も減る。

 ではなぜ、今穂乃果たちの知らない顔が音ノ木坂の制服を着て登校しているのだろうか?

 

 それに気になることはまだある。

空也「こんな時期に転校か……」

 そう、空也がボソッと呟いたようになぜこの時期に転校してくるのかということ。今は1月でもう少しだけ元の学校で過ごせば進級のタイミングで転校してくることができる。転校するにも親側が時期を決めることは出来なくもないはずなのに、どうして……? そんな考えが空也の頭の中に芽生える。

 だけどこれも裏付けをしようと思えばいくらだってできるのだ。どうしても親の都合が付かなかったとか、もともとの学校に何かが起きてしまったとか考えればいくつかは出てくる。だから今は少しだけ不自然に感じるだけで、それ以上のことは何もないのだ。そのことが分かっているからこそ、空也はそれ以上の言葉を口にしようとはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 転校生について話していると空也たちは生徒会室に着いた。今日、早く登校してきたのにはもちろん理由がある。生徒会として始業式の準備を手伝うという仕事。始業式に準備なんてあるのかと思ってしまうが以外に準備することは存在する。壇上に登るための階段の設置、司会用のマイクとスタンドの用意、そして壇上で話すときに使う台にマイク。さらには体育館のカーテンを全て閉めたりとやることは少ないわけではなかった。

 それに、始業式という名目でその後に表彰式が行われるのはもう恒例といってもいいだろう。そのトロフィーや表彰状の準備さえも穂乃果たちの手で行われた。

 

 

 

 

 

 そして迎えられた始業式では特に何か大きなことがあったわけではない。あったとすれば理事長の話、そして始業式後に開かれたμ'sがラブライブ!の本戦に進むことになったということの紹介だった。この話で空也を含めアイドル研究部が登壇して盛大な拍手とともに本戦に対してのエールが贈られた。

 

 これを聞いてあのキャッチフレーズが本当に本物であるとより実感したμ'sがいたのは今は別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 始業式を終えた空也たちは片づけを先生たちに任せて自分たちの教室に戻る。そして先生がきて生徒たちが着席してこれからHRが始まるという状況。空也たちのクラスメイトは全員が学校に来ているがそれでも空いている席が1つだけあった。海未の右隣の席。今を想えばこの席はこのクラスが始まった時からずっと空席だった。海未は今朝の光景を転校生に思えた生徒の顔を見たからかずっと空席だったその席を見つめていた。

 

 海未がずっとその責を見ていると教壇に立っている先生がゆっくりと口を開く。が、これから何をどう話せばいいのかが分かっていないようで少しだけ口を開いては閉じてを繰り返していた。

先生「あ~、今日からみんなと一緒に過ごす生徒が1人増えるんだが、まぁそいつはちょっと訳ありでな。でもいいやつだからみんなも仲良くしてやってくれ」

 結局は特に言うようなこともなく、流れに任せてクラスに向けて話す。

 

 そんな少し雑な説明が終わると今先生が立っている側の扉がガラリと開いた。

 

 入ってくる人物は今朝、空也たちが正門付近で見かけたニット帽をかぶった青年。教室に入った時から笑顔のままで本当にこの教室に入るのが、このクラスのみんなに出会うのが楽しみだったことがダイレクトに伝わってくる。

晋作「今日からこの教室で勉強していくことになりました。石川晋作(いしかわしんさく)です。先生が言ったように少し訳ありで遅れてこのクラスに入ることになりましたが、今日から3か月間よろしくお願いいたします」

 名前を聞いて空也たちが晋作がどういう立場にいたのかが少しだけわかる。このクラスが始まった時、出席番号2番の席がずっと空いていた。このクラスの誰もが名前を見ても覚えがなく、知らなかった人物。以前そのことが気になったクラスメイトの一人が訪ねて先生から帰ってきた答えは休学中であったということ。そしてとある理由で入院をしていたということだった。

 つまり、この石川晋作という青年はもともとからこのクラスの一員であったと、そういうことを意味していた自己紹介。詳しい話をしないのも、きっと内容をあまり知られたくなかったからなのだろう。

 

