ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回はアニメ展開5割、オリジナル5割となります。すこし今まで隠していたことが明かされるような気がします。予想通りになったのか、それとも予想を大きく外れることになるのか、またまた大穴で一切予想していなかったのか。それは本編でお確かめください!

それでは、今回も今明かされる衝撃の真実をお楽しみください!


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穂乃果side

 

 ツバサとリーダー同士の話し合いをした穂乃果は空也に連絡を取り、キャッチフレーズの手がかりを1つだけ手に入れた。それはμ'sが頑張れる原動力こそがキャッチフレーズになり得るということ。けど、その答えにたどり着くことは出来ずに、今も穂乃果の頭の中にキャッチフレーズとは何なのか。μ'sの原動力とはいったい何なのか。それが分かっているという空也に聞いても答えを教えてはくれない。自分なりの答えを見出すことが重要だということらしい。そのはずなんだけど、どうしても自分一人では答えを出せそうにないと思った穂乃果は自室から下の居間のほうに向かった。

穂乃果(空也君はあんなこと言ってたけど、ヒントを聞くぐらいならいいのかな?)

 それは答えではなくヒントを第三者から聞くため。μ'sというわけではなく、けど自分たちのことを近くで見たことのある人。そういう人が今欲しいのだ。そしてそれを考えた時に穂乃果の頭に浮かんだのは一人の妹の顔。

 

 それは雪穂の顔。1月頭の時期は受験生にとってとても大事な時間。だから雪穂も勉強をしているのだ。そして雪穂が勉強しているのは今穂乃果が向かっている居間か、雪穂自身の部屋しかない。そして穂乃果が雪穂の部屋を確認したらいなかったことを考えれば残りは1か所だけ。

穂乃果「こっちで勉強?」

 穂乃果の考えは当たっており、雪穂は勉強をする時にかける眼鏡をして参考書とノートとにらめっこをしていた。

 

 そんな雪穂は穂乃果の言葉で今の扉が開いていることに気が付く。そしてここで勉強をしている意味を口にする。

雪穂「うん。部屋寒くて」

 確かに今は冬。雪穂の部屋も穂乃果のも暖房器具があるが、今まで付いていた居間のほうが良いと思うのが普通だろう。それにただただ静かなところで勉強するよりも、少しだけ雑音がある場所のほうが勉強ははかどるのだ。その雑音さえ聞こえないほど集中すればいいのだから。

 

 でも、勉強をしていることは良いのだが日常生活に支障をきたしてはいけない。風邪をひくのは当然として、それ以外も。それを雪穂に伝えるのも姉である穂乃果の役目でもある。

穂乃果「お風呂、先入っちゃうよ?」

 実際に穂乃果がお風呂に入ろうとしていたのだが、お風呂の存在を記憶の隅に植え付けるようにしてみる。当然、穂乃果の目的はまだ1つあるのだが、今は雪穂のことが優先だ。

 

 穂乃果の言葉を聞いた雪穂は気の抜けた声で返事をする。

雪穂「どうぞ~」

 けどこれで、1つ穂乃果の目的は達成した。とここで穂乃果がやりたいことができたという達成感を得てしまうと一番聞きたかったことをついつい忘れてしまう。

 

 しかし、少しのところで思い出した穂乃果は居間を後にする直前に立ち止まり雪穂のほうに振り向きなおす。

穂乃果「あ! ねぇ雪穂。雪穂から見てμ'sってどう思う?」

 一番聞きたかったこと、これからμ'sというスクールアイドルの大事なことになるだろうと雪穂に尋ねる。他人から自分たちに少し近い人がμ'sを見たらどう思うのか。それが一番気になるのだ。

 

 ただ、急にそんなことを聞かされてもなぜそんなことを聞かれるのかという疑問のほうが強かった。

雪穂「え? なんで急にそんなこと……」

 雪穂にとってその質問の意味が分からない。どうしてそれを穂乃果が知りたいのかが理解できない。だってμ'sにとって大事だけど、それが他の人からすれば、特に気にするほどのことでもないだからだろう。

 

