ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回の話はツバサと穂乃果の対談回! 一体どんな話をするのでしょうか?
それでは、今回も自分たちのことを見つめなおす彼女をご覧ください!
音ノ木坂学院の前でツバサとあった穂乃果は話がしたいというツバサの申し出を受け入れ落ち着いて話のできる場所のベンチに座っていた。
ここまで来ても、なぜツバサが話をしたいと思ったのかその内容が全然わからない。昨日は神田明神の前でエールをくれたと思ったのに、その翌日に一体どんな話があるのだろうか? 考えても考えてもわからない。ツバサと穂乃果が隣り合って座ってから数分間沈黙が支配する2人の間にようやく一筋の道が見え始めた。
ツバサ「ごめんなさいね。でもどうしてもリーダー同士2人きりで話したくて」
それは仲良く帰ろうとしていた穂乃果を引き留めてしまったことへの謝罪。そしてこれから話したいことへの導入。きっとこの2人の共通点はスクールアイドルのリーダーであることぐらいだろう。だけど同じ地区で予備予選、最終予選と同じステージに立ったのも事実。だからだろうか、穂乃果もツバサも他のスクールアイドル以上にどこか親しい間柄であると感じるようになっている。
そしてそれは穂乃果やツバサだけではない。μ'sとA-RISEの全員が他のグループ以上に想っている。だからこそ、本戦がこれからある大事な状況でリーダーである穂乃果を一人で送り出したのだ。
穂乃果「いえ、海未ちゃんもことりちゃんもそして空也君も分かっていると思いますから」
さらにそれは送り出された側の穂乃果も理解している。ラブライブを目指して戦って、互いに切磋琢磨しあって過ごしてきた時間は短くても信頼できるに値する間柄にはなった。
そんな話をしていると自然と話は世間話のようなものになってくる。それはスクールアイドルとしての会話。
ツバサ「練習は頑張ってる?」
この東京地区からはμ'sが代表してラブライブに出場する。ということは同じ地区のスクールアイドルに恥ずかしくないパフォーマンスをしなくてはならない。だからこそ、ツバサはμ'sに練習の調子を聞いたのだ。自分たちはこんなにすごいスクールアイドルに負けたんだぞと誇れるように。
そのツバサの言葉は今まで不安そうにしていた穂乃果もいつもの調子を取り戻したようではっきりとしっかりと話せるようになる。
穂乃果「はい! 本戦ではA-RISEに恥ずかしくないライブをしなきゃって、みんな気合入ってます!」
最終予選が突破した後の練習を思い返しながら応える。あの日、最終予選を突破が確定した日から目標が近づいてきてみんながやる気になっているのが分かる。μ'sが廃校を阻止しようと必死になって頑張っていた時のように頑張っていた。
穂乃果の言葉を聞いてツバサは少しだけ安心した。
ツバサ「そう」
前大会の優勝者としてツバサはμ'sが折れないかどうかが心配だったというのもあるだろう。それに、A-RISEが優勝した大会とこれからμ'sが出場する大会の審査方法は違う。だから前大会を優勝したとはいえ、まったくの別ものといっても過言ではない。が、より大勢の前でライブをしたことのある経験者として心配になってしまうのだ。あまりに期待されて押しつぶされていないか、この先の本戦のことを想像して鬱になっていないか。心配する要素は十分にある。
でもμ's側にも心配になることはあった。あの時、神田明神の前で出会ったときはA-RISEの3人が一緒にいたところは見た穂乃果でも、最終予選に負けた後のA-RISEの活動についてはよくわかっていない。
穂乃果「あの……A-RISEは?」
だからこそ、もしかしたらもうスクールアイドルの活動をしていないのかもしれないと不安になってしまう。スクールアイドルのA-RISEは高校3年生の3人組で構成されたスクールアイドルになる。本来の部活動なら最後の大会に負ければ終わる。それに則ったのならもう終わってしまってもおかしくはない。