 けど、穂乃果たちにとっては今まで出会ったことのないクラスメイトという認識よりも朝に穂乃果が言っていた転校生という感じに似ているため自己紹介の後、女子が多いこのクラスには黄色い歓声が響き渡った。

 

 そんな自己紹介をした晋作は海未の隣の席に座る。元から先生にはそこが自分の席であるということは聞かされていたようでここで先生の席に対しての説明はなかった。

 

 そしてこの後特にやることはないということでHRは終わり、さっそく授業が始まる。普通であるなら始業式の日に授業があるというのは学生としては憂鬱なもの。穂乃果のクラスの中でも授業があることをぼやく生徒も少ないわけではない。けど、その中で唯一といっていいほどうきうきしている生徒がいた。

 

 それが晋作だ。もともと晋作は休学中で授業を受けるということそのものが久しぶりの感覚。授業というのは自分一人で勉強しているだけでは得られない知識、経験が多く含まれる。学生のうちは気が付かないかもしれないが、1人で黙々と授業をしているよりも断然に楽しいのだ。

 長い時間、その経験ができなかった晋作にとって今日授業があるということはこの教室に入ってきたときと同じレベルで心が躍っている。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未side

 

 海未の隣の席は今まで空席だった。机には当然教科書は1冊も入っていなく、誰も座ってこなかった席。今までも席替えとかで場所が変わることはあったが海未はなぜかこの空席と隣になることが多かった。

 そんな今までが空席だったところに、今日初めで出会ったクラスメイトがいるというのは少しだけ違和感を感じるものなのだろう。けど、それは嫌なものではなくただただいつもと違うからこそ出てくる違和感。

 

 違和感に包まれている海未だけど、1つだけ晋作に対して気になっていることがあった。今日初めて授業をするということは今がどこまで進んでいるかが分からないということ。もしかしたら授業についていけないのではないか? そんな考えが海未の中にはあった。だから授業中ではあるが、海未は勉強が分からないのではないかと隣に来た晋作を心配し、声をかける。

海未「あの……。大丈夫ですか?」

 今やっている教科は『数学』。新学期に入ってやる内容が変わってスタートはほとんど晋作と同じようなもの。だけど内容が2学期にやった内容を前提で話を進められているため、晋作はわかるのかどうか海未にはわからない。

 もしかしたら今までの間に自主的に勉強をしていたのかもしれないけど、していないのかもしれない。

 

 心配して掛けた海未の言葉が晋作の耳に入ると一瞬海未のほうを向いた晋作が真剣な表情のまま口を開く。その表情には先ほどのうきうきした晋作ではなく本当に集中しているのが分かるほどの真剣さだった。

晋作「授業中だよ。集中して」

 その言葉はせっかく気を使ってくれた海未に対して失礼極まりない言葉。初対面のはずなのにこうして堂々とものが言えるのには驚いた方がいいのか、それとも言葉の内容で怒ればいいのかよくわからなくなってくる。

 

 だからだろうか、海未は怒ることも驚くこともせずにただただ真剣な表情の晋作に圧倒されたまま委縮してしまう。

海未「あ、すみません……」

 だからだろうか。言われた海未が謝るように頭を下げる。が、その後に思い返してみると海未は少し怒られたことに不満を持つが、内容が内容だけにはっと気が付く。授業中に話すことはあまり褒められたことではないのだ。たとえそれが授業に関することでも。

 

 

 

 

 

 授業が終わり、先生が立ち去ると教室内の緊張した空気が一気に緩和される。そんな空気になったからだろうか、授業中真剣だった晋作の空気感も最初に教室に入ってきたときと戻っていた。

晋作「えっと……。園田、さっきはごめん。俺、授業中っていつもあんな風になるからこれからもきっと同じような反応になると思う」

 晋作は授業中に心配して話しかけてきてくれた海未に対して謝った。確かに心配してくれた人を無碍にしてしまったことはどんな言い訳をしても変わらない。

 

 けど、別段海未は怒っているわけではない。

海未「いえ、あなたを見ていてわかりました。本当に授業に集中しているんだということが。それに、授業中の私語は厳禁ですからね。石川君の言っていることもわかります」

 最初は不満に思った海未だけど注意されたことによって授業中の死後に関してを改めるきっかけにもなったため、少し海未に対してプラスになっていた。

 