 けど、その疑問を解決するわけではないけど、それが今の穂乃果にとって穂乃果たちにとって大事なことであることが知れる内容になる。

空也『穂乃果がμ'sについて何か聞いてきたら自分がどう思うかだけ教えてあげてほしい。出来る限りこのことは秘密にして教えてあげてほしい。勉強教えるから』

 それは雪穂のもとに空也から届いたメール。空也が穂乃果にも言ったように本当の答えが第三者に説明されることがないように念を押してのメールでそれでもヒントになることを教えてほしいというお願いのものだった。

 

 このメールだけで雪穂には十分に事の大事さが分かった。ほとんどメールなんてしてこない空也がメールをしてきたということだけで充分すぎる内容だった。

雪穂(はいはいわかったよ。お兄ちゃん)

 だから雪穂は最後の空也の言葉を信じて言うことを言うことを決めた。

 

 少しだけ今までの自分を思い返して雪穂はμ'sにとってどんな風に見ていたのかを考える。

雪穂「う~ん。そうだな~……心配」

 ここで雪穂が言った言葉は本当に今まで思っていたこと。本心。ずっと心にあった感情だった。

 

 あまりにも唐突で、意外な答えに穂乃果が驚く。

穂乃果「はぁ!?」

 μ'sにそんなにマイナスに感じられることを聞かされてしまえば当然のことであるといえる。

 

 そんな穂乃果を置いて、雪穂はμ'sに対して思っていることを次々に口にする。

雪穂「あとは危なっかしい、頼りない、はらはらする」

 またしてもマイナスの言葉。全く予想をしていなかった言葉に穂乃果は少しだけ言葉を失っていた。

 

 けど、それも数秒のこと。相手が妹であったからだろうかすぐに穂乃果は行動を再開することができる。

穂乃果「……。一応地区代表だよ」

 そう。μ'sは地区の代表であるのだ。代表であるからにはそれ相応のプラスの言葉がかけられてもおかしくないと少しだけ思っていた穂乃果の出鼻がくじかれる。

 

 当然地区代表であることは雪穂だって知っている。けど思っていることを素直に言ってみたら先ほどの答えになったようだ。

雪穂「わかってるよ。でもなんか心配になっちゃうんだよね」

 もちろん思っていることに関しては完全に本心からなのだがなぜそう思っているのかということは雪穂ですらわからない。

 

 けど気になることは次々と穂乃果の口から出てくる。

穂乃果「そうかな? じゃあなんで勝てたんだと思う?」

 次に聞きたかったこと。それはなぜ勝てたのかということだ。これも穂乃果とツバサが話した時にも出た話題。どうしてμ'sがA-RISEに勝てたのか。それはいいパフォーマンスをしていたからなのだが、どうしてそのようなパフォーマンスができたのかは穂乃果たちにもわかっていない。

 

 が、それが雪穂にわかっているのかといえばその答えは……

雪穂「さぁ?」

 ノーだった。見ていた側の雪穂ですらあのパフォーマンスをできたのかということはわからない。

 

 が、何の参考にもならない答えに少しだけ穂乃果は肩を落としてしまう。

穂乃果「さぁ? って……」

 

 けど、雪穂は続きの言葉を口にした。

雪穂「ただ応援しなきゃって気持ちには不思議となるんだよね。どんなグループよりも それはお姉ちゃんだから地元だからとか関係なく」

 贔屓目なしで見ても応援したいと思う。もちろんそれについても自身がどうして思っているのかはわかっていないらしい。

 

 その言葉が少しだけ穂乃果に引っ掛かる何かを持たせてくれた。

穂乃果「応援しなきゃか……」

 それと同時に穂乃果のもとに1通のメールが受信される。そこにはμ'sを応援する音ノ木坂学院のクラスメイトから届いた応援メッセージ。

 

 それを見た瞬間に穂乃果は1つのことを思い出す。それは今悩んでいることとは関係ないことであること。

穂乃果「あ~!」

 が、今の穂乃果にとってはとても大事なことだった。

 

 それを思い出した穂乃果の大きな声に少しだけ驚く雪穂。

雪穂「なっ何?」

 