けど、そんな悲しいことはなかったようだ。話を繰り出した穂乃果が言い終わってからまるで穂乃果を落ち着かせるような優しい声で応える。
ツバサ「心配しないで。ちゃんと練習してるわ。ラブライブって目標がなくなってどうなるかって思ったけど、やっぱり私たち歌うのが好きなのよ」
きっとスクールアイドルの大半がこの理由で始めているのかもしれない。穂乃果もきっかけは廃校の素子だったのかもしれない。けど、やっていくうちに歌の楽しさ、ダンスの楽しさを知り、より深くまでのめりこんだ。続けるにはやっぱり好きという感情がないと続かないのだ。そしてそれはA-RISEも同じだったと、ただそれだけの話。
だけどそれが今の穂乃果にとって何よりも安心する情報だった。
穂乃果「よかった……」
今まで目標にしていたA-RISEが折れてしまったのではないか、時間というどうにもできないことが理由で解散してしまったのではないかというマイナスの考えが今の答えで穂乃果の中から消えた。
と、ここまで過去の話をしていたツバサと穂乃果なのだがようやくツバサがここに連れてきた本題に入る。
ツバサ「ただ、やっぱりどうしてもちゃんと聞いておきたくて」
今までは真剣ながらも軽い笑みを浮かべながら話していたのだが、今のツバサの表情は本当に真剣そのもの。軽い談笑をするような雰囲気ではなくなった。
そのことに気が付いた穂乃果もつられて、真剣な表情になる。一体どんな話が来るのか予想しようと思考を巡らせる穂乃果。だけど全然考え着かない今の状況に少し間抜けな声が出てしまう。
穂乃果「え?」
やっぱりどんな話が始まるのかわからない。A-RISEがμ'sに対して聞いておきたいこと。一体どんな話があるのだというのだろうか? わからないから穂乃果はこの後沈黙を決め、ツバサの続きの言葉を待った。
ツバサは一度大きく深呼吸しながら空を見上げて話を始める。その空はもう夕暮れというには遅く、夜空というにもいささか早いような空。そんな空を見たツバサは瞳を一度閉じそのまま口を開く。
ツバサ「私たちは最終予選ですべてをぶつけて歌った。そして潔く負けた。そのことに何のわだかまりもない……っと思っていたんだけどね」
それは最終予選の当日を思い出すかのように話す。最終予選のパフォーマンスはどのグループも今できる最高のものができていた。それはA-RISEもμ'sも同じ。今はなしているツバサの話し方は負けたことを恨んでいるというよりも負けたことについては受け入れることができているけど、その理由がよくわかっていないという様子だ。
けど予想外の言葉に穂乃果はまたもや戸惑ってしまう。
穂乃果「え?」
今になって最終予選の時の話をしてくるとは思っていなかった穂乃果はその言葉にどんな意味が含まれているのか全く分からない。
でも、そんな穂乃果を置いておいて話は続けられる。むしろ、これからがツバサにとって一番の本番。
ツバサ「ちょっとだけ引っかかってるの。なんで負けたんだろうって」
なぜA-RISEが負けてμ'sが勝ったのか。μ'sのほうが素晴らしいパフォーマンスができたからなのだが、どうやらツバサはそこに引っ掛かりを覚えているらしい。
そういう疑問を持っていると知った穂乃果はようやく、本題の意味に気が付く。
穂乃果「そう、なんですか……」
だけどそれを知っているかと言えばそうではない。あの時、どうしてあのようなライブができたのか、それは穂乃果たちにもわかっていないのだから。
それでもツバサは話を続ける。もっと限定的に話を聞くために。
ツバサ「理由が分からなかったのよ。確かにあの時μ'sは私たちよりファンの心をつかんでいたし、パフォーマンスも素晴らしいライブだった。結果が出る前に私たちは確信したわ。……でもなぜそれができたの?」
そう。負けた理由に関してほとんどは納得しているのだ。このツバサは。けど一番問題なのはどうして王者A-RISEをも凌ぐライブができたのかということ。
まさか、負けたということ自体には疑問がないとそういうような言い方に少しだけ驚く穂乃果。
穂乃果「え?」
むしろ先ほどから反応がこれくらいしかできていないような気さえも感じる。