 おそらくこの2人の共通点はまじめだということだろう。だから生真面目に先ほどのことに対しても謝ったり、授業に集中している。そんな共通点からか、はたまた先ほど海未が心配をして声をかけたからか晋作はどこか心を開いているような感じだった。

晋作「ありがとう。ねぇ、ちょっと教えてもらいたいところがあるんだけど……」

 そう言って海未に対して先ほどやっていた数学の教科書を出してくる晋作。授業の時ずっと教科書と黒板を交互に睨んでいた晋作はきっと数学が苦手なのだろう。

 

 先ほど心配して声をかけた時は集中しろと言ってきたはずなのに申し訳なさそうにはしているが聞いてくるとなると少しだけため息が出てしまうのも当然というものだろう。

海未「授業が終わると聞いてくるのですね……。わかりました、私にわかる範囲でなら教えますよ」

 だけど、心配して声をかけた手前、断るのも違うしそもそも海未に断るという選択肢はなかった。どこか心配してしまう晋作に海未は気になってしまうような感覚を覚えてしまう。

 

 海未の了承の言葉を聞いた晋作は心配そうにしていた表情が急激に笑顔になり持っていた教科書を指さしてわからないことを海未に伝える。

晋作「ありがとう! さっきのこの問題なんだけど……」

 そこに指さされている問題は特に難しいというわけではない新しく入った単元の問題。入ったばかりの単元のため海未も詳しく理解しているわけではない。

 

 けど、本当にそこは初歩的な問題。今の授業の時間で海未は他人に教えてあげるくらいのことはできた。

 

 問題を見てみるとそこにあった数式は『log327』。

海未「あ~、対数ですね。このlogというところの下に小さい数字があるのはわかりますよね?」

 対数。数学Ⅱの単元の一つで指数とセットになっている単元。でも単元の最初は決まってそんなに難しいというわけではない。海未は晋作が分からないといって指さした問題を晋作の席に寄り添って教えていく。

 まず最初にlogという公式を解くのに必要な情報を晋作に伝えていく。logというものは何を何乗しているのかを問われる問題。まだ初歩的な問題のため応用的な問題はない。だから本当にただただ何が何乗されているのかを答えるだけでいい。

 

 けど数学が苦手な晋作にとっては何をしているのかが分からない。

晋作「あぁ。でも、それが何なのかよくわかってないんだよ……」

 数学が分からない人の典型的な特徴として何がどうしてこうなっているのかが分からない。数字がどんな意味を持っているのかが分からないのだ。今回の晋作もその例に洩れずにわからない数字に混乱をしていた。

 

 だから今晋作に必要なのはここにある数字がどんな意味を持っているのかを教えてあげればいい。解き方が1から10までわかればしっかりできるのだ。……忘れなければ。

海未「その数字があるということは覚えておいてください。次に大きく書かれた数字があるのもわかると思います。それは小さく書かれた数字が何乗すれば出てくる答えになります」

 小さく書かれている数字も大きく書かれている数字も不要なものではなく絶対に必要なものだ。それを必要だということをしっかりと海未は晋作に教える。

 

 だけど、言葉の説明だけでは伝わる可能性は少なくなってしまう。

晋作「……?」

 海未の話を聞いてもいまだピンとこないようで晋作は首をかしげてきょとんとしている。

 

 晋作が分かっていないということが分かった海未は具体的な例を出して教えていく。

海未「そうですね……。石川君、2の2乗ってどんな答えですか?」

 高校数学を少しでも習ってくればいやが何でも出てきてしまう例と一緒に晋作に聞いてみる。

 

 問われた晋作は少しだけ悩むような仕草を見せて答えてみる。

晋作「……4?」

 答えてみたのはいいものの、不安げに答える。この問題でも不安になってしまうことから本当に数学が苦手なのが見て取れるだろう。

 