 けど、今思い出したことが余程大事なことだったようで雪穂の驚きの声は穂乃果の耳には入ってこない。

穂乃果「そうだよ。大事なこと忘れてたよ。お母さんは?」

 居間の穂乃果にとってキャッチフレーズや原動力よりも大事なこと。それはどうやら母親がいないといけないやつらしい。

 

 そして雪穂はずっと居間にいたため母親の居所を知っている。

雪穂「台所、だけど……」

 素直に答えた雪穂。ただ、今何が起きているのか全く見当がついていない様子だった。

 

 雪穂に母親の場所を聞いた穂乃果は少し駆け足気味に台所に向かった。

穂乃果「お母さーん!」

 どうしてもいま優先しないといけないことを見つけた穂乃果にとっては今大事なことはただ一つだけだった。それを知るのは今のところ穂乃果だけだ。

 

 居間に残された雪穂は急に駆けていった穂乃果に疑問を感じながら少しの間穂乃果が今までいた扉のほうを見続けていた。

雪穂「なっなんなの? 一体……」

 が、今自分がしないといけないことを思い出した雪穂は再び、ノートたちとにらめっこを再開するのだった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 穂乃果との電話が終わった後、空也は少し考え雪穂にメールを送った。その内容からヒントとして何かを感じて穂乃果に何かの影響を与えるだろうと空也は確信していた。

空也「これできっと、穂乃果は気が付くだろうな……」

 今回の件における空也のやるべきことが終わったという達成感で少し伸びをして背もたれに寄り掛かる。

 

 と、そこに下からある声が聞こえてくる。

守「空也~。早くこっちにきなさーい! 将来のことであんたに話があるんだから~」

 それはやっと家に帰ってきた母親の言葉。しかも内容からして大事な話の幕開けだった。

 

 下に向かい、リビングに入ると椅子に2人並んで座っている氷里と守の姿があった。2人の醸し出している雰囲気を感じ取ればやはりこれから話す内容はとても重要なことであるということが分かる。

 そんな2人の出す雰囲気に少しだけ圧倒されてしまう空也。

氷里「なに。すぐに終わるさ。だから早く腰掛けなさい」

 若干委縮してしまっている空也のことを知っていたのかどうかはわからないが空也を安心させるように話し、座るように促す。

 

 その言葉に空也は特に疑うこともなく従う。

空也「わかった」

 が、昨日に守から聞かされたA-RISEに勝ったのが分からないと言う言葉に空也はどこか引っ掛かりを感じていた。

 

 一体どんな話をするのかということは守の言葉から想定することだって可能だ。

空也「それで、将来の話って?」

 それは将来のことで話すことがあるという言葉。高2の3学期になる時期といえばそれぞれが将来について考える時期でもある。高3になれば受験生になり本格的な将来予想が必要になるが、それは今も同じ。だからこそ早くにしっかりとした道筋を描くことを親の立場からすれば大切なのだ。

 

 空也の問いに守は答える。

守「空也、私たちが今どんな仕事をしているか、わかるわよね?」

 守たちがしている仕事。それは今まで空也のことをサポートされたことだ。

 

 当然空也が守たちのしている仕事を知らないわけがない。だってその会社はクリスマスの時に手を借りた会社。『time world』。

空也「ファッションブランドだろ?」

 そう。ファッションブランド『time world』が2人の勤めている会社。

 

 学校も経営しているという『time world』の企業者こそ、今空也の目の前にいてこの家に唯一いる女性である時坂守。

氷里「その通りだ。守が社長として設立した会社が父さんたちの職場だ」

 そしてその会社の社員という扱いになっている氷里がいる。たとえ父親がただの社員だからといって社長が空也の母親であることには変わりない。

 

 ただ、話を聞いていると何を言いたいのかが最初はわからなかった。

空也「それが今の話と……? っ……!」

 が、すぐに両親が言いたいことがなんとなくだが理解はできた。それは空也自身の夢を大きく壊すもので、穂乃果たちの近くにいられなくなるかもしれないことだ。

 