今だ穂乃果の疑問は尽きない。だからツバサはもっと深く、より聞きたいことを聞くために話をつづけた。
ツバサ「確かに努力はしたんだろうし、練習も積んできたのはわかるチームワークだっていい。でもそれは私たちも一緒。むしろ私たちはあなた達より強くあろうとしてきた。それがA-RISEの誇り、スタイル。だから負けるはずがない、そう思ってた。……でも負けた。その理由を知りたいの。μ'sを突き動かしてるものって何? あなた達を支えてるもの原動力となる想い。それは何なの?」
確かにA-RISEは強いし、すべてにおいてμ'sが上回ったなんてことは穂乃果も思っていない。むしろ、A-RISEは優勝以外にも明確な目標があって活動をしてきている。王者として前大会優勝者のプライドを持って、負けるものかと頑張ってきた。穂乃果たちはいなかったが、最終予選の時勝てるという確信があったからA-RISEはμ'sに挨拶に行った。あの時も勝てるという確証がもうすでにあったのだ。
なのに蓋を開けてみればA-RISEは敗北。本選に出場することはなかった。負けた大まかな理由はツバサは理解している。けどその理由の根本にあるものが分からない。なぜ、μ'sがあの時、最終予選の時に自分たちをもしのぐパフォーマンスができたのか。それが分からないのだ。
でも、ツバサもわからなかったことがいくら自分たちのことだからといってわかるというわけではない。それはキャッチフレーズを考えているときに散々理解したこと。それにその根本を理解できているのであれば、それはある種のナルシストのようなものだろう。
穂乃果「え……?」
だから穂乃果も反応に困っている。だってキャッチフレーズの時ですら自分たちがどういうような存在なのかを理解できていなかったのだ。そんな状況の穂乃果に答えられるような質問ではない。
これは穂乃果だから答えられないとかそういうわけでもないのだ。μ'sだから。自分たちのことだからわからない。当たり前だと思っていることがその根本にあるのだから。
ツバサはようやくすべて言いたいことが終わったのか一度大きく深呼吸をして次の言葉を口にする。
ツバサ「それを聞いておきたくて」
今日わざわざ穂乃果に聞きたかった話は終わったようだ。あとは穂乃果の答えを待つだけ。きっと結果が決まった後すぐ来なかったのは自分自身で考えていたからなのだろう。その結果答えが出ずに、今日ここに来た。落ち着いて話せる場所でリーダー同士であるならきっと話してくれるとツバサは思ったのだ。
けど、ツバサの考え通りにはことは進まなかった。それは散々キャッチフレーズで悩んでいた穂乃果なら当然の結果。
穂乃果「え、えっと……えっと……。ごめんなさい! 私よくわからなくて……」
そう。わからない。それが答えだ。どんなに自分のことを見ているとはいっても目に入らないことは当然出てくる。それが当たり前のようなものだったらなおさら。意識して見れるようなことでなければ記憶に残らないし気が付くこともない。
もともと人は目標や敵対している人のことはよく見るのに自分のことを見つめなおすことはあまりしないのだ。それこそやるのがアスリートなど自分の弱点を知らなければならない人くらいで、普通の人は自分以外のほかを見ている場合が多い。今回の穂乃果たちもこの例に洩れず前だけを向いていた。だからわからない。
そんな穂乃果の答えにツバサは失望したってしょうがないと思えるほどの回答だった。自分たちを負かした根本的な理由を理解していないグループが本戦に出場するとは納得できると言えば多くの人が納得しないだろう。
けどツバサの場合は違った。穂乃果の答えを聞いた瞬間、お腹を抱えて笑い出したのだ。まるで予想外の答えを楽しんでいるのかのように、目尻に涙を浮かべるほど笑っている。突然笑い出したツバサに穂乃果は驚くが、そんなことはどうでもいいかのように笑い続けるツバサ。
ツバサ「そう……。今日はありがとう」
やがて自然に笑いが収まり、目尻にたまった涙を拭きながら笑顔で穂乃果に感謝する。