 不安な答えでも正解なのには変わりない。だから海未は心配を取り除くように笑顔で正しい答えだということを伝える。

海未「正解です。ではさっきの例に合わせてみますよ。log24というのは2を何乗すれば4になるかというのを問われているのです。だからこの時の答えは……」

 最初の海未の説明は何を何乗するのかという曖昧なもので答えを連想するのは難しい。だけど今は違う。晋作自身が解いた答えを参考に少し例題を出してみる海未。2を何乗すればいいのかは先ほどの答えが解ければわかる。

 

 だから晋作は自信なさげに答えていたが、今度はその心配はない。海未が先ほどの答えを肯定してくれたことが何よりの自信になっているのだ。

晋作「2……!!」

 2を何乗すれば4になるのか。最初の問題が2を2乗したら何になるのかという問題を解いた晋作はその答えを知っている。だって先ほどの答えを出した方法の逆をすればいいだけの話なのだから、それだったら数学が苦手な晋作にだってできる。

 

 今までの海未が出してきた問題、言葉は晋作に自信を付けさせるためのもの。もちろんわかりやすく伝えるために順を追って説明していたということもあるが今回の問題は特に難しいものではない。

海未「はい。この時の計算は大きな数字の中に小さい数字が何個あるのかを調べる必要があるので大きな数字をどんどん小さい数字で割っていけばいいのです」

 数学で置いていかれてしまうのはそもそも最初の時点で理解できていないから。であればわかりやすく、細かい解き方の道しるべをしてあげればいい。そうすれば自分なりの解き方、覚え方が頭の中に定着して忘れづらくなり身に付きやすい。

 

 そしてさらに自分で気が付かせることにより、その知識はしっかりと定着する。

晋作「何を掛けていくのかはもう決まっているからあとは何個かければいいのかを調べればいいんだ!」

 対数というものの冒頭部分は本当に難しいことはない。logというものが分かっていれば後々の計算も理解できるようになるだろう。今はどういうことがこの計算で行われているのかが分かればいい。

 

 ここまで海未が説明してきたことが身に着けば、しばらくは大丈夫。

海未「はい、ですので何度も何度も経験してみればそのうち身につくはずですよ」

 今できるのはひたすら反復練習を重ねてパターンを覚える事だけ。計算をするまでの流れを覚えることだけ。

 

 だから今晋作にできるのはひたすら問題を解くことだけ。

晋作「なるほど! ありがとう、園田! 助かった」

 流れを理解できた晋作にとって海未は救世主のようなもの。きっとこのまま放置していたらいきなり授業に置いていかれてしまうことになりかねない。だから問題が解けた喜びと、海未に対しての感謝で晋作は今日一番の上機嫌になっていた。

 

 どこか放っておくことのできないようなそんな晋作に問題を教えていた海未は母性本能に目覚めたのか晋作のことを助けてあげたいと思うようになった。

海未「わからなくなったらまた聞きに来てください。いつでも教えますから」

 真剣に問題に取り組み、わからないをそのままにしない晋作の真面目さは海未が意識し始めるのに十分なことだった。他の人とは一線を越える真面目さ。授業を受けることが憂鬱と感じることのない、日常の1つとして受け入れている晋作。

 

 その晋作にとって1分、1秒が本当に大切にしている。それは授業を受けていた時に話しかけた海未に言い放った言葉から強く伝わってくる。

 

 だからだろうかこれからの3か月間、こうして授業の姿勢を晋作から学んだ海未は数学が苦手な晋作のサポートをするようになった。数学が終わった後の休み時間、それは海未と晋作の勉強時間で唯一と言っていいほどの交流時間になった。

 

 けどその時間は2人にとってのちにかけがえのない大切な時間になるのをまだ2人は知らない。

 

 




ということで今回は完全なオリジナルの話になりました。

今までの話を全部読んでくれた方はおそらくわかっていると思いますがこれで男性オリジナルキャラが9名出てきました。μ'sメンバー全員の相方が出てきたと言うわけです。

特に細かい描写はするつもりはないですが大切な思い出としてこの話を書かせていただきました。

次回からはいよいよ大きく物語が動き始める話です! 『μ's』回です!

新しくお気に入り登録をしてくださったkomugi15さんありがとうございます!

次回『未来について』

それでは、次回もお楽しみに!



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