 社長の息子がどうなるのか。そんなのはきっと誰もが想像のつくものだ。

守「そう。あんたはうちの会社を継がないといけない」

 会社を継ぐ。当たり前のことで、特に何の違和感もない。これを不公平という人もいるかもしれないが生まれた時点で決まってしまっていたことは第三者がどうにかして変えられるものでもない。余程仕事ができる社員でない限りは。

 

 だけど、空也はそれを素直に受け入れるわけにはいかないのだ。例え目の前にとても大きな地位があったとしても空也自身にはどんなことにも代えられない夢がある。

空也「でも……俺には夢が」

 それを両親にわかってもらうために口にする。

 

 が、それはどうにも両親たちに響かなかった。

氷里「それもわかってる。だけど、どうしようもないことだってこの世の中にはあるんだ」

 2人の答えは決まっているらしい。どうにも2人は空也に会社を継がせたいようだ。けど、まだ社長をしても好きな作詞することは可能でもある。空也は受け入れてもいいのかもしれないという気になる。

 

 けど、そんな考えを打ち破るかのように守が口を開いた。

守「だから、もう作詞をするのはやめなさい」

 そう。夢をあきらめさせる言葉。つまり、今まで作詞家になるために親にも内緒で頑張ってきた時坂空也の努力をすべて無駄にさせるということだ。今の時坂空也を構築してきた大部分を捨てろとそう言っているようなもの。

 

 だからだろうか。自分を殺せと言っているような母親の言葉に空也はその場に立ち上がり反論をする。

空也「……いやだ」

 今の空也があるのは作詞があったから。夢があったからだ。空也にとって夢であり、何物にも変えられない大切なものなのだ。

 

 今回の空也の言葉は本格的なはじめての反抗だ。下をうつ向きながらひたすらに嫌だと口にする空也に守が大きく名前を呼ぶ。

守「空也!」

 今から始まるのは両親対息子の初めての闘い。絶対に夢をあきらめたくない空也と絶対に会社を継がせたいと思っている守と氷里。

 

 絶対に夢を、作詞をやめたくない空也は先ほど以上に大きな声を張り上げて諦めないことを告げる。

空也「絶対に嫌だ!」

 

 そんな空也の言葉にどうして諦めたくないのか氷里が訪ねる。

氷里「理由を聞いてもいいか?」

 先ほど空也に対して守が出したような大きな声ではなく、落ち着けるようにゆっくりとそして優しく声をかけてくる。

 

 その問いに空也はしっかりと答える。今まで自分を思い返して、そして空也自身が作詞に関して思っていることを口にする。

空也「そんなの簡単だ! 俺は作詞をすることに楽しさを感じている。もっともっと書きたいと心から想っている! なのに、諦められるか!!」

 空也がこの感情を覚えたのはいつだろうか。それは初めて自分の書いた詩が歌になってライブが完成した後か。あの頃から空也はより作詞を楽しむようになっていた。そして空也は向上心に満ち溢れている。だから空也はここで諦めるわけにはいかないのだ。

 

 が、その言葉を聞いた氷里がうなずきながら反応を示す。けどそれはどうにも好感が持てるものでは無かった。

氷里「……半分だな。まだ駄目だ。それなら作詞はあきらめてもらうぞ」

 まだ氷里が夢をあきらめないという選択を取らせるには足りないと空也に向けて言い放つ。

 

 だけど空也は氷里の言った言葉に引っ掛かりを覚える。

空也「半……分?」

 半分。今の空也の言葉に対していったことであるなら、もう少し何かがあれば夢を追いかけ続けることに賛同してくれるということなのかもしれない。

 

 その言葉に空也の中で1つだけもしかしたらどうにかなるかもしれない可能性が導き出される。今までの話を聞いて、自分のことを見つめなおしてみたら一つだけ答えが出た。足りなかったピースを埋めるかのように空也が口を開いた。これが正解であってほしいという願いを込めて。