けど、今の穂乃果にはわざわざ聞きに来てもらったのに対した答えができなかったことで申し訳なさを感じている様子。今笑顔のツバサとは対照的とはいかなくても少し落ち込んでいるような表情をしている。
穂乃果「ごめんなさい。なんかちゃんと答えられなくて……」
それも仕方のないことだろう。相手はスクールアイドルとしても先輩で、穂乃果が目標にしていた人物。そんな人が自分を頼ってきたのに何もできなかったとなれば落ち込む理由として十分だ。しかもそれがキャッチフレーズを考えているときだったということで余計にどう答えればいいのかわからなくなっている。原動力。自分たちを突き動かしているものの正体について穂乃果もμ'sも誰も気が付いていないのだ。その事実が今の穂乃果に重くのしかかる。
ツバサもこんな精神状態にするためにここに来たのではない。ここに来たのは自分の疑問を解決するため。今日はその目標が達成されることはなかったけどそれでもよかったと思えるほどの収穫は得たらしい。
ツバサ「気にしないで」
だからすがすがしい表情で穂乃果にそう言う。本当に何の不満もないという曇りのない最高の笑顔。
その笑顔を向けられると穂乃果も罪悪感から少し解放された気がした。だからだろうか、今言葉にしたいと思えるものが少しだけ頭の中に浮かび上がってくる。
穂乃果「でもA-RISEがいてくれたからこそ、ここまで来られた気がします!」
そう。μ'sの最大の目標はラブライブに優勝することだったけど、それだけで続けていたわけじゃない。廃校を阻止するために活動していた時も目標にしていたのはA-RISEで、A-RISEがいたからこそμ'sは始まり、ここまで来た。だからμ'sとA-RISEは穂乃果にとって切っても切れない関係で結ばれているのだ。
その穂乃果の言葉がお世辞ではなく本心で思っていることなのだと理解したツバサは先ほどよりも納得した様子で踵を返し歩き始める。
ツバサ「そう。じゃあね、高坂さん」
今日話したいことはすべて話し、聞きたいことは満足するレベルで聞けたツバサはもうそろそろ日が完全に落ちそうになっている方へ歩いていく。
その後ろ姿を見送るようにして見ていた穂乃果の頭には、朝からずっと離れないキャッチフレーズと、ツバサ聞かれたことが頭に残り、ツバサが見えなくなるまでずっと今いる場所から動けなかった。
一体μ'sの原動力とは、一言で表せる言葉とは何なんだろう? そんな考えが家に帰るまで延々と穂乃果の頭に巡り続けていた。
side out
空也side
時刻は20時。夜はこれからという時間に空也のスマホに1件の着信が入る。それは校門の前で別れた穂乃果から。出ないという選択肢が最初からない空也はすぐにスマホを取った。
穂乃果の話は空也たちと別れた後、ツバサと会話したときに聞かれたことについてが軽く聞かされる。そこで穂乃果が一番気になっていることについて他の人の意見も聴こうとしたところ空也に連絡が来たというわけだ。
そしてツバサに聞かれたことは1つ。
空也「μ'sを動かしてる原動力?」
そう。原動力。何があるからμ'sが動けるのか。どうして動けるのか。それがツバサが聞きたかったこと、そして今穂乃果が気になっていることだ。
その言葉がツバサから聞かされた時の穂乃果は内容は理解できてても答えを理解していなかった。
穂乃果『うん。私うまく答えられなくて……。空也君は何だと思う?』
だから他の人の意見を仰ごうとしている。あの時、穂乃果が出せなかった答えをもしかしたら出してくれると思ったから。
そして空也にはその考えがある。μ'sが突き動かされているもの。それは何かということに。μ'sというのは廃校を阻止するために立ち上がったスクールアイドルだ。それがたとえ自分のためだったとしても、結局は人のためになる。在校生にこれから入学しようと思っていた人や、卒業していった卒業生たち。きっとこういう人たちのためにもなったことだ。
それを目標に頑張って結果何が得られただろうか? もちろん廃校を阻止し、音ノ木坂学院という学校を存続させることができた。けど、それだけじゃない。ここで得られたものこそ、今μ'sが活動できる原動力なのだ。