空也「っ!! そうだった……。母さん、父さん。忘れたわけじゃないだろ? 俺の服飾の腕を。一度作った服を穂乃果たちが来たらどうなったのかということを……」

 空也の服飾の才能。それは絶望的までも何もできない……むしろマイナスの結果しか生まないことがもうすでに分かり切っている。ボタンを1つつけようと思えば他についていたボタンがすべて外れ、一度作った服を穂乃果たちに来てもらえば来た数秒後に木端微塵に破れてしまう。そんな空也の腕でファッションブランドの会社を告げるとは思えない。

 

 その空也の答えに今までイライラしていた様子を醸し出していた守の表情が少し変わる。

守「それは……」

 どうしようもないことを思い出してしまったかのように気まずい表情を見せる守。一方氷里は先ほどから表情は変わらずに空也の言葉の続きを待っていた。

 

 空也はそのまま言葉を続ける。そして残り半分の答えを裏付けるように今まで話していた内容を思い出す

空也「さっき父さんが言ってたよな? この世にはどうにもできないことがあるって。俺の腕はどうにもならない。アイディアだってこれっぽっちも出ない。だから俺に継がせようなんてことがまず間違いなんだよ」

 そう。この世の中にはどうしようもないことが存在する。今回の空也に関しては服飾の腕がどうしようもないことなのだ。そのせいなのか服飾のことから離れてしまったことからアイディアさえも出すことはない。そんな人物が社長として就任したらどうなるのだろうか。そんなことは簡単だ。働いている社員からの不満が募りボイコットなんてものが起こってしまうのは火を見るより明らか。つまり、会社としても空也につがせるメリットよりもデメリットの方が多いのだ。

 

 これが空也の最終的な答え。作詞を心から楽しんでいるという空也の折れない心と空也の持っている服飾の才能という変えることのできない事実が組み合わさったもの。

氷里「100点だ。それだけ言えれば俺たちは無理強いをしない。お前はお前の目指す道を行け」

 そしてそれは正式な答えとして、氷里は空也の答えを受け入れた。つまり、一番聞きたかった答えが聞けたということになる。

 

 それは母親である守も同じ。

守「本当に……立派に育ったわね」

 結果としては今までの氷里も、守も演技をしていたということになる。演技。2人は最初から空也の夢を応援するつもりがあったということにもなる。

 

 が、そんな答えを聞いた空也は今までの雰囲気と急激に変わった今の雰囲気とのギャップに違和感を感じてしまう。

空也「……は? え……?」

 何が起こったのか理解できない。一体どんなことがあって今に至るのかが全く分かっていない。

 

 そんな空也の状況を解決するために今まで氷里たちが何をしていたのかを答える。

氷里「今のは父さんたちの演技だ! 大丈夫、やめろなんて言わないから安心して続けなさい」

 両親だから息子のやることを応援するのは当たり前。そんなことを言っているかのように笑いながら答える。

 

 今の空也はようやく今まで今までのすべての出来事がつながったような気がした。

空也「じゃあ、もしかして今のは俺を試すために……?」

 そう。空也を試すために守と氷里が演技をしてやめるように言ってきたと言うことだ。つまりあれは嘘で、今氷里から聞かされたことが2人の本心であるということ。

 

 それはそうだが、ここで重要なのは試していたということだ。つまり守たちの判断によっては否定されてしまう可能性があった。

守「そうよ。でも、もしも揺らいだのであれば確実に継がせようとしてたわ」

 だから空也はしっかりと回答できたからこそ、今の現時点があったということだ。

 

 なんとか潜り抜けることのできた事実から空也が持っていた緊張の糸がほどける。

空也「なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 だからだろうか、今日一番の大声で空也は思いっきり叫ぶ。それを見ていた守と氷里は面白そうに空也のことを見ていたとか見ていないとか……。

 

守「あ、ねぇねぇことりちゃんってスカウトできないかしら?」

 

空也「知るかぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

 




空也が何の後ろめたい気持ちを持たずに夢をかなえるためには必要だったこと。継がなくてはいけないはずなのに、許してくれる優しい両親。この関係はきっとずっと続いていくことでしょう。

さて、次回はいよいよ超が付くほどの特別回! どんな内容かはお楽しみに!

新しくお気に入り登録をしてくださったよこ三さんありがとうございます!

次回『みんなで叶える……』

それでは、次回もお楽しみに!



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