空也「そりゃあ……。いや、でもそれがμ'sのキャッチフレーズになる言葉だと思うよ」
そしてそれが今悩んでいる答えなのかもしれないと直感的に空也はそう思った。空也は原動力となるものの存在をよく知っている。それはなぜか。理由は単純で空也はμ'sであってμ'sではないのだ。だから客観的にμ'sを見ることができる。そしてそれが空也を答えに導いたのだ。
そうして導き出された答えを聞いた穂乃果は当然のごとく驚く。
穂乃果『何!? 空也君なんかわかってるの!?』
それは今まで悩んで答えが出なかった穂乃果がすぐに答えにたどり着いた空也の言葉を聞いたから。今の穂乃果にとっては今の空也の答え以上に知りたいことはないのだろう。だから連絡をしたのだし、穂乃果自身も強く知りたいと思っている。
けど、それを簡単に教えるわけにはいかない。今まで必死になって頑張ってきたのはμ'sに困難があったから。だからこそ必死になって歌おうと想いが穂乃果たち自身に宿っていた。
空也「確かに俺が言うのもある意味てなんだろうけど。けどそれだと同じ事を自力で知ったときよりも想いが変わってくる」
が、それが簡単に手に入ってしまえば想いを乗せるなんてことが難しくなってしまう。それが今の空也の考えだ。
そんな答えを聞いた穂乃果は少しだけ意外そうにつぶやく。
穂乃果『想い?』
きっと空也だったら教えてくれるだろうと思っていた穂乃果には実際本当に意外なことだったのだろう。
それでも、空也は答えを教える気はない。教えてしまってはこれから始まる本戦に影響が出てしまうかもしれない。今は推測の域を出ないこの空也の考えだけど気にしておくことに越したことはない。
空也「あぁ、穂乃果自身が気づいて教えるなら文句はないけど、俺やほかの人に聞くのだと歌い手が歌に込める想いが欠けちまうからな。それに、穂乃果ならすぐに気が付くよ」
だから穂乃果が諦めてくれるように今空也が想っていることについて話す。そう。歌には想いが詰まっている。それは歌詞を書いた空也の想いだって。その想いをダイレクトに伝えるには歌い手の力が必要だ。それに空也は穂乃果が自分で気が付くということを直感で感じている。だからきっと大丈夫だ。
自分ではあまりそうは思っていない穂乃果は空也の言葉に少し不安そうな声で返す。
穂乃果『そう?』
1日悩んでも出てこなかったのにすぐに気が付くといわれてもなかなか納得できない自分がいる。けど、それと同じくらい空也の言葉を信頼している。もしかしたら本当に気が付くのかもしれない。とそんな考えが今までなかった穂乃果の中に芽生え始める。
穂乃果の声は少し不安そうだということに気が付いた空也だけどすぐに大丈夫だという確信を得ていた。
空也「あぁ。もう遅いし、じゃあな」
ギリギリに立たされた時の穂乃果は絶対に大丈夫だ。それは今まで一緒にいたからわかる。
電話を切ろうとしている空也の言葉に先ほどまで不安に感じていた穂乃果がすぐに答える。
穂乃果『……うん! 穂乃果頑張る! じゃあね空也君』
それは電話を引き延ばすものではなく、自分なりに頑張ってみるという意思表明。空也の思っていたことはすぐに実現したのだ。ということは直感で感じたことも本当にすぐに解決するのかもしれない。
μ'sがμ'sの原動力に気が付くのは本当にそう遠くない、むしろ近いうちなのだろうと電話を切った空也はそう思った。
空也はμ'sであってμ'sではない。今までサインをねだられた時などにあまりよく思っていなかったのはこのためです。μ'sだったらきっと穂乃果たちと同じく悩んでいるでしょうが客観的に見ている空也はもうすでに気が付いております。
さて、空也がどんな答えにたどり着いたのか、それは今後のお楽しみです!
そして先週の19日は真姫の誕生日でした! おめでとう!
次回『辞める』
それでは、次回もお楽しみに!
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